グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ヒヨドリが満開であるのような風景。

2015-01-18 14:32:29 | Weblog
ヒヨドリが満開であるのような風景。のののの

ののヒヨ3  みごとに色づいた真っ赤な実。

クロガネモチです。   のの ヒヨ2

このクロガネモチ。 本格的な寒さになりはじめるころ、その枝えだに
1センチくらいの小さな実を たくさんたくさん実らせます。

その実が真っ赤に熟してきたころ、その実を食しようとやってくるのが
ヒヨドリです。 

羽ばたきしては羽を体にくっつけ、また羽ばたきしては 羽を体にくっ
つけるという飛び方をしながら[波状飛という飛び方なのだそうです]、
そうやって クロガネモチに近づいてeきます。

こちらがその写真ですが、

ののヒヨ1 

樹の上部に実った部位から食べ始めようと、同じ方向を向いてクロガネ
モチの枝にとまっている群れ[この部分だけで10羽ちかい数!] の 
写真が こちら。となります。逆光でみる彼らの姿は、まるでクロガネ
モチの一部であるかのよう。。

そんなヒヨドリたち。

そのまま塾した実を食べ続けていくのかと思いきや、たとえばヒト が
樹の近くを通りがかっただけのことでも、クロガネモチの樹から一斉に
飛び立って 何処ともなく飛び去っていきます。

で、そのままいなくなるのかと思えばそうではなく、10羽程度の小グ
ループとなった彼らは樹のまわりのいろいろな方向から再び波状飛をお
こないながら三々五々と集まってまいります。

この性格ぶりは、まるで彼らの飛び方。

羽ばたくのか・羽ばたかないのかわからない波状飛のように、臆病なよ
うでもあり・大胆なようでもあり。

つづく。


◎  数多く飛来すれば農作物の大害鳥になることもあるヒヨドリ。
  そんな ヒヨドリ害のでた年のはなし は こちら

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






ヒヨドリの群れの食欲に“恐ろしさ”を感じた春。

2015-01-17 21:08:14 | Weblog
ヒヨドリの群れの食欲に“恐ろしさ”を感じた春

寒さの激しい本年。年明けてすぐの南九州の平地では、例年になく多くの
ヒヨドリをみかけるようになってきました。[1月のいまはまだ木の実など
もありますから被害は少ないようですが] このまま寒さが続いていくとす
ればヒヨドリの大被害を招いた2012年前後の春の再来 となる予感が
します。

ということで別ブログの記事と併せて、当時の記事の再掲載ですがよろし
かったら、ご参考に。

 ↓

「ヒヨドリの群れの食欲に“恐ろしさ”を感じた春」

『棚に停まっては切干ダイコンをむさぼり、イチゴのハウスに侵入して
は、熟れたイチゴの果実をつつく。さらには公共の施設の花壇に植え
られたハボタンさえも食い尽くす』

というふうに、この冬、異常なほど数で押し寄せ、すさまじい食欲をみ
せた鳥がいました。 そう、 ヒヨドリ です。

大群ともなれば、いかなる防鳥対策も効果なく、たとえ5センチ角程度
の防鳥ネットを張っていたとしても、そのネットをくぐり抜けては農作
物を襲うヒヨドリの群れの食欲には、見ていて恐ろしさを感じました。

標的とされた作物の茎葉がみるみるがなくなっていくそのさまには、あ
る意味、ゾンビがヒトを襲うゲームを連想させられたり・・・。

キャベツやハクサイ、ブロッコリー、ダイコンなどを作っておられる産
地の農家さんのなかにも、この春にそんな思いをされた方も多いのでは
ないでしょうか。

そして、いま3月上旬。

露地野菜の産地での多大な農業被害をもたらしたヒヨドリの群れは、カ
レンダーの進行に伴う気温の上昇とともに、じょじょに北上しているよ
うです。

しかしあれですね、来年からも今年と同じような事態がおこるようであ
れば、全国規模でのヒヨドリに対する抜本的な対策を立てる必要がある
と思います。でないと、産地が持たないですよ。

