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●もっと知られるべき「関西生コン事件」…⦅そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった》とならないために

2024年08月25日 00時00分45秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(20240821[])
関西生コン事件」、《民主主義の危機労働組合活動に対する恣意的な法執行長期間の身体拘束》。
 デモクラシータイムスの【関西生コン事件 仰天の現場証言~無罪の被告人と兵糧攻めされる業者【竹信三恵子の信じられないホントの話】20240806】(https://www.youtube.com/watch?v=T1q_RnUBSqg) の3人の出演者の皆さんが強調されていることは、もっとこの事件が知られるべきということ。ブログ主が強調したいことは、不当・不法な労働組合 (産業別労働組合) 活動潰しのための完全なるでっち上げ事件と云うこと。最近漸くと、続々と無罪判決が出ています。そもそも、正当な組合活動を「反社」のように警察や検察が在りもしない事件としてでっち上げたもの。ハウスユニオンにありがちな《企業内の御用組合を養成する政策》を進める一方で、産業別労働組合をつぶしたいという意図が透けて見える。

 さらなる問題は「生コン事業者の協同組合」、つまり、大阪広域生コンクリート協同組合。関生=「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)」とは別の「生コン事業者の協同組合」。関西生コン労働組合とは別物の、この協同組合お維との癒着関係、「」ももっと知られるべき。大阪の生コン価格は全国一で、他所と比べて不当に高い。理由は何か?
 これまで何回かブログに書いてきたのだが ――― このでっち上げ労働組合弾圧事件をいつも持ち出すお維。嘘でもデマでもたれ流し、選挙にさえ勝てばいいというお維。この問題「関西生コン事件」に(おそらく氏の勘違いで?)絡んでいる足立康史氏(松井一郎第二代大阪「ト」知事との不仲の一因か?)が、お維の無法 (不法?) 行為を指摘したにもかかわらず、逆に、半年間の党員資格停止処分だそうだ…複雑な気分で、どう受け止めていいのやら。まぁ、それほどお維はデタラメということでもある。まさに《反社》 ―――。
 《「公権力が、労組を暴力団と同じ論理に当てはめてやってくる」》。「労組は反社?」…いやいや、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党やお維こそが《反社》でしょ!? 見誤ってはいけない! この事件の本質的教訓はニーメラー牧師の『ナチスが最初共産主義者を攻撃した時』…:

   「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
     私は労働組合員ではなかったから
     そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

 前述の「(おそらく氏の勘違いで?)絡んでいる足立康史氏(松井一郎第二代大阪「ト」知事との不仲の一因か?)」というのは、足立康史氏が「生コン事業者の協同組合」=大阪広域生コンクリート協同組合を関生=「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)」と勘違いして批判したことで、松井一郎第二代大阪「ト」知事が激怒したというもの。「生コン事業者の協同組合」=大阪広域生コンクリート協同組合不当に生コン価格を吊り上げお維と癒着することで、おそらく、お維にキックバックしていると推測される。少なくとも、お維への献金やパーティー券の購入など。その協同組合 (価格吊り上げ、お維との癒着) に気づかず、足立康史氏が関生の労働組合活動をその協同組合がやっていることと勘違いして協同組合を批判してしまい、松井一郎第二代大阪「ト」知事の逆鱗に触れたというもの。この協働組合とお維、特に、松井一郎第二代大阪「ト」知事はズブズブだということ。夢洲でのお維祭り賭場開帳には大量の生コンが必要ですものね。
 この辺の事情は、西谷文和さんの【路上のラジオ】をどうぞ。【西谷文和 路上のラジオ Vol.163/大椿ゆうこさん「大阪万博、維新と大阪広域生コン協同組合が癒着? その謎に迫る。」】(https://www.radiostreet.net/radio/1735/)。《そして今、まさに大阪万博カジノの大型受注もある中、この大阪広域生コンクリート協同組合の理事長ら幹部と、大阪吉村知事松井前市長他、大阪維新の要職との深い関係がささやかれているというのです。そしてなぜか、この生コンをめぐって維新の会の足立康史議員と松井前市長がネット上で罵倒し合うという事態になっています。この広域組合は、ヘイトスピーチなどを繰り返す排外主義者の団体とのつながりもあるとも言われています。大阪万博やカジノ建設にからみ、このような汚い利権がうごめいていることは看過することができないと、大椿さんは今、参議院議員として一生懸命に情報を集め、国会に質問主意書の提出などして、この問題を追及する準備を進めています》。

   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
                …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    《関西地区生コンに対する弾圧とは、2017年末に関西生コン支部が
     行ったストライキ決行を契機に、現在まで、のべ58名の逮捕者が
     出ている事件を指す。労働組合としての当然の行為である
     ストライキに対し、警察、裁判所、検察が一体となった弾圧行為
     行われている…集会参加者の一人、ジャーナリストの竹信三恵子さん
     …はドイツの牧師マルティン・ニーメラーの詩を引用した…
     「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった/
     私は労働組合員ではなかったから/そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」》

   『●ニーメラー牧師「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時」…
        高江や辺野古が破壊された時、「関生」が狙われた時…
    《▼日本も労組が標的になる段階まできた。生コン車の運転手らで
     つくる連帯ユニオン関西地区生コン支部、通称「関生(かんなま)」。
     組合員らの逮捕は延べ85人、委員長と副委員長の勾留は
     28日で1年になる》

   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
     しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
   『●風見鶏氏・中曽根康弘元首相《左派労働運動(総評)を
     つぶし、社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに…》
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、「破防法
        を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》
   『●《連合が労働者にとって何の役にも立たない為政者の腰巾着…労働
     運動が鳴りを潜め、新自由主義政策のもとで資本のやりたい放題が横行》
   『●トンデモなお維とカルトな統一協会、なんという相性の良さでしょう…
     「統一協会の反社会的行動を批判」が「宗教弾圧」だと叫ぶ「ト」なお維
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
      なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●《関西生コン事件とは何だったのか》? 漸く《労働組合としての正当
     な行為が犯罪とされていたことが明らかとなる無罪判決が出るように》
   『●「関西生コン事件」《民主主義の危機…労働組合活動に対する恣意的な法
     執行や長期間の身体拘束》…ナチスが「労働組合員たちを攻撃したとき…」
    「山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/保育園に
     入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 逆転無罪が相次ぐ
     「関西生コン事件」が示す民主主義の危機】」

   『●関西生コン事件…「警察・検察による組合つぶし」「検察官、警察官に
     よる誤った法解釈と偏見に基づく見立ての下に作り上げられた冤罪事件」
    「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
      私は労働組合員ではなかったから
      そして、彼らが私を攻撃したとき、
      私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった



【関西生コン事件 仰天の現場証言~無罪の被告人と兵糧攻めされる業者【竹信三恵子の信じられないホントの話】20240806】
 (https://youtu.be/T1q_RnUBSqg

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https://www.youtube.com/watch?v=T1q_RnUBSqg

関西生コン事件 仰天の現場証言~無罪の被告人と兵糧攻めされる業者【竹信三恵子の信じられないホントの話】20240806

 経済ジャーナリスト竹信三恵子ほとんど報道されない大事な関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者のご本人からお話を聞きました。

 過激な労組の暴力事件のイメージを振りまいた関西生コン事件、ここにきて「正当な労働組合活動」にいちゃもんをつけて公安や組織犯罪担当の警察や検察が無理な事件を作ってきたこと、その本質は日本には珍しい「産業別労働組合潰しであったことが明らかになってきました。

 また、労働組合を潰すために、中小生コン業者の団体である協同組合が大手セメント会社住友セメントと結託してセメント販売店に圧力をかけ、組合員を雇用したり組合員に仕事を出したりしている生コン製造業者に対して出荷を拒絶させる兵糧攻めをしていたことも明らかになりました。

 「関西生コン事件」は、大阪や関西での労組と事業者組合の紛争ではなく、戦前から続く「産別組合」と経済界・政府の対立の突端だったのです。ほとんど知られていないことですが、戦前の日本では産業別労働組合が主流でした。政府はこれが反政府的な運動となることを恐れながら、他方で国際連盟に加盟するために「労働組合」を認める必要があり、その結果、産別組合には治安維持法を適用する等苛烈な弾圧をし、他方で企業内の御用組合を養成する政策をとってきました。その図式は、今も残っています。歴史の経過を含めて詳しく解説します。

2024年8月6日 収録
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●自らの延命のために壊憲論議まで利用するキシダメ首相が目指すもの…「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、緊急事態条項の新設

2024年08月13日 00時00分50秒 | Weblog

[※ ↑「世界を照らす日本国憲法次世代につなげる願い」「裏金議員に送る言葉は汚れた手で憲法にさわるな」」(週刊金曜日 1470号、2024年4月26日・05月03月合併号)](https://twitter.com/ActSludge/status/1783821873312411852


(2024年08月09日[金])
カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党、お維やコミがやろうとしていることは「国民主権の縮小戦争放棄の放棄基本的人権の制限」し、さらに、緊急事態条項の新設…違憲に壊憲。8月6日と9日の中日に、違憲に壊憲を試みるキシダメ首相・「利権」「裏金」「脱税」党総裁、一体どんな神経しているのだろうか? 広島選出のキシダメ首相から「核拡大抑止」「拡大核抑止」という発想が出てくる不思議。「現行憲法の三原則」を「汚れた手」で触るな。カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党、お維コミに違憲に壊憲などさせてはいけない。

   『●「我々はいまだに核軍縮の取り組みを行っていない国々に対し、全廃という
       最終的な目標に向けて核兵器を削減するよう求めていく」…誰の言葉?
   『●(東京新聞)【こちら特報部/朝ドラ「虎に翼」の三淵嘉子さんと
      共に「原爆裁判」を担当した元裁判官、いま振り返る判決の意味】
   『●広島選出のキシダメ首相の政府が「拡大核抑止」「核拡大抑止」を言う
     始末…《「拡大抑止」を強化する方向に舵》《核廃絶から遠のくばかり》
   『●「拡大抑止」って他国に喧嘩を売ってる? 7月《28日は、いずれ最悪の
     記念日として後世に記録されることになるのではないか》(斎藤貴男さん)

 8月8日(木) の東京新聞の【<社説>岸田首相と改憲 自らの延命に使うとは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/346083?rct=editorial)。《岸田文雄首相(自民党総裁)が7日、党憲法改正実現本部に出席し、来年が結党70年となる同党が党是としてきた「憲法改正の論議を進めるようお願いする」と指示した。内閣支持率が低迷し、9月の党総裁選を前に首相交代論が公然と語られる中、自らの延命のために改憲論議まで利用しようとするのなら、驚きを禁じ得ない》。

   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏
   『●《現行の政治資金規正法…そのような法律は法の体を成していないと言わ
     ざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ》
   『●「裏金議員に送る言葉は「汚れた手で憲法にさわるな」」…戦争法や軍事費
      …倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を、と本気で思う

 「裏金議員に送る言葉は汚れた手で憲法にさわるな」」 ➙  閣議決定で違憲に壊憲するキシダメ独裁政権。敵基地攻撃能戦闘機の輸出解禁兵器ローンの激増…。「戦雲」に覆いつくされるニッポン。戦争法軍事費倍増軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を、と本気で思う。自公お維コミ議員に対する「戦争絶滅受合法案」の制定を。

   『●軍事費《43兆円ではやっぱり足りない?》…「減らせっ!」言うとるのに、
       FMSなど湯水のようにドブガネしてさらなる軍事費増、軍事国家化
   『●「軍事費倍増せざるを得ない理由」…アベ様の置き土産・巨大な負の遺産、
      「対外有償軍事援助FMS」(兵器ローン、後年度負担)の巨大なツケ
   『●《米側の言い値で兵器などを買わざるを得ない…現代の不平等条約》
     「対外有償軍事援助」による兵器ローン激増の現実を知っているのか?

 「あたらしい憲法のはなし」。
 再度引用します。(2024年5月2日 06時00分)東京新聞の記事【こちら特報部/77年前に路上でもらった「もう戦争しない」 91歳男性が大切にする憲法冊子 9条は亡くなった人の魂」】、《「中学3年のときに街を歩いてたら、もらいました」。4月下旬、東京都府中市の平和集会で富山大空襲の体験を語った奥田史郎さん(91)=同市=が、セピアに色あせた冊子を掲げた。憲法が施行された1947年5月3日に発行された「新しい憲法 明るい生活」だ。(橋本誠))》。

 《「あたらしい憲法草案のはなし」…草案の根底にある考え方痛烈な皮肉を交えて分かりやすく解きほぐしている現行憲法の三原則…を、「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限」という新たな三原則に改めると解説》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d54ee8022de693ea10f1304b2fe150ff)。
 「ト」な自民党壊憲草案の「新たな三原則」…「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限」、さらには、緊急事態条項の創設…あ~あ。カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党、お維コミに投票できる方々は、本当にオメデタイ。対案を出せ? 「現行憲法の三原則」で良いじゃない、何が御不満なの? アベ様亡き後の今も、またしても、押し付け憲法論ですか? ウンザリ。自らは安全地帯で肥え太り、他人を「人殺し」に行かせたいものかね? キシダメ首相殿も「強く美しい国」ですか、呆れる。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/346083?rct=editorial

<社説>岸田首相と改憲 自らの延命に使うとは
2024年8月8日 07時54分

 岸田文雄首相(自民党総裁)が7日、党憲法改正実現本部に出席し、来年が結党70年となる同党が党是としてきた「憲法改正の論議を進めるようお願いする」と指示した。内閣支持率が低迷し、9月の党総裁選を前に首相交代論が公然と語られる中、自らの延命のために改憲論議まで利用しようとするのなら、驚きを禁じ得ない。

 先の通常国会では衆参両院の憲法審査会での議論は進まず、首相は会期末に近い6月19日の党首討論で、泉健太・立憲民主党代表に「憲法改正で責任ある対応をお願いしたい」と一方的に要求した。

 通常国会で憲法審での議論が進まなかったのは、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の影響だ。にもかかわらず、その責任が野党側にあると言わんばかりの首相の発言は筋違いも甚だしい

 首相は同本部で、憲法9条自衛隊を明記する改憲案について、8月末を目指して論点を整理するよう求め、議論を加速するよう指示した。

 自民党はこれまで、過去に例のない衆院憲法審査会での閉会中審査の可能性も探ってきたが、強引な姿勢が立民など野党側の反発を招いて実現していない。首相の意欲は空回りしている。

 そもそも憲法改正の発議は立法府たる国会の権能であり、行政府の長たる首相が改憲論議を主導してはならないのは当然だ。

 岸田氏の総裁再選を支持しない議員でも改憲には反対しづらいという事情を逆手にとって、改憲を持ち出すことで求心力回復を図ろうとするのは改憲の政治利用にほかならない。慎むべきである。

 同本部は憲法54条が定める参院の緊急集会に関し、活動期間は厳格に限定されず、機能は国会の権能すべてに及ぶとする見解をまとめた。緊急事態条項の新設に慎重な参院側に配慮したのだろう。

 ただ、衆院解散後に災害などの緊急事態が生じた場合でも現行憲法の規定によって国会機能を維持できると認めたに等しい。改憲の必要性がないにもかかわらず、強引に改憲を主張するのは、改憲の自己目的化にほかならない

 憲法改正は、改憲しなければ国民生活に著しい影響が生じる場合に限られるという原点に立ち戻るべきだ首相が自らの延命のために、期限を切って議論を急がせるなど言語道断であり、憲政史に汚点を残すだけである。
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●関西生コン事件…「警察・検察による組合つぶし」「検察官、警察官による誤った法解釈と偏見に基づく見立ての下に作り上げられた冤罪事件」

2024年08月05日 00時00分56秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


// (2024年07月15日[月])
関西生コン事件」《民主主義の危機労働組合活動に対する恣意的な法執行や長期間の身体拘束》…ナチスが「労働組合員たちを攻撃したとき…」。
 (こちら特報部)《海渡雄一弁護士は…「この事件は、検察官、警察官による誤った法解釈と偏見に基づく見立ての下に作り上げられた冤罪(えんざい)事件だ」》と。

   『●「関西生コン事件」《民主主義の危機…労働組合活動に対する恣意的な法
     執行や長期間の身体拘束》…ナチスが「労働組合員たちを攻撃したとき…」
    「山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/保育園に
     入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 逆転無罪が相次ぐ
     「関西生コン事件」が示す民主主義の危機】」

 山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「たった一度のビラまきで逮捕」 関西生コン事件訴訟の原告側が冤罪と訴える「警察と検察の組合つぶし」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/340168?rct=tokuhou)。《2018年以降、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部関生支部)」の組合員が相次いで逮捕、起訴された問題。労働組合や組合員らが国などを相手取り、一連の捜査が憲法や労働組合法が保障する団結権を侵害し、恣意(しい)的な拘禁に当たるなどとして国家賠償を求めた訴訟の口頭弁論が11日、東京地裁であった。意見陳述で原告の組合員、弁護団が「この事件は警察・検察による組合つぶしだ」と訴えた。(山田祐一郎)》

 このでっち上げ労働組合弾圧事件をいつも持ち出すお維。嘘でもデマでもたれ流し、選挙にさえ勝てばいいというお維。この問題「関西生コン事件」に(おそらく氏の勘違いで?)絡んでいる足立康史氏(松井一郎第二代大阪「ト」知事との不仲の一因か?)が、お維の無法 (不法?) 行為を指摘したにもかかわらず、逆に、半年間の党員資格停止処分だそうだ…複雑な気分で、どう受け止めていいのやら。まぁ、それほどお維はデタラメということでもある。まさに《反社》。
 《「公権力が、労組を暴力団と同じ論理に当てはめてやってくる」》。「労組は反社?」…いやいや、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党やお維こそが《反社》でしょ!? 見誤ってはいけない! この事件の本質的教訓はニーメラー牧師の『ナチスが最初共産主義者を攻撃した時』…:

   「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
     私は労働組合員ではなかったから
     そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

 《関西生コン事件とは何だったのか》? 漸く《労働組合としての正当な行為犯罪とされていたこと明らかとなる無罪判決が出るようになりました》。ここまででっち上げをし、憲法や労働組合法を無視する警察や検察、外野連中。《関西生コン事件とは何だったのか》? 《「共謀罪適用のリハーサルだ」》。

   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
                …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    《関西地区生コンに対する弾圧とは、2017年末に関西生コン支部が
     行ったストライキ決行を契機に、現在まで、のべ58名の逮捕者が
     出ている事件を指す。労働組合としての当然の行為である
     ストライキに対し、警察、裁判所、検察が一体となった弾圧行為
     行われている…集会参加者の一人、ジャーナリストの竹信三恵子さん
     …はドイツの牧師マルティン・ニーメラーの詩を引用した…
     「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった/
     私は労働組合員ではなかったから/そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」》

   『●ニーメラー牧師「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時」…
        高江や辺野古が破壊された時、「関生」が狙われた時…
    《▼日本も労組が標的になる段階まできた。生コン車の運転手らで
     つくる連帯ユニオン関西地区生コン支部、通称「関生(かんなま)」。
     組合員らの逮捕は延べ85人、委員長と副委員長の勾留は
     28日で1年になる》

   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
     しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
   『●風見鶏氏・中曽根康弘元首相《左派労働運動(総評)を
     つぶし、社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに…》
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、「破防法
        を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》
   『●《連合が労働者にとって何の役にも立たない為政者の腰巾着…労働
     運動が鳴りを潜め、新自由主義政策のもとで資本のやりたい放題が横行》
   『●トンデモなお維とカルトな統一協会、なんという相性の良さでしょう…
     「統一協会の反社会的行動を批判」が「宗教弾圧」だと叫ぶ「ト」なお維
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
      なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●《関西生コン事件とは何だったのか》? 漸く《労働組合としての正当
     な行為が犯罪とされていたことが明らかとなる無罪判決が出るように》
   『●「関西生コン事件」《民主主義の危機…労働組合活動に対する恣意的な法
     執行や長期間の身体拘束》…ナチスが「労働組合員たちを攻撃したとき…」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/340168?rct=tokuhou

こちら特報部
「たった一度のビラまきで逮捕」 関西生コン事件訴訟の原告側が冤罪と訴える「警察と検察の組合つぶし」
2024年7月15日 12時00分

 2018年以降、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部関生支部)」の組合員が相次いで逮捕、起訴された問題。労働組合や組合員らが国などを相手取り、一連の捜査が憲法や労働組合法が保障する団結権を侵害し、恣意(しい)的な拘禁に当たるなどとして国家賠償を求めた訴訟の口頭弁論が11日、東京地裁であった。意見陳述で原告の組合員、弁護団が「この事件は警察・検察による組合つぶしだ」と訴えた。(山田祐一郎


◆「人質司法がまかり通っていることに幻滅している」

     (東京地裁(資料写真))

 「たった一度のビラまきで逮捕される世の中になったことにびっくりしている」。原告の一人の西山直洋執行委員が証言台の前に立ち、こう訴えた。工事現場で業者の法令違反を指摘する「コンプライアンス活動」の一環でビラ配布に参加したことで2019年2月に滋賀県警に逮捕され、恐喝未遂罪で起訴された。

 この事件での保釈が認められたのは、7カ月後。「保釈には、自分の事件以外の条件が多く付けられていた。接触禁止となる関係者は100人以上だ。5年間、身動きができない状態で不安定な生活を強いられたこのような人質司法がまかり通っていることに幻滅している

 保釈後、2カ月足らずで別の強要未遂、威力業務妨害事件で和歌山県警に逮捕されたが、不起訴となった。ビラ配布についても今年2月、大阪高裁の無罪判決が確定した。「このような勾留を警察、検察は何とも思わないのか。無罪が確定しても一切反省していない」と強調した。


◆8回の起訴、勾留日数は644日に

 8回起訴され、勾留日数が644日に及んだ湯川裕司執行委員長は、昨年夏に国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の調査チームと面談したことを明かした。今年5月に公表された報告書が一連の事件について取り上げ、「企業の人権尊重を確実にするための公正で合法的な職場慣行を促進する上で労働組合が重要な役割を担う」と強調したことを指摘し、「国連機関も強い関心を寄せていることを知ってもらいたい」と述べた。

 一連の事件では、組合員66人が起訴されたが、この1年間で3件11人の無罪判決(一部無罪を含む)が確定している。「判決が確定した5件のうち3件で無罪が出ている。有罪率99.9%の日本で驚くほどの無罪率が何を意味するのか着目してほしい」


◆弁護団は「冤罪」強調、国や自治体は違法性を否定

 「この事件は生コン業界と警察・検察が一体となった組合つぶしだ」と話した湯川さん。取り調べで検察官が組合員に対し、組合からの脱退を迫っていたとし、国賠訴訟で録画された取り調べの様子を明らかにするよう求めた。

 関生支部は、ミキサー車運転手らが個人で加盟できる産業別労働組合で、団体交渉で勝ち取った労働条件を業界全体に適用する。組合員が有罪となった事件では、同支部の組合活動が、憲法28条の団結権等の保障を受けた正当な行為であることが認められなかった

     (国賠訴訟の口頭弁論を前に記者会見する原告と弁護団
      =6月27日、東京・霞が関の司法記者クラブで)

