先に謝っておくがレポート的な内容はない。昨夜劇場に行けず、現場の雰囲気を少しでも知りたいからと、こんな辺境の ( そして偏狭な ) ブログまで読んでくださっている方には、ひたすら申し訳ないのだが、たぶんこれを読んでも「てめーのぐだぐだした感傷はどうでも良いから、当日のレポ書けよ!」といった気分にしかならないと思う。
前夜から 25 日の朝方まで、書けない手紙に悩んだ。卒業する折井さんに、そしてチーム B に異動する浦野さん、平嶋さん、渡邊さんに、それぞれ伝えたい気持ちがあったのだけれど、今さら私がその 4 人に手紙を書くのはどうにもインチキ臭い気がして、とうとう書けなかった。それとは別に、朝になって一推しの人には手紙を書いたのだけれど、寝不足頭でぼーっとしていたせいか、部屋を出る時に置き忘れて来てしまう。
この日のチケットは、メール申し込みによる完全抽選制だったが、幸いなことに私は当選していた。開演より少し遅れて着く予定だったのだが、何とかやり繰りして、キャンセル待ち入場のあたりで劇場着。立ち見の後ろの方から、どうにかステージを垣間見る。3rd はこのあたりで見ることが多かったなあ。セットリストが変わるごとに「あの頃は良くここで見た」みたいな些細なことが、小さな思い出になって行くのを感じる。
メンバーは全身に気力が漲り、動きの 1 つ 1 つに思いがこめられていた。すばらしいステージングだったと思う。3rd ステージは 5 箇月のロングランになったが、当初の「こなれていない感じ」を予想以上に早く克服し、それ以降もほとんどのメンバーが、地味ながら個々のパフォーマンスのクオリティを上げ続けて来た。その集大成として、そしてまた「20 人のチーム A」の集大成として、充実したステージングを見せてくれた。
各曲のそれぞれに思いはあれど、私にとっては、劇場で聴く最後の「ライダー」は万感胸に迫るものがあった。本当はあの曲を聴くのは毎回、少し辛かった。最初のうちは何度も泣いたし、その後、笑顔で聴こうと思い決めて以降も、ちょっと油断すると、うっかり落涙することしばしばだった。私に比べたら、はるかに彼と親しかった何人かの友人たちは、もっとずっと複雑な思いを抱えながら、あの曲を聴き続けて来たと言っていた。
でも、ユニットメンバーが明るく歌い続けてくれたことが、私たちを少しずつ癒してくれた。以前、なっちゃんが MC でわずかに明かしてくれたように、ユニットメンバーは皆泣きながらレッスンし、それを見ている他のメンバーもまた、皆で泣いていたという。しかしステージでは、ユニットメンバーはずっと笑顔だった。そのおかげで私たちは、悲しみから目を背けるのでなく、忘れるのでなく、幾度となく真正面から向き合いながら、それを受容し、そしてゆっくりと浄化していくことができた。
今はただ、ありがとうと言いたい。彼と共に過ごした日々に。彼を永遠の物語にしてくれた人たちに。そして、その人たちと共に過ごした日々に。本当にありがとう。
そしてステージは後半戦に。「夏が行っちゃった」どころか、劇場の外では秋も行っちゃって冬になっているというのに、毎回その時だけは、劇場の中に夏の終わりの風が吹いた。みんなの表現力が上がって来たからこそ錯覚できるその瞬間が好きだった。曲の最後で 20 人が夏の終わりを見送るように見上げる視線が好きだった。
やがて本編最後の曲「誰かのために」へ。清らかに歌い上げる彼女たちの若さの輝きをまぶしく見つめながら、いつも自分に問い続けた。生きていることの素晴らしさ。誰かと共にあることの大切さ。命ある者として、自分に何ができるだろう。誰かのために、私は何をすべきだろう。残された時間は、どれだけあるのだろうかと。
アンコール前、おそらく最後のチーム A 応援歌をファンが合唱。これは「20 人のチーム A」とともに封印されるべきものだろう。そしてアンコール曲が始まる。楽しいメドレーの中で、しかし確実に「20 人のチーム A」が終わる「その時」が近付いているのを感じる。「涙売りの少女」がカットされたのは少し残念だった。いつも通りの千秋楽をやり遂げてこその卒業であって欲しかった気がする。
メンバー 1 人 1 人と折井さんの会話は、それぞれの思いを痛切に反映していた。辛い思いを抱えた時に、気付いてくれた人。傍にいて、話を聞いてくれた人。励まして、一緒に頑張ろうと言ってくれた人。甘えないようにしていたけれど、でも最後の最後には頼れると思わせてくれた人。程度の差はあれ、みんながあゆ姉に支えられていたのだ。その「あゆ姉」が、「みんなのお姉さん」が、チーム A からいなくなる。AKB48 を離れて、自分だけの道を歩みだす。もう会えないわけでもなく、友達でいられなくなるわけでもない。しかし、あまりにも身近にいた大きな存在を「失う」一面があることは間違いない。それぞれにとっての、別れの重さ。
そして忘れてはいけないが、浦野さん、渡邊さん、平嶋さんについても、いわばチーム A から転校していくような、小さな別れだったのだ。ガラガラの劇場とカフェから始まった 21 人の物語は、こうして少しずつではあるけれど、次第に枝分かれして行こうとしている。
劇場を出た後、私は何だか一区切りついた気分になっていた。「20 人のチーム A」を見届けた、と思えた。もちろん物語はまだ序盤の章を終えたに過ぎず、次章以降も目まぐるしいほどの展開をするのだろう。私もその奔流の中に身を置き、変わらず応援し続けて行くつもりではいる。しかしとりあえず、今この時点での気持ちとしては、ほっと一息をついて、ありがとう、と言っておきたい。卒業した折井さんに。異動する 3 人に。そして「20 人のチーム A」と共に過ごした日々に。心から、どうもありがとう。それぞれに、それぞれの幸あれと願いつつ。