以下は、1月下旬と2月下旬に、そんなヒヨドリ被害の激しかった県に
おける実際の被害例となります。 ご参考に 。


 被害例 1

県内有数のキャベツやブロッコリーの産地、糸島市でヒヨドリが収穫
間近の野菜を食い荒らす食害が相次いでいる。同市のまとめでは、最
近の約2カ月間で被害額が4600万円。昨年度のイノシシ被害を既
に上回った。市農業振興課は「この冬は寒さが厳しく、餌を求めて山
から下りているのだろう」とみており、畑の上を覆う防鳥網を購入す
る農家に、費用の一部補助を始めた。
同市によると、ヒヨドリ被害は、過去5年では年間600万-1千万
円で推移していた。ところが、昨年12月中旬から多発し、市全域で
深刻化。昨年度の鳥獣被害で最も大きかったイノシシの3615万円
を、2カ月程度で約1千万円超えた。
同市東でキャベツを栽培する女性(70)は「数時間おきに50羽ほ
どの群れが飛んできて一気に食い荒らすこともある。これだけの被害
は十数年ぶり。防鳥網もたるんでいると玉をつつかれ大変」と頭を悩
ませている。


 被害例 2

津奈木町や芦北町のミカン畑で、ヒヨドリによる食害が拡大している。
特に収穫期を迎えているデコポン(品種名・不知火)では、収穫量が
例年の半分以下に落ち込んだ生産者もいる。
雪が降った年末から、ハウス栽培は無事だが露地物に被害が集中、約
300トンが被害を受けていると予想。例年はあまり食害がない甘夏
にも出始めている。
通常だと荒天時は収穫作業をしないが、今年は被害拡大を防ぐため、
雪や雨の中、収穫を急ぐ農家も多い。農家のひとりは「ヒヨドリは1
千羽ほどの集団で移動し、熟れた果実だけを狙ってくる。人間に勝ち
目はなく、諦めるしかない」と話していた。



◎ 最も効果的だった対策、それは パスライトやパオパオによ
  る 農作物の被覆でした。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




ようやくお花のついたラベンダー。

2015-01-17 00:29:54 | Weblog
ようやくお花のついたラベンダー。


昨年の6月から9月半ばにかけての、平地の南九州のとんでもない湿気
と高温、そして10月の虫害を、なんとかのりきったラベンダー盆栽の
その後です。   → 前回分は こちら

その[例年はクリスマス前後にお花が咲く]ピナータラベンダー に、
ようやく花蕾がつきました。

のののののラベ1

このように花芽が遅れた理由ですが、それは

 ● 樹形を揃えるためにひたすら剪定に励んだ
 ● そのために花芽のつく枝が不足した
 ● 樹勢を強めに保つために肥料を増やした

といった管理が影響したものと考えております。さらには年末からの
 の
 ● 例年よりも寒さの襲来が早かったこと
 ● 寒さが厳しかったこと
 ● 晴天の日が少ないこと

といった例年にない気象状況もまた、少なからず影響したようです。

ちなみにこちらが昨季12月の様子ですが、この写真と比較した場合
にはまだまだ しばらくは我慢の時 であるようです。


◎  ちなみに2014年の虫害を受ける前の、2013年の
  夏の様子は こちら。です。。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




硝酸態窒素が残留すると・・・。牛のポックリ病を例にとって。

2015-01-14 17:44:27 | Weblog
硝酸態窒素が残留すると・・・。牛のポックリ病を例にとって。

前回にひきつづき、 草食動物の牛などが泡を吹いて倒れるポックリ病・・・
いわゆる硝酸態窒素中毒のお話です。

大量の硝酸態窒素が残留するといった環境問題が起こっている。人間を含む
 動物が硝酸態窒素を大量に摂取すると、体内で亜硝酸態窒素に還元され、こ
 れがメトヘモグロビンと結合してメトヘモグロビン血症などの酸素欠乏症を
 引き起こす可能性がある上、アミノ酸と結合して発ガン性物質のニトロソア
 ミンを生じる問題が指摘されている。


