研究生(10期生)金沢有希さんの研究生自体が伝えられた数時間後に、今度はチームB(2期生)奥真奈美さんの卒業発表。心穏やかに過ごしたはずの週末が、いきなり眠れない夜になってしまった。
例によってお断りだが、以下の記述はすべて私の妄想であり、事実を述べたものではないので、誤解のないようにお願いしたい。
金沢さんについて言えば、もったいないの一言に尽きる。人気と実力の和で言えば、間違いなく10期生でトップ2の一人だった。ちょっとしたタイミングの問題で、10期生からメンバーへの昇格(昇格というよりメンバー枠の空き待ちリスト入り、などという意地悪な言い方もしたくなる処遇ではあるが)の一番乗りではなかったけれど、間違いなく「次」か「その次」であるはずの人だった。つい数日前の研究生公演でも、良いステージングをしていたと思うのに、どうしてこういうことになってしまったのか。「一身上の都合」の背景に何があったか知る由もないが、ファンとしてはひたすら惜しい。
地方から出て来て、心細いこともあっただろう。研究生という不安定な身分に不安もあっただろう。それでいて、研究生公演はあまりにも多く、心身ともに疲弊していたのだろうか。夢があれば頑張れる、と言葉で言うのは簡単だけれど、人は誰でも疲れて膝をついてしまうことがある。普通の世界だったらちょっと一休みをしてまた歩き出せば良いだけのことなのだけれど、どうやらAKB48でそれは許されないみたいだ。でも、もし心身の疲れが癒えて「一身上の都合」がクリアされる時が来たら、そしてその時に、もう一度AKB48で頑張ってみようと思ってくれるなら、どうかまた、劇場に戻って来て欲しいと思う。あなたなら、少々のブランクがあっても、研究生オーディションくらいはあっさり通過できるはずだから。
奥さんについては、いろいろ複雑な思いがある。もともと、10歳という若さで加入したこともあり、本人もコメントしている通り「何も分からないまま言われたことを」やっているという印象は拭えなかった。だから彼女に「本当にアイドルになりたいのか、やる気があるのか」と問うのは愚問だと思っていた。おそらく彼女は「良く分かりません」とか「特にないです」とか言うだろうから。もちろん彼女も中学生になり、それなりに知恵がついて来た後では、そんなことは言わなかっただろうけれど、でも本質的に彼女の核にあったのは「流れのままに、求められることをする」という原則だったんじゃないかと思う。それでも旧チームKの輪の中ではやっていられた。取りこぼしを出さないようにメンバー同士が結束していたし、彼女にきちんと「やるべきことをやれ」と要求する人がいたのだろうし、その範囲においては彼女も頑張れていたから。
けれど、その彼女にとってのその構図が壊れた。言うまでもなくチーム改編だ。新チームBは彼女にとって都合の良い場所ではなかった、ように思う。もともとキャプテンはあまり他人に積極的に関与する人とは思えないし、ましてやAKB48では先輩に当たる奥さんに対して、はっきりと物を言いづらいだろう。言ったところで奥さんが素直に聞く性格とも思えない。旧チームKメンバーはといえば、まさにチーム改編の時に「旧チームKのエッセンスはチームKに残す」とした通り、暑苦しいほどチームの結束を大事にするツインタワーはチームKに残ったのであり、旧チームKメンバーの全員が同様の原則を外に持ち出したわけではない。新チームBに来た旧チームKメンバーは、どちらかと言えば独立独歩型の人が多いように見える。例外的に、今ではすっかりストイックな劇場公演クオリティ追求派に変貌を遂げた河西さんも「新チームとしての」公演クオリティを指向していて、旧チームKの結束はあくまでも旧チームKでのこと、と割り切っていたように見える。では、新チームBで唯一の初期メンである平嶋さんはどうかと言うと、MCなどのやり取りを聞いている限り、平嶋さんが旧チームBにいたという時点で、すでに奥さんの方が上から目線になっているように聞こえたので、仮に平嶋さんが何か言ったところで、奥さんが聞くようにも思えない。