 法廷で意見を述べた弁護団の海渡雄一弁護士は「拡散した動画などで関生支部が反社会組織であるかのような宣伝がされ、大手メディアが報じてこなかった事件を公に論評することも困難な社会的風潮ができあがっていた」と説明。「この事件は、検察官、警察官による誤った法解釈と偏見に基づく見立ての下に作り上げられた冤罪(えんざい)事件だ」とした。

 被告となっている国と京都府、滋賀県、和歌山県はいずれも勾留や取り調べの違法性を否定。「(原告側の)身柄勾留の長期化を企図した恣意的拘禁』との主張は何ら根拠のない臆測で理由がない」などと主張している。


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●黒川弘務氏定年延長に関する文書の開示を国に命令…上脇博之さん「特定の人物のために法解釈をねじ曲げた事実を、裁判所が認めた意義は大きい」

2024年07月18日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


// (2024年07月15日[月])
数多のアベ様案件の一つ…違法な黒川弘務氏定年延長問題。これまた上脇博之さん。
 (こちら特報部)《東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長に関する文書の開示を国に命じた627日の大阪地裁判決。…「特定の人物のために法解釈をねじ曲げた事実を、裁判所が認めた意義は大きい。国が大問題だと分かっていたから、かたくなに認めてこなかった経過があぶり出された」 今回の判決を、原告の上脇博之・神戸学院大教授…》。

   『●《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に
        就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》、あぁ………
   『●アベ様は検事総長人事までも私物化…《それならば「三権分立は
      絵に描いた餅で政界では実現しない」と閣議決定すべきだろう》
   『●《官邸の番犬》黒川弘務氏を《論功行賞として検察トップに据える》
          のみならず、カジノ汚職捜査を止めるという目的があった
   『●《政界の不正を摘発するのが特捜部の使命》のはずが…行政府の長・
      アベ様が《従来の法解釈》を恣意的に変更! アベ様による独裁…
   『●アベ様らの数々の不正や無能っぷりは、自公お維支持者や眠り猫な
        間接支持者も持つ共通認識…それを許容するかどうかが大問題
   『●《安倍政権にはどうしても、官邸に近い黒川氏を検察トップに据え
      たい訳がある…検察が政権に私物化されれば、「首相の犯罪」は…》
   『●《検察官というのは法を犯した人を起訴できる唯一の仕事であるはず
     なのに、その人が、かけ麻雀…しかも事実を伝えるべき仕事の新聞記者と》
   『●アベ様により法治主義国家でなくなってしまう日…《与党の議員は
     自分たちが独裁政治の中のユーゲントであることに気付いていない…》
   『●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求めら
     れる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》

 数多のアベ様案件の一つ。《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求められる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》。
 西田直晃山田祐一郎両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/法解釈の変更は「安倍政権の守護神」の「定年延長が目的」…黒川弘務元検事長をめぐる衝撃判決、その舞台裏】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/337526)。《東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長に関する文書の開示を国に命じた627日の大阪地裁判決国家公務員法の解釈変更を「黒川氏の定年延長が目的と断じた判断は、安倍政権への批判が渦巻いた当時の記憶を呼び覚ました。衝撃の判決はどのように導かれ、検察OBはどう受け止めているのか。(西田直晃山田祐一郎)》。

 dot.の記事【安倍派の裏金問題を暴いた“名コンビ”がまた勝利 黒川元東京高検検事長の定年延長関連文書も「開示」へ 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/227530)。《6月27日、あるニュースを見て驚いた。大阪地方裁判所が出した、法務省の公文書不開示決定を覆す判決に関するものだ》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/337526

こちら特報部
法解釈の変更は「安倍政権の守護神」の「定年延長が目的」…黒川弘務元検事長をめぐる衝撃判決、その舞台裏
2024年7月3日 12時00分

 東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長に関する文書の開示を国に命じた6月27日の大阪地裁判決国家公務員法の解釈変更を「黒川氏の定年延長が目的と断じた判断は、安倍政権への批判が渦巻いた当時の記憶を呼び覚ました。衝撃の判決はどのように導かれ、検察OBはどう受け止めているのか。(西田直晃山田祐一郎


◆大問題だと国も分かっていたから「かたくなに認めてこなかった」

     (黒川弘務氏)

 「特定の人物のために法解釈をねじ曲げた事実を、裁判所が認めた意義は大きい。国が大問題だと分かっていたから、かたくなに認めてこなかった経過があぶり出された」

 今回の判決を、原告の上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)が振り返る。自民党派閥の裏金問題を告発してきたキーパーソンだ

 発端は2020年1月。改正前の検察庁法で、検察官の定年は63歳(検事総長は65歳)と決まっていた。ところが31日、当時の安倍晋三政権は閣議決定で、63歳の誕生日を控えた黒川氏の定年を半年間延長歴代政府が「適用されない」とみなしてきた国家公務員法の定年延長制について、安倍氏は「(検察官にも)適用されるように法解釈を変えた」と国会で述べた。政権に近いとされる黒川氏を次の検事総長に据えるための「政治介入」と物議を醸した。


◆「アベノマスク」訴訟を断じた裁判長

 法務省はこれまで「黒川氏個人のためではない」という姿勢を示してきたが、今回の判決は「(理由は)黒川氏の勤務延長しかあり得ないと断じた。解釈変更の閣議決定は黒川氏の退官予定日のわずか7日前。対象が黒川氏に限られ、他の検察官への周知がなかった点も考慮された。

 上脇氏が「大きな分岐点だった」と振り返るのが、元法務次官の辻裕教氏に対する昨年12月の証人尋問だ。「他の検察官への解釈変更の周知の有無を原告側が尋問した際、辻氏が『やっていません』と答えた。法解釈を一般化するのが行政の仕事だが、全く逆で、特定の人物のために動いていた事実が鮮明になった」

     (上脇博之氏)

 今回の裁判長は、安倍政権がコロナ禍対策で全国に配布した「アベノマスク」を巡る訴訟で、政府に行政文書の開示を命じる判決を出した徳地淳氏。徳井義幸主任弁護士によると、証人尋問で「第三者として見れば、定年退職に間に合わせたように見えなくはない」と問いかけたという。「口ぶりから不信感がにじんでいた。当たり前の市民感覚を持っていた」


◆控訴したら「政府は批判を浴びるだけ」

 訴訟を通じ、法務省側は「黒川氏のためではない」との主張に終始。徳井氏は「証人尋問も拒否。うそを貫き通す構えだった」とみる。上脇氏は「出廷した官僚の胸中は分からない。『安倍政権の後始末だ』という思いもあったのかもしれない」と推し量る。

 一方、判決では、法務省と安倍内閣の相談に関わる文書の開示請求が、「折衝があった証拠がない」として退けられた。徳井氏は「記録の開示を求める訴訟では、文書の存在を原告側が立証する必要がある。相談があったかどうかは『職務上の秘密』とかわされるため、ハードルは非常に高い」と唇をかむ。上脇氏は「今後は国会の仕事だ。証人喚問でも、第三者委員会の設置でもいい。判決を受け止め、疑惑にふたをしないでほしい」と強調する。

 控訴期限は11日。原告側は訴訟の目的は達成したとして、控訴する意向はない。徳井氏は語る。「誰が見ても、間違いない判決だ。国は控訴しても、あらためて批判を浴びるだけだ」


◆「どんなに有能でも定年には勝てない」政府は簡単に覆した

 判決は、検察官の定年にかかわる国家公務員法の解釈変更について「目的は黒川氏の定年を延ばすことにあった」と踏み込んで指摘した。検察OBはどうみているのか。

 元特捜検事の坂根義範弁護士は「裁判長の誠実さが見られる」と話す。徳地裁判長とは、司法試験合格後に研修する司法修習の同期。「短期間で解釈が変更され、黒川氏の退官に間に合うように進められたことの不自然さを指摘した。素直に事案を見て、国民の視点も踏まえた判断だ」と強調する。

     (2019年4月、「桜を見る会」であいさつする安倍元首相
      =東京・新宿御苑で)

 長年にわたり、63歳(検事総長は65歳)と定められていた検察官の定年。黒川氏と同期で元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「検事の世界では、どんなに有能でも定年には勝てないというのがあった。退官間近の検事はこの高い壁を意識してきた。それが政治的な動きの中でいとも簡単に変更された。これでは特定の目的のために恣意(しい)的な運用を許すことになる」と改めて問題視する。


◆「それだけ政権に便利な人だった」黒川氏

 黒川氏の定年が閣議決定で延長された2020年1月前後は、相次ぐ安倍政権の疑惑への検察の対応に批判が高まった時期。森友学園に関する財務省の文書改ざん国有地の値引きについて、佐川宣寿元国税庁長官らを不起訴とし、検察審査会の不起訴不当議決を受けた再捜査でも再び不起訴とした。

 安倍氏の後援会による「桜を見る会前日の夕食会を巡る疑惑で公設第1秘書が略式起訴されたが、安倍氏は不起訴に。河井克行元法相と妻の案里元参院議員の公選法違反事件も発覚していた。

     (参院予算委で検察庁法改正について答弁する
      安倍首相(当時)=2020年5月)

 「安倍政権の守護神」とやゆされることもあった黒川氏。元東京地検検事の落合洋司弁護士は「特定の検事の定年が職務に支障を来すことは通常考えられず、定年延長の必要性はなかった。それでも延長されたのは、黒川氏がそれだけ政権に便利な人だったということだ」と指摘する。


◆「メンツもある」から国側も控訴せざるを得ない?

 今回の判決に対し、国側は「メンツもあり、控訴せざるを得ないのではないか」と落合氏は見通す。「控訴しなければ、これまでの主張がうそだったことになる。組織として認めることはしないはずだ」

 22年7月に安倍氏が死去し、昨年末には自民党派閥の裏金疑惑が浮上。東京地検特捜部が安倍派など派閥事務所を捜索したが、幹部議員の立件は見送られた。今回の大阪地裁判決の翌日に検事総長就任が閣議決定されたのが検察ナンバー2の畝本直美東京高検検事長で、SNSでは一連の処分への批判が出ている

 前出の若狭氏は、大川原化工機事件や大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で冤罪(えんざい)が相次いでいることなどを挙げ、強調する。「いま検察は岐路に立たされている。危機的状況の検察の信頼回復へ畝本新総長の手腕が問われる」


◆デスクメモ

 アベノマスク単価黒塗りを巡る訴訟で、国は「ない」としていたメールを「ある」に修正。「公にすると国の利益を害する」等の主張は退けられ、控訴も断念した。情報隠しは政権への忖度(そんたく)」と識者。約3億枚調達され、約500億円が支払われた政策の結末だった。(本)


【関連記事】政権に近い黒川東京高検検事長 「異例」の定年延長の背景は
【関連記事】「軽い気持ちで賭けマージャン続けた」…黒川元東京高検検事長が後悔の供述
【関連記事】「アベ政治」が終わらない? 閣僚更迭→強制捜査でも裏金の責任「問うのは難しい」派閥政治のゆがみ
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https://dot.asahi.com/articles/-/227530

安倍派の裏金問題を暴いた“名コンビ”がまた勝利 黒川元東京高検検事長の定年延長関連文書も「開示」へ
古賀茂明
政官財の罪と罰
2024/07/09/ 06:00

 6月27日、あるニュースを見て驚いた。大阪地方裁判所が出した、法務省の公文書不開示決定を覆す判決に関するものだ。

 ことの経緯から解説を始めよう。

 安倍晋三元首相には、守護神と言われる検察官がいたのを覚えているだろうか。

 黒川弘務東京高等検察庁検事長(当時)だ。安倍氏が、「モリ・カケ・サクラ」など「絶体絶命」と思われたスキャンダルを無傷で切り抜けられたのは、この黒川氏のおかげだと噂されたものだ。

 その黒川氏が検察官としての定年となる63歳の誕生日(2020年2月8日。ただし、定年退職の日はその前日)の直前の1月31日に、突然黒川氏の定年を6カ月延長する閣議決定が行われた。

 一般の公務員には、国家公務員法で定年延長を認める規定があるが、検察庁法という特別法では、検察官には定年延長を認める規定はないので、検察官の定年延長は認められないというのが過去40年以上にわたる政府の解釈だった。

 この解釈に従えば、安倍氏は大事な守護神である黒川検事長を定年退職でまもなく失う状況に陥っていたことになる。

 そこで、安倍政権は、それまでの政府(法務省)の解釈を180度変えて、国家公務員法の定年延長の規定を検察官にも適用できることにした。そして、黒川氏の定年を20年8月まで6カ月間延長することを閣議決定してしまったのだ。

 6カ月の延長にしたのは、8月までには、検察庁のトップである検事総長の交代が予想されていたためだ。検事総長の定年は、一般の検察官の定年(63歳)と異なり、65歳とされている。夏までに黒川氏を次期検事総長に任命すれば、黒川氏の定年は検事総長の定年である65歳となる。それまでの間は、黒川氏が検察トップとして安倍氏を守ることができる。安倍氏としては、自分を守る万全の体制ができるという算段をしていたのだろう。

     (黒川弘務・元東京高検検事長=19年1月)


■安倍氏の「地に落ちた倫理観」

 安倍氏の倫理観は、国の指導者に求められる倫理観、「李下に冠を正さず」、すなわち、「単に悪いことをしないというのでは足りない疑われることもしてはならない」というものではなく、「捕まらなければ、何をしても良い」というものだった。それは、さらにエスカレートし、「悪いことをして、証拠が見つかっても、捕まらないように検察を支配すれば良い」ということになっていった。私は、これを安倍氏の「地に堕ちた倫理観」と名付けた。

 安倍政権による検察官の定年延長に関する「ミエミエ」の恣意的解釈変更には日本中で批判が湧き起こった。

 しかしそこで意外な事態が生じる。黒川氏が、20年5月にたまたま賭け麻雀賭博問題で辞任に追い込まれたのだ。黒川氏の定年延長による検事総長就任という安倍氏の策謀はあえなく頓挫した。

 こうした政府による恣意的な定年延長に関する解釈変更がどのような過程を経て行われたのかについては、多くの国民が真相を知りたいと考えた。中でも、安倍官邸側から何らかの働きかけがあったのか、法務省や検察庁内部でどのような検討が行われ、同省や検察の幹部がどのような考えを示したのかは、日本の民主主義の根幹である司法の独立に関わる話だ。知りたいと思うのは当然だろう。

 そうした国民の声を代弁すべく立ち上がったのが、上脇博之神戸学院大学教授だ。上脇教授は、21年9月に黒川氏の定年延長のために行われた法解釈の検討や決裁などの関連文書を、法務省に開示するよう求めた。

 しかし、法務省は同年11月、上脇教授が開示請求した文書のほとんどについて、「いずれも作成していない」として、不開示決定を行った。

 これに対して、上脇教授は、不開示決定の取り消しを求めて、大阪地裁で裁判を起こした。


■公式には作成していないことにする「危ない文書」

 ちなみに、私の30年余の官僚経験に照らせば、法務省や検察庁などが法律の解釈変更に関する文書を作成しないことはあり得ない。印刷物にすれば、厚さ20センチを超えるような資料が作成され、その重要性に鑑みて、事実上永久保存扱いとなっているはずだ。

 また、黒川検事長個人の定年延長に関する検討経緯などについても、かなり詳細な記録が作成保存されたのは確実だ。

 ただし、森友学園問題で、財務省の公文書改竄が明るみに出た後に改定された公文書に関するガイドラインによって、その表向きの趣旨とは正反対に、後から問題になる可能性のある「危ない文書」を公文書として残すことは極力避けるように各省庁が注意するようになっていることはあまり知られていない。危ない文書は、作成しても公式には作成していないことにしているのだ。

 また、危ない文書が仮に複数の官僚の間で利用されるなど、公文書の定義に当てはまるようなことがあっても、それを絶対に記録として残さず、万一、後になって文書の存在が暴露された時も、必ず、それは個人メモにすぎず、公文書ではないから開示しないと答えるという暗黙のルールができている。

 こうした背景があるため、法務省は、特に問題とされる恐れのない「検察官の定年延長一般についての文書」は作成し保存していたとして、当たり障りのない文書を上脇教授に提出した。その一方で、我々が一番知りたい、「黒川検事長個人の」定年延長のために行った解釈変更についての文書は、暗黙のルールの通り、「そんなものは作成していないし、作成していない以上保存もしていない。したがって開示することはできない」と主張し続けた。

 しかし、前述のとおり、検事長個人の定年延長という前代未聞の事柄について、その理由や検討経緯などを記した文書を全く作成しないことなどあり得ない。


■政府の「真実隠し」を断罪した地裁判断

 100人の官僚に聞けば、100人全員が、「作成していないというのは嘘だ」と答えるだろう。

 しかも、上脇教授が主張した通り、公文書管理法によりこのような資料は作成しなければならないこととされているので、作成しなければ、公文書管理法違反となるから、なおさら、作成されていたと考えるべきである。

 しかし、いざ裁判所が判断するとなった場合、作成すべき主体が絶対に作成していないと言い張ると、作成した証拠がない以上、開示を命じるわけにはいかないとして、上脇教授の請求を棄却する判決が出るのではないかということが危惧された。

 検察庁と裁判所は身内意識が強く、個別検察官の不祥事ならともかく、検察庁や法務省の組織全体の不祥事だとなりかねない本件のような事案について、「一介の大学教授」の訴えをそう易々と認めるわけにはいかないと考えても不思議ではなかった

 しかし、今回の大阪地裁の判断は違った。

 法務省側の主張とは正反対に、被告側は文書を作成していたはずだと結論づけ、国の不開示決定の大半を取り消す判決を出したのだ。

 裁判の過程では、定年延長の閣議決定当時に法務事務次官だった辻裕教氏の証人尋問まで実施し、裁判長自らが、辻氏に対して、「第三者的にみると、2月8日の黒川さんの定年に間にあわせるように、1月の半ばから急いで準備をしたようにみえなくはないと思うんですが」と上脇教授が主張する趣旨に沿った補充尋問を行っている。一般市民の常識に沿った裁判の進め方だった。

 私は今回の判決文全文を読んでみたが、そこには、大阪地裁が、検察庁や法務省が組織ぐるみで、黒川氏の定年延長のための法律解釈変更についての真実を隠そうとしたことを断罪する判断が示されていた。


■政府は控訴するのか

 法務・検察側が、法律の解釈変更は、決して黒川氏の定年を延長するためではなく、一般的な必要性に基づいて行ったものだと強弁し続けたのに対して、我々の日常用語に翻訳すれば、「そんな主張は世の中では通用しない。本当は黒川氏のために慌てて解釈変更したとしか考えられない」と裁判所は言ったのだ。これは、「いい加減に嘘をつくのはやめろ」と言ったに等しい。法務・検察側から見れば、屈辱的かつ驚天動地の判決だった。

 やや技術的な話になるが、普通に裁判を進めると、この種の裁判では、文書の開示をするか否かが争点となり、それらの文書が黒川検事長の定年延長を目的としたものか否かということまで確定する必要はない。判決にもその点の判断が示されない可能性もあった。

 しかし、上脇教授は、巧みな作戦により、「黒川検事長個人の定年延長のために法律の解釈変更を行ったのか否か」を争点にすることに成功した。検察もその罠にかかって、いくつかの失策を犯し、裁判官もその点を見逃さずに、判決の中で、「黒川検事長個人のための法律解釈の変更だったと認定したのだ。

 今後は、政府側が控訴するかどうかが焦点だ。検察と法務当局が嘘をついたと宣言したに等しい今回の判決を控訴せずに確定させることは、通常は考えられない。

 しかし、控訴すれば、引き続きこの問題に世の中の関心が集まる。それよりも、静かに負けを確定したほうが得策だと法務省側が考えてもおかしくはない。

 仮に控訴せずにこの判決が確定した場合、「黒川検事長個人の定年延長のために解釈変更を行った」ことを具体的に示す新たな文書の開示がなされるかが次の注目点だ。


■日本社会の闇を暴く勇者たち

 仮に新たな文書が出てこなくても、検察・法務が組織ぐるみで嘘をついていたと裁判所が公に宣言したことの意味は非常に大きい。

 なぜなら、そんな大嘘をついた関係者の処分はどうするのかが問われるし、そうした嘘を重ねることになった経緯、この定年延長劇の主役が誰かなどが国会で追及されることになるからだ。証人喚問や第三者委員会による調査の要求などもなされることが予想される。

 ちなみに、上脇教授は、自民党安倍派などの裏金問題を暴き、刑事告発をして自民党の政治資金の闇にメスを入れたことで知られる。岸田文雄首相率いる自民党を瀕死の状態に追い込んだ立役者だ

 さらに、判決文を見て発見したのだが、本件の代理人弁護団には、阪口徳雄氏ら、私が尊敬してやまない切れ者の弁護士が名を連ねていた。阪口氏は、森友学園事件における財務省と赤木雅子さんの訴訟でも代理人弁護士を務め、アベノマスクに関する訴訟などでも国と戦っている。

 上脇教授や阪口弁護士らの献身的な活動がなければ、日本の社会で起きているいくつもの闇を暴くことはできていなかったかもしれない

 あらためて、この勇者たちに敬意を表するとともに、ますますの活躍を期待したい


古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など
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●大川原化工機でっち上げ事件…なぜ、警視庁公安部は事件をでっち上げたのか? 《逮捕の時期は、安倍政権が「経済安保」を推進していた時期だった》

2024年07月11日 00時00分28秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年06月14日[金])
恣意的な捜査がえん罪を引き起こした大川原化工機でっち上げ事件…《取調官は知ったこっちゃないですよ組織の方針に従うだけですよ」》。
 なぜ、警視庁公安部は事件をでっち上げたのか? 《逮捕の時期は、安倍政権が経済安保を推進していた時期だった》(長周新聞)。公安部という《組織》を暴走させた元凶を辿っていくと、またしても、アベ様。

 長周新聞の記事【大川原化工機事件について――経済安保法制が導く恐怖の未来予想図 和田倉門法律事務所・弁護士 高田剛】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/30810)。《公益社団法人・自由人権協会は1日、2024年総会記念講演「大川原化工機事件~経済安保法制が導く恐怖の未来予想図~」を開催した。大川原化工機事件とは、2020年3月、大川原化工機(横浜市)の大川原正明社長ら3名が、「生物兵器の製造に転用可能な機器を中国に不正輸出した」との外為法違反容疑で、警視庁公安部に逮捕・起訴された。起訴後も身柄拘束は長期に及び、その間に1名が死亡したが、その後冤罪であることが明らかになり、東京地検は初公判直前に異例の起訴取り消しをおこなった、という事件である。逮捕の時期は、安倍政権が経済安保を推進していた時期だった。現在、大川原化工機の社長らが、東京都と国に約5億6500万円の損害賠償を請求する国家賠償請求訴訟をおこなっている。同事件の弁護人であり国賠訴訟代理人でもある高田剛弁護士の報告を紹介する》。

   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題
   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそを
     ついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国家賠償訴訟・東京高裁控訴審…《原告側
      は事件そのものを「捏造」》《社長らは「真相を明らかにする」》と

