グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ミネラルは大切。

2014-02-24 15:31:00 | Weblog
ミネラルは大切。すみ

こういった表現を 読まれたことはないですか。

野菜が健康に育つには、土も健康で
 なくてはならない。植物が健康に 育つためにはミネラルも必要だ


確かにそうだと思います。ミネラルは大切なのです。

それでは ミネラルとはなにものなのでしょう・・・・
じつは ミネラルは 無機物である鉱物を指す言葉 なのです。

したがって ミネラルを補給したければカリ鉱石リン鉱石、あるいは
マグネシウムカルシウムを土に入れればよい。つまりは無機質である
土壌改良剤や化成肥料を使えば良い。
土壌改良剤や化成肥料には、カリ鉱石・りン鉱石・マグネシウムやカル
シウム、そのほかいろいろな種類のミネラルが配合され、しかも成分調
整されているものが、ふつうにありますから。

したがって、

化学肥料だけでは、そのうち「地力」というものが衰える。野菜が
 健康に育つには、土も“健康”でなくてはならない。植物が健康に
 育つためにはミネラルも必要。化学肥料だけではミネラルの補給も
 できない。


といったネットにありがちな表現は、まちがっていることになります。 

化学肥料には、チッソ肥料やリンサン肥料、カリ肥料などの単肥だけ
ではなく、チッソやリンサン・カリの3成分に、イオウや石灰などの
副成分がはいったものがあります。
また、この上にマグネシウムやホウソをいれたもの、そのうえに発酵
した有機質までいれたものさえ、明治の末の時代からあるのです。

したがって、上記のネットにありがちな表現は

ミネラルというものを理解していない
  そして
化学肥料の原料を知らない
数ある化学肥料の種類を理解していない
  さらには
農業の歴史をご存知ない」という点で、まちがっていることになります。

付け加えて、たい肥で土壌改良したあとに肥料を施すという、もっと
も一般的に行われている農業活動をご存知ないということにもなります。

なぜかこういったコピー文が幅を利かせて、それがあたかも真実のよ
うに語られている(故意に語られている部分もあるようにも感じられ
ます)。
われわれ、農業の生産をお手伝いをするものは、もっともっと事実を
PRすべき
ですね。自らの努力不足を痛感しております。


◎ 家畜の工業的生産がおこなわれる以前は、ワラや野草などの
  植物質の原料からつくったものを たい肥 と称していたの
  ですが、いまや家畜ふんであっても たい肥 といわれる時
  代となりました。
  支障がでないのならよいとしても、圃場や作物になんらかの
  障害がでるようになってくるのであれば・・・こういったた
  い肥の原料や作り方の見直し
が必要になってきます。
  こちら中国語版「本当は危ない有機野菜」。

 中国語版・有機野菜.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