望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その5>

2019-07-03 23:43:20 | 舞台・ウラ話

 

机に開けた穴に、

スチーマーをぴったり合わせて置かない限り、

下から煙が漏れ出してしまう。

 

つまり、芝居の中で、

これをきっちり合わせて置く必要が出てきました。

 

 

その時の芝居の流れは、

彼女がスチーマーをポンと置いた後、

また仕事で呼ばれて、一度、舞台そでに入り、

 

「よっしゃぁ、これでやっとスチーマーができるぞ!」

と、ウキウキしながら戻ってきて、スイッチオン、

という流れでした。

 

つまり、彼女がそでに入った時に直せば、

それでうまくいくワケです。

 

そりゃね・・・。

確かに私が一番近くにいたし、

認知症の老人の役だったので、

スチーマーをもの珍しく眺めて、

位置を整える事は可能でした。

 

なんだけどね、だけどね。

今まで、この一部始終を見てきてるのよ、私は。

 

これ、よほど完璧に置かないと、

煙が少しずつ漏れてくる・・・って、わかってるのよね~。

 

それもほんの短い時間でやらなきゃいけないって、

 

   も・の・す・ご・い・プレッシャーじゃないの

 

でも、これはやるしかないので、

「はい、私やります」ということになりました。

 

 

しかし、このシーンが近づいてきたら、

もう、気になること、気になること!

 

稽古場で最初にやった時など、

あまりに真剣になりすぎて、、

 

「認知症の老人、どっか行っちゃいましたねー」

と大笑いされたりして。

 

本番の時は、さすがにちゃんとやりましたが、

困ったことに、その前から、

気になって芝居に集中できない(笑)

 

袖にハケたあとも、心配で心配で、

毎公演、こっそり袖から、煙の具合を見ていました。

 

        

客席から見れば、本当に一瞬のシーン。

でも、こんな感じで、あーでもない、こ-でもないと、

稽古場で大騒ぎしていることって、

けっこうあるんです。

 

私が客席から見ていても、まるっきり気づかず、

後から出演者に聞いて、

「へぇ~」なんてこともありますし、

 

極端な話、同じ公演に出ていても、

自分が全く関わってないと、

知らないままで終わってしまうこともあったりするという、

まさに当事者たちだけの「見えない苦労」。

 

次回からは、違うパターンの「見えない苦労」を、

書いていきたいと思います。

 

   <つづく>

 

 

 

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