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パンダと不動産と三国志の都・成都~成都パンダ基地訪問

2014年01月21日 | 普通の日記
先日四川省成都にある「パンダ基地」(成都大熊猫繁育研究基地)に行ってきました。ここは中国最大規模のパンダの繁殖・生育基地です。観光用に一般公開されており「パンダ専門動物園」といったかんじのところです。赤ちゃんパンダから高齢パンダまで、たくさんのパンダを見学することができる成都のメジャー観光地の一つです。

成都大熊猫繁育研究基地(パンダ基地)
入場料:大人58元(2014年1月現在/日本円換算約1000円)
オフィシャルサイト(日本語版もあります)
http://www.panda.org.cn/

■正面ゲート。国内客が多いですが、欧米人の観光客の姿も目立ちます。


■チケット


交通機関は、成都市内の「新南門バスターミナル」から出ている直通バスが便利ですが、直通バスの運行時間やバスの乗り方がよく分からない場合はタクシーを使ってもいいと思います。ひどい渋滞にぶつからなければ、成都市街地から片道30分~45分で着くので、50元から100元の間で足りると思います(日本円換算で片道1700円以内)。
帰りは、正面ゲートを入ってすぐのところに直通バス(直通車)のチケット売場があるので、切符を買いやすいです。直通バスは1時間に1本くらいの間隔で運行されています。ゲート前にタクシーも何台か止まっています。

パンフレットには3時間コース、1.5時間コースがモデルプランとして設定されていますが、全体をざっくり見るだけでも最低2時間はかかると思います。ゆっくり見たら半日かかります。園内は有料カートが走っていますが、カートが運行しているエリアは限られているので、かなり歩くことになります。また、園内は広く道が蛇行しているので迷いやすいです。1.5時間などの短時間で見学したい場合、ガイドさんを頼んで引導してもらった方がいいです。

パンダ基地では、パンダが屋外で過ごしている姿を見ることができます。パンダは生殖能力が極めて低いことで有名ですが、近年は安定的に繁殖に成功しており、園内のパンダの数は100頭を超えています。

■成獣パンダ。午後は特にごろごろしています。


■パンダが何匹もいて、適当に転がっています。石なのかパンダなのかよく分からないときがあります。毛がだいぶ汚れています。


■成獣パンダ。


成獣になると単体で生活する習性で、食べているか寝ているかのどちらかですが、赤ちゃんパンダは本当に可愛らしく仲間と遊びんでころころ転がっています。
■生まれたばかりの赤ちゃんパンダ。


■1歳未満の子供パンダ。午後になっても皆でご飯を食べている。手で上手に竹を持ちます。


■幼年パンダ。




■かなり近い距離でパンダを見ることができます。


パンダたちが食べている竹は、原生林から輸送したものだそうです。しかもパンダは、草食化したにも関らず、肉食動物の胃の仕組みをしており、消化効率が悪いです。野生のパンダは1日8時間活動し、8時間のうち4時間は食物の竹を探して歩き、残りの4時間は竹を食べる時間と言われます。人間に育成されているパンダたちは、自分で食物を探す必要がないので、食べる時間以外は寝ています。パンダの育成には莫大なお金がかかります。「パンダ基地」では、企業が育成資金を寄付し、パンダの“養い親”(フォスターペアレンツ)になるという仕組みが取られています。パンダの成育費を引き受ると、パンダの名付け親になることができます。2~3年の期間限定援助も可能です。日系企業では、東芝グループの中国現地法人がパンダの期間限定スポンサーになっていました。パンダの名前は「東東」(トントン)と「芝芝」(ジージー)です・・・。

■香港のテレビ局「鳳凰衛視」(フェニックステレビ)が“生涯フォスターペアレント”になったことの記念碑。2匹のパンダに「鳳鳳」(フェンフェン)と「凰凰」(ホアンホアン)と命名。


■モトローラの中国法人が“生涯フォスターペアレンツ”に。


パンダ基地では「お金を払えばパンダを抱いて一緒に写真を撮ることができる」と聞いていました。こういう言い方をすると、パンダを使ったえげつないお金儲けのように思われますが、実際には、パンダを知る学習プログラムに参加し、そのプログラムの過程でパンダを触り、写真撮影もできるという形が取られています。プログラムの参加費は「2000元以上」(今のレートで約35000円以上)です。受入人数、申込時間に制限があるので、「2000元払えばいつでもパンダと写真が撮れる」というわけではないです。

現在野生のパンダが生息する地域は極めて少なくなっており、生息が確認される地域は四川省、陝西省、甘粛省などごく僅かです。パンダ基地のことを「パンダの故郷」と呼んでいた人もいるので、静かな山奥にあるのかと思っていましたが、全然違いました。原生林とはほど遠い環境にあり、郊外の農地を買取ってパンダ園を建設したようなかんじでした。
いま成都は内陸の中核都市として経済成長が著しく、不動産建設ラッシュです。パンダ基地がある郊外にもマンション建設が迫っています。パンダの生息地が減少したのは、人間が自然環境を奪ったことが大きな要因の一つです。一方、基地内のパンダの数が増えたのは研究技術の進歩と資金のおかげです。その資金は中国経済の成長にかかっており、中国経済を左右するのは不動産業と言われています。成都では、不動産建設とパンダの繁殖、二つの「成長」を同時に見ることができます。私自身、元旦から成都に行ったのは、パンダを見るためではなく、友人が成都郊外に購入したマンションの引渡しに同行するためでした。

■パンダ基地園内。


■成都市内から郊外のパンダ基地へ向う間の風景。郊外にも大規模マンションの建設が進んでいます。
コメント (8)
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