粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

誤報と捏造

2014-10-28 16:57:43 | 反原発反日メディア

自分の26日のブログで朝日を擁護する集会のことを書いたが、そこであるジャーナリストの発言が気になった。青木理氏が「記者は誰でも時々誤報をうっかり発信することがある。誤報を出さない記者は無能で怠け者でしかない。朝日の誤報も同じなのに、それをもって売国奴とか国賊とかといわれるのはおかしい」といった内容だった。

確かに、この主張の前半部分は正しいが、後の朝日の場合はどうか。すなわち朝日の報道は単に誤報で済まされるのかということだ。人間がよく起こす「うっかりミス」といえるのか。

特に慰安婦問題での植村隆記者の報道はとても誤報で片付けられるものではない。限りなく捏造、いや明らかな捏造と言ってよいものだと思う。それについては最近も産経新聞が検証記事を出している。

3年8月11日付朝日新聞朝刊社会面(大阪本社版)に「思い出すと今も涙 元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」の見出しで、大きな記事が掲載された。執筆者は大阪社会部に所属していた植村。韓国人元慰安婦の証言を初めて報じた“スクープ”だった。

 もっとも植村は直接会って取材したわけではない。韓国の反日団体「韓国挺(てい)身(しん)隊問題対策協議会」(挺対協)が録音した約30分の証言テープを聞き、それを記事にまとめたのだ。

 記事では匿名だった金学順(キム・ハクスン)は3日後の14日に実名を公表し、韓国のメディアもこぞって取り上げ、慰安婦問題に火がついた。金が証言した結果、植村の記事との矛盾が浮かび上がった。

植村は金を「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』」のうちの一人として取り上げている。ところが、金がこの年の12月に起こした賠償訴訟の訴状は「養父に連れられて中国へ渡った」と記載。別の証言集でも金は「女子挺身隊の名で連行された」とは語っていない。

植村記者が取材した元慰安婦の金学順について、植村記者は「女子挺身隊の名で戦場に連行された」と書いているが、金本人は裁判の訴状ばかりか、記者会見でも「義父に連れられて中国へ渡った」としか語っていない。彼女の口から「挺身隊」の「て」の字もでていないのだ。しかも、植村記者自体は本人に取材せずに挺対協の証言テープを頼りに「重い口を開いた」とさも自分が聞き取りしたような報道ぶりである。

明らかに事実関係に矛盾がある。しかもある特別な意図で記事にしたとしか思えない、元慰安婦の個人的な問題をあたかも背後に国家権力が介在するかのような書きぶりである。この矛盾に植村記者は公の場で釈明をせずいまだ逃げ回っているのだ。こんな無責任な態度と取っている限り、「捏造」と言われても仕方がない。そして朝日新聞は植村記者をかばい続けている。それどころか、退職後に講師をしている大学へ脅迫がきていることを盛んに問題にしている。

確かにこんな脅しは決して許されるものではないが、産経の記事にある通り「韓国のメディアがこぞって取り上げて、慰安婦問題に火がついた」ほど、看過できない重大な報道であった。したがって植村記者はこの「捏造記者」の汚名を返上するためにもきちんと説明する必要がある。

軽々に朝日報道を売国的と決めつけるのも問題だと思う。しかし、旧日本軍軍人たちが朝鮮人女性を脅迫で連行して性奴隷として虐待したという悪しき印象を報道によって世界に拡散させたことは事実だ。それも事実であれば致し方ないが、虚偽であれば「反日的」と言われても仕方がない。単に誤報だから、と言い張る左翼ジャーナリストは、こうした事実関係を本当に承知した上で朝日擁護をしているのか、はなはだ疑問だ。

 

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