グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

腸管出血性大腸菌による食中毒被害拡大について。

2011-06-08 18:00:11 | Weblog


O104 なぜモヤシから? 動物の堆肥で拡大か』という、欧州
の食中毒事件についての新聞記事について質問いただきました。 

 記事は、こちら 。

そこで、その回答のひとつとして、これまでに掲載したブログの中
から次のような回を再掲載してみた次第です。0157に関しての
記事ではありますが、O104と同じ仲間の大腸菌ということで、
ご参考までによろしかったら。

  ↓


腸管出血性大腸菌による食中毒被害を防ぐには 』

0157による食中毒を防ぐには、0-157のあるところに必ず糞
便ありき
という事実、そして動物が保菌してい確率が高いという2つ
の事実を、日本国民が知ることです。

これにつきるとおもいます。 

そうすれば、困難を極める二次感染の感染ルートの解明を実施するこ
ともなく、さらには進行していく0-157の二次感染をも防ぐこと
が、より可能になります。

たとえば農業の場面においては、牛⇔ふん⇔牛 のサイクルの中に、
0-157の生物としての生活圏があることを知る必要がある。

研究が進んでいる欧米で推定されている0-157の感染ルート
つぎのように。

  1. 牧草地・畜舎 → 水 → 河川

  2. 牧草地・畜舎 → 水 → 池・湖沼

  3. 牧草地・畜舎 → 浸透 → 地下水

と、このように考えられていますよ。

したがって、O157に代表される腸管出血性大腸菌が生息場所と
している牧草地・畜舎からの汚水の流失を止め、汚水が浸透しない
ように、畜ふん置き場や畜舎の床をコンクリートで固めます。
さらに、定期的に酢酸などでこれらの施設を消毒すれば、0157
の増殖をかなりの確率で食い止めることになるでしょう。

疫病対策は、予防からです。

そしてもちろん、家畜ふんを多様する農業についても、注意が必要
です。生ふん尿や未熟なきゅう肥を多使用する〔繁殖を助長します〕
のではなく、散布する場所の選定や使用する種類と量に留意し、そ
して充分に発酵させた有機を使用すべきである
ことは、いうまでも
ありません。

 ● たい肥についての参考の回は こちら 。


▼ 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜


腸管出血性大腸菌による食中毒被害拡大について。