グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

田植後のイネの生育が悪いときには。

2014-05-11 11:39:15 | Weblog
田植後のイネの生育が悪いときには。Gすみ

前回の 生育が悪い時の見立て の続き。原因がガスではないときの
話となります。
5月の連休に田植をされた方も多いと思いますが・・・そんな田植後
のイネの生育が悪く、イネの葉を見ると細かい食痕による縦筋がはい
っている
としたら・・・それはイネミズゾウムシの影響です。
そんなはなしを よろしかったら 。。

 ↓

田植後の田んぼで、いまやイネを食害する虫の代表にまで登りつめた感
があるのが、 米国からの侵入害虫である イネミズゾウムシ です。

平年における越冬した成虫の移動分散時期は、関東東海地方で5月下旬
~6月上旬
くらい・・・しかし全国的に冷涼な気温が続いている今年は
10日ほど移動時期が遅れている気配ですね。
したがって、『今年は、田植え後の被害が少ない』かと思われている方
であっても、被害が目立ち始めるのはこれからだと思われますので注意
が必要です。

そんななかでも、被害が集中しがちな田んぼは、つぎのとうり。

 ■ 成虫の越冬場所となりやすい屋敷林や雑木林に隣接した田
 ■ 越冬場所付近にチガヤやササなどのイネ科の植物が多い田
 ■ アゼ草を刈っていない田
 ■ 田植え時期が 回りの多くの田と違う 田んぼ


などです〔普段からの田の回りの管理/除草が、虫の防除にとって大切
であることがよくわかりますね
〕。

温度が高い年では飛翔活動が活発化するために広範囲に移動分散します
が、低温の今年は飛翔活動が低下していることから、とくに上記の条件
下にある田んぼへの〔イネミズゾウムシの〕集中移動が予想されます。
心当りの田んぼを所有されている方は早めの対策を実施されてください。

低温のために活動が鈍いという意味では、ここのところの有効な防除方
法として普及しつつあるアゼぎわへのプラスチックの波板設置 も、効果
が期待できまそうですよ〔えっちらおっちらやってきたイネミズゾウム
シが、プラ板を乗り越えられないで苦労している図って、ある意味牧歌
的で愉快ではあります/笑
〕。

そして実際に田んぼに被害が出はじめたときですが、イネミズゾウムシ
侵入の仕方は〔寒い年はとくに〕アゼぎわからというのが定番です
ので、薬剤を投入する場合は 「田の中央部には少なく、田のアゼぎわ
に量をいれる」という、いわゆる『額縁施薬』
の要領でお願いいたしま
す。

田植後に叩いておかないと、いまイネに産み付けられた卵が孵り、孵化
した幼虫が成虫以上の被害をもたらします。初期対策が大切ですね。。


◎ 農作業。 先手先手が、ベターですね。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染