粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

日本人の国防意識

2012-04-25 13:54:23 | 事件・事故・時事

石原東京都知事の「尖閣諸島購入意思表明」以来、国防論議が新たに盛りあがってきた。東京都には4日間で3500件の意見が寄せられ、その9割が賛成だという。猪瀬副知事が購入には寄付も歓迎すると言っていたが、早くも現金書留での送金も届いているようだ。

一昨年の尖閣諸島の中国漁船衝突事件より、日本周辺の国境間緊張が続き、日本人の間にも国防意識が高まってきたことも背景にある。

事件当時、同盟国の米国の対応は思いのほか冷淡だった。もちろん日本支持を表明したものの、問題は日中間で解決してくれといわんばかりだ。あまり米国の国益に関係ないことは深入りしたくな気持ちがありありだ。

日本はいつでも米国が守ってくれる思ったら、とんでもない裏切りを受けることを忘れてはならない。米国と常に協議を続けていく必要があるが、自国の領土は自分たちで守るという覚悟が肝要だと思う。

ところで、先日あるテレビを見ていたら、石原都知事の表明について仙台の動物園の入園客に感想を聞いていた。小さな子供を連れた母親が「これでバンダが来なくなるのが心配です。」と答えていた。動物園に仙台市がバンダを誘致する運動をしているが、都知事の発言でそれが危うくなることへの懸念だ。

朝日新聞系列のテレビ局の番組だが、この主婦の声を聞いてあっけにとられてしまった。実際中国がパンダを提供(レンタル)することを拒絶したわけでない。日中間がこじれて、パンダがこなくなるのではないかというこのテレビ局の勝手な思惑から、こうした取材を敢えてしたとしか思えない。ゲスト出演の女性歌手もこれまた同様だった。

パンダが来なくなることと自国の領土が脅かされることを同列に扱うことは全く理解に苦しむ。このテレビ局では以前も、北朝鮮のミサイル発射問題で、専門家でない芸能タレントが「日本の防衛体制は過剰だ」とコメントした。そして番組のトーンもそれに同調する流れだった。

国民の国防問題につぃてこんな庶民レベルの声で電波を垂れ流すテレビ局には大いに疑問が残る。確かに国防意識が異常に高まって予期せぬ極端に走ることは問題だ。しかしこうした国防意識の薄い市民に、自分たちの次元の意見だけをメディアで語らせることは国民の世論を誤らせるのではないかと思う。


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