アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

世界で一番愛したい!...ミミズちゃん。

2004-05-20 19:13:35 | 暮らし
桶を片手に堆肥場に行く。春先はそんなでもなかったけれど、山々も野原もすっかり若葉に覆われる今頃になると、いるいる!堆肥をスコップでひとすくい、中からミミズがわんさわんさ...。

私がミミズで一杯の桶を手にしてやって来るのを、毎日小さい口を大きく開けて待っている奴らがいる。裏庭のヒヨコたち!
彼らが生まれてひと月半が経った。もう首もピョンと長くなり、ツバメより一回りくらい大きくなってはいるけれど、まだまだ小屋から外には離せない。我が家にはネズミ1匹見逃さぬ名狩人たちがたくさんいるからね。
せめて今の2倍くらいの大きさになったら、出してあげるよ。

さて、堆肥を掻き分けてミミズを集める。
大小、長短さまざまなミミズたちを、手づかみで!
堆肥場に来てから「あっ、軍手忘れた!」なんていう時には、仕方ないから素手で取る。堆肥の暖かさとミミズのぬくもり・・・。
・・・あまり気持ちのいいものではない。

私だって別にミミズの手づかみを好きでやっているわけでも、ミミズが殊更憎いわけでもない。
あのヒヨコたちが喜ぶ姿を見たいし、何より健康に育って欲しいから心を鞭打ってやっているだけのこと。

まったく因果な縁だなあ、ミミズちゃんよぉ。

ミミズがわんさといるこの堆肥こそが、私の去年1年の草刈・草集めの労働の成果だし、これが田んぼや畑の「土」になる。
私のような「土」から野菜を育てる百姓にとって、このミミズなくして農業は語れない。(他に化学物質から作物を育てる農業もある。)

堆肥の中では人知れずせっせと土を肥やし、日の目を見れば鳥たちの良質なタンパク源となる。今またうちのヒヨコたちに食べられるべく、こうして私に易々として捕まってくれている。
考えれば考えるほど、どこにいてもみんなに対して良いことばかりしているミミズは、なんて素晴らしい存在なのだろう!

そのくせあまり人からは良く思われない。
まるで宮沢賢治みたいだ。(実はミミズは生物界の宮沢賢治だった!)

世界でも有数の愛すべき存在がこんなに身近にいたなんて。
そうだ、みんなでもっともっとミミズを好きになろう!
ありがとう!ミミズちゃん。

そう思ってジッと目を近づけてよくミミズちゃんを見ようとしたけれど

......

私にはとても長い間見ることができなかった。
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2 コメント

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奥深い! (rirakkusu)
2004-05-20 22:18:21
みみずって「赤竜」って呼ばれてるんですよね?水を司るのが竜神だったことを思うと、なるほど・・・というネーミングです。



ドイツではみみずの養殖所があって、ちゃんと政府のプロジェクトで土を再生させている・・と、この前教育テレビの子供番組でやってました。



無限の可能性があるんですね!
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あなたは勇気のある人かもしれない! (agrico)
2004-05-20 22:45:24
こんなタイトルのblogを開いてくれるなんて、結構度胸がいるかもしれません。

一歩違えばあなたもミミズを愛するようになっているかもしれない!

と、まあ冗談はこれくらいにして、ミミズの情報、ためになります。

猫家にはテレビも新聞もないので、世間の情報や一般知識に疎い傾向があります。(唯一農協の運営する有線放送があるけれど、あまり面白くない。)

これからも何かと教えてくださいね。



それと、禁酒までしようというあなたの愛情、きっとお腹のあかちゃんに伝わっているはずです。する価値はあるし、しようというその思いが素晴らしい。

でも過剰な無理はしないほうがいいですよ。

(私はもう半年ほど禁酒してません。)
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