かくして彼女は、身近で手綱を握ってくれる人を失ってしまった。もっとも、2期生オーディションからすでに5年、彼女ももう15歳になっている。15歳は世間ではまだ子どもだけれど、芸能界でアイドルとして生きて行くならば、もう十分に自分の頭で判断しなければいけない年頃だ。たとえば平嶋さんがチームB移籍後、年齢では上の人も含めた後輩たちをまとめ上げて「中三管理職」の異名をとった(今さらいうことでもないがこのネーミングは絶妙だったと思う)ことを思い起こせば、それはあながち無理な要求ではない。逆に、15歳という、それなりに知恵もついて周囲も見える年頃になって、自分が何をすべきなのか、どうあるべきなのかを、自分でそれなりに考えられなければ、日々が虚しくなって行くのはやむを得ないことだったのだと思う。いやむしろ、それを自分で考えられるようになったからこそ、流されるままに居続けたこの場所から去ることを決断できた、のかも知れない。
それにしても、メンバーの卒業をブログ発表で知るというのも、複雑なものだなぁ。劇場か、せめてコンサートで発表するものではないのだろうか。まぁコンサートでの卒業発表には賛否あると思うが、5年もメンバーとしてやって来た人の卒業を劇場で発表しないというのは、本人にとって、あるいはAKB48にとって、もうそんなに劇場が大事じゃないということなのかと勘繰りたくもなる。
もう一つ、奥さんは4月の握手会イベントまで会う機会があるようだけれども、金沢さんは辞退の申し出が2月20日付けで受理されたということは、もう劇場でも握手会でも会う機会はないということだろう。これも何とも腑に落ちない。あれだけ研究生公演で頑張り続けていた人なのに、去るとなったらお別れを言う機会もない。AKB48にとって劇場公演が基本だというなら、せめて、劇場を留守にし続けている正規メンバーたちには、劇場で燃え尽きてしまった研究生を、最敬礼で見送ってあげて欲しいと思ってしまう。
例によってお断りだが、以下の記述はすべて私の妄想であり、事実を述べたものではないので、誤解のないようにお願いしたい。
金沢さんについて言えば、もったいないの一言に尽きる。人気と実力の和で言えば、間違いなく10期生でトップ2の一人だった。ちょっとしたタイミングの問題で、10期生からメンバーへの昇格(昇格というよりメンバー枠の空き待ちリスト入り、などという意地悪な言い方もしたくなる処遇ではあるが)の一番乗りではなかったけれど、間違いなく「次」か「その次」であるはずの人だった。つい数日前の研究生公演でも、良いステージングをしていたと思うのに、どうしてこういうことになってしまったのか。「一身上の都合」の背景に何があったか知る由もないが、ファンとしてはひたすら惜しい。
地方から出て来て、心細いこともあっただろう。研究生という不安定な身分に不安もあっただろう。それでいて、研究生公演はあまりにも多く、心身ともに疲弊していたのだろうか。夢があれば頑張れる、と言葉で言うのは簡単だけれど、人は誰でも疲れて膝をついてしまうことがある。普通の世界だったらちょっと一休みをしてまた歩き出せば良いだけのことなのだけれど、どうやらAKB48でそれは許されないみたいだ。でも、もし心身の疲れが癒えて「一身上の都合」がクリアされる時が来たら、そしてその時に、もう一度AKB48で頑張ってみようと思ってくれるなら、どうかまた、劇場に戻って来て欲しいと思う。あなたなら、少々のブランクがあっても、研究生オーディションくらいはあっさり通過できるはずだから。