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/30810

大川原化工機事件について――経済安保法制が導く恐怖の未来予想図 和田倉門法律事務所・弁護士 高田剛
2024年6月12日

 公益社団法人・自由人権協会は1日、2024年総会記念講演「大川原化工機事件~経済安保法制が導く恐怖の未来予想図~」を開催した。大川原化工機事件とは、2020年3月、大川原化工機(横浜市)の大川原正明社長ら3名が、「生物兵器の製造に転用可能な機器を中国に不正輸出した」との外為法違反容疑で、警視庁公安部に逮捕・起訴された。起訴後も身柄拘束は長期に及び、その間に1名が死亡したが、その後冤罪であることが明らかになり、東京地検は初公判直前に異例の起訴取り消しをおこなった、という事件である。逮捕の時期は、安倍政権が経済安保を推進していた時期だった。現在、大川原化工機の社長らが、東京都と国に約5億6500万円の損害賠償を請求する国家賠償請求訴訟をおこなっている。同事件の弁護人であり国賠訴訟代理人でもある高田剛弁護士の報告を紹介する(表や図は講師が示した資料から作成した)。


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     (高田剛弁護士)

 大川原化工機事件とは、一言でいえば、外為法の法令解釈に関する見解の違いで、手続き違反を疑われた中小企業の大川原化工機が、公安警察の標的にされて、役職員の自宅を含む一斉家宅捜索を受け、さらにその後1年半近くで291回の事情聴取を受けた挙げ句、社長を含む幹部3名が逮捕され、起訴後も保釈がされずに身柄拘束は330に及び、その間に1名は病死した。その後、冤罪であったことが判明して起訴が取り消された事案である。

 事件のポイントを挙げると、まず経産省による法令の解釈運用の不備があげられる。経済安保をめぐっても、法律の曖昧さがベースにあってそれが国家に悪用される懸念を持つ方がおられると思うが、共通する問題だ。

 次に、事件に飢えた公安警察が不備をついて暴走した。解釈が曖昧なことをいいことに、公安部が独自に解釈を打ち立てて経産省を説得にかかり、経産省は最終的に押し切られて立件を容認した。経産省は「解釈の明確化→業界への指導監督」を先行させるべきなのに、自分たちの頭を乗りこえて、しかも自分たちが指導していないところからまったく関係ない解釈を持ち出す公安警察の立件を許した問題は大きい。ただ、それを利用したのは公安警察だ。

 公安部は、事件の捜査を進めるなかで、消極的な証拠を黙殺し、有利な証拠を捏造してまで立件に進む。なぜ公安部はこえてはいけない一線をこえたのか。また、取り調べはなぜ1年3カ月・291回にも及んだのか。そこには自白調書を重視する刑事裁判のしくみがあったのではないか。

 さらに起訴するのは検事だが、なぜ検事は公安部の暴走を止められなかったか。公安事件における公安部と検事には密接な関係がある。検事の元には警察から立件に有利な資料しか送られてこないので、検事には消極証拠を見抜く力が求められる。今回は公安にいわれるまま起訴に進んだ。検事の役割を見直さなければならない事件だった。

 最後に、無実を訴えれば訴えるほど保釈を認めず、身柄拘束が続く裁判所のあり方人質司法)は是正されなければならない。自白した人とたたかう人では、身柄拘束の期間が有為に違う。身柄拘束をされている人は自白に誘導されてしまい、冤罪が生まれてしまう。今回は身柄拘束中に1名が進行癌(がん)であることが発覚したが、保釈が認められず、そのまま亡くなってしまった


外為法による輸出規制 リスト規制の仕組み

 外為法は安全保障貿易管理をおこなっており、今回問題になったのは輸出管理の部分だ。輸出管理とは、「先進国が保有する高度な貨物や技術が、大量破壊兵器開発や製造等に関与している懸念国やテロリスト等の懸念組織に渡ることを未然に防止するため、国際的な枠組みのもと、各国が協調して実施」している。わが国だけでなく、国際的にルールをつくっているものだ。先進国が中心になった「国際輸出管理レジーム」という集まりがあり、こういう規制をかけていこうという取り決めをし、各国が持ち帰って法律化している。

 「国際輸出管理レジーム」には主に四つの枠組みがあるが、今回問題になったのはAG(オーストラリア・グループ)といって、生物・化学兵器を対象とした輸出規制の枠組みだ。これには日本も加入している。

 規制の手法としては、大きくはリスト規制と、それを補完するキャッチオール規制の二つがある。リスト規制は法令や省令で貨物の品目や性能を定め、そのリストに該当する製品を輸出するさいには経産大臣の許可が必要というものだ。リスト規制のジャンルは15あり、今回問題になったのは3の2の「生物兵器」だ【表参照】。

 生物兵器のなかにはどういう規制対象貨物があるのかというと、1はウイルスや細菌そのもの、2は細菌を使った兵器の製造・保存・持ち運びに使える機械で、10種類がリストにあがっている。今回問題になったのは5-2の噴霧乾燥器だ。噴霧乾燥器は2013年に凍結乾燥器の項目に追加されており、これだけが新しい規制だ。

 そして、噴霧乾燥器ならなんでもかんでも輸出許可が必要かというと、そうではない。生物化学兵器の製造に用いられそうな、いわば性能のいい機械だけが規制の対象になっている。具体的にはイ~ハの三つの要件があり、それを全部満たすものは輸出するさいに許可が必要となっている。今回問題になったのは、ハの「定置した状態で内部の滅菌または殺菌をすることができるもの」という要件だ。

 一方、キャッチオール規制というのは、リスト規制の対象外であっても、「用途要件」といって、その貨物や技術が「大量破壊兵器」などの開発のために使われる場合は許可が必要というものだ。また「需要者要件」といって、経産省が15カ国・地域、706組織を指定するユーザーリストをつくっており、このリストに該当する要注意の相手に輸出する場合は許可が必要というものだ。

 次に、事業者が経産省に許可申請した場合はどうなるか。経産省は、事業者の許可申請提出書類を見て、「輸出許可基準」をもとにその用途や需要者を審査する。輸出許可基準の内容は、①貨物が実際に需要者に到達するのが確からしいか、②申請内容にある需要者が貨物を使用するのが確からしいか、③貨物が国際的な平和及び安全の維持を妨げる恐れのある用途に使用されないことが確からしいか、④貨物が需要者によって適正に管理されるのが確からしいか、の四つだ。

 今回の場合、噴霧乾燥器が問題になって2件が立件されているが、1件目の噴霧乾燥器RL-5は、リチウム電池材料をつくるのが目的で、需要者はドイツのBASF(世界最大手の化学メーカー)の中国子会社。2件目の噴霧乾燥器L-8iはアクリル樹脂をつくるのが目的で、需要者は韓国の液晶メーカーLGの子会社LG MMAだった。いずれも、「もし許可申請があれば許可していたと経産省が明言している。

 では、経産省の許可がないまま輸出した場合はどうなるか。その場合、経産省は事業者に資料を提出させて事後審査をやり、違反の事実が判明した場合は指導・処分をおこない、そうでない場合にも再発防止策を策定させる。もっとも重い処分としては行政罰(3年以内の輸出等禁止など)があり、それより軽い警告や、原則非公表の報告書の提出のみというのもある。さらに悪質な場合は、経産省が告発し刑事事件になる。

 ところが大川原化工機事件の場合、経産省による事後審査もなければ行政罰も警告もなく、そして告発もなかった。つまり経産省は何も動いていない。にもかかわらず警視庁公安部が勝手に事件化し、勝手に立件した


噴霧乾燥器とは何か? 新たに規制に加わる

 さて、今回問題になった噴霧乾燥器(スプレードライヤ)とはどういうものか。

 液体を熱風中にシューッと霧状に噴霧して、液体の部分を蒸発させ、液体に混じっていた固体の部分が粉末として落ちてくるというものだ。言葉でいうと簡単だが、技術的にはかなり難しい。たとえば、コーヒーの液体からインスタントコーヒーの粉末をつくる。インスタント食品についている粉末スープもそうだ。その他、健康食品などの食品分野やセラミックなどの化学の分野、製薬産業における乾燥粉体の調製などに幅広く用いられている。

 乾燥器には、噴霧乾燥器の他に凍結乾燥器がある。凍結乾燥器は古くから規制の対象になっていた。噴霧乾燥器はここ数十年で性能が向上し、凍結乾燥器より効率的に粉体を得ることができるようになったので、規制の対象に加えられた。

 構造を見てみたい【図参照】。真ん中にズドーンとあるのが乾燥室。その中に上のアトマイザから、原液が霧状に噴射される。同時に左側の電気ヒーターから熱風を送る。すると乾燥室の上で噴霧されたものと熱風がぶつかる。そこで液体部分が蒸発し、粉末が乾燥室の下に落ちてくる。そして右のサイクロンに集められ、粉体は製品ポットに落ちてくる。他方で風は、右上の排風機から外に出ていく。粉体は製品ポットから回収される。

 大川原化工機は、日本における噴霧乾燥技術のリーディングカンパニーで、シェアは約7割。国内の企業のみならず、中国をはじめとする東アジア、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカに多くの噴霧乾燥器を古くから輸出している。

 噴霧乾燥器は先ほどものべたように、もともとは規制の対象ではなかった。しかし性能が向上し、2011年に噴霧乾燥器のパイオニアであるデンマークからAG参加各国に提案があり、2012年のAG会議で規制対象品目への合意が成立した。これを受けて経産省が政省令を改正し、日本におけるリスト規制の対象品目に噴霧乾燥器を追加したのが2013年10月だ。

 そして規制の要件だが、2012年のAG会議で三つの要件をすべて満たす噴霧乾燥器が規制の対象になると合意された。この三つの要件について、合意された翌年に経産省が明文化したのがイ、ロ、ハの三つの要件だ【上表参照】。

 今回問題になったのはハの要件で、「定置した状態で内部の滅菌又は殺菌をすることができるもの」と訳している。このなかで「滅菌」というのは微生物学で定義されている。だが「殺菌」というのは、微生物学上も法律上もなにが殺菌かという明確な定義がない。なぜ、概念がないものを法律で明文化したのか。もともとの英文を見ると「disinfected」となっており、これは学術的には「消毒」を意味する言葉だ。ところが10年前に訳したとき、経産省は「殺菌」という言葉をあてた。

 これについて経産省を支援する民間団体CISTEC発行の「ガイダンス」では、「装置を分解せず組み立てた状態で、乾燥粉体が漏れない状態にして、又は製造作業者が粉体を吸入したり、粉体に接触したりすることなく内部を滅菌・殺菌ができる構造」と定義している。つまり、作業者が安全に作業できるように、粉がモヤモヤと出てこない状態で菌を殺すことが必要ということだ。

 大川原化工機はこれを読んでいたので、規制対象になるのは曝露が防止できるような性能を有する噴霧乾燥器だと考えていた。

 具体的にはCIP機能といって、ボタン一つで薬液が出てきて内部が自動洗浄される機能の付いた高性能噴霧乾燥器が規制の対象だと考えていた。同社の噴霧乾燥器はそうではない(ハの要件を満たさない)ので、だから許可をとらずに輸出していた


いきなりのガサ入れ 逮捕に至る経緯

 ところが、2018年10月3日、噴霧乾燥器を規制する法律ができてから5年後に、警視庁公安部によるガサ入れ(捜索差押)がいきなりおこなわれた公安部外事第1課長を総括指揮官とし、129人体制で、大川原化工機の本社や開発棟、静岡の研究所、大阪営業所など7カ所と役職員7人の自宅、合計14カ所を一斉捜索し、2287件の押収をおこなった。役職員の自宅には朝7時頃にやってきて、2時間余り捜索し、携帯やタブレットなどを持っていった。

 このときまで公安警察は、大川原化工機には知らせずに捜査していたので、自分たちが標的になっていることすらわからない。ある日の朝、いきなり警察が自宅に来たという事態だ。

 そして2カ月後の同年12月11日から2020年2月まで、同社の50人に対して任意の取り調べが延々と続いた。3年ごしで、のべ291回にもなった。大川原化工機は「なにも悪いことはしていないのだから、全面協力」という方針を立てたが、しかしいつまでたっても終わらない

 取り調べで聞かれたのは主に次の2点だった。一つは「噴霧乾燥器になにも入れない状態で、付属のヒーターだけ回して空焚きしたら、内部の殺菌ができることを知っていた?」。普通はこんなことはしない。そして「殺菌」は明確な定義がない。たとえば「殺菌作用のある石鹸」といっても、それで手を洗ったとして、それで手にいる細菌がすべて死ぬわけではないが、でも「殺菌できる」という。「殺菌」の定義が示されないまま「空焚きすれば殺菌できる」といわれ、よくわからないまま誘導されて供述調書をとられている

 もう一つ、「許可を得ずに輸出することを決めたのは誰?」とみんなが聞かれた。同じようなことを毎回聞かれるという状態だった。

 その過程では不当な取り調べもあり、うつ病になる社員もいたので、警視庁公安部にクレームを入れた。

 また、1年間取り調べが続くなかで、「許可をとっていなかったけど、われわれの解釈は間違っていたのか」ということで、警察の捜査への協力と並行して、経産省に判定の基準について問い合わせをおこなった。警察の取り調べは過去のことだが、事業者はこれからも輸出し続けなければいけないので、許可申請の基準をつくらないといけないからだ。2019年の年明けから1年間対話を続けたが、経産省は回答を先延ばしし、判断基準を示してくれなかった。後で話すが、この段階ではすでに経産省は公安部と打ち合わせをして基準を持っていた。が、それを教えてくれなかった。

 そして2020年3月11日、大川原化工機社長・大川原正明氏、同社取締役・島田順司氏、同社顧問・相嶋静夫氏の3人が逮捕された。このとき第二次捜索差押もされた。

 このときのことを大川原社長は次のようにいっている。

 警察が朝7時頃に自宅に来て任意同行を求められ、警視庁に行くのかと思っていたら、自宅から会社に行って社長室に案内され、社長室で2時間ぐらい待たされる。それで警察に促されて社長室を出て、警察の車に乗り込んで警視庁に向かうのだが、会社の扉を開けたら、そこにはマスコミがズラッと並んでいたわざわざ社長を自宅から会社に連れてきて、マスコミが集まるのを待って、マスコミの前に出すということを公安部はやった


逮捕から起訴されるまで 従業員の証言が局面変える

     (警視庁本部庁舎(東京都千代田区霞が関))

 逮捕された日、3人から警察を通じて私のところに弁護人選任・接見希望の連絡が入った。私は順次接見した後、弁護団を結成した。

 翌3月12日、3人の身柄が検察庁に送られた。3人に接見し、話しあって完全黙秘の方針を決めた。

 3月13日から、検事が従業員10人に対して参考人聴取の出頭要請をおこなった。当初、自白調書がほぼできていたので、検事は簡単に調書がとれると思っていたが、3人が完全黙秘に転じたため、従業員を呼んで「殺菌できる」という調書をとろうとしたわけだ。結果的にはこれが、彼らにとって墓穴を掘ることになった。

 逮捕当日、マスコミは3人の顔写真入りで大きく報道した。取引先や金融機関から問い合わせが続き、取引停止にもなったので、一方的な報道をなんとかしようと、われわれは3月16日にマスコミ向けに自分たちの考えを送信した。いくつかのマスコミから取材も受けたが、結果、なにも報道されなかった

 取り調べで公安部は、黙秘権を行使する3人を切り崩そうと、「あの弁護士はだめだ。刑事弁護を知らない」と弁護士と切り離そうとしたり、「他の2人は雑談には応じている。雑談にも応じないのは人としてどうか」と他の被疑者から切り離そうとした

 一方、われわれは3月13日に大川原化工機の従業員と面談をおこなった。なにせなにが疑われているのかがよくわからず、どこが論点かを探っていった。「殺菌できる、できない」が問われる、よくわからない取り調べが一年間続いたので、ここがポイントではないかということになった。

 そのなかで従業員から、「噴霧乾燥器の内部は温度が均一に上がらない部分もあるため、菌は一部生き残る可能性があるし、器械が密封されていないため、菌が風とともに尻から出て、曝露もするだから完全に死滅させるという意味での滅菌・殺菌はできない」という意見が出された。われわれは、「では実験しよう」となった。

 一方、大川原社長ら3人は完全黙秘を続けた。そこから検事は、故意および共謀を立証するため、従業員の参考人聴取を幅広くおこなった。

 それまでに公安の取り調べによる「殺菌できる(殺菌の定義をいわないまま)」という調書がたくさん積み上がっていた。しかし、検事は「殺菌」というのを「菌が全部死ぬ」こととわかっているので、従業員に「全部死にますか?」と聞く。すると従業員は「全部は死なない」「測定口という管に入った菌は、そこは熱風が通らないから温度が上がらず、死なない」「(公安の取り調べのときには)全部殺すと聞かれなかった」と答えた。3人の従業員がこの取り調べを録音しており、それがその後の国賠訴訟一審で決定的な証拠となった。

 検事はそこでどうしたか。本来なら温度が上がらないことを調べるべきだ。しかし、塚部検事それを黙殺する形で3月31日、起訴した。


起訴後の弁護活動 胃癌発覚後も勾留

 起訴後の弁護活動としては、まず身柄の早期解放に向けて保釈請求を、2020年4月から翌年1月まで8度にわたっておこなった。しかし、まったく保釈されず、勾留は約11カ月続いたその間に相嶋氏は進行胃癌が発覚し、発覚しても保釈が認められず、勾留執行停止が認められて大急ぎで大学病院で診察を受けるところまでいったが、それでも自由ではないので後手後手になってしまって、保釈請求が通らないまま2021年2月に亡くなった身柄拘束がされていなければ、もっと生きられたはずだ

 第二に、無罪を勝ちとるための弁護活動をおこなった。一つの切り口は法令解釈で、そもそも公安部の理論、ヒーターの熱で菌を殺せるという乾熱殺菌理論が学術的にはありえず、国際基準にもない。国際基準は薬液を流してやるのが殺菌だという考え方だ。日本だけが「消毒」を「殺菌」と誤訳し、「熱風を送れば殺菌できる」という殺菌理論ができたわけだが、その理論自体が間違っているのではないか。

 もう一つの切り口が器械性能で、測定口は温度が上がらないのだから、公安部の殺菌理論を前提としても殺菌性能はないという主張だ。そこでヒーターによって滅菌・殺菌できるほどの温度に上がるかどうかを実験してみた。すると測定口の温度がまったく上がらないことが判明した。「微生物を微粒化した場合、測定口に粉体が入り込むこともあるか?」と同社の従業員に聞くと、「粉体は入り込む。風の流れない所なので温度が高くなり難い箇所になる」との返事をもらった。この段階でわれわれは無罪判決を意識した。公安部がやった実験の結果も出てきたが、測定口は測っていなかった

 2019年11月には、警察の内部告発文書が届いた。われわれの方向が間違っていないことを確信した。

 さらに法令解釈の部分で怪しい動きを見つけた。捜査の初期の段階で、経産省と警視庁が非常に長い期間、何回も密談していることがわかった。その内容が捜査資料として出ていない。裁判所を通じて開示請求すると、検事は「経産省メモはあったが、経産省が拒絶していて開示できない」という。裁判官が何度も促すことで、検事は「(2021年)7月30日までに黒塗りの場所を決めて開示する」と約束した。そして約束の日、検事は起訴を取り消した。経産省メモはそれほど出したくないものだった。今、公安部が作成した検事相談メモ(2021年7月21日)が明らかになっている。そこで検事は起訴を取り消す理由として、一つは「実験したけど殺菌できなかった」、もう一つは「経産省メモを読むと、うがった見方をすると意図的に立件方向にねじ曲げたという解釈を裁判官にされるリスクがある」とのべている。経産省メモには、公安部が立件方向にねじ曲げ、経産省を寄り切ったという内容が書かれていることが想像される。経産省メモは後日、入手した。


国家賠償請求訴訟 事件捏造の認定求め

     (国家賠償請求訴訟の第一審では大川原化工機側が勝訴
      (昨年12月27日、東京地裁前))

 検察官の起訴取り消しを受け、東京地裁は2021年8月3日に公訴棄却を決定。その翌月の9月8日、大川原化工機は国家賠償請求訴訟を提起した。

 一審ではわれわれが勝訴した(2023年12月)。しかし双方が控訴した。われわれがなぜ勝ったかというと、「(公安部や検事が)従業員から指摘を受けていたのに、測定口の温度に関する捜査をおこなわずに逮捕・起訴したことは違法」、つまり測定口を測っていないという「捜査ミス」「捜査不足」で勝っている。

 しかしこの事件は、証人尋問でH警部補が捏造と認めたように非常に悪質な事件だ。ところが一審では、公安部が殺菌解釈について経産省見解を立件方向にねじ曲げたこと事件そのものが捏造だったことについて認定を受けることはできなかった

 だからわれわれが控訴したのは、真相を裁判所に事実認定してもらわないと、警視庁公安部や検察庁は事件を真摯(し)に振り返らないと思ったからだ。


公安部はなぜ暴走した 経産省は検証もせず

 最後に、公安部はなぜ暴走したのか? この事件が報道されることでいろんな協力者が出てきて、だいたいの事実がわかってきた。それをわれわれの見立てで話す。

 端緒は2017年3月だ。ガサ入れの1年半前から、捜査は始まっていた。

 捜査をおこなったのは警視庁公安部外事第1課第5係で、不正輸出の捜査を担当するチームだ。不正輸出の案件をいつも捜している。しかし不正輸出の案件は少なく、検挙された数も少ない。ここ7~8年で数件しかない。大川原化工機事件の前に第5係は安井インターテックを書類送検したが、検事が起訴猶予にした。2017年3月24日だ。

 今回、なぜ捜査が始まったかというと、3月8日の税関の貿易講習会に若い巡査長が参加して、そこで「殺菌の概念が曖昧で、国際的にも規制できていない」という話を聞く。戻って報告すると、係長が「いいね」「噴霧乾燥器と凍結乾燥器について聞きに行こう」といって講師のところに行く。聞くと、「噴霧乾燥器は規制が始まって5年で、規制要件が曖昧だ」「業界ナンバーワンの大川原化工機という事業者があり、高性能の噴霧乾燥器をつくれる」「トップ企業で外資系でもないし、中小企業だ」とわかった。「いいねということで捜査が始まった

 第5係は東京税関の協力を得て、規制が始まってからの大川原化工機の輸出実績49件を調べた。すると、噴霧乾燥器の三つの規制要件のうち、ハの滅菌・殺菌の要件をいつも「非該当」にして輸出していることを把握した。それなら滅菌・殺菌できることを証明できれば非該当をひっくり返せると気づく。そして要件ハだけ非該当にしている9件の中から中国向けの汎用機にしぼったら、噴霧乾燥器RL-5が出てきた。つまりこの器械が危ない使い方をされたから狙われたのではまったくなく、あげるために、あげやすいものにしぼることで浮上したわけだ。

 第5係は次に、同業他社やユーザーにヒアリングしたが、ヒーターで乾熱して殺菌できるとして輸出許可をとっているメーカーは一社だけ。他社は大川原化工機と同様、薬液で流すのが殺菌だから、そうでないものは輸出許可申請をしていなかった。また、実際に乾熱殺菌しているユーザーはゼロだった。公安部の考え方は通らなかったが、宮園第5係長は「実務は関係ない。理論的に殺菌できるなら立件できる」と捜査を進めた。

 2017年9月から、第5係は「規制に該当する」という経産省の見解を得るための折衝を始める。経産省は当初、公安部の解釈を否定したしかし2018年2月、急転直下、ガサ入れまでなら協力するというきわめて政治的な対応をとった。それまでに公安部が経産省とのミーティングで、ガサ入れで黒い証拠が必ず出るからと働きかけていたことがわかっている。

