粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

安部対反安部の熾烈な闘い

2014-05-23 12:15:05 | 反原発反日メディア

集団的自衛権行使、大飯原発差し止めと厚木基地騒音という二つの訴訟の判決など、最近の話題を巡るメディアの反応を見るにつけ、安部対反安部の熾烈な闘いが繰り広げられていることを痛感する。そしてあの美味しんぼ騒動とてその例外ではない。

憲法改正、防衛安保、外交、原発、教育など国の根幹に関わる問題でことごとくメディア同士が全く反対と言ってよい主張を展開している。それはそのまま安部政権支持・擁護か不支持・打倒という二極対立に直結している。そういった意味で今の日本は言論界を主戦場にした内戦状態にあるといってよい。

たとえば美味しんぼ騒動。過激な描写で論議を呼んだが、この漫画を徹底批判したのが読売新聞と産経新聞だ。これに対して理解を示したのが朝日新聞、毎日新聞、東京新聞と見られる。美味しんぼの漫画のテーマは放射能汚染への極端な忌避であり、そこから「反原発」が最終的に叫ばれている。これは原発再稼働を着々と進める安部政権への痛烈批判につながっている。

原発政策といえば、21日の大飯原発差し止め訴訟での判決でもその対応で顕著に現れている。裁判官独自の原発認識だけで判断したとしか思えない一方的な判決だと思う。しかし、この判決への評価は直後に出された新聞の社説を読めば一目瞭然だ。美味しんぼの評価と全くといってよいほど一緒だ。

集団的自衛権行使、厚木基地騒音訴訟とて同様だ。考えてみれば今年に入ってこうした対立軸が表面化している。NHK新会長就任での会見、名護市長選挙、小泉細川の脱原発、竹富町の教科書問題、オバマ訪日…。これら全てが安部対反安部に最後は結びつく。

これでは例えは悪いが、室町時代の応仁の乱のような内戦である。どちらが東軍、西軍かはわからない。仮に東軍の頭目が安部政権としたらその旗の下に読売新聞や産経新聞という二つの保守系メデイアが参じている。ごくわずかな一部小さなメデイアが付く。

対する西軍だが、頭目は朝日新聞といってよいだろう。脇を毎日、東京新聞が固めている。もちろん政界では野党の多くが反安部政権であるが、全て弱小でさほど力はない。おまけに日本維新の会やみんなの党は日和見であり、東軍への身返りも画策している。ただメディアは地方新聞が圧倒的に朝日寄りであるかそれ以上に先鋭的だ。テレビやラジオといった電波も中立的なNHKを除いて多くは朝日側だ。

また東軍の安部政権だが直近にアキレス腱を抱えている。与党の自民党に安部政権に批判的な勢力が存在することだ。安部政権の保守路線に抵抗するリべラル勢力で特に親中韓派とされる人々であり、これが西軍に加担する動きを見せている。既存のメディアの多くが西軍であるため、反安部の西軍の雄叫びだけが世間的には否が応でも勇ましく聞こえる。

安部政権の東軍が印象的に劣勢にも思われる。しかし、実際は必ずしもそうとはいえない。安部政権の一番の強みは国民から依然として50%を超える高い支持を得ていることだろう。朝日新聞などのメディアが強力な反安部キャンペーンを繰り広げているが、国民の大多数は安部政権のこれまでの政策を概ね支持しているのだ。

そしてネットという新しいメディアの台頭がこれまた安部政権支持・援護の働きをしている。実際既存のメディアの一方的な論調に国民の多くが疑問を持ち始めている。ネットで多様な言論を収集した上で分析・判断する。ここうした試みによって既存のメディアとは独立した世論が形成されつつある。その世論が現在のところ安部政権に対して強力な支持勢力になっている。

今後この戦いはどう進展していくのか。やはり注目はネットを含めた世論の動きであろう。ある一つの国内外の事象で方向が変わることはありうる。安部政権浮揚に一層拍車がかかるか、あるいは一気に萎んで失脚を余儀されるか。今後もその行方は不透明である。関ヶ原の戦いや大坂の陣はいつ?



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