あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

奈良美智 展「セラミック・ワークス」(小山登美夫ギャラリー)

2010-05-15 19:14:47 | アート系
奈良美智 展「セラミック・ワークス」に行ってきました。

会場は小山登美夫ギャラリー。

奈良さんが信楽に通われてて製作した陶器たち。これまでにも奈良さんは立体作品を木彫りとFRPで制作していて、そのどれもが絵画からぶれていないのです。

イメージのキレのよさとでもいう雰囲気が平面と立体のどちらにも通底してるように思います。

だから、陶器でもよいものが出来上がってるのではないかという期待、というか確信を持っておりました。

まずは7階へ。今回は6階にも展示が続いています。

会場に足を踏み入れるなり、出迎えてくれるのは「ANYMORE FOR ANYMOIRE」。

両面に顔があり、片方は目を開いて、もう片方は目を閉じている。

絵画でも見られたモチーフ。

粘土をへらでえぐった時の裂けた感じとかはそのまんま出てるかのよう。

上部には花瓶のような口が開いている。人面+この口がなんとなく機関車トーマスちっくでもあるなあと。

これに花を生けたらどんな感じになるのだろう。いつか見てみたいものですね。

そのまま通路を進むと右手の壁にはドローイングが3点。

昨年、近代美術館の「エモーショナルドローイング」で見られた全力勝負のも好きなのですが、今回のはちょっととぼけててゆるい感じでこれはこれで好き。

そして、奥の部屋には大きなのが3点。あと小さいのが1点。

正面にどんと控えてるのが「森子」。

これ、なんだろう。

鼻のでかいおんなのこ?犬?それともタイトルどおりのイメージで森の妖精?

妙なんだけどもどこか見てるものに安堵感を与えてくれるこの感じ。不思議です。

体に比べて頭がでっかくアンバランスなのにしっかりと立っている。

頭部は金色、襟は銀、体は鉄が錆びたかのようなすすけた茶色。

このトーンのバランスも素敵。茶碗とかもすごいのが出来そう。

入って左の銀色のが「おたふく2号」。表面の質感が金属ぽくてよし。

右のゴールドのが「おたふく1号」。

頭にまかれたバンダナ状のは和の布。よくみるとこいのぼりの尻尾っぽいのがちょっとだけ見えてたり。

そして左の壁から張り出したところにちょこんと乗ってるのが「The Little Thinker」。

こういうちっちゃいのはまま土からできてるなあという感じでよいですね。

そして、手前の小さいほうの部屋には、、、、白く巨大な像が!

「Winter Riot」

牙がついてて目が怖い。その存在に圧倒される。3メートルはあろうか?

よくみると眼球の部分は抜かれてて、瞳の部分だけ丸い円盤になったものがくっついている。こんなふうに作ってちゃんとできるんですね。びっくり。

エッジが立ってて怖さが増してるように思います。

ふう、なんかすごいことになってるなあ。やっぱりひとが多かったです。見られないような密度ではないのだけども。

普段は誰もいないはずの展示室に係りのひとがいるのも納得。


さて、次は6階。

壷!!かわいすぎるから!!

もうメロメロになりますね。

中央のひな壇の上に並んだ大小9つの壷たち。

黒でしっかりと描かれた顔。

つるつるした表面の質感とフォルムはどことなくマトリョーシカを思い浮かべてしまう。

なんだろう?陶器でこういうの作れるはずだけども、こういうのって見たことない。

犬がビューんて飛んでたり、もう自由!!

でも、そのかわいらしさ一辺倒ではないのです。

底の辺りに書かれた文字を発見して奈良さんんらしいなあと。

しゃがんで低い目線で見ると見えるものがあります。

「政治家がちゃんとしないと戦争でひとが死ぬ」というようなことが書かれててました。

左奥の花瓶はシンプルだけどそこはかとない感じがなんとも言えないなあと思いました。この花瓶のみ、唯一紫の花が生けられてました。

やはりこういうのは使ってこそですね。

さて、じっくりと陶器たちを堪能した後、ビルを出て歩いていると向こうからならさんと小山さんが!!

思わず呼び止めて握手してもらっちゃいました。

「あおひーです」と名乗ってみたところ、ちゃんとツイッターで書いたのも見ていただいてたようでうれしかった~。

というわけでまたブログに書かせていただきました。

今回の陶器、本当によかったです!!また会期中に伺いますね。


6/19まで。必見です!
(日・月曜日、祝祭日はオヤスミざまず!)