 他方で第5係は実証実験をおこなった。細菌が死滅する温度条件を乾熱乾燥器で特定した(110度で2時間温めればよい)が、機器の下部の温度が上がらないことがわかり、その場所も温度条件をクリアするような実験をおこなってなんとか資料をそろえた。

 こうして警視総監の承認や検事の了解もとって、大々的にガサ入れを実行した。しかし、なにも出てこなかった。そうなると任意の取り調べを延々とやって、「殺菌できると自白をとるしかない

 ところが2018年12月、取り調べを始めた3日目に、従業員から「測定口は温度が上がらない」という話が出てくる。翌1月には、噴霧乾燥技術にもっともくわしい故・相嶋顧問からも同じ指摘がされた。

 これを聞いた捜査員の一人が測定口の温度を確かめるよう進言するが、しかし宮園係長は「従業員の言い訳だ。信じる必要はない」「結果が出なかったらどうするんだ。事件潰れて責任とれんのか」といい、測定口の温度を測らせなかったそれを握り潰したまま、塚部検事の了解を得て立件に進んだ。

 なぜ宮園係長は実験を握り潰したのか。証人尋問の中で明らかになったのは、係長は大川原化工機の前に別の事業者を書類送検したが、検事にハシゴを外された。彼の任期から考えて、この事件が最後のチャンスだった。そのうえ実験を10回以上もやり、警視総監の了解もとって、120人体制でガサをやったのだから、もう立ち止まれない。

 証人尋問では「捜査員の出世欲からそうなった」という発言が出た。彼にとっては万が一にも測定口を測って温度が上がらないことがわかったら、それを隠すことはできない。だから測定口の温度は、彼としては測れなかった。

 最後に、経産省は大丈夫か? そもそもできの悪い省令をつくったのは経産省で、その検証もせず、そのうえ公安部のガサを受け入れ、大川原化工機からの相談に対しては事後審査すらおこなわず、解釈も示さないままだった

 日本の産業を育てるべき経産省が、結果的に法令の不備を公安部に利用され、企業を売った形となった。こうしたことはけっしてあってはならない。
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●30年目の松本サリン事件、《捜査や報道の罪深さ》…(2011年)《河野義行さん…自身が受けた報道被害…「…いまも当時と変わっていない…」》

2024年07月05日 00時00分59秒 | Weblog

// (2024年07月02日[火])
2011年11月22日の東京新聞の記事を読み直してみた…山内悠記子記者による記事【再発防止策 見いだせない 松本サリン被害 河野義行さん】。

   『●河野義行さん、死刑制度廃止を

 記事を、以下に再掲してみます。

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https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5a446bb501f4fdb34b71de9a6eded9d9

再発防止策 見いだせない 松本サリン被害 河野義行さん
2011年11月22日 朝刊

 「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」。一九九四年の松本サリン事件の被害者でありながら当初、警察の家宅捜索を受けるなど二重三重の苦しみを味わった河野義行さん(61)は、十七年の思いをかみしめた。日本を恐怖に陥れたオウム真理教の一連の事件の公判は終結したが、真相はいまだ見えないままだ。 

 「私にとってのオウム事件は、妻が亡くなった二〇〇八年八月に終わっています」。河野さんの妻澄子さんは、サリンの後遺症で寝たきりになり、六十歳で亡くなった。河野さんにとって、事件が起きた最初の一年は、犯人視する警察の捜査とマスコミの報道被害との戦いだった。「冤罪(えんざい)」が晴れてからは、三人の子どもへの親としての責任を果たし、妻の回復を願い続けて生きてきた。

 ただ、首謀者とされる麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=の二審で実質審理がなかったことには「なぜ国家転覆を狙ったテロが起きたのか、本当に首謀者だったのかなど真相が分からず消化不良。再発防止策が見いだせない」と残念そうな表情を見せた。

 一方で、「裁判が終わったことで口を開く人が出てくるかもしれない。テーマを持ったジャーナリストに真相究明を期待したい」と望んでいる。

 今後は麻原死刑囚ら死刑確定者の執行に世間の関心が移る死刑制度については「現行法では合法で正義だが、個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」と話す。

 松本サリン事件で使われたサリン噴霧車の製造にかかわり懲役十年の刑を受け、出所後に自宅を訪れた元信者とは友人になった。刑務所で覚えた技術を生かし、自宅の庭木の手入れを任せ、今でも温泉や釣りを共にする。「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手だから」

 一昨年と昨年には東京拘置所で、二十一日に上告棄却となった遠藤誠一被告(51)=一、二審死刑=ら教団元幹部四人とも面会。死生観や入信の動機などを聞く中で、「ごく普通の人。むしろ他の人より真面目」という印象を持ったという。

 自身が受けた報道被害については「事件報道で、マスコミが警察からの非公式情報を基に危うい橋を渡るシステムは、いまも当時と変わっていないようにみえる」と話す。

 澄子さんの三回忌と還暦を迎えた昨年、人生をリセットしようと鹿児島に移住した。講演活動も減らす予定でスローな生活を送る。「今後は隠居生活。いかに心地よく死ぬかがテーマです」。穏やかに語った。

 (山内悠記子
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 当時のブログ…:

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●河野義行さん、死刑制度廃止を2011年11月29日 00時00分57秒

 …「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」、「個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」、「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手」、「いかに心地よく死ぬかがテーマ」。あの河野義行さんだからこその重い言葉。酷い冤罪被害者として、また、奥様を殺された河野義行さんの重い言葉である。被害者であるにもかかわらず、おどろおどろしくプライベートを暴きたてた当時のあのマスコミのバカ騒ぎ、あれを経験されても、こういう言葉が出てくるのだから、すごい人だと思う。
 もちろん私は被害者ではない。だからこそ、被害者感情を過剰に忖度しての死刑制度存置を支持する方々にも噛みしめてもらいたい、と思った。……
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   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
      は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件

 《被害者でありながら当初、警察の家宅捜索を受けるなど二重三重の苦しみを味わった河野義行さん》…何か変化の兆しはあっただろうか? 事件から7年程の2011年当時、《自身が受けた報道被害については「事件報道で、マスコミが警察からの非公式情報を基に危うい橋を渡るシステムは、いまも当時と変わっていないようにみえる」と話す》河野さん。それから十数年経って、何か変化の兆しはあっただろうか? (東京新聞社説)《死刑執行後、再審が請求された福岡県の「飯塚事件」(92年)を取り上げたドキュメンタリー映画「正義の行方」(今年公開)に、当時、事件を取材し特ダネを連発した地元紙記者が悔恨とともに、こう述懐する場面がある。「自分はペンを持ったお巡りさんになっていた」》。
 東京新聞の【<社説>松本サリン30年 「ペンを持つ警官」の悔恨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/336223)。《松本サリン事件から27日で30年になる。長野県松本市の住宅街で1994年6月、オウム真理教幹部らが猛毒のサリンをまいて8人が死亡、約600人が重軽症を負った大惨事。報道機関としては、県警の捜査に沿って、第1通報者の河野義行さん(74)を容疑者扱いしてしまった、悔やんでも悔やみきれない事件だその反省を忘れず、事件報道のあり方を常に問い直していかねばならない》。

   『●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)
    《松本サリン事件で警察とマスコミに犯人扱いされた河野義行に、
     国家公安委員長として率直に謝罪したのも野中だった》

   『●『創 (11月号)』読了(2/2)
    《浅野健一さんの「松本サリン事件から14年、河野義行さんの妻、
     澄子さん逝く」。犠牲者であり入院し、ずっと意識不明であり
     ながら、「家族を支えた」澄子さん》

   『●『月刊誌3冊』読了(4/4)
    「森達也さんの「極私的メディア論/第40回 死刑制度について」」
    「松本サリン事件の河野義行さんについて、服役を終えて出所した
     ある信者は庭木の剪定など河野さんの家を訪れており、親しく
     両者は接している。「ありえない想像だけど、もしも麻原死刑囚が
     家を訪ねてきたとしても、河野さんはきっと、よくいらっしゃい
     ましたと迎え入れるに違いない」」

   『●『貧困なる精神U集』読了(2/2)
    「インタビュー「加害報道 ―河野義行さんをめぐる松本サリン事件
     の誤認捜査と誤報」。「許せぬ『週刊新潮』」」

   『●『官僚とメディア』読了(2/3)
    《客観報道主義無責任主義の別名…。…河野義行さんのケース…》
    《地下鉄サリン事件和歌山カレー事件など重大事件が起きるたびに
     メディア・スクラム集団過熱取材)が繰り返される…》
    《…記者クラブ制度…。…記者たちはいつのまにか権力との距離感を
     見失い最も大事な批判精神をなくしてしまう

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●河野義行さん、死刑制度廃止を
   『●「災害に便乗する「巨大復興」」
     『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号)について
    「浅野健一さん【被逮捕者に肖像権はないのか 柏連続殺傷事件】
     《メディアは行き帰りで、男性の顔を撮影し報道した。
     引き回し写真は〝晒し刑〟にあたる…河野義行さんは…
     「メディアは今も、警察が被疑者を逮捕したら犯人で決まりだ
     テレビ報道では、人相が悪い写真を選んで伝え、怪しい人という
     情報しか報じない。…速報性の競争をやめるべきだ」と提言》

   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は
       「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ
    《九四年の松本サリン事件で当初、容疑者扱いされた河野義行さん
     …は四月の本紙の取材に「麻原死刑囚は否認しているが、
     控訴審もしていない真実に迫るためには控訴審が必要だった
     
のではないか。(起訴内容が)本当に事実かと疑問が出ても不思議
     ではない」と述べた。
     「命は大切なものだから死刑そのものには反対だ」とも話していた》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/336223

<社説>松本サリン30年 「ペンを持つ警官」の悔恨
2024年6月27日 07時52分

 松本サリン事件から27日で30年になる。長野県松本市の住宅街で1994年6月、オウム真理教幹部らが猛毒のサリンをまいて8人が死亡、約600人が重軽症を負った大惨事。報道機関としては、県警の捜査に沿って、第1通報者の河野義行さん(74)を容疑者扱いしてしまった、悔やんでも悔やみきれない事件その反省を忘れず、事件報道のあり方を常に問い直していかねばならない

 県警は事件の翌日、サリンがまかれた駐車場隣の河野さん宅を容疑者不詳の殺人容疑で家宅捜索。捜索場所として河野さんの実名を発表した。本紙など報道各社は「薬品調合中に発生」「第1通報者が関わっていたとは」など河野さん=容疑者のように報道した

 河野さんは自身がサリンを吸った被害者だったが、入院中も県警の事情聴取を受けた。妻はサリン中毒で倒れ、意識不明のまま2008年に亡くなった。河野さん宅や弁護士の事務所には、無言や嫌がらせの電話がやまず、誹謗(ひぼう)中傷の手紙も数多く届いたという。

 本紙の取材では、長野県警は事件翌月にはオウム真理教の捜査を始めていた。だが、河野さんへの厳しい取り調べと河野さんを疑う報道は続いた。1995年3月の地下鉄サリン事件で教団幹部が一斉逮捕されて初めて、捜査や報道の誤りを認め、国家公安委員長、長野県警本部長や、本紙を含む報道各社が河野さんに謝罪した

 30年の節目を前に、河野さんの長女(当時高校生)は「(何があっても日常の維持に努めた」と語り、次女(同中学生)も「学校では全くいじめはなく、日常を保てた」と振り返ったが、家族への影響は小さくなかったはずだ捜査や報道を厳しく批判していた河野さんも後年、「人を憎んだり、恨んだりしない」境地に達したと語るようになったが、捜査や報道の罪深さが減じることはない

 死刑執行後、再審が請求された福岡県の「飯塚事件」(92年)を取り上げたドキュメンタリー映画「正義の行方」(今年公開)に、当時、件を取材し特ダネを連発した地元紙記者が悔恨とともに、こう述懐する場面がある。「自分はペンを持ったお巡りさんになっていた」。事件報道に携わる記者なら思い当たる部分があるのではないか。捜査の動きを追うのは職責だが一体化はしない。冷静な報道者としての判断力を磨きたい。
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●未だに利権裏金脱税党の国会議員・杉田水脈氏…《彼女はもともと全方位的に差別発言を撒き散らす人ではある。が、最近目立つのはアイヌ差別だ》

2024年07月03日 00時00分43秒 | Weblog

サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… (東京新聞2019年9月2日)↑】


// (20240609[])
今も一貫してヘイトをまき散らすカルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党の議員が国会に居る始末なニッポン。斎藤美奈子さん《かつてのアイヌ民族差別は主として無知から来る偏見によるものだった。しかし『否定論に抗する』でも述べられていたように、現在のそれは「加害の歴史を認めない」という点で、限りなく歴史修正主義に近い》。

   『●杉田水脈氏をヅボヅボ《党や政権内に厳しく責任を問う様子も見られない》
      …自民党やキシダメ首相・自民党総裁の人権感覚は彼女と同じだから
   『●杉田水脈氏は《啓発》されず…《この発言をゆるし公認を出し続けている
     自民党自体が差別的であることに気づいていないのならば、既にそれは同罪》
   『●「公金チューチュー」という揶揄がブーメラン…【杉田水脈氏側への
      「キックバック」は872万円 安倍派が政治資金収支報告書を訂正】
   『●「裏金」「脱税」党の杉田水脈議員…《スナックやキャンプ場で政治
     活動?》《会合費…政治活動として会合…しかしスナック? バーベキュー?》

 webちくまのコラム【斎藤美奈子 世の中ラボ/【第168回】アイヌ民族差別の背景には何がある?】(https://www.webchikuma.jp/articles/-/3507)。《自民党・杉田水脈衆院議員の差別発言が止まらないLGBTは生産性がない」(2018年)とか、「女性はいくらでもウソをつける」(20年)とか彼女はもともと全方位的に差別発言を撒き散らす人ではある。が、最近目立つのはアイヌ差別だ度重なる差別発言で総務政務官は辞任したものの(22年12月)、23年にはアイヌ文化振興事業に公金不正流用疑惑があるとし、関係者を「公金チューチューと揶揄。》

   『●『ドキュメント 憲法を獲得する人々』読了(4/4)
    「【田中伸尚著、『ドキュメント 憲法を獲得する人々
     その他、「「神主の娘」の意見陳述」の木村さん、
     「揺れる心で「アイヌ宣言」」の多原さん、
     「在日だけど、日本社会の一員だから」の徐さん、
     「沖縄に基地があるかぎり」の中村さん」

   『●「「希望はTPP。」なのか」
      『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)

    「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明 
     北大のずさんな管理が発覚】……」

   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」
      『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について

    「平田剛士氏【いまだ返還されず 全国12大学にアイヌ遺骨1636体!】、
     「遺骨を返還すれば大学自体も癒される。アイヌも力を得て、
     誇りを取り戻せるはず……より人間的な大学に変わるための
     チャンスととらえることもできる」」

   『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
     「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」
    《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
     先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
     原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
     先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
     ▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会
     勧告を無視

   『●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…
      儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》

    《畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、
     道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する
     場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうか自己決定権だ」
     として決行した。》

   『●【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】…《アイヌ民族は
     先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ば》

    《▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは
     沖縄同様、道半ばだ
。「アイヌモシリ(北海道)に土足で
     上がり込んできた和人には左右されない
」と訴える畠山さんの
     言葉は重くて深い》

   『●《「アイヌの伝統」…捨て身ともいえる畠山さんの行動が
      先住民族とは何かを問いかける》…そして、「言葉」を殺すな!
   『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
           先祖の遺骨をコタンに返してほしい」
   『●琉球遺骨返還請求訴訟《旧京都帝国大…の人類学者が今帰仁村の
     百按司墓から持ち出した遺骨を京大が占有》は違法…京都地裁が請求を棄却
   『●琉球遺骨返還請求訴訟《沖縄アイデンティティーのよりどころである
     遺骨を本来あるべき場所に-という原告の訴えが…入り口論》で棄却
   『●《柔らかな響きと独特の語感が特徴のアイヌ語は、消滅の危機にある
      とされています》…萱野茂さんは「言葉は民族の証」と訴えてきた
   『●【<金口木舌>差別を乗り越える】…《アイヌ民族…差別を乗り越え固有
      の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》(1/2)
   『●【<金口木舌>差別を乗り越える】…《アイヌ民族…差別を乗り越え固有
      の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》(2/2)
   『●東京新聞【アイヌ実名中傷動画を拡散 自民・杉田水脈氏、民族差別
     助長】《差別的言動を繰り返す…さらなるレイシズム助長》する醜悪さ
   『●森達也監督《特に不安や恐怖を感じた時、異質なものを見つけて排除しよ
     うとする…この場合、髪や肌の色、国籍、民族、信仰、そして言葉。》
    「大谷昭宏さん《監督は…「…そして言葉何でもいい」と言う。
     翻って現代の社会チマ・チョゴリに、アイヌの民族衣装、
     身なりで人をあげつらう女性議員がいる。「朝鮮人虐殺の記録は
     政府内には存在しない」と言い張る官房長官がいる。虐殺された
     朝鮮人の慰霊式に長年送ってきた追悼文を「史実は歴史家の判断に
     まかせるべき」と言って、突如、取りやめた都知事がいる。
     100年、何も学ばなかった人がいる100年、何かを学ぼうとさえ
     しなかった人がいる-。》」

   『●杉田水脈氏をヅボヅボ《党や政権内に厳しく責任を問う様子も見られない》
      …自民党やキシダメ首相・自民党総裁の人権感覚は彼女と同じだから
   『●杉田水脈氏は《啓発》されず…《この発言をゆるし公認を出し続けている
     自民党自体が差別的であることに気づいていないのならば、既にそれは同罪》
   『●東京新聞木原育子記者【こちら特報部/「盗ったものは謝って返して」
     アイヌ民族が求める遺骨返還 「慰霊施設」に集めて移管じゃ浮かばれない】
   『●少なくとも2016年の国連女性差別撤廃委員会の参加者へのヘイト発言以来、
      今も一貫してヘイトをまき散らす国会議員をヅボヅボ脱税党は許し、公認
   『●アイヌの人々は何を求めているか? アイヌ民族の遺骨の盗掘、墓荒
     らし…倫理観無き情けない研究者・学会、《過去の盗掘の「謝罪」》無し
   『●《アイヌ民族からは、相次ぐ差別発言への罰則規定の導入など法改正を求め
      る声が強い…先住民族に関して、この国の無関心の根本原因は何なのか》

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https://www.webchikuma.jp/articles/-/3507

世の中ラボ
斎藤美奈子

【第168回】
アイヌ民族差別の背景には何がある?
斎藤美奈子

 自民党・杉田水脈衆院議員の差別発言が止まらない。「LGBTは生産性がない」(2018年)とか、「女性はいくらでもウソをつける」(20年)とか、彼女はもともと全方位的に差別発言を撒き散らす人ではある。が、最近目立つのはアイヌ差別だ

 度重なる差別発言で総務政務官は辞任したものの(22年12月)、23年にはアイヌ文化振興事業に公金不正流用疑惑があるとし、関係者を「公金チューチューと揶揄。同年、札幌法務局と大阪法務局が彼女のブログやツイートに人権侵犯があると認定したのは、16年の国連女性差別撤廃委員会について「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場完全に品格に問題があります」などと書いたのが原因だった。それでも懲りず、24年3月にはアイヌ女性団体の活動にふれ「日本に存在しない差別を話す人たち」とXに投稿。またかと思わせた。

 ヘイト業界(とあえていうが)にもトレンドがあって、たとえば90年代の主なヘイトの対象は歴史教科書とセットになった元慰安婦だった。2000年代初頭にはジェンダーフリー教育が攻撃の的となり、2010年代には在特会を中心に在日コリアンに対するヘイトデモが吹き荒れた。その伝でいくと10年代後半〜20年代に台頭してきたのがアイヌ民族差別で、杉田水脈もその波に乗っているように思われる。背景には何があったのだろうか。


■アイヌ民族をめぐる政策の進展と差別

 まず近年の動向についてまとめておこう。

 2000年代後半以降、アイヌ民族をめぐる状況は大きく前進した。国連が「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択したのが07年。翌08年には国内でも「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で可決され、10年には官房長官を座長とするアイヌ政策推進会議が発足。さらに19年、それまでの「アイヌ文化振興法」(1997年制定)が廃止されて「アイヌ施策推進法(アイヌ新法)」が公布され、ここにはアイヌ民族が日本の先住民であることが明記された。また20年には北海道白老町に日本初の国立アイヌ民族博物館ウポポイ」がオープンした。いずれも多様性を尊重する国際的な動きに沿った動きである。

 アイヌ新法にも先住権が明記されていないなどの問題点があるとはいえ、「日本は単一民族国家」と流布されていた20世紀に比べたら、隔世の感がある。実際、アニメ化&実写映画化された野田サトルのマンガ『ゴールデンカムイ』のヒットなどもあり、アイヌ文化に対する関心はここ数年、急激に高まっている。

 しかし進展があれば、その反動めいた動きも起きる。日本テレビの朝の情報番組が差別的な表現を用い、BPOの指摘を受けて謝罪に追い込まれたのは21年だった。それ以前でいうと、札幌市議(当時)・金子快之のツイートが特筆される(14年)。彼はそこで「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません」と書いて自民党札幌議連を除名になり、札幌市議会から辞職勧告を出されている。

 この発言のどこが問題かは、岡和田晃+マーク・ウィンチェスター編『アイヌ民族否定論に抗する』に詳しい。巻頭の対談で編者の二人は次のように述べている。〈アイヌ民族否定論がかつての差別と違うのは、それはアイヌを貶めるための意図的なネガティヴ・キャンペーンだという点です〉(マーク)。〈アイヌに投げかけられているヘイトスピーチは、インターネット上に氾濫する生活保護や在日コリアンに対する罵詈雑言、民族浄化(エスニック・クレンジング)を謳う文句と、まったく同じ類のものです〉(岡和田)。〈アイヌ民族否定論はいま「アイヌ利権」なるものへの批判とセットで出てきています〉(マーク)。金子の発言はまさにこれだ。

 『否定論に抗する』が出版されたのは約10年前(15年)である。その後ヘイトスピーチ解消法なども施行され(16年)、状況は改善されたのではないか……と思われそうだが、杉田水脈の例を見れば改善などしていないことがわかる。では杉田や金子ら差別主義者が依拠する主張とはどのようなものだろうか。

 それを理解するには、先住民の側から見た北海道の歴史について若干知っておく必要がある。旧石器時代→縄文時代→弥生時代……と続く本州以南の歴史に対し、北海道先住民の歴史は弥生以降が大きく異なる。稲作ができなかった北海道ではその後も縄文文化が続き(続縄文文化)、本州の影響を受けた擦文文化と北方民族に由来するオホーツク文化の混在期を経て、アイヌ文化が成立したのが中世の13世紀(日本史的にいえば鎌倉時代)。松前藩との交易や戦いが行われた近世(江戸時代)を経て明治を迎え、明治政府の同化政策土地の収奪、強制移住、生業〔狩猟や漁労〕の剥奪、日本語や日本式の名前の強制など)が始まった。

