粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

福島浜通りの完全復活

2014-09-18 18:02:42 | 福島への思い

30年以上も昔の話、ある出版社で営業をしていた時、常磐線沿線を二泊三日で回ったことがあった。なぜこの駅だったのか今良く思い出せないのだが、南相馬の原ノ町駅を下車して近くの旅館で一泊した。

駅を降りると地元の相馬祭りをピーアールする大きな立て看板が否が応でも目に入った。いかにも地方ののどかな風情であったが、郷里の伝統行事を誇りに思う地元の人々の心意気を当時感じた。今でもなぜか福島県の駅といえば原ノ町駅を最初に思い出す。

今この駅はどうなっているのだろうか。報道によれば、福島県内の常磐線は原発事故の影響でずたずたの状態にある。北側の相馬・浜吉田間は今年から復旧工事が始まり、17年度には再開する予定だが、原ノ町から竜田間46キロはいまだ復旧の目処が立っていないという。この部分にはもちろん福島第一原発が存在して周辺地域の高線量が大きな障害になっている。

最近国道6号線が全面開通になった。常磐高速道路も福島を訪問した安部首相が12月の前倒し復旧を公言していた。今年中にはなんとか福島の浜通りは道路の車手段は復活できることになった。しかし、鉄道手段に目処が立たないのが残念でならない。これが復旧して本当に福島の日常が復活できるのではないかと思う。

鉄道の「線」の部分だけを除染して運営できないものか。原発直近駅はともかく、沿線の駅が開業して昔の活気が復活することを願わずにいられない。自分の出張では当日営業で珍しく成績がよく、常磐線のあまり速くない列車で、のんびり車窓の景色を眺めていたのを思い出す。のどかに広がる田園風景に昼間の緊張から解放され、心地よいひとときだった。そんな懐かしい車窓が戻ってきてほしい。

 

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