また銀座のTKG エディションズで「奈良美智― エディション作品とグッズを中心に」も2010 年5月15日(土)- 6月19日(土)で同期間開催です。


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16 コメント

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Unknown (はろるど)
2010-05-20 21:31:47
あおひーさんこんばんは。初日のお出かけでしたか。(どうやらニアミスだったようです。)会場も盛況でさすがという感じでしたね。あの壺たち、本当に可愛いなと思いました。

握手、羨ましいです!
返信する
Unknown (あおひー)
2010-05-21 23:56:49
こんばんは。
わたしは初日の午後一に行ってました。

目の毒でしたね~。

でも、さすがに100万オーバーでは手が出ないのである意味で諦めもつきます。

>握手、羨ましいです!
ほんと、ラッキーでした。あと数分早く出ていたら奈良さんに会えませんでしたから。
返信する
Unknown (せいな)
2010-06-03 12:57:22
初めて清澄まで行ってきました。
ちょと精神的に弱っていた時だったので
もう涙が止まりませんでした。
「森子」の安堵感はたまりません。
あの子のぬいぐるみが欲しい。
私が抱いて眠りたいです。
返信する
Unknown (あおひー)
2010-06-03 23:16:14
そこになにものかがいるという感じ。
この稀有な感覚を味わえたことが何よりもうれしかったです。
>「森子」の安堵感はたまりません。
いいですよね~。
あれらの陶器の作品集が出るということで楽しみにしています。
ぬいぐるみもあったら欲しいな~。
返信する
あおひ-さん、初めまして (さら)
2010-06-15 17:01:52
奈良さん初心者です。

「Slash with a Knif」を見て、ただただ涙が止まらず、奈良さんの子供達に会いたくて清澄白河まで行ってきました。

ほとんど人がいなかったので、ガールズ3人の真ん中に立ち、至福の時を過ごして参りました。

知らない事が多すぎて、またコメント・質問させていただいても宜しいでしょうか?
返信する
はじめまして (あおひー)
2010-06-16 08:37:12
はじめまして。
奈良さんの作品に出会えてよかったですね!

奈良さんの個展って日本でお目にかかれるタイミングがここんところ少なかったのでラッキーでした。

なんかあればわかる範囲でお答えしますよ。
返信する
こんばんは (さら)
2010-06-17 19:42:03
今回奈良さんの作品展に巡り会えたのは、とても幸運だったんですね。

○○展とか美術館は行ったことはありますが、ギャラリーに行くのが初めてなのでドキドキでした。あの配送センターの事務所のような場所も衝撃だし、無料でいいんですか?と言った感じで…。奈良さんの個展は、そういう物なんですか?本当に初歩的な質問でごめんなさい。

おたふく2号がヨーロッパにお嫁入りする前に、今日の夕方また会いに行ってきました。前回より多少混んでいましたが、奈良さんの子供達の前で、私を含めみんな思わずしゃがみ込んでそして微笑んでしまう…そんな温かい雰囲気に溢れてました。

ただ、私はおたふく2号にもう会えないのかと思ったら、涙がこみ上げてしまいましたが、やっぱり癒されて帰ってきました。
返信する
Unknown (あおひー)
2010-06-17 23:58:47
ええ、とてもいいめぐり合わせだったのではないでしょうか。

基本的にギャラリーは無料です。
(たまに微妙にとったりするところもなくもないのですが)

美術館の展示であれば有料だと考えてください。

わたしは2回、清澄で森子たちに会いましたが、出来ればもう一回みたいなともくろんでたりします。

>ただ、私はおたふく2号にもう会えないのかと思ったら、涙がこみ上げてしまいました

そーなんですよねー。売れてくれるのはうれしいことですが、なかなか見られなくなるのは寂しいことですよ。

でも、もっとたくさんのひとに見てもらえたらそれはそれでいいことなのだと思います。
返信する
おはようございます (さら)
2010-06-19 09:15:01
丁寧に教えていただきありがとうございます。

いよいよ、セラミック・ワークス展も今日が最後ですね。何だか寂しいです。

真っ白な部屋の真っ白な「White Riot」に圧倒され感動して、その興奮を奈良さんに向かってツィートしたのですが、私、「White Riot」はオオカミ少女の巨大版だと勘違いしていて、かなり見当違いに呟いてしまいました。

あおひ-さんのブログを読んで気が付いて、かなり恥ずかしかったです。

横浜展がまたあるみたいですね。
2001年の横浜展で展示された、ティーカップに子供の顔がつまれた作品を写真集で見て一目惚れしてしまいました。
あの子達は、今どこにいるかご存知ですか?一目会いたいです。

変な質問ばかりでごめんなさい。
返信する
Unknown (あおひー)
2010-06-19 23:54:09
いえいえ、たしてことは知らないんですけどお役にたてれば何よりです。

ということで最終日、行ってきちゃいました。3回目だとまたいろいろと発見があって面白かったです。

White Riotがやはり一番好きかなあ。あの存在感の感じはちょっと抜け出ているなあと。

>ティーカップに子供の顔がつまれた作品Fountain of Lifeという作品です。
調べてみたら出てきました。
http://www.tagboat.com/contents/column/event_nara_20041016.htm
なんと、2004年時点では作家蔵となってるのでまだ奈良さんのところにあるのかもしれませんね。

AtoZで見て以来見てないので、また会いたいですね~。
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