 で、今日のアイヌ民族否定論。これが広まった際には、小林よしのり『わしズム』(08年11月、28号)の特集「日本国民としてのアイヌ」がインフルエンサーとして作用したようだが、それ以前から今日まで一貫してアイヌ否定論の本を出し続けているのが旭川の医師である的場光昭だ。彼の著書(『改訂増補版 アイヌ先住民族、その不都合な真実20』『アイヌ副読本『アイヌ民族:歴史と現在』を斬る』『捏造と反日の館“ウポポイ”を斬る』など)を参考に彼らの主な主張を整理すると、およそ次のようになろう。

➀アイヌ民族は北海道の先住民ではない。
 『日本書紀』などの文献によれば七世紀以前から和人はこの地に住んでおり、アイヌの神話にも習俗にも考古学的な出土品にもアイヌ文化には日本文化の影響が強くうかがえる。アイヌ民族は13世紀に北方から移動してきたにすぎず、北海道の先住民は和人だ。

➁同化政策は近代化政策だった。
 北海道旧土人保護法(1899年)は差別ではなく保護を目的にしており、アイヌ自身もそれを望んでいた。

➂同化や混血が進んだ今日ではアイヌ民族は存在しない。

➃したがってアイヌ差別も存在しない。

➄アイヌ利権で彼らは公金を不当に得ている。

 一応反論しておけば、①は先住民の認識が誤っている。国連宣言に先住民の定義はないものの、89年のILO一六九号条約(原住民及び種族民条約)は「独立国における人民で、征服、植民又は現在の国境の確立の時に当該国又は当該国が地理的に属する地域に居住していた住民の子孫であるため原住民とみなされ、かつ、法律上の地位のいかんを問わず、自己の社会的、経済的、文化的及び政治的制度の一部又は全部を保持しているもの」と定義している。先住民(原住民と意味は同じ)とは古代に誰か先に住んでいたかではなく、征服、植民地化、国境の確定といった近代国家の確立時に居住していた人々(とその子孫)を指しているのだ。

 さらにいえば、②は植民地支配を正当化する際の常套句。③④はマジョリティの側からの認識にすぎず、⑤はアイヌ新法に基づく文化事業への交付金や生活向上支援(住宅支援や教育支援など)を指すと考えられるが、これは格差是正のための施策で「在日特権」と同質の言いがかりだ。ただ、③④については少し補足が必要だろう。


■いないのではない、言い出しにくいのだ

 北原モコットゥナシ『アイヌもやもや』には「見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。」という長い副題がついている。

 ネット上では〈ずっと北海道に住んでいるがアイヌに会ったことがない〉といったコメントを見るが、彼らも周囲の人に「あなたはアイヌか」と質問したことはないはずだ、と著者はいう。性的マイノリティなどと同じで、いないのではない、言いだしにくいんです〉。〈母と同年代やもう少し若い人々でも、配偶者にさえ出自のことをかたくなに伏せて暮らしていることが珍しくありません〉という現実がそこには横たわっている。

 〈「アイヌはもういない」というような存在否定論は、本来ならとても難しい条件を相手に課して、その条件が満たされなければ「存在しない」と断定するものです〉。

 先住民族も現代人である以上、現代的な生活を営んでいるのは当然で、アイヌ文化の純粋性が失われたとか混血が進んだとかが「アイヌは存在しない」理由にはならない。加えて〈現代でもアイヌと和民族には歴然とした経済格差がある〉こと、〈それは制度的・文化的差別によって引き起こされたもの〉であること。現在でも直接的差別によって進学を断念したり、外見を揶揄されたりすることなどを加えれば、差別はないとは断じていえまい

 かつてのアイヌ民族差別は主として無知から来る偏見によるものだった。しかし『否定論に抗する』でも述べられていたように、現在のそれは「加害の歴史を認めない」という点で、限りなく歴史修正主義に近い。事実〈アイヌ先住民族運動は国内の左翼反日勢力はもとより、国内在住外国人反日勢力に利用されている〉(『不都合な真実20』)という的場光昭の言説には、慰安婦問題などと共通したステレオタイプな思考法が見える。

 概してその分野での進展があった直後にヘイトは増加する。とはいえヘイトスピーカーは無知につけ込む。以前、日本ハムファイターズが千歳空港に「北海道は開拓者の大地だ」という広告を出し、抗議を受けて撤去騒ぎになったことがある(15年)。コロンブスとアメリカ先住民の関係を思い出せばわかるだろう開拓者(和人)の側から土地や歴史を見る習慣に、すでに無知と偏見が潜んでいるのだアイヌ民族差別は北海道だけの問題じゃないのである


【この記事で紹介された本】

『アイヌ民族否定論に抗する』
岡和田晃、マーク・ウィンチェスター編、河出書房新社、2015年、2090円(税込)

〈札幌市議の「アイヌ民族、いまはもういない」発言。ネット上にあふれ、街頭にも飛び出したアイヌへのヘイトスピーチ。これらに多様な論者が「NO」を突きつける初めての一冊。緊急刊行!〉(帯より)。作家や研究者など24人による論考集。杉田水脈アイヌ差別発言の源流がどこにあるかがわかる本。10年前の刊行にもかかわらず、今も十分通用するのが逆に恐ろしい。


『改訂増補版 アイヌ先住民族、その不都合な真実20』
的場光昭、展転社、2014年、1980円(税込)

〈アイヌ系日本人を「先住民族」とするアイヌ新法案に疑義!〉(帯より)。アイヌ関係の著書を量産している著者(1954年生まれ。旭川ペインクリニック病院理事長)によるアイヌ先住民説否定論。よく調べているのは事実だが、アイヌ民族は野蛮だったという明治以来のアイヌ像を何の疑問もなく踏襲しており、偏見を助長する恐れ大。ただし編集が悪く、これ一冊で主張の全貌をつかむのは難しい。


『アイヌもやもや』
北原モコットゥナシ、303BOOKS、2023年、1760円(税込)

 〈「アイヌに会ったことがない」、それって本当ですか?〉(帯より)。自身もアイヌにルーツを持つ著者(1976年生まれ。北海道大学アイヌ・先住民研究センター教授)の文章と、やはりアイヌにルーツを持つ東京の高校生を主役にした漫画で構成。無知と無関心が当事者にもたらす影響、差別のステレオタイプなど、根本的な問いにも踏み込んでおり、平易な語り口だが読みごたえは十分。

PR誌ちくま2024年5月号
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●「関西生コン事件」《民主主義の危機…労働組合活動に対する恣意的な法執行や長期間の身体拘束》…ナチスが「労働組合員たちを攻撃したとき…」

2024年06月30日 00時00分01秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


// (2024年06月08日[土])
このでっち上げ労働組合弾圧事件をいつも持ち出すお維。嘘でもデマでもたれ流し、選挙にさえ勝てばいいというお維。この問題「関西生コン事件」に(おそらく氏の勘違いで?)絡んでいる足立康史氏(松井一郎第二代大阪「ト」知事との不仲の一因か?)が、お維の無法 (不法?) 行為を指摘したにもかかわらず、逆に、半年間の党員資格停止処分だそうだ…複雑な気分で、どう受け止めていいのやら。まぁ、それほどお維はデタラメということでもある。まさに《反社》。
 《「公権力が、労組を暴力団と同じ論理に当てはめてやってくる」》。「労組は反社?」…いやいや、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党やお維こそが《反社》でしょ!? 見誤ってはいけない! この事件の本質的教訓はニーメラー牧師の『ナチスが最初共産主義者を攻撃した時』…:

   「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
     私は労働組合員ではなかったから
     そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

 《関西生コン事件とは何だったのか》? 漸く《労働組合としての正当な行為犯罪とされていたこと明らかとなる無罪判決が出るようになりました》。ここまででっち上げをし、憲法や労働組合法を無視する警察や検察、外野連中。《関西生コン事件とは何だったのか》? 《「共謀罪適用のリハーサルだ」》。
 山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/保育園に入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 逆転無罪が相次ぐ「関西生コン事件」が示す民主主義の危機】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/331001)によると、《2018年以降、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)」の組合員81人が逮捕され、威力業務妨害や恐喝未遂などの罪で66人が起訴された。だが公判段階になり、一部無罪を含め11人の無罪が確定している。労働組合活動に対する恣意(しい)的な法執行や長期間の身体拘束に、関係者や専門家から改めて批判の声が上がっている。(山田祐一郎)》。

   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
                …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    《関西地区生コンに対する弾圧とは、2017年末に関西生コン支部が
     行ったストライキ決行を契機に、現在まで、のべ58名の逮捕者が
     出ている事件を指す。労働組合としての当然の行為である
     ストライキに対し、警察、裁判所、検察が一体となった弾圧行為
     行われている…集会参加者の一人、ジャーナリストの竹信三恵子さん
     …はドイツの牧師マルティン・ニーメラーの詩を引用した…
     「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった/
     私は労働組合員ではなかったから/そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」》

   『●ニーメラー牧師「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時」…
        高江や辺野古が破壊された時、「関生」が狙われた時…
    《▼日本も労組が標的になる段階まできた。生コン車の運転手らで
     つくる連帯ユニオン関西地区生コン支部、通称「関生(かんなま)」。
     組合員らの逮捕は延べ85人、委員長と副委員長の勾留は
     28日で1年になる》

   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
     しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
   『●風見鶏氏・中曽根康弘元首相《左派労働運動(総評)を
     つぶし、社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに…》
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、「破防法
        を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》
   『●《連合が労働者にとって何の役にも立たない為政者の腰巾着…労働
     運動が鳴りを潜め、新自由主義政策のもとで資本のやりたい放題が横行》
   『●トンデモなお維とカルトな統一協会、なんという相性の良さでしょう…
     「統一協会の反社会的行動を批判」が「宗教弾圧」だと叫ぶ「ト」なお維
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
      なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●《関西生コン事件とは何だったのか》? 漸く《労働組合としての正当
     な行為が犯罪とされていたことが明らかとなる無罪判決が出るように》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/331001

こちら特報部
保育園に入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 逆転無罪が相次ぐ「関西生コン事件」が示す民主主義の危機
2024年6月2日 12時00分

 2018年以降、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)」の組合員81人が逮捕され、威力業務妨害や恐喝未遂などの罪で66人が起訴された。だが公判段階になり、一部無罪を含め11人の無罪が確定している。労働組合活動に対する恣意(しい)的な法執行や長期間の身体拘束に、関係者や専門家から改めて批判の声が上がっている。(山田祐一郎


◆無罪が確定しても妻や子は…

 「無罪が確定しても家族が帰ってくるわけではない」。関生支部の武谷新吾副執行委員長(60)が「こちら特報部」の取材につぶやいた。書記次長だった2019年7月、和歌山県警に、他の組合員2人とともに強要未遂と威力業務妨害容疑で逮捕された。生コン事業者の協同組合の事務所で理事長に対し、どなりつけたり謝罪するよう要求したりしたとして起訴され、22年3月の和歌山地裁判決は懲役1年4月、執行猶予3年の有罪。だが昨年3月、大阪高裁は全員を逆転無罪とし、確定した。

 高裁判決は、協同組合側が関生支部の組合員に元暴力団員を使って圧力をかけたことが発端とし、「暴力行為を伴わず、労働組合が団結権を守るための正当な行為だった」と認めた。

 関生支部は、ミキサー車運転手らが個人で加盟できる産業別労働組合。団体交渉で勝ち取った労働条件を業界全体に適用する。一審判決は、組合員が事業者の協同組合と雇用関係がないことを理由に労組としての活動であることを認めなかったが、控訴審判決は「業界企業の経営者・使用者が労働関係上の当事者に当たる」との判断を示した。

    (「無罪となっても逮捕された影響は大きい」と話す
     武谷新吾さん=東京都台東区で)

 「無罪判決後、同県内で組合活動すると、経営者側にも話を聞いてもらえるようになった」と武谷さん。ただ事件の影響で、十数人いた和歌山ブロックの組合員はゼロに。支部全体でも1300人ほどいた組合員は500人に激減した。逮捕から1カ月ほどで保釈されたが、保釈条件は組合支部事務所への立ち入りと組合員との接触を禁じるなど組合活動を不可能にするもの。「結局は軟禁状態だった」と振り返る。

 無罪判決を受けても生活は大きく変わったままだ。妻と2人の子どもとは別居状態。逮捕前、自宅付近に「利権暴力集団」などと書かれたビラをまかれた。「逮捕された時点で、悪いことをしたと決めつけられてしまう」と憤る。


◆賃上げ求めたゼネストが発端に

 一連の事件は、2017年末に賃上げを求めて関生支部が行ったゼネストが発端。大阪、京都、和歌山、滋賀の4府県警が同支部の組合員を次々と逮捕した。事件化された組合活動は13件。ストをはじめ、工事現場で業者の法令違反を指摘する「コンプライアンス活動」や正社員化を求めたことなどが犯罪行為とされた。

 無罪判決は武谷さんらの事件以外でも。生コンの調達先を関生支部と提携関係にある協同組合加入社に変更させようと、建設会社の周辺で工事の不備を指摘し、業務を妨害したとされる事件では今年2月、大津地裁が7人を無罪とし、確定した。コンプライアンス活動の違法性を認めて2人を有罪としたが、ビラまきにかかわった7人は「他地域から動員され、詳細な目的を把握しておらず共謀は認められない」と無罪とした。当時の執行委員長も一部恐喝が無罪となった。

 一連の事件に対し、弁護士有志は18年12月の声明で「共謀罪適用のリハーサルだ」と批判。労組活動に対し、前年に成立した改正組織犯罪処罰法テロ等準備罪共謀罪)が適用される恐れを指摘した。翌年には、労働法学者有志78人が声明を発表。「警察や検察は、組合活動を軽微な違反に因縁をつける反社会的集団による妨害行為と捉えている」と抗議した。


◆正当なはずの黙秘で勾留は644日間にも及んだ

 事件では、当時の関生支部の執行委員長、副執行委員長のツートップに対し、「主導的立場」として再逮捕、追起訴が繰り返された。当時、副執行委員長だった湯川裕司・現執行委員長(51)は8回起訴され、勾留は644日に及んだ

     (武谷さんらが無罪となった大阪高裁判決後の報告集会
      =2023年3月(全日本建設運輸連帯労働組合提供))

 「黙秘や否認をすると、裁判所は罪証隠滅や逃亡の恐れがあるとみなす正当な防衛手段としての黙秘なのに、簡単に勾留を認めてしまう。労働事件でここまで逮捕する必要性があるのか」。昨年3月、大津地裁で恐喝未遂や威力業務妨害などの罪で懲役4年の有罪判決を言い渡され、控訴している。

 逮捕された組合員に、捜査機関が労組脱退を勧奨する言動もあったという。「『もうやめはったらどうですかと、そういう話ばかり」と湯川さん。「公権力が、労組を暴力団と同じ論理に当てはめてやってくる

 湯川さんや武谷さんらは20年、国などを相手取り、一連の捜査が憲法28条や労働組合法が保障する団結権を侵害し、恣意的な拘禁に当たるなどとして国家賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。7月11日に予定されている口頭弁論では、刑事事件で無罪判決が相次いでいる現状について意見陳述で訴える方針だ。


◆これは本当に現代日本の出来事なのか

 5月には、昨年夏に日本で調査を行った国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が報告書を公表。関西生コン事件について日常の組合活動に参加したことで法的措置に直面したとし、労働組合が正当な方法で活動できることの重要性を強調した。

 事件についての著書「賃金破壊 労働運動を『犯罪』にする国」があるジャーナリストの竹信三恵子さんは「事件を知ったとき、本当に日本での話なのかと驚愕(きょうがく)した」と語る。「暴行」「傷害」といった容疑はなく、「恐喝」や「強要」またその未遂など「取り締まる側の解釈に左右され得る容疑ばかりだ」。

 特に違和感を覚えたのは、労働者の就労証明書を会社に求めたことが強要未遂罪とみなされたことという。「子どもを保育園に通わせるために必須の書類を求めたことが犯罪とされたのは衝撃だ」。この事件では大阪高裁で組合員に無罪判決が出たが昨年、最高裁が二審判決を破棄、審理を差し戻した。


企業別労組が中心となっている日本は世界でも珍しい

 2021年に国内で裁判が確定した21万3000人余のうち、無罪は94人で0.04%。だが関西生コン事件は、起訴された組合員の6人に1人が無罪となっている。

 「異例の事態と考えてもおかしくないが、ほとんどのメディアが沈黙している狙いは労働組合つぶしに向けたイメージ悪化であり、こういう団体にいると逮捕されるという脅しにも思える」。背景を「非正規が増え、正社員は成果主義が進む。労働者が分断されて労組全体の存在感が失われている」と説明する。

     (大手百貨店では61年ぶりとなったそごう・西武のスト。
      競合他社の労組も連携した=2023年8月31日、
      東京都豊島区の西武池袋本店前で)

 大東文化大の古川陽二名誉教授(労働法)は「欧州では労働者全体の利益を考える産業別労組が多く、企業別労組が中心となっている日本は世界でも珍しい。裁判所が、企業別労組を前提にした法理論に立って判断し、関生支部のストを労働基本権保障の範囲外とするのは、産業別労組の存在意義に対する無知、無理解がある」と指摘する。

 「国家権力が刑事事件として、ここまで関生支部の活動に介入するのは異常だ」と危機感を募らせ、こう危ぶむ。「この何十年間、日本では、ほとんどストがないことが当たり前となっている労組の活動が停滞すれば、労働者全体の不利益になるだけでなく、民主主義の危機でもあるということが認識されていない


◆デスクメモ

 大手百貨店で61年ぶりに実施された昨夏のそごう・西武労組のスト。従業員の切実な表情に、労働者の権利への理解が広がった企業別労組に分断されている日本で、他の百貨店の13労組も共闘生活苦が広がっているからこそ注目されたことを警察、検察、裁判所も分かってほしい。(本)


【関連記事】61年ぶりストライキの社会的意味は…企業主導社会に一石 働く者の権利主張に市民のエール
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コメント
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●利権裏金脱税党《裏金事件…与野党が半年を費やして議論したにもかかわらず裏金の実態は解明されず、実効性のある再発防止策も講じられなかった》

2024年06月28日 00時00分41秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


/ (2024年06月24日[月])
《今国会はまさに「裏金国会」にほかならなかった》(リテラ) が、「利権」「裏金」「脱税」党とお維がやりたい放題に壊悪。そもそもの真相の解明も無く、ドロナワ…「利権」「裏金」「脱税」党の泥棒達が議決に参加し、「改正」法ならぬ壊悪法に「賛成」。まさに、#裏金維持法大石あきこさん)。お維案件…《政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術》(リテラ)を経て、結局、成立。《岸田首相が実態解明に蓋をしてしまったせいで、裏金事件の真相が有耶無耶となり、安倍派幹部らをはじめとする裏金議員たちは大甘の処分で済まされ、規正法改定も穴を拡げる始末となった今国会》(リテラ)。
 「裏金」「脱税」問題について、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが》(沖縄タイムス)。そもそもの真相の解明も無く、ドロナワ。これはマトモな法治国家か? 人治主義国家に堕ちたニッポン。

   『●そして、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は
     は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが先》(沖縄タイムス)
   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏
   『●《現行の政治資金規正法…そのような法律は法の体を成していないと言わ
     ざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ》
   『●「裏金議員に送る言葉は「汚れた手で憲法にさわるな」」…戦争法や軍事
      費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を、と本気で思う
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●キシダメ首相が《メーデー中央大会に出席…会場から「帰れ」の声…敵対
     するはずの首相のぬるいあいさつにメーデー参加者からヤジが飛んで》当り前
   『●《政治は確実に変わり始めている》のか? 衆院3補選、カルト協会と
     ヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党は全敗したが、今後どうなるか?
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●《すがっち500》は予想通り…官房機密費=《ヤミ金》「政府が保管し
     支出する公金」を利権裏金脱税党の選挙運動に支出、趣旨目的外に使用
   『●《自民党内で最後に残った『良識派』を自認する村上誠一郎衆院議員が
      ずっと恐れていたことが、今自民党に、そして日本の政治に起きている》
   『●あぁ、お維案件…《政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業
     献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術》(リテラ)
   『●《30年前の平成の政治改革…「腐敗防止法どころか腐敗温存法」「政治は
      いつも談合」》、一方、利権裏金脱税党の泥棒達による裏金維持法成立

 東京新聞の【<社説>裏金事件と政治の不全 ならば主権者が正そう】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/335274?rct=editorial)。《今の国会には、政治に対する国民の信頼を取り戻す意思も能力もない。21日に事実上閉幕した通常国会は、国権の最高機関の救いがたい現実を映しだした。自民党派閥の裏金事件を受け、与野党が半年を費やして議論したにもかかわらず裏金の実態は解明されず、実効性のある再発防止策も講じられなかった。ならば政治の機能不全は、私たち主権者が選挙で正すほかはない国会が役割を果たせない責任の大半は事件の当事者で政権与党である自民党にあるが、国民の怒りを直視しているかは疑わしい》。
 リテラの記事【裏金裁判で安倍派幹部たちの嘘が明らかに! 抜け穴だらけの政治資金規正法改悪で幕引き図ろうとする自民・岸田政権】(https://lite-ra.com/2024/06/post-6335.html)。《昨年末に火がついた安倍派を中心とした自民党の裏金事件を受け、今国会はまさに「裏金国会にほかならなかったが、岸田首相は裏金問題の実態解明をおこなうこともなく、政治資金規正法の改正でお茶を濁そうと画策。しかも、肝心の規正法改正の中身は、30年前に約束したはずの企業・団体献金の禁止をガン無視したことをはじめ、穴だらけどころか穴を拡げるシロモノとなった。たとえば、裏金の温床である政治資金パーティについては「禁止」にすることなく、パーティ券購入者の公開基準額を20万円超から5万円超に引き下げることで決着。だが、パーティ開催の回数制限を設けていないため、年4回パーティを開けば非公開のまま20万円分のパー券購入が可能という抜け穴を残した。さらに、自民党は不記載や虚偽記載といった規正法を違反した際の「連座制の導入」に難色を示し、代わりに政治資金収支報告書の提出時に政治家による確認書の交付を義務付けた。これまでどおり、政治家が「会計責任者が嘘をついた」と言い張れば罪に問われず逃げ切れるというわけだ》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/335274?rct=editorial

<社説>裏金事件と政治の不全 ならば主権者が正そう
2024年6月22日 07時15分

 今の国会には、政治に対する国民の信頼を取り戻す意思も能力もない。21日に事実上閉幕した通常国会は、国権の最高機関の救いがたい現実を映しだした。

 自民党派閥の裏金事件を受け、与野党が半年を費やして議論したにもかかわらず裏金の実態は解明されず、実効性のある再発防止策も講じられなかった。ならば政治の機能不全は、私たち主権者が選挙で正すほかはない

 国会が役割を果たせない責任の大半は事件の当事者で政権与党である自民党にあるが、国民の怒りを直視しているかは疑わしい。

 派閥から還流された資金の不記載・虚偽記載を認めた85議員のうち、83人は現在も立法府の一員であり、衆参の政治倫理審査会に出席したのは9氏にとどまった。

 裏金づくりはいつ誰が始めたのか、違法行為がなぜ長年続いたのか、裏金が何に使われたのか。事件の核心は解明されなかった。

 政治資金規正法改正に向けた自民党内の論議も低調を極めた。抜本改革を求める声は上がらず、他党の批判を受け国会にようやく提出した改正案は、どの党の賛同も得られない空疎な内容だった。

