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ヨーロッパ〔とくに独〕で大規模な食中毒が発生

2011-06-01 18:37:04 | Weblog
ヨーロッパ〔とくに独〕で大規模な食中毒が発生

ドイツで、腸管出血性大腸菌O104に感染する人が相次いでおり、
 ビルト紙(27日付)によるとこれまでに溶血性尿毒症症候群(H
 US)を発症して5人が死亡、過去1週間にHUSを発症した人は
 214人に上る。


というニュースを、5月27日に つたえたのは 読売新聞。
ニュースは こちら 。

同じ事件を NHKでも ニュースでとりあげていました。

「ドイツでは今月中旬から病原性大腸菌による食中毒が各地で相次ぎ、
 これまでに140人以上が腎臓の機能が低下するHUS=溶血性尿
 毒症症候群を発症し、このうち4人が死亡しています。」

ニュースは こちら 。

その後、29日

一連の食中毒によるとみられるドイツ国内の死者は10人となった

ことや

スペイン南部アンダルシア州当局者は28日、溶血性尿毒症症候群
 の原因となる大腸菌に汚染されたキュウリを輸出した疑いがある業
 者2社を営業停止処分にした


のを伝えたのは、AFP電。ニュースは こちら 。

そして 本日、6月01日

ドイツ国内では北部を中心に、これまでに溶血性尿毒症症候群で
 15人が死亡し、1200人以上の感染が確認されている。

ドイツのほかにも欧州では、疑い例も含めれば、デンマーク、英
 国、オランダ、オーストリア、フランス、スペイン、スイスでも
 腸管出血性大腸菌の感染が報告されているが、いずれもドイツに
 起因するとみられている。


とするニュースを 、ひきつづき AFP電が伝えています。 こちら 。

被害が拡大しているところを見ると、感染が2次感染の段階に 
はいったこと
 が 推察されます。参考ページは こちら 。

そして、これは個人的な推測ですが、治療のための抗生物質の効か
ないタイプの大腸菌が原因しているのかも
しれないなと思いました。

以上、ヨーロッパ〔とくに独〕で大規模な食中毒が発生していると
いうニュースのお知らせでした。


▼ O157は、米国で83年に確認された新しい菌。日本では96年に
  岡山、ついで堺市で発生しました。日本での 発生当初は、原因不
  明の、謎の菌だといわれていたんですよ。したがって、“清潔にし
  すぎたから発生する”などという風説は、まちがいです。
  今回の舞台も ヨーロッパですし。

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腸管出血性大腸菌による食中毒について。

2011-06-01 18:32:01 | Weblog
腸管出血性大腸菌による食中毒について。

清潔にしすぎたことが、O157の発生を助長している
O157は生命力は弱い。が、腸の中に敵となる菌がいないと暴れ
 だす。
』などといった記述をときどきみかけます。幼い子どもさ
んをもたれるご家庭では、こういった間違った風説に惑わされない
ように注意
いたしましょう。
以下は、2006年のブログですが、各地での0157と0111
による食中毒発生関連して再掲載しました。よろしかったら。



0157による食中毒について

食中毒の集団発生はさまざまな要因が複雑に絡みあって起きるもの
です。そのため、発生後から状況を再現することは、非常に難しい。
なかでも特に大変なのが O157に代表される腸管出血性大腸菌
が原因する場合なのです。

それはこの菌に、

 ■ 感染してから発症までの潜伏期間が4~9日間と長い
 ■ 調理用具や水などを介した二次感染の危険性を常に伴う


といった特徴があるからです。

長い潜伏期間のもとで汚染食品が流通し、その間にも強い感染力
 により、つぎつぎと二次感染による被害を拡大していく
』・・・
これがO157による食中毒事故の恐ろしさです。これでは、感染
源の特定がなかなかすすまないのもうなづける話ですね。

そのO157の強い感染力について説明しましょう。

たとえば サルモネラ菌などは100万個以上が体内に入らないと
感染しないとされています。0157では、わずか100個足らず
で感染
するとされています。
この感染力の強さであれば、食品にごくわずかについている場合で
も感染してしまいますし、タオルの共用や入浴やプールなどでも感
染の危険がつきまとうという話にもおもわず納得してしまいます。

この強力な感染力のために、過去のO157発生時には多種多様な
感染源が指摘されてきた経緯があります。

有名となっ たカイワレ大根はもとより、仕出し弁当・輸入アメリカ
産牛肉・メロン・そば・イクラに製麺所のうどん・和菓子・生レバ
ー・牛ホルモンなどなど。なかには、おかかサラダやかぼちゃサラ
ダの例、なんてこともありました。
この広範囲にわたる感染源というものこそが、潜伏期間の長さと強
い感染力を持つというO157の特徴を端的にあらわした実例だと
いえるでしょう。 

この原因究明された感染源の多さをみて、『これはとても防ぎきれ
ない
』・・との感想をもたれた方も多いとおもいます。が、実際に
は、O157が原因の食中毒ってそうそう起こるものではない。

その理由は上記のいろいろな感染源が、じつは二次感染による感染
源であることにほかなりません。そもそもの感染源は、別にある。

そう・・・O157のいる場所は、はじめからわかっているからです。

O157は、「家畜や動物のふん尿を介して生殖・増殖する微生物」
なのです。実際のところ、O157は、牛のふん便中の2-3割に
おいて普通に検出されるという事実もあります。

動物には害がなく人間に害をおよぼすというO157という大腸
菌のもつ性質が、問題となって発生する食中毒というわけですね。

したがって、上記の多岐にわたる感染源としてあげられた食品は 
あくまで「従犯」。「主犯」である動物のふん便中のO157を
おさえこむことで、O157は予防できる
ことになります。

◎ 0157と0111ですが・・人間に下痢を引き起こす病原性
大腸菌は数種類あり、「0157」とは、「O抗原」とよばれる分
類により約180種に分けられたうちの「157番目の病原性大腸菌」
の意味。おなじように「0111」とは、「111番目の病原性大
腸菌」となります。



以上、再掲載でした。

そして気になる自己防衛策ですが、この新聞記事などはいいなと思いました。
 こちら 。

  ● 生肉に添えてある野菜にも注意
  ● 生肉を触った後は、せっけんで手を洗うこと
  ● お年寄りや子ども、病み上がりの人は、菌への抵抗力が低い。
  ● 生きている動物の体内菌なので「新鮮だから生でも大丈夫」は誤解

ということは、くれぐれもお忘れなく。

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出版されました。