粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

大熊町の挑戦

2015-03-11 20:26:48 | 福島への思い

本日、東京ニッポン放送の報道番組「ザ・ボイス」で飯田浩司キャスターが最近大熊町を取材した様子を伝えていた。番組で、ある町民が復興計画を語っていたが、とても興味深く期待を抱かせる内容だった。

福島県大熊町といえば、北部で福島第一原発が隣町の双葉町とまたがっていて、まさに原発の地元の町だ。当然、町民は皆避難を余儀され住民の帰還はまだ見通が立たない。

ただ、原発の作業員は7000人が常時作業に従事していて、決して町がゴーストタウンというわけではない。最近、大熊町内に中間貯蔵施設を建設することを町と県、政府とも合意してそれに向けて本格的に動き出した。そうなれば、この作業にも新たに雇用が生まれる。

現在町内の除染作業が比較的線量が低い町の西部(町の中枢部にあたる)で急ピッチで行われている。これが進行していけば、住民や作業関係者(現在大熊町以遠から原発に通っている)の居住も可能になる。西部地区が避難指示解除準備区域であり、町民には町の復興の拠点にしようという動きがみられる。

番組で登場した町民は今後の町の復興を熱くではあるが、非常に現実的に語っていた。原発廃炉作業と中間貯蔵施設での収集・処分作業を町の産業の中枢として積極的に捉えて、それを中心に関連企業を呼び込み町の産業を活性化しようというものだ。すでに除染が終わった大河原地区の場所には給食センターが完成し、原発内へ作業員3000人分のためにこの4月から届けられるという。

これまでは遠いいわき市の給食センターからだったから、町内ならば供給はスムーズになる。センターで働く人員には町民が多くいて住民の雇用につながっている。また原発作業員や今後始動する中間貯蔵施設作業員が居住する住宅の建設も進んでいる。そうなれば町に住民が定着し町自体が活性化する。

番組のスタッフが除染が進む大河原地区で線量を計ったらなんと毎時0.1マイクロシーベルト程度だったという。原発から5キロ以内の場所と思えないほどの低線量である。住民の早期帰還の期待がますます広がる。

原発の廃炉作業にしても、中間貯蔵施設の作業にしても30年単位の長期のものになる。皮肉な話だが、これが逆に長期の雇用につながるわけだ。二つの事業に付随する種々の産業も同様だ。今後、原子力関連の新しいテクノロジーの産業が生まれるかもしれない。

中心の二つの事業は原発事故の負の遺産としてマイナスイメージと見られがちだが、ここは逆転の発想だ。原発直下の町として避難による補償も必要だが、大熊町民の力強くしたたかな取り組みには大いに注目したい。

 

1 コメント

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高齢者は自業自得 (避難放浪民)
2016-03-06 10:36:19
てめえ等が原発誘致してタカって食ってきたんやから、被害者ヅラする事ぁあんめや。さも、いい事のような故郷教育で洗脳される子供たちは可哀想でならない。子供たちが暮らし続ける事で、DNAレベルで異常が生じたら目もあてられん。 政府が安全ちう科学的根拠こそアテにならん。福一→福二→八溝の山→茨城県大子→栃木県黒羽→那須高原→塩原&矢板→日光ちうルートで拡散してる。東電政府は福島以外の避難者にも補償しろや
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