 岸田文雄首相は改正案が廃案になれば退陣に追い込まれると危惧し、公明党や日本維新の会の主張を一部取り入れて修正を重ねた。21日の党会合では自民党を守るために決断したと政権の延命が目的だったことを吐露した。

 こんな経緯で成立した改正法に実効性があるはずはない企業・団体献金政策活動費の禁止などの抜本改革は手付かずで、新たに導入する規制も具体策は先送りされた。不正の再発防止どころか何も変えないと開き直るに等しい


◆カネを「かける」政治

 自民党の居直りを象徴するのは19日の党首討論だった。首相=写真(右)=は立憲民主党の泉健太代表=同(左)=に「政治にはコストがかかる」と言い放った。首相が2022年に集めた資金はパーティー収入を中心約2億円に上る

 政治にカネがかかるのでなく、自民党が政治にカネをかけているのだ。主な使途は秘書給与で、選挙区に秘書を多数配置した方が優位になる構図が見えてくる

 多くの秘書を雇うために政治資金パーティーで企業・団体から資金を集めれば、政策決定は資金を多く拠出した企業・団体に有利な方向に傾く。こうした金権政治が企業の公共事業への依存を強め、日本経済の長期低迷の一因になってきたのではないか。

 首相は「おカネがない若者でも政治を志せる現実的な資金のありよう」を探ったというが、聞いて呆(あき)れる。資金力で地盤を築き、政治資金も含めて世襲するなら、新たな人材の政治参加を阻んでいるというほかない。泉氏が「ふざけるな」と憤ったのは当然だ。

 もとより国会が「政治とカネ」に終始することは望ましくない。通常国会では政府が新たに提出した62法案のうち61法案が成立し、条約11本はすべて承認された。

 改正子ども・子育て支援法には国民負担増が盛り込まれ、改正地方自治法地方分権に逆行しかねない内容だ。改正入管難民法、重要経済安保情報保護法は人権侵害につながる懸念がある。次期戦闘機の日英伊3カ国共同開発に向けた条約は憲法の平和主義に反しないか、疑問が残る。

 国民生活や国の在り方に関わる課題は徹底審議が必要だが、裏金の追及に時間が割かれ、審議が不十分だったなら深刻な事態だ

 政治への信頼はあらゆる政策遂行の前提であり、政治改革は中途半端で終わらせるべきでない。

 自民党内では今後、9月の総裁選に向けた動きが加速する。次の衆院選や来年夏の参院選をにらんで党の「顔」を代え、裏金事件の幕引きを図るなら国民に見透かされるだけだ。金権体質を改めなければ信頼回復は難しい。


◆腐敗への怒り忘れず

 野党第1党の立憲民主党も9月に代表選を行う。政治資金パーティーを禁じる法案を国会に提出しながら、党幹部がパーティー開催を計画していたことは猛省すべきである。「カネをかけない政治の具体像を国民に示し、政権交代を目指す覚悟を示してほしい。

 衆院選は来年10月の議員任期満了までに必ず行われる。

 私たち有権者は与野党内部の主導権争いに目を奪われている余裕はない。裏金事件に対する怒りを忘れず、どの政党や候補者が金権腐敗の一掃に誠実に取り組むのかを見極め、投票を通じて政治に緊張感を取り戻す選択をしたい
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https://lite-ra.com/2024/06/post-6335.html

裏金裁判で安倍派幹部たちの嘘が明らかに! 抜け穴だらけの政治資金規正法改悪で幕引き図ろうとする自民・岸田政権
2024.06.23 07:55

     (首相官邸HPより)

 今年1月に開会した通常国会が閉会した。今国会でも岸田政権は共同親権を可能とする改正民法や外国人の永住資格の取り消し要件を拡大した入管難民法、英・伊と共同開発中の次期戦闘機の第三国への輸出解禁の決定など、国会での議論もないまま重大な転換を図ったり法の改悪を進めたが、なんといっても最大の問題は政治資金規正法の改正だ。

 昨年末に火がついた安倍派を中心とした自民党の裏金事件を受け、今国会はまさに「裏金国会にほかならなかったが、岸田首相は裏金問題の実態解明をおこなうこともなく、政治資金規正法の改正でお茶を濁そうと画策。しかも、肝心の規正法改正の中身は、30年前に約束したはずの企業・団体献金の禁止をガン無視したことをはじめ、穴だらけどころか穴を拡げるシロモノとなった。

 たとえば、裏金の温床である政治資金パーティについては「禁止」にすることなく、パーティ券購入者の公開基準額を20万円超から5万円超に引き下げることで決着。だが、パーティ開催の回数制限を設けていないため、年4回パーティを開けば非公開のまま20万円分のパー券購入が可能という抜け穴を残した

 さらに、自民党は不記載や虚偽記載といった規正法を違反した際の「連座制の導入」に難色を示し、代わりに政治資金収支報告書の提出時に政治家による確認書の交付を義務付けた。これまでどおり、政治家が「会計責任者が嘘をついた」と言い張れば罪に問われず逃げ切れるというわけだ。

 その上、政治団体の収支報告書のオンライン提出・ネット公表を義務化したが、これはこのご時世に紙の報告書を電子化したPDFでの公開でしかなく、検索がしづらい仕様はそのまま。3年と短い収支報告書の公表期間の延長にも手を付けず、挙げ句、現行の官報や都道府県広報での収支報告書の要旨公表を廃止するとした。これまでは閲覧期間が過ぎた報告書については官報などの要旨によってかろうじてチェックできたが、今後は遡ろうにもできなくなってしまうのだこれは「追及封じ」にほかならない

 最悪なのが、使途公開義務がないことから「ヤミ金」と呼ばれてきた政策活動費の「10年後に領収書・明細書等の公開を盛り込んだことだ。これは維新案を自民が採用したものだが、10年後の公開では何の意味もない。さらに、今回の改正により、規正法に規定されていない脱法的なつかみ金だった政策活動費を合法化することになってしまった。維新はその後、岸田首相と合意した調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)の見直しを「反故にされた」などと言い出し、参院では改正案反対に回ったが、改悪に加担した維新の罪は極めて重く、恥を知れとしか言いようがない。


■西村康稔、下村博文、世耕弘成ら安倍派幹部が政倫審で嘘をついていたことが法廷で明らかに!

 このように、「政治改革」を叫びながら、その中身は裏金づくりの穴を拡大させたにすぎない岸田首相。19日におこなわれた党首討論では、岸田首相は今回の改悪について禁止、禁止、禁止ですべて禁止し、現実を見ない案であってはならないなどと豪語したが、ようするに、自民党はこの期に及んでも政治資金の不透明さや裏金づくりを「現実」と是認しているのである。

 そして、今回の規正法改定において、自民党が醜悪な開き直りを見せ、たんなる改悪にしかならなかった最大の要因は、事の発端である裏金事件の実態解明に蓋をしたことにある。

 しかも、ここにきて、政治倫理審査会において安倍派の裏金幹部たちが嘘をついていたことが法廷で明らかになった。

 18日、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴された安倍派事務局長の松本淳一郎被告の第2回公判が東京地裁でおこなわれ、その弁護側の被告人質問において松本被告は、派閥から議員への裏金キックバック再開について「2022年8月の幹部会議で継続が決まった」と述べたからだ。

 ご存知のとおり政治倫理審査会では、問題の2022年8月の会議に出席した安倍派幹部たちは、「継続でしょうがないかなというぐらいの話し合いで継続になった」と語った塩谷立氏を除いては「そのときは結論は出なかった」と発言。実際、西村康稔氏は「いろいろな意見があったが結論は出なかった」とし、下村博文氏は「この会合で還付の継続を決めたということはまったくない」と主張。さらに、世耕弘成氏は「8月5日の会合で現金による還付の復活が決まったことは断じてない。このとき、私は『安倍元総理大臣の残した指示なのだから守るべきだ』ということを逆に明確に申している」と強調していた。

 だが、松本被告は「(8月の幹部会議で)やむなしという結論に至った」と説明。つまり、政倫審という政治家の責任を審査する場において、西村、下村、世耕という安倍派幹部連中は口裏を合わせ、平然と国民に嘘をついていた可能性が出てきたのだ。

 すでに自民党は西村氏と下村氏に1年間の党員資格停止、世耕氏には離党勧告の処分が下しているが、政倫審で嘘の説明をおこなっていたとなれば、もはや議員をつづける資格はない。


■安倍派裏金のキックバック復活を求めた“ある幹部”とは? 国会閉会で幕引きさせず実態解明を!

 しかも、安倍派の裏金事件をめぐっては、気になる問題も浮上している。

 松本被告によると、安倍派では毎年パーティが終わると収入の入金状況をまとめた資料を事務局側で作成。「ノルマはどれくらいにすれば良いか私が案を考えて清和会(当時の細田博之)の会長に説明した。会長のゴーサインが出てから還付作業を進めた」という。だが、2022年3月に当時会長だった安倍晋三・元首相から「還付のやり方には問題がある」と指摘があり、還流中止を決定。ところが、安倍氏が銃撃事件で死亡した後の同年7月末に「ある幹部から『キックバックをしてほしい議員がいる』と話があった」ことから、当時の会長代理の塩谷氏に相談、幹部会議を開催するに至ったという。

 この「ある幹部」について法廷では実名は明らかにされなかったが、これは下村博文氏のことではないかとする報道も出ている。6月2日、共同通信が「資金還流再開「下村氏が要求」 特捜部聴取に安倍派関係者」と題したスクープを報道。記事によると、裏金キックバックの中止に対して安倍派所属議員から反発が起こったことから、当時会長代理だった下村氏が松本氏に裏金キックバックの再開を複数回にわたって要求したと派閥関係者が東京地検特捜部の事情聴取に供述していたという。しかも、記事では、下村氏は〈安倍氏死去後は「生前に会長も再開を了承していた」と主張していた〉とも記述している。

 これが事実であれば、安倍元首相の了承のもと、下村氏がキックバック再開を要求し、これを受けて8月の幹部会議でキックバック再開が決まったということになる。しかし、引っかかるのは、当時の下村氏にキックバック再開を主導する実権があったとは思えない点だ。

 実際、下村氏と犬猿の仲となっている森喜朗・元首相は「文藝春秋」の独占インタビューにおいて、「下村君一人だけが、私がそこ(キックバック再開の会合)に関係しているかのように言っている」「やめろと言っていた話をひっくり返したのも森だ、と。名前は言えませんが、検察サイドの人からそう聞きました」と発言するなど、下村氏と全面対決の様相を呈していた。「キックバック再開は下村主導」説は、森元首相の関与を打ち消すための情報戦である可能性も考えられるだろう。

 岸田首相が実態解明に蓋をしてしまったせいで、裏金事件の真相が有耶無耶となり、安倍派幹部らをはじめとする裏金議員たちは大甘の処分で済まされ、規正法改定も穴を拡げる始末となった今国会。だが、逆にいえば、裏金事件の実態解明なくして政治改革は実行できないのだ。裏金国会が閉会したからと言って、裏金事件は何も終わっていない。むしろ、国会閉会を裏金事件の幕引きとさせてはならないだろう。

(編集部)
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●《30年前の平成の政治改革…「腐敗防止法どころか腐敗温存法」「政治はいつも談合」》、一方、利権裏金脱税党の泥棒達による裏金維持法成立

2024年06月24日 00時00分23秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年06月21日[金])
山添拓さんのつぶやき:

――――――――――――――――――――――――
https://x.com/pioneertaku84/status/1803713575074320580

山添 拓@pioneertaku84

内閣不信任案への自民の反対討論。政治資金規正法改悪について「『禁止、禁止、廃止、廃止』と聞こえのいい看板を掲げ、将来に無責任な野党とは覚悟も中身も全く違う」と開き直り。岸田首相も党首討論で同様の認識を示した。
金権政治にしがみつき、国民からどんどん遠ざかる

nhk.or.jpから……【内閣不信任決議案 自民・公明両党などの反対多数で否決】

午後5:56  2024年6月20日
――――――――――――――――――――――――

 恥知らずな「利権」「裏金」「脱税」党議員ら。《国会の空気感》なのかなぁ? 《大山鳴動してネズミ一匹の中身もひどいが、深刻なのは不正を撲滅する気概が感じられない》「利権」「裏金」「脱税」党議員らなのでは。 《永田町らしい》かなぁ? 《あれほどの事件を起こしながら幕引きを恥じないのが》「利権」「裏金」「脱税」党らしい、なのでは。《政治とカネ》かなぁ? 《自民党やお維とカネ》でしょうに。
 曽田晋太郎岸本拓也両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/裏金を撲滅する気概なし…永田町を覆う「しらけムード」 改正規正法成立 「政治とカネ」30年前の妥協のツケは今に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/334707?rct=tokuhou)。《自民党派閥の裏金事件を受けた改正政治資金規正法が成立した。大山鳴動してネズミ一匹の中身もひどいが、深刻なのは不正を撲滅する気概が感じられない国会の空気感。あれほどの事件を起こしながら幕引きを恥じないのが永田町らしいが、しらけたムードに巻き込まれたままで良いのか。30年前の平成の政治改革を振り返り、繰り返す「政治とカネ」について考えた。(曽田晋太郎岸本拓也)》。
 30年前の《「平成の政治改革」…その柱が衆院小選挙区制と政党助成制度》…小選挙区制導入と、二重三重取りな政党助成金制度創設が、そもそもの大きな間違いだった。

   『●《韓国の法相人事にはあれだけ国民挙げて賛否を言うのに、
       自国の閣僚人事には論評しないメディアと国民も不思議》
    《かつて権勢を誇った自民党の派閥は、平成の政治改革を通じて、
     その力を失ったとはいえ、党内では依然、一定の影響力を持つ》

   『●《権力欲に駆られた政治家》アベ様やカースーオジサンによる《含羞》
      なき、《廉恥》欠く、破廉恥な政権が8年8カ月も続いてしまった…
    《その最たるものは、国民を政権中枢の意向に沿わない「敵」と、
     意向に沿う「味方」に分け敵は徹底的に攻撃する一方、味方は
     優遇する分断政治である。衆院への小選挙区制導入や首相ら政権中枢
     に権限・権力を集める「平成の政治改革」により、民意は極端に集約
     され、「官邸一強」という政治状況を生み出した。官僚機構が政権
     中枢に過度に忖度するようになり、公平・公正であるべき行政が
     政権中枢の意向でゆがめられる事例が相次いだ。学校法人「森友学園
     への格安での国有地売却、同「加計学園」の獣医学部新設、さらに
     「桜を見る会」を巡る問題である。問題視する者は排除され、
     首相らの意向に沿う者は優遇される森友問題では財務省官僚らが
     公文書偽造に手を染め官僚機構の根腐れ」とも言える状況に至る。
     官僚が政権中枢に忖度するようになったのは、安倍内閣当時に発足
     した内閣人事局が、官僚人事を牛耳るようになった影響だ

   『●故・石川真澄さん《『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に
     反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った》新聞記者
    《その背景にあるのが、官邸などの政権中枢に権力や権限を集める
     「平成の政治改革」であり、その柱が衆院小選挙区制と
     政党助成制度です。…平成の政治改革から三十年近くがたち、弊害
     も明らかになりました。小選挙区制中心の選挙制度や政党助成制度
     を続けていいのか、選挙後には読者の皆さんとも議論を深めたい
     と考えます》

 そもそも「裏金」「脱税」問題について、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが》(沖縄タイムス)。そもそもの真相の解明も無く、ドロナワ。これはマトモな法治国家か? 人治主義国家に堕ちたニッポン。「利権」「裏金」「脱税」党議員という泥棒・犯罪者・反社が国会議員として国会で法案を審議する…、まともな国か、ニッポン?

   『●そして、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は
     は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが先》(沖縄タイムス)
   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏
   『●《現行の政治資金規正法…そのような法律は法の体を成していないと言わ
     ざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ》
   『●「裏金議員に送る言葉は「汚れた手で憲法にさわるな」」…戦争法や軍事
      費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を、と本気で思う
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●キシダメ首相が《メーデー中央大会に出席…会場から「帰れ」の声…敵対
     するはずの首相のぬるいあいさつにメーデー参加者からヤジが飛んで》当り前
   『●《政治は確実に変わり始めている》のか? 衆院3補選、カルト協会と
     ヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党は全敗したが、今後どうなるか?
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●《すがっち500》は予想通り…官房機密費=《ヤミ金》「政府が保管し
     支出する公金」を利権裏金脱税党の選挙運動に支出、趣旨目的外に使用
   『●《自民党内で最後に残った『良識派』を自認する村上誠一郎衆院議員が
      ずっと恐れていたことが、今自民党に、そして日本の政治に起きている》
   『●あぁ、お維案件…《政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業
     献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術》(リテラ)
   『●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年
     に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/334707?rct=tokuhou

こちら特報部
裏金を撲滅する気概なし…永田町を覆う「しらけムード」 改正規正法成立 「政治とカネ」30年前の妥協のツケは今に
2024年6月20日 12時00分

 自民党派閥の裏金事件を受けた改正政治資金規正法が成立した。大山鳴動してネズミ一匹の中身もひどいが、深刻なのは不正を撲滅する気概が感じられない国会の空気感。あれほどの事件を起こしながら幕引きを恥じないのが永田町らしいが、しらけたムードに巻き込まれたままで良いのか。30年前の平成の政治改革を振り返り、繰り返す「政治とカネ」について考えた。(曽田晋太郎岸本拓也

     (改正政治資金規正法が可決、成立した参院本会議
      =19日、国会で)


◆傍聴の人影まばら 議場中座やおしゃべりも

 19日の参院本会議場。岸田政権の命運がかかった政治資金規正法改正案の採決にもかかわらず、傍聴席の人影はまばらだった。

 政治改革特別委員長を務める自民の豊田俊郎氏が審議の報告を始めると、野党会派から「いいのかこんな法律で国民は見ているぞ」…と一斉に声が上がった。自民の佐藤正久氏の賛成討論でも、「法律の体をなしていない」「不誠実だ」などとやじが続いた。

 一方、野党議員の反対討論の際、裁かれている側の自民議員席は静かそのもの。討論に耳を傾けている人もいれば、腕を組んだり頭を垂れたりしている人もいた。隣の人としゃべっている議員もいたが、議場から中座したり、資料を見たりしている人が見られた。


◆「賛成」「反対」飛び交う中あっさり可決

 そんな与党側をよそに、野党側がざわついたのは日本維新の会の音喜多駿氏が反対討論した際。調査研究広報滞在費旧文通費)の改革で自民に約束をほごにされたとして、参院で反対に回った維新に対し、立民席から「訳の分からんことをするな」といった声が飛んだ。

 討論は約1時間で終結し、起立採決へ。「賛成」「反対」の声が飛び交う中、自民、公明両党などの賛成多数であっさりと可決、成立した。

     (参院本会議で改正政治資金規正法の採決で賛成の起立をする
      自民党の世耕弘成前幹事長ら=国会で)


◆与党側は安堵 議員からは「国民の信得られず」

 与野党の議員はどう受け止めたのか。自民の松山政司参院幹事長は記者団に「パーティー券の公開限度額や政策活動費等々、抜本的な政治改革の方向性についてしっかり取り組めた岸田首相が誠心誠意進めてきた案件で、なんとか成立にこぎ着け本当に良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 だが、ある自民参院議員は「今できることはやったが、課題は残っている。党の上層部はこれで幕引きを図りたいんだろうが、それでは国民から見放される。今のままで選挙をしても国民の信は得られない」と不安をのぞかせた。

 公明衆院議員も「完璧ではないが、われわれの主張も取り入れられ、改正法は評価している」とした上で、「一つの節目だが、これで終わりではない。国民の信頼回復に向け、施行日に向けて法律をより実効性のあるものにしていかないと」と気を引き締めていた。


◆立民「国民への裏切り」 維新「合意ないがしろ怒り」

 一方の野党。立民参院議員は「今日の議場は近年まれに見るやじの嵐だった。全く問題解決になっておらず、数の力で押し通す与党のやり方はひどい。しっかりやっているというパフォーマンスに過ぎず、国民への裏切りだ」とばっさり。

 別の立民議員も「これだけ国民世論が納得していない法律をなぜ通すのか理解できないよほど裏金を温存したいとしか思えない。大事なのは国民がどう評価するか」と話した。

 維新の参院議員は「維新が旧文通費改革に力を入れる中、自民との合意がないがしろにされて皆怒っている」と憤りをあらわにしていた。


◆1994年細川護熙政権が進めた政治改革

 「政治とカネ」の問題は30年前の1994年1月末に大きく動いた。非自民連立の細川護熙政権が進めた衆院小選挙区導入や政治資金の規制、政党交付金の創設などを柱とした政治改革4法が成立したのだ。

     (1994年1月、政治改革4法が成立。あいさつ回りで自民党の
      河野総裁(左)、森幹事長と握手する細川首相(右)=国会内で)

 88年に発覚したリクルート事件などで国民の政治不信が高まったことを背景に政治改革が叫ばれ、6年越しの決着となった。ただ、「こちら特報部」は当時、「自民党案をほぼ丸のみにする妥協案」と厳しい論調で報じている。


◆自民党案をほぼそのまま

 何があったのか。細川政権が最重要課題とした政治改革4法案は93年11月に衆院で可決。しかし、翌年1月の参院本会議で、小選挙区導入に否定的な一部の社会党議員らが造反し、反対多数で否決された。

 通常国会閉会が迫る中、細川首相は野党・自民党の河野洋平総裁とのトップ会談に臨む。小選挙区と比例区の定数配分や、企業・団体献金の制限を一部緩めるなど10項目にわたる自民党案をほぼそのまま採り入れることで、法案成立にこぎ着けた。


◆選挙制度の問題に論点すり替え

 改革の中核だったのが小選挙区制の導入。カネがかからず政権交代も起こりやすくなるという期待が経済界やマスコミから起きていた。

 ただ、当時、無所属の衆院議員で、小選挙区制導入に反対していた岡崎宏美氏(現・新社会党委員長)は「政治とカネの問題を何とかしないといけないという思いでスタートしたはずなのに、カネがかかるのは同じ政党の候補者同士が争う中選挙区制のせいだと、選挙制度の問題に論点がすり替えられた」と振り返る。

 その結果、規正法の抜け道を巡る議論は「まともになかった」と岡崎氏。「4法案の審議は、小選挙区導入の議論ばかりが注目され、規正法の抜け道が指摘されても、大きな問題として扱われなかった」


◆埋め込まれた「抜け道」

 1994年改正の政治資金規正法には、現在焦点となっている「政策活動費の抜け道もひっそりと埋め込まれていた。政治家個人への企業団体献金は癒着につながるとして禁止したが、政党から政治家への寄付は例外扱いとし、使途も公開されないまま、今に至っている。

     (国会議事堂(資料写真))

 規正法の付則で、5年後に見直すことになっていた企業・団体献金も、政党支部への献金や、派閥や政治家のパーティー券を購入する形で資金提供する道が残ってしまった

 当時新生党に所属し、細川政権を支えた元参院議員の平野貞夫氏は「企業・団体献金を温存する自民党案を丸のみしたことで、本質的な改革にならなかった。せめて政府案が否決されずに成立していれば、今起きているような問題にはならなかった」と悔やむ。