前夜から 25 日の朝方まで、書けない手紙に悩んだ。卒業する折井さんに、そしてチーム B に異動する浦野さん、平嶋さん、渡邊さんに、それぞれ伝えたい気持ちがあったのだけれど、今さら私がその 4 人に手紙を書くのはどうにもインチキ臭い気がして、とうとう書けなかった。それとは別に、朝になって一推しの人には手紙を書いたのだけれど、寝不足頭でぼーっとしていたせいか、部屋を出る時に置き忘れて来てしまう。
この日のチケットは、メール申し込みによる完全抽選制だったが、幸いなことに私は当選していた。開演より少し遅れて着く予定だったのだが、何とかやり繰りして、キャンセル待ち入場のあたりで劇場着。立ち見の後ろの方から、どうにかステージを垣間見る。3rd はこのあたりで見ることが多かったなあ。セットリストが変わるごとに「あの頃は良くここで見た」みたいな些細なことが、小さな思い出になって行くのを感じる。
メンバーは全身に気力が漲り、動きの 1 つ 1 つに思いがこめられていた。すばらしいステージングだったと思う。3rd ステージは 5 箇月のロングランになったが、当初の「こなれていない感じ」を予想以上に早く克服し、それ以降もほとんどのメンバーが、地味ながら個々のパフォーマンスのクオリティを上げ続けて来た。その集大成として、そしてまた「20 人のチーム A」の集大成として、充実したステージングを見せてくれた。
各曲のそれぞれに思いはあれど、私にとっては、劇場で聴く最後の「ライダー」は万感胸に迫るものがあった。本当はあの曲を聴くのは毎回、少し辛かった。最初のうちは何度も泣いたし、その後、笑顔で聴こうと思い決めて以降も、ちょっと油断すると、うっかり落涙することしばしばだった。私に比べたら、はるかに彼と親しかった何人かの友人たちは、もっとずっと複雑な思いを抱えながら、あの曲を聴き続けて来たと言っていた。
でも、ユニットメンバーが明るく歌い続けてくれたことが、私たちを少しずつ癒してくれた。以前、なっちゃんが MC でわずかに明かしてくれたように、ユニットメンバーは皆泣きながらレッスンし、それを見ている他のメンバーもまた、皆で泣いていたという。しかしステージでは、ユニットメンバーはずっと笑顔だった。そのおかげで私たちは、悲しみから目を背けるのでなく、忘れるのでなく、幾度となく真正面から向き合いながら、それを受容し、そしてゆっくりと浄化していくことができた。
今はただ、ありがとうと言いたい。彼と共に過ごした日々に。彼を永遠の物語にしてくれた人たちに。そして、その人たちと共に過ごした日々に。本当にありがとう。
そしてステージは後半戦に。「夏が行っちゃった」どころか、劇場の外では秋も行っちゃって冬になっているというのに、毎回その時だけは、劇場の中に夏の終わりの風が吹いた。みんなの表現力が上がって来たからこそ錯覚できるその瞬間が好きだった。曲の最後で 20 人が夏の終わりを見送るように見上げる視線が好きだった。
やがて本編最後の曲「誰かのために」へ。清らかに歌い上げる彼女たちの若さの輝きをまぶしく見つめながら、いつも自分に問い続けた。生きていることの素晴らしさ。誰かと共にあることの大切さ。命ある者として、自分に何ができるだろう。誰かのために、私は何をすべきだろう。残された時間は、どれだけあるのだろうかと。
アンコール前、おそらく最後のチーム A 応援歌をファンが合唱。これは「20 人のチーム A」とともに封印されるべきものだろう。そしてアンコール曲が始まる。楽しいメドレーの中で、しかし確実に「20 人のチーム A」が終わる「その時」が近付いているのを感じる。「涙売りの少女」がカットされたのは少し残念だった。いつも通りの千秋楽をやり遂げてこその卒業であって欲しかった気がする。
メンバー 1 人 1 人と折井さんの会話は、それぞれの思いを痛切に反映していた。辛い思いを抱えた時に、気付いてくれた人。傍にいて、話を聞いてくれた人。励まして、一緒に頑張ろうと言ってくれた人。甘えないようにしていたけれど、でも最後の最後には頼れると思わせてくれた人。程度の差はあれ、みんながあゆ姉に支えられていたのだ。その「あゆ姉」が、「みんなのお姉さん」が、チーム A からいなくなる。AKB48 を離れて、自分だけの道を歩みだす。もう会えないわけでもなく、友達でいられなくなるわけでもない。しかし、あまりにも身近にいた大きな存在を「失う」一面があることは間違いない。それぞれにとっての、別れの重さ。
そして忘れてはいけないが、浦野さん、渡邊さん、平嶋さんについても、いわばチーム A から転校していくような、小さな別れだったのだ。ガラガラの劇場とカフェから始まった 21 人の物語は、こうして少しずつではあるけれど、次第に枝分かれして行こうとしている。
劇場を出た後、私は何だか一区切りついた気分になっていた。「20 人のチーム A」を見届けた、と思えた。もちろん物語はまだ序盤の章を終えたに過ぎず、次章以降も目まぐるしいほどの展開をするのだろう。私もその奔流の中に身を置き、変わらず応援し続けて行くつもりではいる。しかしとりあえず、今この時点での気持ちとしては、ほっと一息をついて、ありがとう、と言っておきたい。卒業した折井さんに。異動する 3 人に。そして「20 人のチーム A」と共に過ごした日々に。心から、どうもありがとう。それぞれに、それぞれの幸あれと願いつつ。