AKB48をめぐる妄想

AKB48にハマった私「カギ」が、好き勝手なことを述べるブログです。

チーム8「PARTYが始まるよ」公演千秋楽に寄せて・その2

2015-08-30 18:45:36 | Weblog
 少し時間が経ってしまったが、書き残していたことがいくつかあったので。

 千秋楽(5)の公演、個人的に一番びっくりしたのは長野の近藤さんだった。正直なところ、これまでは、本人の意欲は感じられるものの、楽曲の中では微妙な照れのようなものが透けて見えたり、それゆえに一生懸命さが上滑りしてやや空回り気味に見えたりと(あくまでも「私の」感想なので念のため)、私としては、チーム8メンバーの中であまり良い方には観ていなかった人なのだけれど、千秋楽(5)は何と言うか、本人が腹を括ったような凄みがあって、本当に良いパフォーマンスだった。こういうパフォーマンスを1回でも2回でも多く重ねて行くことが、きっと明日の力になる。引き続き頑張って欲しい。

 また、チーム8「PARTYが始まるよ」公演を通して、私としては千葉の吉川さんをMVPに推しておきたい。本当に劇場公演にたくさん出ていて(ご本人がMCで明かしたところでは、チーム8のPARTY公演で最多出演だったそうだ)、しかも毎回、隅々まで気持ちの行き届いた、意欲的なパフォーマンスを見せてくれた。特に最初のうち、ポジションがあまり良くないところだったにも関わらず、端っこの3列目でも腐らず、焦らず、一生懸命にステージを務め続けた姿は、劇場の隅にありながら強く輝いていた。それが実って抜擢されたのか、それとも本人がアンダーの機会をうかがっていたのかは分からないが、公演期間の後半ではスカひらに出るようになり、それに応じて全員曲でも良いポジションになった。だからと言って油断したり浮かれたりする気配は微塵もなく、以前からそうである通り、見送りの際にはずっと膝と腰を折って、客と目線の高さを合わせて手を振り続けていた。そういう頑張りを、ひたむきさを、劇場にいる客はちゃんと見ていて、声援は日に日に大きくなって行った。PARTY公演を通じて輝きを増したメンバーはたくさんいるけれど、その中であえて一人をMVPとするならば、私は吉川さんをおいてほかにないと思う。

 PARTY公演が終わり、次の「会いたかった」公演までの時間。あたかも2006年4月前半を再現するかのように、私はやがて開く宝箱を、一人の少年に戻ったような気持ちで、ただ待ち続けている。

チーム8「PARTYが始まるよ」公演千秋楽に寄せて

2015-08-16 22:43:31 | Weblog
 1年も続いていたのか、ということに、改めて驚く。チーム8による劇場公演「PARTYが始まるよ」が、先ほど千秋楽の最終公演を終えた。昨年8月上旬から1年、通算回数が何回であるかは私はカウントしていないのだけれど、決して少なくはなかったはずだ。とりわけこの1年、週末の大半はチーム8公演という状態だったこともあり、1日2回以上の公演をするのはほとんどチーム8だけと言って過言でないほどだった。

 それだけの回数を重ねたにも関わらず、客席で観ている私は、まったく飽きたり退屈したりということがなかった。毎回新鮮な気持ちで、胸高鳴らせながらステージの幕が開くのを待ち続けることができた。10年も前に作られ、曲も振り付けも衣装もMCの流れも知り尽くしているはずのセットリスト。それにも拘わらず、彼女たちが演じるステージは、日々に新しいものだった。それはほかでもなく彼女たちが、1回1回の公演にあくまでも真摯に、どこまでも全力で打ち込んで来たからだろう。

 この1年の中に、メンバーにはさまざまな変化があった。その多くは成長とか目覚めとかいった形容の似合う、良い変化だったけれども、途中では何人かに、迷いや焦りがにじんで見えたことも事実だ。しかしそれでも、ふて腐れたような態度でステージに立つ人は一人もいなかった。あくまでも真剣に悩み、もがく姿は、たとえ泥臭くとも、観る者の心にちゃんと届いた。

 あるいはまた逆に、劇場のあの近さで、満場から地鳴りのようなコールを受けたことで、わずかな気の緩みや、微かな思い上がりが垣間見えた人もないではなかった。ただそういう人たちですら、基本的には観客の「眼」を畏れ、謙虚に、しかし果敢に挑んでゆく姿勢を崩すことはなかった。

 AKB48の10年、私たちはあまりにもたくさんのメンバーを劇場公演で観て来た。その中では覚醒したり上達したり、大化けしたり、という好ましい変化だけでなく、腐って投げやりになったり、悩んで低迷したり、天狗になって客をなめ切ったり、といった、ネガティブな変化も目の当たりにして来た。さらにはまた、ほどほどの力で公演をソツなくこなす「スマートな上手さ」を身につけていく姿も目撃した。

 どんな時でも前向きに、今できることをひたむきに、手を抜かずに全力で日々の仕事を続けろなんて、きれいごとにもほどがある。己の胸に手を当てて、そんな生き方ができているかどうか問うてみるが良い。是と答えられるのは嘘つきか自己愛の化け物だけだ。答えが分かりきっているはずのその問いを、しかし、私たちは劇場公演に向けて、そこで頑張っている若い人たちに投げかけ続けている。酷な話だ。そしてここ数年、私たちが実際に劇場で否応なく目にして来たのは、現実に押し流され、もう頑張れなくなってしまった、あるいは何事もほどほどにやり過ごすようになったメンバーたちの姿ではなかったか。

 だが、この1年のチーム8は、私たちが忘れかけていたAKB48の初心を、もう一度思い出させてくれた。はるか遠い目標に向けて、人がどれだけ純粋に努力できるかということを、目の前で体現してくれた。だから、その具現の場である劇場公演は、とても美しく、まばゆく輝いていた。それはあの2005年12月と同じく、奇跡のように貴重な時間と空間だったのだ。その時空を生み出し、私たちに共有させてくれたチーム8メンバーに、一つのセットリストの終わりという区切りにあたって、心からの感謝と敬意を捧げつつ、ひとまずお疲れさま、という言葉を贈りたい。