 今国会で自民・公明が主導して成立した改正規正法は、かねて指摘されてきた抜け道の弥縫(びほう)策にとどまる。平野氏は「違反議員への連座制もどきに始まり、政策活動費の領収書を出すのは10年後で黒塗りも認め抜け穴だらけで実効性はないいくらでも悪いことができてしまう」と指摘する。


◆「浄財泥棒を無罪にする法律」

 規正法2条が、政治資金は「国民の浄財」と掲げていることを引き合いに、「『浄財泥棒』を無罪にする法律と言われても仕方ない内容だ。こんな法案を通す国会はもはや形骸化している。規正法の問題にとどまらない根本的な政治改革が必要」と語気を強める。

 先の岡崎氏は、今回の件が国民のさらなる政治不信を招きかねないと危ぶむ。「裏金問題から端を発したが、何一つ解明されていない。それで政治を信頼してほしいなんて厚かましいにもほどがあるそもそも本当に、政治に金がかかるのか議員が政治資金の使い道を明らかにすることが、すべての議論の大前提だ


◆デスクメモ

 「腐敗防止法どころか腐敗温存法」「政治はいつも談合」。多数の傍聴者が詰めかけた30年前の政治改革で、弊紙に残る言葉は厳しい。その後の歴史を見れば、その通りだが、諦めたら不正はなくならない。いっそ国会に常設組織を設け、通年で調査しては? 議題には困らないはず。(本)


【関連記事】【そもそも】政治資金パーティーの何が問題? 自民党の裏金事件とは 政治は金がかかるの?
【関連記事】「抜け穴だらけ」改正政治資金規正法が成立 維新も転換、全野党が反対…岸田首相は「大きな一歩」と自賛
【関連記事】「国会が閉じればカネの問題は消える」と自民議員 政治資金規正法改正案、生煮えのまま19日成立へ 
【関連記事】政争に備え「二階派にお金残したかった」と元会計責任者 自民党裏金事件で初公判 議員の指示は「ありません」
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●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」

2024年06月21日 00時00分13秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240528[])
《党員資格停止1年の処分》中の「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相、許せない! 住民を見捨てた状態のままも同然であり、能登半島地震の「警告」を無視する暴言を吐く…小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ》。石川県志賀町・稲岡健太郎町長《北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい》。また、小谷内毅珠洲市議珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった》。

 これまた、今西憲之さんのスクープ。様々な傲慢な発言。特に、前経産相として《能登半島の被災者をないがしろにするような》発言は許されない。もし、玖珠核発電所が建設されていたとしたら…。
 dot.の記事【西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対したと被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/223487)によると、《■「珠洲は原発に反対したんや」 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした。「原発反対したんや、珠洲は原発に。反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」 …支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や原発作ったらええ」と、原発計画凍結を悔しがる様子だった》。
 問合せに対して、「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」…だそうです。《西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。「1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみましたもし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々よくもそんなことが言えますね」》。珠洲市民の怒りは当然だ。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ
   ●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事
     になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
          …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

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https://dot.asahi.com/articles/-/223487

西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対した」と被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】
2024/05/26/ 11:00
今西憲之

     (西村康稔前経済産業相)

 5月の上旬、平日の夕刻、兵庫県の淡路島の料理店に、10人ほどの男性が集まっていた。

 午後7時ごろ、店に現れたのは、前経済産業相の西村康稔衆院議員。自民党の政治資金パーティー収入の裏金事件では、旧安倍派の事務総長経験者として東京地検特捜部の事情聴取を受け、4月に党員資格停止1年の処分を受けている。この日は地元、兵庫9区の支援者を集めた「飲み会」だった。

     (【写真】西村氏が選挙での警戒を口にする泉房穂氏)

 AERA dot.編集部は、この飲み会の様子がわかる約3時間分の録音データを入手した。そこには、処分を受けた後ながら、上機嫌で話す西村氏の様子が残されていた。


 総裁選は「河野太郎、小泉進次郎ってわけにいかん」

 席に着いた西村氏は、衆院解散についての話の輪に入り、

「(今の通常国会で内閣)不信任案が最後出てくる。否決か解散するか。まあ(内閣総)辞職はせえへんから、(岸田文雄首相)けっこう強気なんよね」

 などと、処分を下した岸田首相について軽口をたたく。参加した支援者から、

「(岸田首相の後継として)有力な(西村)先生と、世耕さん(世耕弘成参院議員)を岸田さんが追い出した。対抗馬がおらん」

 と声が出ると、

河野太郎小泉進次郎ってわけにいかん。石破(茂)さんかって、いまさら石破かってなる。今回、自分が出ればチャンスって? そう(安倍派の)100人かたまっていれば一番、(自分に)チャンスがあった

 この言葉に支援者がうなずき、敏感に反応したことで西村氏はさらに気分をよくしたようで、

「派閥のことが批判されているが、今も(私は)何十人か束ねてやっている。それが政治」

「安倍派100人いて、今も何十人か私を慕ってくれている。他の派閥も流動化していて、最大60~70人束ねられたらと思っている」

 などと、批判を浴びた「派閥政治」の重要性を説き、強気のビジョンを口にした。

 しかし、当然のことながら西村氏は来年4月まで党員資格停止中で、今年9月の総裁選には出馬できない。それでも、西村氏は意気軒高で、

「(衆院議員に)当選して20年。(最初の)十数年間は、地元によう帰っていた。けどこの10年は、政府で中心的な仕事をしてきた。官房副長官、コロナ担当大臣、経産大臣。みなさんとゆっくり話せる機会がなかった。来年4月まで党員資格停止なので、ある意味自由に帰って来られる。ええ機会をいただいた。東京でも国会があるときは仕事をする、役所呼んでいろいろやるし、(役人は)報告にもくる。地元からも『あの道路どうや』と声があれば、つないでやる

 などと饒舌だった。

     (岸田内閣で経済産業相をつとめながら、
      首相に批判的な発言も)

 淡路島の支援者によれば、この日の「飲み会」は会費制で、西村氏側から持ち掛けられたという。

「政府の要職とか、大臣についていたときは、忙しくて地元に帰ってこられなかった。党員資格停止で暇になったので、地元によく帰るようにするから集まってくれというんです」(淡路島の支援者)

 裏金事件では、西村氏自身、100万円の還流を受けたとされている。地元の支援者や地元政治家らを集めた集会でも、裏金事件について苦言を呈する話が出るそうで、この日の飲み会で西村氏は、

「地元でも、『裏金どないなってんねん、おれにもくれ』と言われた。(裏金は)『100万だけやないやろう、何千万円ももらっているはず』とか、『ほんま、(喜朗元首相)が悪いんやろう』とか」

 と裏金への批判が強いことをぼやいた。


「もともと私は減税反対やった」

 飲み会が宴たけなわとなってくると、西村氏は大臣として仕えていた岸田首相の政策に批判的な発言を口にし始めた。

 6月から、岸田首相が力を入れる、1人当たり計4万円の所得税・住民税の定額減税がスタートする。岸田首相が「減税構想」を明かした時、西村氏は経産相だったが、これについて、

「一人4万円の減税、これ会社の事務処理が面倒くさいと聞く。事務処理が大変で手間がかかる」
「もともと私は減税反対やった。それやったら(現金)配れと。4万円、5万円、ひとりひとり配ったほうが、なんか嬉しいやないですか。それを言ったら、岸田さん、閣僚会議で私に『絶対言わんといてくれ』ってね。まわりからも『総理はもう決めているから』と止められた」

 などと発言。また、少子化対策の財源確保のための「支援金制度」導入にあたって、岸田首相が、「実質的な負担は生じない」と繰り返していることについても、

「正直なところ、負担はかけます言うたらええのに。結局、みんなが負担する」

 と批判を展開した。


小池百合子知事の学歴疑惑に「首席はないわ」

 自民党を離れている気楽さもあるのだろうか。自民党の国会議員の個別の名前をあげて、

 

「〇〇、あれはひどい」
「あれは、選挙(活動の時)、防弾チョッキ着ているんや」

 などと、茶化す発言もあった。

 かつては同じ兵庫県内の選出の衆院議員だった東京都の小池百合子知事の「学歴詐称疑惑」について支援者から問われると、

「カイロ大学、あれは出てない説が強い。首席(卒業)はないわ。(今後の選挙で)どれだけダメージがあるかや」

 と止まらない。

     (選挙については泉房穂前明石市長への警戒感も口にした)


泉房穂氏が出たら「明石は血みどろの争い」

 そして、来年4月まで自民党から出馬できない西村氏が気にするのは解散総選挙の時期だ。

「野党から内閣不信任案が出たら、岸田さんは選挙、やけっぱちでやるのかな」
「1年以内の解散総選挙だと、無所属で出馬することになる。ただ地元から(刺客となる)自民党候補が出るわけではない」

 西村氏の地盤である衆院兵庫9区は、前明石市長で、地元で人気抜群の泉房穂氏の地元でもある。それを念頭に西村氏は、

「明石の(泉)前市長が立憲(民主党)から出てくるのか、無所属で出てくるのか。それとも私と維新だけの選挙なのか。前の市長が(兵庫9区から)出てくるなら、明石は血みどろの争い。だから、淡路島でしっかり足元をかためて勝ち上がる」

 と支援者たちに訴えた。


■「珠洲は原発に反対したんや」

 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした

原発反対したんや、珠洲は原発に反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」

 能登半島の先端にあり地震と津波で甚大な被害を受けた石川県珠洲市には原発の建設計画があったが、住民の反対運動などにより、2003年に電力会社が計画を凍結した。西村氏の発言は、原発に反対したから交通アクセスが悪いままになっている、さらには、原発に反対したから復興が進まないという趣旨にも受け止められる。

 支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、

能登半島の地震は1000年に1回やなんべんもくるもんやない、1000年に1回や原発作ったらええ

 と、原発計画凍結を悔しがる様子だった。

 前出の支援者は、こう話す。

珠洲原発を建設していれば、地域も発展して金沢市から2時間半もかかる過疎の町にはならなかったという趣旨の話を自慢げにうそぶいていたつい数カ月前まで原発の担当、経産大臣やっていた人だが、いくらなんでも、そら暴言やと思う」

     (地震の揺れと津波で被害が大きかった珠洲市では、
      復興の速度が遅い)

 西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。

1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみましたもし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々よくもそんなことが言えますね

 西村事務所に質問書を送り、発言の趣旨を聞いた。

 岸田首相の減税政策について「反対」などと言ったことについては、以下のような回答だった。

「減税政策については、政策決定過程で様々な議論を行いました。そのうえで、閣議決定を経て、閣僚全員が一体となり、支援策の実現に取り組んできたところです」

 少子化対策の「支援金制度」について、岸田首相に対して「負担はかけますと言ったらええのに」などと言ったことについては、次のように答えた。

「『丁寧な説明が必要』というのが、発言の趣旨です」

 そして、被災地の珠洲市が「珠洲は原発に反対した。金沢から2時間半かかる」などと発言したことについては、次のような回答だった。

「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」

(AERA dot.編集部・今西憲之


今西憲之
大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
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●あぁ、お維案件…《政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術》(リテラ)

2024年06月19日 00時00分34秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年06月13日[木])
あぁ、またしてもお維案件…《政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術》(リテラ)。
 6月13日時点では、案の定、参院で大モメ中。このブログが出る頃には、どんな結論に? とにかく、お維が暴走している。参院では、お維は「法案」(ありゃぁ、法案なのかね??)に反対するかもしれないとのこと。衆院では、一体何だったのやら。ネコババさんは、《馬場伸幸代表は31日に岸田首相と会談をおこない、冒頭からふたりは合意文書にサイン。会談後、馬場代表は「100%、我が党の考え方が通った」などと成果を強調》してたのにね。まぁ、お維はウソ吐き集団、デタラメ集団だからね、仕方ない。第2自民党を目指している訳だし。そんなウソつき集団に「ウソつき内閣」と言われるんですから、キシダメ首相。

 そもそもの真相の解明も無く、ドロナワ…「利権」「裏金」「脱税」党の泥棒達が議決に参加し、「改正」法ならぬ壊悪法に「賛成」。まさに、#裏金維持法大石あきこさん)が衆院通過…。
 東京新聞の【<社説>規正法衆院通過 改革先送りにすぎない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332028)。

   『●そして、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は
     は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが先》(沖縄タイムス)
   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏
   『●《現行の政治資金規正法…そのような法律は法の体を成していないと言わ
     ざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ》
   『●「裏金議員に送る言葉は「汚れた手で憲法にさわるな」」…戦争法や軍事
      費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を、と本気で思う
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●キシダメ首相が《メーデー中央大会に出席…会場から「帰れ」の声…敵対
     するはずの首相のぬるいあいさつにメーデー参加者からヤジが飛んで》当り前
   『●《政治は確実に変わり始めている》のか? 衆院3補選、カルト協会と
     ヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党は全敗したが、今後どうなるか?
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●《すがっち500》は予想通り…官房機密費=《ヤミ金》「政府が保管し
     支出する公金」を利権裏金脱税党の選挙運動に支出、趣旨目的外に使用
   『●《自民党内で最後に残った『良識派』を自認する村上誠一郎衆院議員が
      ずっと恐れていたことが、今自民党に、そして日本の政治に起きている》

 「裏金」「脱税」問題について、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが》(沖縄タイムス)。そもそもの真相の解明も無く、ドロナワ。これはマトモな法治国家か? 人治主義国家に堕ちたニッポン。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>問われる政治家の誠実さ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332297?rct=discussion)によると、《自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が衆院を通過しました。とはいえ、その中身は政治資金パーティー券購入者の公開基準を現行の20万円超から5万円超に引き下げることや、政策活動費は10年後の領収書公開を検討することなどにとどまり、野党側が共同で求めていた企業・団体献金の禁止は見送られました。こうした中、相次いで発覚したのが、自民党の稲田朋美、菅家一郎両衆院議員が自ら代表を務める政党支部に寄付をし、所得税の一部を還付されていたことです。東京新聞は5月30日の社説「政治家の税優遇 寄付制度の悪用許すな」で「個人献金促進のための税制を議員が悪用し、税優遇されていたことは許容できない。今国会での制度改正を求める」「両氏は適法な寄付控除だと主張するが、個人献金を促す法の趣旨に反することは明白だ」と主張しました》。

 なぜ泥棒が縄を綯っているのか。事件の真相は? その金は何に使われた?
 リテラの記事【政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術に騙されるな】(https://lite-ra.com/2024/06/post-6333.html)によると、《自民党の裏金事件を受けて議論がおこなわれてきた政治資金規正法改正案だが、5月31日に自民党が再修正案を提示。公明党と日本維新の会が合意に回ったことにより、週明けにも衆院を通過する見込みとなった。だが、問題はその中身だ。再修正案では「政治資金パーティ券購入者の公開基準額を現行20万円超から5万円超へ引き下げ」や「政策活動費の領収書など支出の状況を10年後に公開」などが盛り込まれたが、到底、自民党の金権政治を改められるものではなく、このままでは完全に骨抜き」の改正となる》。
 もう、笑ってしまう…《とりわけ、企業・団体献金については、維新は以前より既得権益の打破、しがらみのない政治を実現するために企業・団体献金を受け取らないと誇示し、選挙でも企業・団体献金の禁止を公約に掲げてきた。その政策を自民党にのませる大チャンスがやってきたというのに、馬場代表は岸田首相に厳しく要求することもなく、骨抜きでしかない再修正案に合意してみせたのである》。

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https://lite-ra.com/2024/06/post-6333.html

政治資金規正法改正で自民と維新が犯罪的談合!「企業献金」を死守したい自民と「政策活動費」温存を図る維新の詐術に騙されるな
2024.06.02 11:37

     (日本維新の会HPより)

 自民党の裏金事件を受けて議論がおこなわれてきた政治資金規正法改正案だが、5月31日に自民党が再修正案を提示。公明党と日本維新の会が合意に回ったことにより、週明けにも衆院を通過する見込みとなった。

 だが、問題はその中身だ。再修正案では「政治資金パーティ券購入者の公開基準額を現行20万円超から5万円超へ引き下げ」や「政策活動費の領収書など支出の状況を10年後に公開」などが盛り込まれたが、到底、自民党の金権政治を改められるものではなく、このままでは完全に骨抜き」の改正となる。

 ところが、報道は中身の検証よりも「岸田首相が麻生氏らの反対を押し切って決断」「トップ会談で自ら事態を収拾した岸田首相」「岸田首相が公明・維新に大幅譲歩」など、政局の駆け引きばかりをクローズアップ。まるで岸田首相が公明や維新に歩み寄ったことで規正法改正案が大きく前進したかのように歪められて伝えられているのだ。

 まったく冗談じゃない。まず、パーティ券購入者の公開基準額を20万円超から5万円超へ引き下げるというが、そもそも企業・団体によるパー券購入は実質的に、禁止されている政治家個人への企業・団体献金にほかならない。しかも、自民党裏金事件によって判明したのは、パー券収入が裏金づくりの温床となってきたということだ。つまり、購入者の公開基準を5万円に引き下げたところで、禁じられた企業・団体献金の抜け穴は塞ぐことにはならず、挙げ句、裏金づくりの素地を温存させることになる。

 使途公開義務がないことから「ヤミ金」と呼ばれてきた政策活動費の「10年後に領収書・明細書等の公開」という修正案も同様だ。日本共産党の山添拓・参院議員は「現状では政治資金収支報告書の保存期間が3年、不記載や虚偽記載の罪に問われ得る公訴時効が5年であり、10年後に公開されたところでどうするのか」と指摘しているが、10年後の公開で透明性が確保できるものではないのは明白。それどころか、10年後にはいつものように「機密情報が含まれている」などと言い出し、非公開あるいは黒塗りにするのがオチなのではないか。

 しかも、今回の自民党の修正案では、相変わらず「企業・団体献金の禁止」や「連座制の導入には一切の言及がない。ようするに、この改正案は、裏金づくりの抜け穴を残すばかりか、政治を歪めてきた献金企業の優遇やヤミ金を見逃し、変わらず罪を秘書になすりつけて政治家が逃げ切ることを容認するシロモノなのだ。これで逮捕者まで出した裏金事件の禊を済ませられると考えているのであれば、自民党は腐り切っているというほかない。

 だが、断罪されるべきは自民党だけではない。それは、“裏金犯罪集団である自民党の無反省ぶりを厳しく問いただす立場である日本維新の会が、あっさりと再修正案に丸乗り”してしまったことだ。

 維新の馬場伸幸代表は31日に岸田首相と会談をおこない、冒頭からふたりは合意文書にサイン。会談後、馬場代表は「100%、我が党の考え方が通った」などと成果を強調した。

 だが、「100%、維新の考え方が通った」というのは大嘘だ。たしかに維新は「パー券購入者の公開基準5万円超」「政策活動費は10年後に領収書などを公開」という案を出し、それを自民党も採用したが、同時に維新案では「企業・団体のパー券購入のみ禁止」「政策活動費は年間で政党交付金の1%、または5000万円の少額のほうで使用上限を定める」なども盛り込んでいた。しかし、自民党は企業・団体のパー券購入を禁じようとせず、さらには政策活動費の上限金額も示していない

 その上、維新は立憲や共産、国民民主、有志の会の4党1会派として「企業・団体献金の禁止」「政治家に会計責任者と同等の責任を負わせる措置」を自民に要求してきたが、前述したようにこの2つを自民は再修正案でもまるっと無視している。それでどうして100%、維新の考え方が通ったと言えるのか

 とりわけ、企業・団体献金については、維新は以前より既得権益の打破、しがらみのない政治を実現するために企業・団体献金を受け取らないと誇示し、選挙でも企業・団体献金の禁止を公約に掲げてきた。その政策を自民党にのませる大チャンスがやってきたというのに、馬場代表は岸田首相に厳しく要求することもなく、骨抜きでしかない再修正案に合意してみせたのである。


■維新は自民と同類! 塗りつぶし領収書をドヤ顔で公開、馬場代表“2億4300万円政策活動費”が使途不明のまま

 しかも、今回の自民による再修正案に、馬場代表は心底胸を撫で下ろしているに違いない。

 というのも、維新は身を切る改革」「徹底した透明化を掲げておきながら、2016年から2021年のあいだに マネーロンダリングのごとく政治団体を迂回するかたちで馬場氏個人に対し約2億4300万円もの政策活動費を支出。その一方、政策活動費の問題を問われた際には、馬場氏は「幹事長はお金政策活動費と選挙を仕切るのが仕事だ」「食事をしながら意見交換するための経費はいる」などと豪語し、政策活動費という公開できない金があることを正当化してきた。

 実際、維新は先日、昨年11~12月の2カ月間に支出した約620万円分の政策活動費の明細と領収書を自主公表したが、開示した計37件の領収書の支出先の部分は黄色で塗りつぶされており、1回で約27万円も支出しておきながら但し書きがない領収書も。これでは透明性もへったくれもない

 つまり、立憲や国民、共産など他の野党が「政策活動費の廃止」を訴えるなか、維新だけが「10年後に領収書などを公開」という失笑モノのトンデモ改正案を出したのは、それだけ政策活動費で後ろ暗い支出をおこなってきたことの証左ではないか。維新こそ、自民党と同じ穴のムジナなのだ。

 当然ながら、ネット上では「維新は第2自民党」「維新は自民党の補完勢力」と批判が殺到しているが、こんな連中の党勢拡大を許した結果、金権腐敗政治をまったく是正できない改正案が強行されようとしているのである。

 世論が反映されていない今回の改正案の採決を許すことは、裏金事件を容認・看過することにも等しい。改正案の可決・成立を阻止するためにも、自民・公明の与党と維新に対する大きな非難の声をあげるしかないだろう。

(編集部)
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●《自民党内で最後に残った『良識派』を自認する村上誠一郎衆院議員がずっと恐れていたことが、今自民党に、そして日本の政治に起きている》

2024年06月18日 00時00分20秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年05月21日[火])
カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党がニッポンを破壊。「民主主義国家」でも、「法治主義国家」でもない。カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党のおかげで、落ちぶれてしまったニッポン。カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党を直接的に支持している方、選挙に行かないことでカルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党を間接的に支持してる皆さん、正気ですか? #自民党に投票するからこうなる。「自民退場」しか道はない (でも、下駄の雪党やお維やコミも同様にダメです)。

   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏
   『●《現行の政治資金規正法…そのような法律は法の体を成していないと言わ
     ざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ》
   『●「裏金議員に送る言葉は「汚れた手で憲法にさわるな」」…戦争法や軍事
      費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を、と本気で思う
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●キシダメ首相が《メーデー中央大会に出席…会場から「帰れ」の声…敵対
     するはずの首相のぬるいあいさつにメーデー参加者からヤジが飛んで》当り前
   『●《政治は確実に変わり始めている》のか? 衆院3補選、カルト協会と
     ヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党は全敗したが、今後どうなるか?

