とうとう寝坊してしまった。
明け方、とてもじゃないけど起きれなかった。夢うつつの中で有線放送のニュースが流れる。雄鶏の雄たけびが聞こえる。でもなぜか猫たちの声は聞こえない。いつもなら餌の時間が近づくとニャアニャアと軍楽隊のように鳴くのに、不思議だな。そんな思考のもつれをつかの間意識の裏で思い描きながらも私はまだ枕に齧りつき惰眠をむさぼる。もう少し。もう少しだけ・・・ついにそれでも気力を振り絞って起きると、とっくの昔から朝だったというような顔をしている「朝」だった。空気を吸って、吐く。時計を見て驚く。もう8時。なんということだ! 猫たちは鳴かなかったのじゃなくて、とうに鳴き疲れ、諦めてそれぞれの昼寝場所に引き籠もってしまった後だとわかった。
こんなに遅く起きたのは久しぶりだ。でも体はまだ明らかに眠り足りない。頭は酸素不足で単なるアイドリング状態。疲れている。それもそのはず、このところ昼の肉体労働はもちろんのこと、夜は夜で集会続き。早寝早起きが身上の百姓が一転して夜更かし百姓になってしまっている。昨夜も帰宅したのは11時過ぎだった。疲れ切ってちゃぶ台に座り込み、あぁ、寝る前に一杯・・・と思ってコップに注ぐ焼酎。どんなに体は疲れていても、一杯のお酒で一時的に元気は出るものだ。そこでパソコンを開きでもしようものならその日も完全に落とし穴に嵌ってしまう。さて、寝るのはいつになるかわからない。
なぜそんなに忙しいのかって? 確かにこんなはずじゃなかった。この暮らしを始めた頃はもっと「ゆとり」のある生活を思い描いたものだった。昼は野に出て土の匂いを嗅ぎ、日が暮れれば酒を飲んで寝る。実際そんな暮らしをもう何年もしている。けれども移住4年目、この春からの「役」に就いたことが「転機」のきっかけだった。部落長、営農組合理事、中山間地域直接支払制度集落班長、振興会評議員・・・中には私自身いったい何をするものだかわからないものも含まれている。わからないから調べる。市役所に行く。農協に行く。民から苦情や相談を受ける。そりゃあその役になっているんだから仕方ない。そしてその解決のためにまたあちこちに電話をかけ訪問する。とにかくつい先ほどまで「ヨソ者」だった新規就農者は、今ではに関係する主だったすべての組織の役員に名を連ねている。つまりそれほどここには「人」がいないというこっちゃ!
そして夜は集会。日常平穏に時は流れるように見えて、折りしもはさまざまな問題に直面していた。漸次削減されていく補助金。その僅かな額に縋り付いて細々と農家の体裁を保つ零細農民。担い手のいない集落営農。担い手どころか家には後継者さえもいない。民とともに老齢化する建築物。集落センター建て替え問題。・・・・ここ10年来の懸案を溜めに溜めて一気に大盤振る舞いしたような大問題続きだ。悪魔の采配とは斯くの如きか!
かくて今日も眠たい瞼をしょぼつかせながら田に行き草を集め木を切り猫に餌をやり、その合間に市役所に行き立ち話をし連絡のためにを回り、ぎっくり腰がようやく治ったばかりなので無理は禁物だと重々思いながらも無理して草を刈り。なにしろ野菜の生長、草丈の伸びを目の当たりにしていると気が急いてなかなか泰然自若と割り切ることができない。
そうして次第に寝る時間を縮める結果になるのだが、肉体労働者が睡眠時間を削るということはひとしきりタイムラグはあるとして結論的に事故を起こすか体を壊す結果に落ち着く。ああ、なんという悪循環! こうして人は自ら自滅の道を辿ると言うのか・・・
年で一番昼の長いこの季節に、太陽は私を過労症に駆り立てる火炎車の役回りを演じている。
・・・というわけで、
今日は久しぶりに早寝をします。
電話をかけなきゃならないところが何件かありますが、無事それが済んだら今夜こそ心地よい初夏の眠りにつきませう。
こんな時はせんべい布団が最上の極楽ベッドに思えます。
【写真は、「ふん、忙しいのは修行が足りないからだよ。」のロッキー。
・・・・・・こら、お前の坐ってるところは発芽したばかりのニンジンの畝じゃっ!】
明け方、とてもじゃないけど起きれなかった。夢うつつの中で有線放送のニュースが流れる。雄鶏の雄たけびが聞こえる。でもなぜか猫たちの声は聞こえない。いつもなら餌の時間が近づくとニャアニャアと軍楽隊のように鳴くのに、不思議だな。そんな思考のもつれをつかの間意識の裏で思い描きながらも私はまだ枕に齧りつき惰眠をむさぼる。もう少し。もう少しだけ・・・ついにそれでも気力を振り絞って起きると、とっくの昔から朝だったというような顔をしている「朝」だった。空気を吸って、吐く。時計を見て驚く。もう8時。なんということだ! 猫たちは鳴かなかったのじゃなくて、とうに鳴き疲れ、諦めてそれぞれの昼寝場所に引き籠もってしまった後だとわかった。
