相変わらず、反原発の左翼新聞が福島第一原発の危険」を煽っている。
「汚染水、外洋にに垂れ流し 1年前に把握、放置 福島第一原発」
東京電力が、福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのを放置していたことが二十四日、分かった。外洋への継続的な漏出を昨年四月に把握しながら公表せず、排水溝を専用港内に付け替えるなどの対策も取っていなかった。(東京新聞2月25日)
1~4号機の山側を流れる排水溝の水は、外洋に流れにくい専用港にではなく、外洋に直接出るようになている。その出口では「比較的高い」濃度の汚染水が検出されている。外洋の出口付近で最大でセシウムが1リッ、トル辺り1010ベクレル、ストロンチウムが1050ベクレルだったという。ただ、それを記録したのが昨年8月、2号機建屋の屋根から流れる汚染水が原因のようだ。
どうも今頃になって昨年8月のデータが公開されるのがよくわからない。しかも、これは雨天時の最大値で晴天時では100分の一程度だ。東電では自社が実施する外洋の濃度測定でセセシウムとストロンチウムなどは同一レベルで以下であるとして、「外洋には影響がない」と説明している。自分もそう思う。リットル1000ベクレル程度の汚染水が年に数回流れても海水で拡散してすぐに問題ないレベルに薄まってしまう。したがって、福島県近海の漁業には全くといってよいほど影響はない。
東電もここんな数値は大して問題ではないと本気で考えていたのかもしれない。しかし、反原発のメディアに取っては「今も続く隠蔽体質」(東京新聞)と格好の東電叩きの材料になってしまった。また、昨日のNHKやテレビ朝日の報道では当然のごとく福島県の漁業代表者を登場させ、「信頼関係が損なわれた」といったコメントをさせている。批判されれば東電も表立って反論はできない。
ただ東電に限らず、なぜ今頃になって昨年8月のデータが蒸し返されるのか疑問に思うのではないか。もちろん、公表を怠ってきたことは責められるが、これは雨期の最大数値であり、日常的にはさほど騒ぐほどの数字ではない。「今も福島を裏切り続けている」と東京新聞は得意げに書いているが、はしゃぎ過ぎでどこか陰謀論的匂いを感じないわけにはいかない。
それはともかく、東電は原子炉建屋地下の汚染水をいかに処理するかという世間が注目する課題に頭がいっぱいなのだろう。こんな屋根の雨水には神経を注ぐ余裕がないのではないか。そうした気持ちの隙を反原発メディアに突かれたといえる。
ブログで過去に何度も書いたが、なぜ政府は福島の事故の処理をいつまでも東電に任せっきりなのか。安倍首相は原発事故の影響は制御されているとうことを世界に宣言したが、どうも発言だけで事故処理を全面フォローする気概を感じない。アベノミクスや国防外交政策ばかりが優先され、原子力政策は腰が引けている。
いまこそ、東電としっかり連携をとって具体的で有効な汚染水処理を積極的に推進して欲しい。こんな反原発メディアの意地の悪い横やりを軽くいなすのが一番だ。
それと同時に、政府は福島の安全をもっと内外にアピールしてほしい。先日テレビ朝日の報道ステーションで古館伊知郎キャスターが「福島の甲状腺がん検査で福島県は事故での被曝の影響が現在見られないといっているが、いまだわからないことが多い。こうした視点も尊重すべきだ」といった趣旨の発言をしていた。このコメントはいかにももっともらしく聞こえるが、悪しき「両論併記」にしか思えなかった。
福島でチェルノブイリのような高濃度の被曝をした子供たちはいない。被曝度は桁が二つも違う。その違いを明らかにするための甲状腺検査であったはずだ。つまり福島では甲状腺がんが増えることはないという前提で検査が始められた。そして現在、検査結果がはっきりそれを証明している。だから、政府は悪しき両論併記ではなく「福島は安全」という福島県の見解を共有すべきだと思う。
そして最後に安倍首相にもう一つ提案したい。来年日本で行われる先進国首脳会議サミットはぜひとも福島で開催してほしい。世界に福島の安全をアピールすることが福島の復興に大きく寄与するはずだ。反原発のメディアや言論人が大反発するだろうが、後世英断として評価されるに違いない。
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