粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

米朝協議と北朝鮮の国内事情

2012-02-25 08:15:05 | 厄介な隣国

北朝鮮の核開発をめぐって米朝が北京で高官協議を2日間協議をしたが、大きな進展はなかったようだ。アメリカはウラン濃縮の停止や監視団の派遣の見返りに、24万トンの栄養食支援を約束していたが、取引が成立しなかった。

栄養食品とは具体的にはビスケットの類いらしいが、北朝鮮はもっと違うものを欲しているようだ。どうもこれには4月に行なわれる金日成生誕100年の盛大な祝典行事が関係している。国のトップに昇った若き首領様金正恩が、祝典にあわせて国民に配給する食料がビスケットでは「見栄えが悪い」らしい。これだと外国製で援助品だと国民に知れてしまう。もっと米などの「普通の食料」を欲しく、しかも30万トンに増量して欲しいということだ。

要するに、急に国のトップに上がった金王朝の三男が、国民に自分の体面を誇示したくて、見栄えのする食料が欲しいだけなのだ。しかし昨今の北朝鮮の孤立化と農業政策の失敗で、そんな食糧調達もままならない。

国連によれば、北朝鮮は今年74万トンの食糧が不足するが、輸入できるのが32万トンで41万トンが調達できないという。国民の300万人に援助が必要だとしている。ただし国民の主食はいまや家畜用トウモロコシで、その分41万トンを輸入するなら88億円程度で済むようだ。ミサイル開発に回す予算があるのなら、そんな資金は微々たるものだ。

見栄えのある食糧を援助して、一時的に核開発を中止しても、それがどれほどの意味があるのか、それは過去の北朝鮮の対応を見ればわかるはずだ。北朝鮮は決して核開発を自主的に撤廃することはあり得ない。


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