グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

米国農業を見習うのなら、「大規模化」よりも「適地適作」を。

2011-06-27 08:53:39 | Weblog
米国農業を見習うのなら、「大規模化」よりも「適地適作」を。

その土地の自然的・社会的条件に最も適した農作物を栽培することを「適地
適作
」といいます。
その適地適作という見方から、〔日本農業にとっての理想の農業の形として
考えらる事の多い〕米国における適地適作の概略を説明するとすれば

 ● 米国東北地方   酪農、ブロイラー、果実・野菜
 ● 五大湖地方    主要酪農地帯
 ● アパラチア地方  たばこ、落花生、肉牛生産、酪農
 ● 南東地方  牛肉、ブロイラー、落花生、野菜、果実
 ● デルタ地方   ブロイラー、大豆、綿花、米、さとうきび
 ● 山岳地帯   牛及び羊の酪農、小麦、干草、てんさい、
            ジャガイモ、野菜、果実


という具合になります。

さらに、日本人に馴染みの深い西海岸に限って、州の農業を説明すると、

 ● 北 ワシントン州・オレゴン州   小麦、果実、じゃがいも
 ● 南 カリフォルニア州   酪農、野菜、果実、綿花


という具合になろうかと思います。

このように米国の農業においては、それぞれの地方では、土地それぞれ
の風土に合った作物が植えられたり、家畜が飼われたりしている。いわ
ゆる適地適作の農業が展開されているわけですね。

米国の国内全部で「大面積での大型農業機械を使った農業」が
おこなわれているわけではない
のが、米国農業の現実なのです。つまり

 大面積での大型機械を使った農業は主として中西部の平坦地の農業

である、ということですね。 
農業にはいろいろなタイプがある は、こちら

そこで、わが日本です。土地も狭く、傾斜もきつく、そもそも気候の面
で、麦や大豆栽培に適しているとは思えない日本で、「大面積での大型
農業機械を使った農業」を目指さなければならない理由とはいったいな
んでしょう。
もっとはっきりいわせてもらえば・・・適地適作の原理を無視して〔
識的にだったりして
〕、米国の単一作物による大型農業使った農業が理
想とされてきた現実が、農業者として理解できない/笑。そう、

 適地適作を無視した営農は、衰退して当然

だとさえ、わたくしには思えるのです〔話がでかすぎ気味で申し訳ない〕。

・・・軌道修正しつつ、そして これからです。

日本農業の振興のために、これからも米国農業を見習っていくのであれば、
見習うべきは、「大規模化」よりも「適地適作」
ではないのでしょうか。
平原地帯ではなく、米国の山岳地帯や 西海岸付近の農業をお手本にすべ
きではないのかと、わたしはそうおもっちゃうんですね〔経営面積も、
中西部よりはぐっとスケールダウンしますし
〕。

日本の緯度や地形、そして気候からみたら、そう考えるのがまともかと。


▼ 最近は、『米国農業』を、ひとくくりに しすぎかと。。

夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染