粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

集団的自衛権行使と公明党

2014-05-24 15:29:55 | 国内政治

産経新聞で意外な記事に出くわした。

野中広務元官房長官は23日のTBS番組収録で、公明党の支持母体の創価学会広報室が集団的自衛権の行使容認問題をめぐり、政府のこれまでの憲法解釈を支持する見解を示したことを批判した。「政教分離と言いながら、特に憲法について発言したのは非常に問題だ」と述べた。

実は野中元官房長官は以前朝日新聞の取材で安倍首相が進める集団的自衛権行使容認の動きに反対する発言をしているのだ。したがって、創価学会の「反対」表明にも同調してもいいはずだ。しかし野中氏はそんな政策の是非よりも創価学会の「政教分離」に抵触する姿勢をまず第一に批判しているのだ。

これにはおそらく、朝日新聞そして公明党が面食らっていることだろう。実は野中氏に対しても創価学会に対しても朝日新聞は集団的自衛権行使容認について「反対」の言質を得ていている。特に創価学会の「反対」はまるでスクープの如く新聞のトップに大々的に報じた。これをもって元々行使容認に慎重な公明党を一層揺さぶろうと目論んだ訳だ。

山口代表以下公明党幹部はこうした学会の発言には戸惑っているのは確かだ。山口代表がこの件で「ノーコメント」として何も語らないのがそれを物語っている。おそらく、公明党の本音は最終的に集団的自衛権行使容認に賛成なのだと考えられる。しかし、支持母体の創価学会特に婦人部が反対しているので、表向きはなかなか容認を口にすることはできない。ただし、山口代表以下公明党首脳は「慎重」は口にはしても「反対」と全然表明していない。

そして今回の野中元官房長官による創価学会批判だ。これは公明党批判にもつながる。結局公明党は政教分離と言いながら相変わらず創価学会べったりだという批判だ。朝日新聞も、事が自分たちの意図とは違う方向に進んでいくことは思惑外れと感じているはずだ。

おそらく、公明党は「政教一致」批判を避けるために行使容認に向けて粛々と与党協議に臨んで行くものと考えられる。行使容認といっても「行使ができること」を挙げて協議するに過ぎない。したがってその範囲は極めて限定的なものになっていく。もちろんすぐ戦争する仕組みになりような話ではない。外部の感情的で無責任な煽動に振り回されることなく、現実的な安全保障政策が構築されていくことを願っている。

 


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