脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

自動車保険の更新。

2008年07月03日 | つぶやき

かなり前の話ですが、

自動車保険を更新しました。

 

そのころは、今より体調も悪かったし、

脱力や思考力低下の症状のため、

ほどんど車に乗らないし、

乗っても近くまでの私でしたが、

任意の自動車保険を更新しました。

 

自動車保険を更新するのは、

誰もがそうであるように、

万一の事態に備えて、自分を守るためであると同時に、

自分の過失で人を傷つけてしまった時、

その被害者に、充分な補償という、

精一杯の誠意を示したいからです。

 

そのため、私はかなり、手厚い補償の保険に入っています。

手厚い補償は、保険料もかさみます。

 

働けず、ほとんど運転しない私が、

家族の支援や、貯金を取り崩してでも、

年間数万円の自動車保険料を支払うのは、

正直精神的にも、経済的にもかなり負担です。

 

でも、車は、私のリハビリになる散歩や外出の際の

不可欠のものですし、

その際、万一の事故の時、

自分と被害者を守るため保険は必要だと思っています。

 

しかし、安心のための自動車保険が

いざという時自分を救ってくれなかったら・・・?。

 

自分が起こした事故で、傷つけてしまった被害者に

充分な補償も支払ってもらえない保険だとしたら・・・?。

 

自分が精一杯の誠意を示したくても、

保険会社が

相手の事故後遺症を認めず、それをかなえてくれなかったら・・・・?。

 

事故を起こしてしまった自分も、つらいですが、 

被害者の立場を想像しただけでぞっとします。

 

でも、そのぞっとする出来事はすでに、

この世に起こっていたのです。

 

脳脊髄液減少症という、目に見えない怪我を負った被害者は、ずいぶん前から、

そのあまりにむごい目に、あってきたのだと思います。

 

車と自動車保険がこの世に現れて以来、

ずっと何十年も前から、そういう理不尽な目にあい続けていた被害者がいたはずです。

 

深刻な後遺症を引き起こす、「脳脊髄液減少症」という

その、目に見えない交通事故後遺症の存在を、

誰にも知られないまま・・・・

 

誰もが安心を求めて保険に入るのに、

その「安心」が現実では、「不安」に変わるとしたら・・・?。

 

自分の万一の事故のための保険が、

万一の被害者の補償のための保険が、

 

広い意味で、

自分も被害者も充分に救ってもらえず、

 

保険に入っていた私の意思とは無関係に、

自分の傷つけた被害者に充分な補償もしてもらえなかったら、

加入者としても、とても悲しくむなしく思います。

 

加入者も、被害者も救えないとしたら、

いったい何のための自動車保険なのでしょうか?

 

そう、もんもんと考えながら、

保険金の支払いのために、

その日、金融機関まで

やっとの思いで自分で運転して行きました。

 

期限が迫っているために、体調不良でも多少無理して運転して行ったせいか、

高次脳機能障害のため、慣れた道なのに、道をまちがえ、

行きすぎそうになり、いきなり右折したため、

後続の車に追突されそうになりました。

 

脳脊髄液減少症患者の私は、

症状のため、運転や外出ができるようになっても、

いつもこんな危険を抱えて暮らしてきたのです。

 

しかし、事故を起こせば私の過失とされ責められ処罰されるだけでしょう。

 

被害者がその後遺症のため、

新たな加害者にさせられたとは

誰も考えてくれず、弁護してももらえないでしょう。

 

いつ新たな事故を起こしてしまいかねない、危険をはらみながらも、

患者の私は、

なんのリハビリ支援もない中、

自分の体調を見ながら、少しずつ孤独にリハビリを続け、

少しずつ行動範囲を広げ、できることを増やしていき、

必死で、

できるだけ普通の大人として日常生活を過ごそうとしてきました。

 

自動車保険を更新するために、お金を振り込みに、

無理して出かけて、事故を起こしたのでは、

元も子もありませんが、

期限は迫る、平日払いに行ってくれる人はいない、となると、

自分で行くしかありませんでした。

 

自分では大丈夫と思って出かけても、

出先で動けなくなったこともありますし、

脳脊髄液減少症は、その日の、1時間後の自分自身の体調変化を読むのさえ、難しいことが実際にあるのです。

あの日、

もう少し体調のいい時に出かけるか、家族の助けを借りればよかったと反省しましたが、

日ごろから人に頼らなければならない生活をしていると、肩身が狭くて、

自分でできそうなことは、自分でやらなければと思いつめてしまうのです。

 

誰も頼れない時、自分で動くしかない時、

どうしょうもないのです。

 

これが大人の脳脊髄液減少症患者のつらいところです。

日常生活のさまざまなことを、自分でこなしていかなければならないからです。

 

頼れて守ってくれて、世話を焼いてくれる

「優しい保護者」がいないからです。

 

「けっこう普通に動いているじゃない。」と見えても、

様々な身体的、精神的症状を抱え、

必死で普通の大人に求められる行動を、

命がけでこなしていることを、

わかってもらいたいと思います。

 

話がそれました。

 

こんな思いをしてまで、

期限が切れそうになる自動車保険を

なんとか継続しようと出かけたのは、

自ら交通事故の被害者として、

後遺症の怖さ、

交通事故の怖さを経験しているからです。

万一に備えて、自分も相手も、守りたいからです。

 

保険について、いろいろと考えさせられたそんな時期に 

私はある生命保険会社のCMを目にしました。

 

 保険会社のCMなんて、うそ臭くて嫌いだった私でしたが、

そのCMだけは、なぜか私の心に止まりました。

 

 

コメント
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