奥さんについては、いろいろ複雑な思いがある。もともと、10歳という若さで加入したこともあり、本人もコメントしている通り「何も分からないまま言われたことを」やっているという印象は拭えなかった。だから彼女に「本当にアイドルになりたいのか、やる気があるのか」と問うのは愚問だと思っていた。おそらく彼女は「良く分かりません」とか「特にないです」とか言うだろうから。もちろん彼女も中学生になり、それなりに知恵がついて来た後では、そんなことは言わなかっただろうけれど、でも本質的に彼女の核にあったのは「流れのままに、求められることをする」という原則だったんじゃないかと思う。それでも旧チームKの輪の中ではやっていられた。取りこぼしを出さないようにメンバー同士が結束していたし、彼女にきちんと「やるべきことをやれ」と要求する人がいたのだろうし、その範囲においては彼女も頑張れていたから。
けれど、その彼女にとってのその構図が壊れた。言うまでもなくチーム改編だ。新チームBは彼女にとって都合の良い場所ではなかった、ように思う。もともとキャプテンはあまり他人に積極的に関与する人とは思えないし、ましてやAKB48では先輩に当たる奥さんに対して、はっきりと物を言いづらいだろう。言ったところで奥さんが素直に聞く性格とも思えない。旧チームKメンバーはといえば、まさにチーム改編の時に「旧チームKのエッセンスはチームKに残す」とした通り、暑苦しいほどチームの結束を大事にするツインタワーはチームKに残ったのであり、旧チームKメンバーの全員が同様の原則を外に持ち出したわけではない。新チームBに来た旧チームKメンバーは、どちらかと言えば独立独歩型の人が多いように見える。例外的に、今ではすっかりストイックな劇場公演クオリティ追求派に変貌を遂げた河西さんも「新チームとしての」公演クオリティを指向していて、旧チームKの結束はあくまでも旧チームKでのこと、と割り切っていたように見える。では、新チームBで唯一の初期メンである平嶋さんはどうかと言うと、MCなどのやり取りを聞いている限り、平嶋さんが旧チームBにいたという時点で、すでに奥さんの方が上から目線になっているように聞こえたので、仮に平嶋さんが何か言ったところで、奥さんが聞くようにも思えない。
かくして彼女は、身近で手綱を握ってくれる人を失ってしまった。もっとも、2期生オーディションからすでに5年、彼女ももう15歳になっている。15歳は世間ではまだ子どもだけれど、芸能界でアイドルとして生きて行くならば、もう十分に自分の頭で判断しなければいけない年頃だ。たとえば平嶋さんがチームB移籍後、年齢では上の人も含めた後輩たちをまとめ上げて「中三管理職」の異名をとった(今さらいうことでもないがこのネーミングは絶妙だったと思う)ことを思い起こせば、それはあながち無理な要求ではない。逆に、15歳という、それなりに知恵もついて周囲も見える年頃になって、自分が何をすべきなのか、どうあるべきなのかを、自分でそれなりに考えられなければ、日々が虚しくなって行くのはやむを得ないことだったのだと思う。いやむしろ、それを自分で考えられるようになったからこそ、流されるままに居続けたこの場所から去ることを決断できた、のかも知れない。
それにしても、メンバーの卒業をブログ発表で知るというのも、複雑なものだなぁ。劇場か、せめてコンサートで発表するものではないのだろうか。まぁコンサートでの卒業発表には賛否あると思うが、5年もメンバーとしてやって来た人の卒業を劇場で発表しないというのは、本人にとって、あるいはAKB48にとって、もうそんなに劇場が大事じゃないということなのかと勘繰りたくもなる。
もう一つ、奥さんは4月の握手会イベントまで会う機会があるようだけれども、金沢さんは辞退の申し出が2月20日付けで受理されたということは、もう劇場でも握手会でも会う機会はないということだろう。これも何とも腑に落ちない。あれだけ研究生公演で頑張り続けていた人なのに、去るとなったらお別れを言う機会もない。AKB48にとって劇場公演が基本だというなら、せめて、劇場を留守にし続けている正規メンバーたちには、劇場で燃え尽きてしまった研究生を、最敬礼で見送ってあげて欲しいと思ってしまう。