粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

日本テレビと風俗産業

2014-11-13 11:52:21 | 事件・事故・時事

ミス東洋英和の女子大生が来年4月に日本テレビのアナウンサーに就職内定していたのだが、彼女が一時的に銀座のクラブホステスのアルバイトをしていたことがわかり内定取り消しになったことが話題になっている。。よく週刊誌などが入社後に過去を暴露して発覚するケースがあるが、彼女自身がその経歴を自己申告して採用の是非を打診しているのは珍しい。

日本テレビの人事部長は取り消しの理由として「傷がついたアナウンサーを使える番組はない」と説明しているが酷い話だと思う。日本テレビの社員全員がこうしたクラブへ遊びにいったことがないといえるのか。自分が楽しい思いをしていながら、いざ女子アナに対してそんなクラブ経験者は駄目だといえた義理もないだろう。

このことで思い出すのが、45年前に日本テレビ系で一世を風靡した番組である。当時人気絶頂のコント55号が司会を務めた番組「裏番組をぶっ飛ばせ」である。日曜夜8時のゴールデンタイムの放送時間だが、同じ時間帯で放映されていたNHKの看板番組ともいえる大河ドラマ「天と地と」を意識したものであった。

この番組の売りはなんといっても後半のコーナーで行なわれる「野球拳」である。コント55号の坂上二郎とゲストの女性タレントがじゃん拳をして負けた方が次々と服を脱いでいくという刺激的な内容だった。子どもを含めて家族全員が集う時間帯であり、当時お茶の間の話題をさらった。当然世の男たちは女性タレントの脱ぎっぷりを毎週楽しみに見ていたが、女性たちにとっても人気芸人の娯楽番組として捉えていたので番組の注目度は圧倒的であった。視聴率も大河の牙城を突き崩すほどの勢いであった。

女性タレントの脱いだ服は観客がオークションで買い取られ売り上げは福祉関係に回された。中には女性の下着を堂々と申し出る男性もいたことを記憶している。こんな風景を今考えると、それこそ現在のブルセラ店の原型ではないかと思ったりする。野球券そのものが風俗的遊びだといえるし、脱いだ服を観客に分け与えることに至っては何をか言わんやだ。

人事部長が「傷ついたアナウンサー」などと女子大生をいう前に自分の会社が過去に放映した番組を思い出すべきだ。それでなくとも今日ドラマでは風俗をテーマにしたものは珍しくないし結構視聴率を稼いでいる。日本テレビが例外だとは全くいえない。また紅白などの歌番組でも演歌歌手の歌には盛り場のクラブをテーマにしたものが少なくないし、夜のゴールデンタイムに堂々と流れている。

こんなこと書くと熱狂的なファンには怒られそうだが、AKB48の握手会など、体によい「JKお散歩」だと思っている。好きなメンバーと直に握手をしたい欲求を満たすためにCDに握手券を同封するなど商魂逞しいといえるが、それこそ「JKお散歩」のシステムとさほど変わらないのではないか。

もはやテレビ業界は「風俗」が横溢しているといえる。もちろん、違法性がない限り風俗という職業群に対して差別すべき対象にはなり得ないし、してはいけない。むしろ、東洋英和の女子大生がこうした経験を積んだことが一層アナウンサーとしての糧になるのでないか。

東洋英和の女子大生など、自分自身ほとんど縁がないほど箱入りのお嬢さんに見える。しかし、教育的には巷間いわれているのは非常に左派的傾向が強いといわれる。そんなガチガチの教育だけで卒業した女子大生よりも少しでも社会を経験した女性の方がよほど魅力的だと思う。元祖風俗番組の日本テレビは惜しい人材を失いそうだ。

 

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