粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

松坂牛200g×3枚、特別価格16,416円(税込)

2015-12-16 19:36:43 | 国内政治

もちろん、自分のブログで通信販売を始めたのではない。例の軽減税率で「加工食品」を消費税据え置きの対象にする話なって、まぜか加工食品に違いない日本が誇る超高級和牛は今いかほどの価格で売られているのか知りたくなったのだ。

ネットで検索したら「全国送料無料!冷凍でお届け!★松坂牛 サーロインステーキ 200g×3(品番503)【平成27年12月1日出荷開始】といったショッピング広告を見つけた。通常価格は20,520円だから2割引の「大奉仕価格」といえるだろう。

自分自身、日頃こうした高級和牛には全く縁がない。だから、16,000円のステーキが高いのか安いのかさっぱりわからない。しかし、これが「低所得者層救済」の一環で、消費税増税の際は「税据え置き」の対象になることは確かだ。この松坂牛の場合は2%なら300円程度になるのだから、馬鹿にならない金額ともいえる。

富裕層ならこうした買い物も珍しくない。しかし、どう見てもこんな高級肉を低所得層は好んで購入することはないだろう。普通は100g100円程度の小間切れの輸入豚肉で済ますことが多いに違いない。これとグラム25円の高級和牛と同列に扱うのは無理があると思う。

結局、食品に軽減税率を導入するとはいっても、必ずしも低所得層保護の決め手とはならない。少ない収入から食費をやりくりしている庶民にとり年間3000円程度しか負担軽減にならないという試算がある。逆に富裕層ほどその恩恵が高いともいわれる。弱者救済のつもりが結果的には富裕層に有利な税制となりかねない。

そもそも再来年4月に消費税増税で国家財政が改善され健全化していくか疑問だという声が強い。新聞やテレビの既存メディア以外のネットでは増税反対が主流になっている。ネットに登場する経済評論家たちのコメントを聞くと昨年の8%増税がせっかく盛り上がったアベノミックスの活況を失速させデフレに逆戻りしてしまったという認識が圧倒的に強い。

来年は増税そのもので論議が沸騰して政局が予想外の展開に進むこともありうる。いや、大いに紛糾して増税見送りになることを期待している。先日安倍首相が記者会見で消費税増税で「国民の理解」の必要性に言及して物議を醸している。もしかして、安倍首相は国民の理解の欠如を理由に増税を見送るのではないかといういう憶測も出ている。

ここへきて、今年安保法制であれほど安倍首相を糾弾した新聞が軽減税率の対象になっていることが明らかになった。だから、昨今の税制を巡る与党内の紛糾や官邸の対応について新聞は表向きは批判的に報道しながらも切り口が鈍い。それだけ新聞が軽減税率に対象になることを政府に期待しているのだろう。しかし、そんな新聞の曖昧な態度には決して「国民の理解」を得られないだろう。

むしろ、消費税増税が全面的に見送りになったら、景気に好影響を及ぼすことは大いにあり得る。松坂牛もステーキ3枚はとともかく1枚ぐらいは買って食べてもいいかなと思うかもしれない?


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