こんなに遅く起きたのは久しぶりだ。でも体はまだ明らかに眠り足りない。頭は酸素不足で単なるアイドリング状態。疲れている。それもそのはず、このところ昼の肉体労働はもちろんのこと、夜は夜で集会続き。早寝早起きが身上の百姓が一転して夜更かし百姓になってしまっている。昨夜も帰宅したのは11時過ぎだった。疲れ切ってちゃぶ台に座り込み、あぁ、寝る前に一杯・・・と思ってコップに注ぐ焼酎。どんなに体は疲れていても、一杯のお酒で一時的に元気は出るものだ。そこでパソコンを開きでもしようものならその日も完全に落とし穴に嵌ってしまう。さて、寝るのはいつになるかわからない。
なぜそんなに忙しいのかって? 確かにこんなはずじゃなかった。この暮らしを始めた頃はもっと「ゆとり」のある生活を思い描いたものだった。昼は野に出て土の匂いを嗅ぎ、日が暮れれば酒を飲んで寝る。実際そんな暮らしをもう何年もしている。けれども移住4年目、この春からの「役」に就いたことが「転機」のきっかけだった。部落長、営農組合理事、中山間地域直接支払制度集落班長、振興会評議員・・・中には私自身いったい何をするものだかわからないものも含まれている。わからないから調べる。市役所に行く。農協に行く。民から苦情や相談を受ける。そりゃあその役になっているんだから仕方ない。そしてその解決のためにまたあちこちに電話をかけ訪問する。とにかくつい先ほどまで「ヨソ者」だった新規就農者は、今ではに関係する主だったすべての組織の役員に名を連ねている。つまりそれほどここには「人」がいないというこっちゃ!
そして夜は集会。日常平穏に時は流れるように見えて、折りしもはさまざまな問題に直面していた。漸次削減されていく補助金。その僅かな額に縋り付いて細々と農家の体裁を保つ零細農民。担い手のいない集落営農。担い手どころか家には後継者さえもいない。民とともに老齢化する建築物。集落センター建て替え問題。・・・・ここ10年来の懸案を溜めに溜めて一気に大盤振る舞いしたような大問題続きだ。悪魔の采配とは斯くの如きか!
かくて今日も眠たい瞼をしょぼつかせながら田に行き草を集め木を切り猫に餌をやり、その合間に市役所に行き立ち話をし連絡のためにを回り、ぎっくり腰がようやく治ったばかりなので無理は禁物だと重々思いながらも無理して草を刈り。なにしろ野菜の生長、草丈の伸びを目の当たりにしていると気が急いてなかなか泰然自若と割り切ることができない。
そうして次第に寝る時間を縮める結果になるのだが、肉体労働者が睡眠時間を削るということはひとしきりタイムラグはあるとして結論的に事故を起こすか体を壊す結果に落ち着く。ああ、なんという悪循環! こうして人は自ら自滅の道を辿ると言うのか・・・
年で一番昼の長いこの季節に、太陽は私を過労症に駆り立てる火炎車の役回りを演じている。
・・・というわけで、
今日は久しぶりに早寝をします。
電話をかけなきゃならないところが何件かありますが、無事それが済んだら今夜こそ心地よい初夏の眠りにつきませう。
こんな時はせんべい布団が最上の極楽ベッドに思えます。
【写真は、「ふん、忙しいのは修行が足りないからだよ。」のロッキー。
・・・・・・こら、お前の坐ってるところは発芽したばかりのニンジンの畝じゃっ!】
土地に馴染むことは人との関係を作ることでもある。早いのがいいわけでもないし、広く浅く事なかれなのがいいわけでもないですね。
私なんて、波風立て過ぎかもしれませんよ。
ニンジンは、今年春に雨が降らなかったので発芽が遅れました。成長も遅いみたいですね。でもおっしゃるとおり秋までには充分育つと思いますよ。彼らは私たちより逞しいですね。
盛岡なのですね。離れてるけどお互い何とかやって行きましょう。
近くに来る時があれば気軽に寄ってください。
昨日は地区の運動会だったので久しぶりに走りました。
お陰で今日は体がだるくて・・・一日ゆっくりしようかと思います。
暑くなって来ましたが、海猫さんも体を大切に。
ニンジンも、少しずつ伸びてきましたよ。
しかし、こんな素敵な生活と言葉を寄せられているブログを今まで読んでなかったとは。少し悔やまれます :-)
春以来ほとんど降ってない。実際蒔いた野菜や牧草の発芽はかなり遅れています。
だけどこんなに乾燥してても「その他の草々」は伸びるのですよ。まったく野生の生命力と言うのは偉大です。
だからこのところは「考えず」「時間をかけず」にBLOGをしてますよ。以前のようにじっくり構想を練らないで、日々の覚書程度で記事をアップしてます。
これが梅雨にでもなれば、今度は寝てばかりいるのですけどね。
気持ちいい朝の澄んだ空気の匂い。
なんとなく今、そちらの風が吹いた気がします。