と、いう原理で起こるもの。

この症状を説明してある文は、正しいことだとおもわれます。しかし、問題は 
ここからです。こういった説明文につけくわえられている枕詞でありがちな

 硝酸態窒素を含む肥料が大量に施肥された結果

という、一文が問題なのです。

そう、もっと正確にいえば、現実にはこのポックリ病の原因が無制限に肥料と
して撒かれた、撒き過ぎられた未熟な家畜フン尿が原因である場合が多いとい
うのに[参照 こちら]、この肥料という部分を 

 化学肥料だけが問題だ

などと、ときめつけて書いている新聞や・なかには農業本があること。
これが問題なのです。

ためしに『農業 普及所 牛 硝酸態窒素中毒 ふん 量 』などで、検索さ
れるとよくわかりますよ。この寒い時期の飼料のはなしといえば、どこの普及
所・試験場でも(化学肥料の撒き過ぎという話ではなく)フンの撒きすぎには
注意 なんて話をたくさん書いておられます。

 ふん尿は、10アール当たり せめて10トンくらいで抑えておこう

なんて、未熟なフン尿をまき過ぎないように注意を喚起する話がいっぱいあり
ますよ。

現場にいるものとしては、こういった一部マスコミの決めつけは、正直いって
残念でなりません。もっといえばいえば、家畜フン尿にかぎらず生ゴミや米ヌ
カなどの有機物中の窒素も、分解すればなんだって硝酸態窒素 になるという
のに、じつに不可思議な話です。

ということで今回は、現場ではわかっていることであるのだが、なぜかマスコ
ミでは、いまだに誤解されている事象
についてのおはなしでした。

さて話を元に戻して、その牛をはじめとする草食動物のポックリ病の対策です。

それはですね、まずは飼料づくりに対するの施肥方法の改善という方法がある
のですが、この方法は

 蛇紋岩過リンサン石灰というマグネシウムとリンサン、そして微量要素の
 はいったミネラル肥料 を元肥に利用することや追肥として散布する


ことが、牛の生産農家さんに薦められ、実際に効果をあげています[とくにこ
の対処方法は、受胎率が低いと悩んでおられる牛農家さんにも好評
]。

で、もうすこし詳しい話をすると、この対策として使う 蛇紋岩過リンサン石
灰 というミネラルを主体とした肥料の区分が秀悦。 肥料の区別でいけば 
この肥料は化学肥料になる っていうのですから、世の中っていうのは実におも
しろいものだと思われませんか? 


◎  ミネラルについてのシリーズは こちらです。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜











たい肥の硝酸態チッソには気をつけよう!

2015-01-13 15:33:56 | Weblog
たい肥の硝酸態チッソには気をつけよう!

冬場の牛に与える牧草に、とくに注意する季節になりました。
特に青々としたものに注意が必要ということで、よろしかったらご参考に。

 ↓


冬場の飼料作物給与時に気をつけねばならなこと。

それは収穫した牧草中の硝酸態窒素の値です。収穫時に硝酸塩が多量に
蓄積した飼料作物が少なからず確認されることに気をつけましょう。

その硝酸態チッソ蓄積の原因ですが、おおむね

 家畜フンが原料の未熟なたい肥の過剰な施用

だと考えられますので 

  適正な散布量を守る
  散布前の たい肥の成分検査
  散布を予定している圃場の〔塩素やナトリウムを含む〕土壌検査

などの対策を事前におこなうことで、牛の硝酸塩中毒を防ぎましょう。


◎ 適正なたい肥の施用は、河川や地下水の硝酸態による汚染や
  微生物・原虫による汚染を防ぐことなど、われわれヒトの健康を
  守ることにもつながります。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