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身近な生き物:ロウ職人

2020-09-02 06:29:39 | 日記
ロケット噴射

 散歩中に靴ひもを直そうとしゃがんだら、アスファルトの上に何かが舞い降りた。
翅を含めても1cmにも満たない生き物。
小さいながら太めの胴体、それを覆う翅は透明で翅脈がくっきりと浮かんでいます。
素人昆虫観察者の私は、ふむふむウンカの仲間、と見当を付けました。
 帰宅後に調べると「スケバハゴロモ」と判明。
スケバは恐らく透けた翅でしょうが、ハゴロモが分かりません。
 検索するとカメムシの仲間のヨコバイのグループにウンカやハゴロモがいる
のだそうで。
大外れではないけれど当たりでもない微妙な結果になりました。

 一般的に見られる種類は<アオバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、
オオシラホシハゴロモなど。
見つけ難さのランクではスケバハゴロモは上位に位置する。>(虫の写真図鑑 より)
結構ラッキーな遭遇でした。
 <7月から8月上旬に羽化したメスは2週間後には産卵をする。
細い木の枝先の先端辺りに傷をつけてその中に卵を産み付ける。
そのまま冬を迎え翌年の5月から6月頃に孵化する。>(Wikipedia より)
 孵化した幼虫にはおもしろい習性があります。
<ハゴロモの仲間の幼虫は白いロウ状物質を分泌するものが多い。
体全体を白く覆ったりお尻にクジャクの羽の様な飾りを付けたりする。>(ムシミル より)

 スケバハゴロモの幼虫の拡大写真を見ると、真っ白でまっすぐに伸びた細い棒
の様な物が何十本もお尻から後方に広がっています。
まるでポンコツロボットがロケット噴射で飛んでいる姿を描いた漫画の様。
 何の目的でこんな変てこな物を身にまとう?
<タンポポの綿毛の様な物で外敵から身を守る。>(自然観察大学ブログ より)
あるいは<これを傘の様に広げて落下して移動する。>(福光村・昆虫記 より)
の説があるようです。
 このロウはちょっと触れただけで崩れてとれる、でも暫くすると徐々に生えて
元に戻るといいます。(西日本新聞 より)

おしっこするな

 生き物って不思議です。
どうやってあんなロウ状の物質を作るのでしょう?
その疑問に答えてくれる記事がありました。
 それによると大元は樹液です。
<植物から吸い込んだ師管液には光合成でできた栄養分(主に糖分)が豊富に
含まれている。
これを餌にする昆虫はここからアミノ酸も摂取する。
しかしアミノ酸の含有は少ないので必要量を摂ると糖分が過剰になってしまう。
そこでハゴロモ類の幼虫は糖分(炭素)をロウ(ワックス)に作り替え、
カモフラージュの材料として利用する。>(多摩森林科学園 より)

 同じ状況でもロウを作らない虫も当然います。
その場合は過剰な糖分をおしっこで排泄。
甘露と呼ばれるそれにはカビが生えやすい。
葉っぱが黒い膜で覆われるすす病はそのカビが正体です。
 ただでさえおしっこには抵抗があるのに、病気の原因になるとは困ります。
できることなら全ての虫が余った糖分をロウに変えて頂きたいものです。

コメント
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