粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

靖国問題は国内問題

2013-12-30 12:44:54 | 反原発反日メディア

今回の安倍首相の靖国神社参拝を巡る騒動を見ると、もはやこの問題は国内問題に過ぎないということを実感する。「懸念」されていた中韓の反発も、政府レベルのお決まりの「抗議声明」に留まった。国民レベルでは全くといってよいほど盛り上がらなかった。要するに本質的に「どうでもよい問題」なのだ。

韓国では、保守派約百人が日本大使館前で安倍首相の顔写真を付けた人形を燃やして「気勢」を上げる程度であった。この何とも民度の低いパフォーマンスが「民衆の怒り」の全てであった。慰安婦問題で過激に行動する反政府側親北左翼の抗議活動は全く見られないのが特徴的だ。保守派の朴槿恵政権が反日で極端に傾いているため、左翼陣営が靖国問題で揺さぶりをかけられないどころか、逆にエールを送ることになるからだ。

韓国は、経済不況による国民生活の貧窮化に喘いでいる。保守と左翼が深刻な対立局面にあり、鉄道ストライキでそれが表面化している状況である。靖国参拝問題どころではないというのが韓国民の本音ではないか。

さて中国だが政府側に型通りの制裁はあった。日本の訪中議員団との対談拒否であるが、これは尖閣問題では見られて格別珍しいことではない。中国が目に見える形の制裁を発動していない。できないといってよいかもしれない。

3年前に発生した尖閣での中国漁船衝突事件では中国はレアーアースの禁輸という日本の弱点を狙う措置をとった。しかし、その後日本がレアーアースの輸入先を多様化したり、その代替品を開発したりしてこの禁輸措置に対抗した。その結果、中国のレアーアース大国の優位性は崩れ価格は暴落して、結局自分の首を絞めることになってしまった。明らかに中国の敗北である。

その苦い教訓ゆえ、中国はなんら経済制裁を打ち出せない。制裁によって喉から手が出るほど欲しい日本の投資が減ることを中国政府は恐れているのだ。

肝心の中国民衆レベルの反発は予想外に弱い。確かに首相の参拝には国民感情としては不快に違いない。しかし、デモ活動に出るほどの爆発力はない。中国政府は国民のデモ申請を現在ことごとく拒否している。政府とて靖国参拝に国民の反発が強ければ、ある程度デモを認めざるを得ない。実際はそれほどのことはなく大したことではなかったというのが現実ではないか。

要するに、首相参拝は中国にとって、国民を取り巻く諸問題と比べたらどうでもよい問題なのである。それ以上に政府不信が強いといえるのではないか。政府や党幹部の腐敗堕落に対して国民の不満は極限に達している。経済不振によってさらに表面化した国民の生活格差はもはや修復不可能だ。下手に政府がデモを認めたらそれが反政府デモに発展する可能性が強い。それがテロにでもなれば政府も面目は丸つぶれである。

かくして韓国も中国も首相参拝でほとんど有効な手段をとれず、民衆の反応も極めて弱い。メディアが「期待」した中韓の反発は予想外に鈍く不発に終わったといってよい。アメリカやロシア、EUから失望や遺憾の声明があったようだが、これは東アジアの緊張が高まることへの懸念であって、決して首相の靖国参拝自身の抗議ではない。

したがって、今回の参拝では国外の反発は予想外に小さく問題にするレベルではない。結局騒いだのは日本のマスコミと一部左翼勢力だけである。つまり、国内問題といってよいのだ。しかもマスコミで騒ぐのは新聞、テレビといった既成メディアだけである。

実際ネット上の声は様相が異なる。いくつかのサイトを調べたが、首相の参拝に賛成する声の方が圧倒的に多い。これが、即国民の声といえないが、ならば新聞・テレビは彼らが好きな世論調査を早く実施して欲しい。首相の参拝は是か否か。おそらく国民の反応はもっと冷静のような感じがする。もはや靖国参拝問題は「中韓問題」はおろか、「国内問題」でもない。「既存マスコミ問題」に過ぎないといえるかもしれない。

追記:考えてみれば、慰安婦問題も靖国問題もことの発端は朝日新聞などの左翼メディアと一部左翼勢力が喧伝したことによる。特に朝日新聞が問題を捏造したり曲解させたりしたことによってそれが韓国や中国に飛び火したというのが実態である。諸悪の根源はどこなのか改めて考えるべきだ。

臭い匂いは元から断つ。といっても朝日新聞の廃刊運動すべきだなんていうつもりはない。もはやネットでの自由な言論が拡大して、既存メディアの世論に対する影響力は今後一層減退していくだろう。世論の支持を得られないメディアは衰退していく。今の社民党にように。国民から遊離したメディアは商業ベースでも立ち行かなくなる。「合法的廃刊」もありうる。それが民主国家の健全な淘汰なのだと思う。


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