脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

「手書き」という苦痛、「手書き」という重労働

2011年01月23日 | つぶやき

本日、朝日新聞教育面に、

昨年12月26日付け、読者投稿欄、「聞いて聞かせて」に載った読者の意見

「こどもの通知表は手書きで書いて」の反響が載っています。

通知表は手書きか、パソコンか?、

保護者の「パソコンの文字では温かみが感じられない、

子供の通知表くらいは手書きで書いてほしい。」

それはごもっともだけど、書く側の労力を考えたことはあるのでしょうか?

 

「手書きで」は

文字を書くことが苦痛に感じたことのない、健康で体力も時間もある幸せな人たちの側だけからみた一方的な願望にすぎないように私は思います。

私は脳脊髄液減少症になって、手の緻密性が落ち、文字を書くことが非常につらく、重労働に感じ、それこそ文字を書くだけでクタクタに疲れきってしまうようになりました。

(何も軽度外傷性脳損傷でなくても、脳脊髄液減少症でも手の緻密性は落ちるのですよ!

そして、ブラッドパッチで手の緻密性は改善してくるのですよ。!)

 

そうやってやっと書いても、文字はぐちゃぐちゃ、文章はメチャクチャ、同じことの繰り返しでまとまりがない。

全身全霊の力を振り絞って文字や文章を書いても、

なんども、なんども書いては消し、書き損じを破り捨てて、

やっとなんとか完成させても、なんだこのへたくそで、子供みたいな文字と文章は!と周囲に笑われる。

 

当時、まさか自分の脳脊髄液が漏れているとは気付けなかったので、

どうして自分がこんなに文字や文章を書くのが下手になり、苦痛に感じ、

重労働に感じるのかわかりませんでした。

それでも、周囲が私に対し、手紙や年賀状の返事や、贈り物の礼状を、無言で私に求めているのを感じ

できない自分を責めてしまうのです。

 

必死で書いても、文字の下手な、能力の低い大人として、低い評価を受ける。

悲しかったし、つらかった。

 

やがて、自分の症状が脳脊髄液減少症だとわかり、文字を書くという行為でさえ疲れ、

手の緻密性の低下で文字が乱れるわけがわかりました。

 

文章がまとまらないのは脳脊髄液漏れの

高次脳機能障害の一種であることもやっと理解できたのです。

 

私はブラッドパッチ治療を受け、さらにパソコンという機械通じて、

やっと、手書きではなく、こうして自分の思いを文字にできるようになったのです。

パソコンに向かえるようになって、パソコンで文章を書くことは手書きよりずっと楽なことに気づきました。

 

手で文字を書くという行為は、パソコンでキーを打つ操作より

はるかに手の緻密性を必要とするようです。

 

パソコンのキーを両手で打つという行為のほうが、

文字を片手のみで手書きで書くより、はるかに、楽でした。

 

一見、どこも悪くなさそうに見える人間でも、

書くという行為が、疲れる症状を抱える病や障害を持つ人や、

健康ではあっても、文字が下手なために周囲に非難されることで文字を書くことが苦痛に感じる人たちがいると思います。

そういう人たちのことは

健康で、字のうまい、一般の人にはなかなか想像できないかもしれないけど、

想像してほしいとおもいました。

 

こんな私はいつも想像してしまうのです。

 

こどもが脳脊髄液減少症になって、診断治療が遅れるのも大変なことだしつらいだろうけど、

健康な人間でさえ、重労働の「教師」という職業のかたがたが、

過去の交通事故や、スポーツ事故、あるいは生徒からの暴力などで

人知れずじわじわ脳脊髄液減少症の症状が出てきているのに、診断にも治療にも至れず、周囲から健康な先生と同じことを求められ、

文字の汚さを非難されたり、通知表の手書きを強制されたら、

さぞかし仕事がつらいだろうと。

脳脊髄液減少症は、体を立てにすることがつらいのに、

声を出すのも、文字を書くのもつらいのに、

1時間立ち続け、声を張り上げ、ホワイトボードに筆記しながら教えるというお仕事、

通知表を全員分書かなければならないような重労働は

 

さぞかしおつらいだろうなと。

その上、手書きでともとめられたら・・・・。

どんな職業の人でも、脳脊髄液減少症を見逃されてはならないけど、

学校の先生だって人間なのだから、起こりうる事故後遺症なのだから、

 

先生たちの健康のこと、先生たちの体のこと、

先生たちの脳脊髄液減少症の早期発見と理解と早期回復のことも、こどもたち同様、

そろそろ考えてあげてほしいと願うのは私だけでしょうか?

 

先生方が研修などで、自分の健康にもかかわることとして脳脊髄液減少症について考えることで、

こどもの脳脊髄液減少症の理解にもつながるのではないでしょうか?

 

 

コメント
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