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【ここまで劣化してしまった自民党にはもはや日本を任せられない/マル激トーク・オン・ディマンド(第1206回) ゲスト 村上誠一郎】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1206)。《自民党内で最後に残った『良識派』を自認する村上誠一郎衆院議員がずっと恐れていたことが、今自民党に、そして日本の政治に起きている。…国民政党だったはずの自民党はなぜこうも変質してしまったのか、どこに分岐点があったのか、地に落ちた国民の信頼を回復し、日本の政治を立て直すために今、何をしなければならないのかなどについて、衆院議員の村上誠一郎氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した》。

   『●漸く内部から火の手が…村上誠一郎議員《安倍氏の政権運営が「財政、
      金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》

   『●村上誠一郎議員の発言よりも、統一協会票の差配等々のアベ様案件
     こそが《国賊》であり、《党員の品位を汚す行為》だと思いますが?(1)
   『●村上誠一郎議員の発言よりも、統一協会票の差配等々のアベ様案件
     こそが《国賊》であり、《党員の品位を汚す行為》だと思いますが?(2)
   『●自民党《国賊》(発言)処分問題…数多のアベ様案件や《悪夢》な暴政、
     ズブズブ壺壺ヅボヅボな統一協会との関係と「政」への介入こそ《国賊》
    《60余年前の石橋湛山のことばは、今の悲惨な自民党の政治状況を
     的確に表現し、批判しています。まあ、自民党は、あるいは日本の
     政治は変わらなかったんだなあという落胆でもありますが。しかも、
     湛山は、言論機関と国民の役割にも触れていました》

   『●自民党議員の皆さん、《留飲を下げ》られましたか? 《「国賊」は
     だめだがそれ以外の発言は幾人もの議員が同調、または同様の発言》
   『●「統一協会との関係を断つ」? 村上誠一郎議員《肝心なことはまだ
     何も解明されていない。解明されない限り…関係を絶つことは難しい》
   『●ズブズブ壺壺ヅボヅボな政権与党・自民党のどうしようもない腐敗具合
        …村上誠一郎議員を〝罰して〟《留飲を下げ》たかと思ったら…
    《安倍派の前会長である細田博之・衆院議長も結局、放置されたままだ
     細田氏は2019年に韓鶴子総裁が出席したイベントに参加した際、
     「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの場は大変意義深い」
     「安倍総理に早速報告したいと考えております」などと発言していた
     ほか、ジャーナリストの鈴木エイト氏は2016年参院選の票の差配
     ついても「細田氏がある候補者に統一教会票を回すと打診したが、
     その候補が断わったために、別の議員に票が差配された
     と言われている」と指摘するなど…、新たな疑惑も浮上しているが、
     新聞・テレビなどの動きは鈍い。下村博文・元文科相の名称変更への
     関与疑惑もそのままになっている》

   『●アノ「苦渋の判断」とやらは一体何だったの? 「苦渋の判断」で参列
     しておきながら、《国賊》の国葬モドキを《強く批判》する芳野連合会長
   『●自民党・村上誠一郎衆院議員「特にわからないのは、(岸信介、安倍晋太郎、
      安倍晋三各氏の)親子3代で統一教会を擁護したのはなぜだったのか」

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1206



 (https://youtu.be/QVAmTlQ2T8w


2024年05月18日公開
こまで劣化してしまった自民党にはもはや日本を任せられない
マル激トーク・オン・ディマンド(第1206回)


ゲスト

村上誠一郎 (むらかみ せいいちろう)
自民党衆院議員
1952年愛媛県生まれ。77年東京大学法学部卒業。同年河本敏夫衆院議員秘書。86年衆院初当選。行革担当相、規制改革担当相、党税調副会長、衆院政倫審会長などを歴任。当選12回。著書に『自民党ひとり良識派』、『宰相の羅針盤 総理がなすべき政策』など。


概要

 自民党内で最後に残った『良識派』を自認する村上誠一郎衆院議員がずっと恐れていたことが、今自民党に、そして日本の政治に起きている

 村上氏はこれまで派閥文化を壊滅させた小選挙区制の導入や集団的自衛権の行使を可能にする安保法制特定秘密保護法、そしてアベノミクスなど、その時々の政権の目玉政策ことごとく反対してきた。非業の死を遂げた安倍元首相の国葬にも反対し、同氏を「財政、金融、外交をボロボロにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会に選挙まで手伝わせた国賊」とまで酷評して、党の執行部から厳しい懲戒処分を受けたこともある。しかし、村上氏は持論を曲げなかった。それはそれらの政策に代表される政策路線が、保守政党としての自民党にとって明らかに間違ったものであることを確信していたからだ。

 その村上氏は、自民党は今なお間違った方向に進んでいると嘆く。

 今回、裏金問題や巨額の政策活動費の使途不明問題、そして事もあろうに官房機密費まで選挙資金に転用していたとの指摘まで出始め、補欠選挙の結果を見るまでもなく自民党政治に対する国民の不信感がピークに達している。にもかかわらず岸田政権はどこ吹く風といった体で、国民の神経をさらに逆撫でしている体たらくだ

 自民党は17日、政治資金規正法の改正案を単独で国会に提出した。より厳しい規制強化を求める公明党との協議が決裂した結果、自民党は「大甘」の改正案を単独で提出せざるを得なかった。その自民党案は一見、公開基準の厳格化やデジタル化など「やっている感」を出すための文言が並ぶが、中身は事実上ゼロ回答に近い。裏金の温床となった複数の政治団体間の資金移動も禁止されず、二階幹事長が5年間で50億円近い党費を受け取りながら何に使ったかがまったくわからない政策活動費問題もほぼ手つかずのままだ。デジタル化も、ウェブ上で公開される政治資金収支報告書が検索やソート(並び替え)が可能なデータ化を意味しているのかどうか不明で、単にウェブ公開を義務づけるというお茶濁しに終わる可能性も排除できない。

 これは政治資金の出先や使途を不透明なままにしておくことが自民党政治にとっては命綱となるため、それを断ち切ることは不可能ということなのか。それとも、自民党の「与党ぼけ」が行くところまで行ってしまった結果、もはや国民の怒りをまともに感じ取ることができなくなってしまった結果なのか。

 村上氏は、かつて自民党は党内に様々な意見があり、党幹部に異論を唱えることも許されていたが、今は党幹部の方針に異を唱えることができなくなってしまったという。その理由として、党の執行部に権限を集中させることになった小選挙区制の導入、執行部に逆らった議員は平気で落選させられることを目の当たりにした郵政選挙、そして政策の議論の場を提供し、若い議員の教育の場としても機能していた派閥の弱体化の3つを挙げる。

 小選挙区なら政治家本人に実力がなくても党の支持率が高ければ容易に当選することができる。そうして自身の政治信条や信念を持たず、党幹部の意向だけ気にする政治家がたくさん当選するようになり、更に党幹部に権力が集中していった。

 また、郵政選挙で小泉首相が党の方針に反対する議員に公認を与えず、刺客まで放った結果、多くの議員が落選の辛酸を舐めた。それ以来、党の方針にあからさまに異論を唱える議員がいなくなった。村上氏は例外中の例外と言っていい。

 かつて三角大福中と言われる5派閥が鎬を削っていた時代、派閥は候補者のリクルートの場でもあり、議員の教育の場でもあり、また政策論争の場でもあった。それは中選挙区制の下では自民党議員同士が競争しなければならないためで、党内には緊張感がみなぎっていた。しかし小選挙区制になると自民党同士で競わなくていいため、党内野党の役割を果たしていた派閥は意味をなさなくなってしまった。

 中選挙区制については、政策上の差異のない同じ政党の候補者が互いに競わなければならなくなるため、政策論争ではなくサービス合戦が横行することになり、それが腐敗や癒着の温床となるとして、選挙制度が現在の小選挙区制を中心とした制度に変更になった。しかし、そもそもアングロサクソンの国々が歴史的な伝統の上に作り出した小選挙区という選挙制度が本当に日本に合っているのか、小選挙区制に変えることで、それまで大切にしてきた選挙や政治に関わる日本の財産が失われたりはしないのかといった議論は明らかに不十分だった。現に、小選挙区制になるまで衆院選の投票率は常に60%を超えていたが、小選挙区の導入以来、民主党が政権を取った2009年の衆院選以外はすべて投票率は50%台の前半に沈んでいる。短絡的な考えで選挙制度を変更したことで、日本の政治は明らかに劣化してしまった

 また、派閥制度を壊すのであれば、それまで派閥が担ってきた機能の中で必要なものを誰がどう代替するのかも考えておく必要があったが、その議論も明らかに不十分だった。

 結果として劣化に次ぐ劣化によって、もはや自浄能力さえも失った自民党には、今日の日本が直面する喫緊の課題の解決は到底期待できそうもない。しかし、現状で野党にその役割を期待できるかと問われれば甚だ心許ないところがあることも否定できない。そもそも野党は、日本がこのような大きな国難に直面するのをよそ目に、一枚岩になる交渉すら難航している有り様だ。

 村上氏は戦後、吉田茂首相が石橋湛山などの民間人を大臣に起用した例などを引き合いに出した上で、日本は今、与野党や議員籍の有無を問わずに政策に通じた優秀な人材を集めて挙国一致の救国内閣を作らなければならない状況を迎えているのではないかと問う。

 国民政党だったはずの自民党はなぜこうも変質してしまったのか、どこに分岐点があったのか、地に落ちた国民の信頼を回復し、日本の政治を立て直すために今、何をしなければならないのかなどについて、衆院議員の村上誠一郎氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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●古賀茂明さん《民主主義の危機…メディアが権力の監視役の機能を果たせない国に民主主義は存在し得ない。将来的には、記者たちの自由だけでなく…》

2024年06月17日 00時00分10秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑


(2024年05月20日[月])
前川喜平さん「テレ朝は10年前のように権力を監視、チェックする機関に戻ってほしい」と。古賀茂明さん《これは、民主主義の危機だ。メディアが権力の監視役の機能を果たせない国に民主主義は存在し得ない。将来的には、記者たちの自由だけでなく、私たちの自由もまた失われることになるだろう》。
 そして、《ヤミ金》を報じることができない政治部記者やテレビコメンテーター氏達、まさか、《ヤミ金》をもらったりしていないでしょうね? 今回の中國新聞のまたしてもの大スクープ、なぜ大騒ぎしないのですか? 《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金に不正使用疑惑も次々安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》(リテラ)。
[: (リテラ) 《たとえば、2000年には写真週刊誌の「FOCUS」(新潮社/休刊)が「極秘メモ流出!内閣官房機密費をもらった政治評論家の名前」と題し、田原総一朗竹村健一三宅久之俵孝太郎ら政治評論家に官房機密費から数百万円の金が渡っていると報道。これはあくまで「極秘メモ」でしかなかったが、そうした政治評論家への金の流れについても、官房長官経験者が口を開いたことがある。小渕内閣で官房長官を務めた故・野中広務氏だ。野中氏は2010年にテレビ番組や講演で官房機密費について証言をおこない、「(政治)評論をしておられる方々に、盆暮れにお届けするというのが(引き継ぎ帳に)額までみんな書いてありました」と言及。「政治家から評論家になった人が、『家を新築したから3000万円、祝いをくれ』と小渕(恵三)総理に電話してきたこともあった」「持って行って断られたのは、田原総一朗さん1人」と語り、金を受け取った政治評論家に対してこう述べた。
あんだけテレビで正義の先頭を切るようなことを言っている人が、こんなのを平気で受け取るのかなと思いましたね
 野中氏は官房機密費が投入されたと取り沙汰された1998年の沖縄県知事選時の官房長官であり(本人は否定)、しかも政治評論家に金を配った立場であって、あれこれ言えたものでもないと思うが、少なくとも、ここまでオープンに語るほど、政治評論家を官房機密費で懐柔することは永田町の“公然の秘密”だという何よりの証拠だろう》]

   『●中國新聞の大スクープ(2020年1月家宅捜査時押収メモ)「総理2800
     すがっち500 幹事長3300 甘利100」…検察は捜査のメスを入れず!?
    「「すがっち」は、まさか官房機密費、《領収書不要の「政策推進費」》
     から支出していないでしょうね? 「買収の原資」の原資の出所は?」
     (リテラ)《また、官房長官だった菅氏には、官房長官の裁量で
     機動的に使える「官房機密費」があり、2019年には自民党本部から
     二階氏個人に約10億円もの「政策活動費」が渡っている。これらの
     政治資金は使途公開の義務がないため、買収のための原資として
     流れていても、何ら不思議はないものだ》」

   『●《「政権に擦り寄る」テレ朝HDにモノ申す》《定款に、政治家などの圧力
      に報道が屈しないことなどを盛り込むことを求めるという》(東京新聞)
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》

 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/機密費バラマキ…自民党の「わーたしーはやっていない」を誰が信じる?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/340340)によると、《中国新聞の大スクープが注目を集めた。2013年の参院選の際、安倍晋三が自民党公認候補に現金100万円を裏で渡していた疑いを報道。また、自民党政権で官房長官を務めた人物が、国政選挙の候補者に官房機密費を使い現金を渡していたことを同紙に証言。前任の長官から提供先のリストを…》。
 dot.の記事【日本が今でも「報道の自由度70位に低迷する理由 安倍政治で“変えられてしまった”記者たちの末路 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/222279)によると、《日本は、前年の68位からさらに下がり70位で、69位コンゴ共和国、71位コモロ連合と同レベルで点数も62.12。G7の中では大差をつけて最下位である。日本は、民主党政権の時に12位となったのがピークで、安倍晋三政権の時から急降下し、その後も低順位が続いている。しかし、安倍氏が死去してから2年近く経ち、さらに裏金問題などで安倍派が壊滅状態になったことで、メディアが異常に恐れていると言われた萩生田光一・前自民党政調会長を中心とする安倍派強硬派の力もほとんどなくなっている。それなのになぜ日本のランキングが下がり続けるのだろうか。》

 「犯罪者」「泥棒」「脱税者」がのさばる腐敗した国に成り下がったニッポン。デタラメがまかり通る腐敗した国。大きな要因は《メディアコントロール》による報道の萎縮も。
 長周新聞の記事【腐れ政治家がなぜ無罪放免になるのか 米国や資本に尽くすための頭数 飼い慣らされ腐敗堕落した姿【記者座談会】】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/30439)。《自民党安倍派(清和会)を筆頭にした裏金問題が昨年から明るみになり、国会では政治資金規正法の改正を巡って与野党がお茶を濁しつつ、一方では武器輸出拡大やセキュリティ・クリアランス法案、米軍と自衛隊の一体化を進める法案整備など、重要法案が次々と可決成立し、立憲民主党も含めた翼賛体制でみな賛成していく様が露わとなっている。米国に従属して軍事的には粛々と対中包囲網の鉄砲玉となる道を進み、なおかつ独占大企業や資本に奉仕しさえすれば、政治家は多少の裏金を懐に入れようが、腐敗堕落していようが厳密に処罰されることもなく、国会という「立法府」の頭数すなわち賛成マシーンとして飼い慣らされ、支配の道具として機能するという露骨な社会の仕組みを見せつけている。それはある意味、「議会制民主主義」であるとか、「法治国家」等々の高尚な建前をとり払ったような丸裸の姿にも映っている。とりわけ2次安倍政権以後に強まった政治の低俗化について、記者たちで論議した》。

 カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党、デタラメの限りを尽くす…哀しい国に成り下がる。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/理解できない萩生田の都連会長続投 裏金問題で処分も「党本部と支部は別」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202405170000062.html#goog_rewarded)によると、《★「都知事・小池百合子との関係を守るためなら都連会長は前政調会長・萩生田光一の続投しかない」という理屈はどの世界で通用するのか。15日、自民党東京都連は政治資金収支報告書への不記載計2728万円が判明して党役職停止1年の処分を受けている現会長・萩生田ら都連役員の続投を内定した。…★驚くべきことがたくさんあるが、まず萩生田が一連の反省などなく、都連会長の辞意を示さないこと。深谷の言う「裏金事件は今は落ち着いている彼が適任」という理屈が全く理解できない。では東京15区はなぜ補選になったのか、なぜ自民党は候補者を立てられなかったのか、後半国会はこの裏金事件での法改正が最大の焦点。その議論の最中に東京都連は関係ないという説明でいいと思うのか。つまり、都知事選考に都連会長の意向が必要という内向きの理由でしかない。 ★そもそも、党のルールで役職停止と党本部が決めても地方組織の役職を対象とするか否かは各組織に判断を委ねるという理屈だが、では政治責任とやらはどこに行ったのか。》

   『●「自民党の力をそぎたいという政局的な話がごっちゃになっている」!?
     ハハハッ!! いや、「犯罪者」「泥棒」「脱税者」の《力をそぎたい》んです

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https://dot.asahi.com/articles/-/222279

日本が今でも「報道の自由度」70位に低迷する理由 安倍政治で“変えられてしまった”記者たちの末路
古賀茂明
 政官財の罪と罰
2024/05/14/ 06:00

 国際NGO「国境なき記者団」(RSF)が5月3日に発表した2024年「報道の自由度ランキング」で、日本は180カ国・地域のうち70位だった。

     (【写真】記者クラブ非加盟のメディアに冷たい政治家はコチラ)

 トップ10は1位のノルウェーからG7で唯一入った10位のドイツまで全てが欧州諸国で、評価点数はノルウェー91.89、ドイツ83.84と、いずれも80点を超えた。G7では、14位カナダ(81.7)、21位フランス(78.65)、23位イギリス(77.51)までが70点以上。RSFの分類では、85~100 点が「good」、70~85点は、「satisfactory」で、ここまでが何とか合格点だ。

 55~70 点は、「problematic」だが、46位イタリア(69.8)は70点にわずかに及ばず、55位アメリカ(66.59)も3点余り下回った。

 日本は、前年の68位からさらに下がり70位で、69位コンゴ共和国、71位コモロ連合と同レベルで点数も62.12。G7の中では大差をつけて最下位である。

 日本は、民主党政権の時に12位となったのがピークで、安倍晋三政権の時から急降下し、その後も低順位が続いている

 しかし、安倍氏が死去してから2年近く経ち、さらに裏金問題などで安倍派が壊滅状態になったことで、メディアが異常に恐れていると言われた萩生田光一・前自民党政調会長を中心とする安倍派強硬派の力もほとんどなくなっている。それなのになぜ日本のランキングが下がり続けるのだろうか。

 その理由についてRSFのサイトを見ると、以下の記述がある(筆者の翻訳)。

 「日本は議会制民主主義国家であり、報道の自由と多元主義の原則は一般的に尊重されている。しかし、伝統的・ビジネス上の利害関係、政治的圧力、ジェンダーの不平等などにより、ジャーナリストが監視役としての役割を完全に果たすことができないことがしばしば起こる」

 これだけではよくわからないかもしれないが、私の経験に照らせば、「なるほど」と思わせるものだ。

 RSFには世界中のジャーナリストが所属している。その中には、日本に駐在する外国メディアの特派員や日本で取材経験のあるジャーナリストもいる。ランキングには、実際の取材経験に基づく評価も入っているのだ。

 私は、2015年に、日本外国特派員協会(FCCJ)から「報道の自由の友賞」という賞をいただいた。テレビ朝日の報道ステーションに対する安倍政権の圧力を批判して同番組を降板した直後のことだ。

 当時、多くの外国の記者に取材を受け、翌年には、デビッド・ケイ氏(「表現の自由」国連特別報告者)による日本の報道の自由に関する調査にも協力した。

 その時、私が彼らに解説した、日本の大手メディアに関する問題点について、彼らは、一様に賛同してくれた。

 それらの問題は、10のポイントにまとめることができる。


[なぜ日本のマスコミは権力に弱いのか 構造問題]
https://dot.asahi.com/articles/photo/222279?pid=f1ebe232e85f754f18d080188917e8f9292973

 ➀ ジャーナリストである前に会社員
 ➁ 記者クラブで談合 
 ➂ 報道ではなく取材先の広報に使われる 
 ➃ 大手メディアは既得権益層 
 ➄ 再販制度と軽減税率というアメ 
 ➅ 放送法と電波法による停波の脅し 
 ➆ 権力が好きな低モラルの経営陣 
 ➇ 経営陣による同胞現場への介入が常態化 
 ➈ スポンサーの影響排除にルールなし 
 ➉ 政党助成金に群がる広告代理店への依存


 それぞれについて簡単に解説してみよう。

 第1に、日本の大手メディアの記者たちは、ジャーナリストである前に会社員であるというのが最も本質的な問題だ。ジャーナリストとして何をやりたいかということよりも、例えば読売新聞の会社員として、あるいはテレビ朝日の会社員として割り当てられた仕事をこなすことが最優先という記者が多いのだ。

 どのような記事を書きたいかということが先にあり、その記事を書ける会社を選び、実績を積みながら一流のジャーナリストを目指す海外のジャーナリストとは全く異なる。

 上司に従っていれば、出世して高い給与がさらに上がる。最後は、役員になるか、関連企業や団体に「天下り」する。そのためにはリスクを避けるという行動パターンが身についているように見える。

 それが嫌になった人は会社を辞めてしまったという話もよく聞く。

 第2の問題が「記者クラブ」だ。

 多くの場合、取材先の官庁、政党、企業・団体の便宜供与により設けられる記者クラブには、大手メディアを中心に、取材先と伝統的に付き合いのある大手を中心とした報道機関がメンバーとして参加する。

 記者クラブのメンバー各社の記者は、クラブに常駐し、何もしなくても情報が提供され、記者会見にも自動的に出席できる。また、クラブのメンバーだと言えば、原則取材に応じてもらえる。

 彼らは、与えられた情報を右から左に流すだけで記事が書ける。さらに、各社が与えられた情報をどのようなトーンで書くのかも各クラブ内の雰囲気でわかるため、リスクを避けて各社が同じような記事を書くことになる。一種の談合だ

 一方、メンバー外の海外やネットなどのメディアは、そもそも記者会見があることもわからず、今何がテーマなのかを知ること自体が困難で、直接の担当官僚に取材をするのも制限される。この仕組みは、明らかに違法なカルテルだが、これに公正取引委員会がメスを入れたことはない

 第3の問題は、アクセス・ジャーナリズムによる記者の広報マン化だ。クラブの記者たちは取材先に自由にアクセスできるため、どうしても、そこからいかに早く情報を取るかという競争に陥る。取材先に嫌われていわゆる特オチになるのを恐れて、相手の機嫌を取るようになり、やがて、権力の監視役ではなく取材先の広報に使われる存在になっていくのだ。

 アクセス・ジャーナリズムは取材先の問題設定に合わせて、そこから得られた情報を流す報道になりがちだ。これは、自ら問題を発掘し、様々な取材先の情報で多様な角度から掘り下げて検証して報道する調査報道とは正反対である。

 第4の構造問題は、大手メディアの記者が、庶民からかけ離れた既得権層になってしまっていることだ。戦後、大手新聞やテレビ局が潰れたことはない。記者クラブ制度に守られて、寡占状態で保証された地位に安住しながらニュースを書けば良いからだ。

 しかも、給料は一般の企業に比べて高く、彼らは特権階級となっている。政治家や高級官僚たちと非常に似たグループを形成している。

 その特権を守るために、自己保身に走ることになり、弱者のために権力と戦おうという意欲を失わせるのである。

 第5に、新聞社は、独占禁止法の例外として、新聞の販売店に販売価格を指定して取引することが認められている(再販制度)。また、消費税の軽減税率の適用も受けている。いずれも、新聞社の経営に大きな利益をもたらす仕組みだ。これらの利権を守るために、政府に楯突くことができない。彼らが、消費税増税に反対しない代わりに軽減税率を認めてもらうという行動に出たことはあまりにわかりやすい話だ。

 第6に、新聞社とは違い、テレビ局は、放送法および電波法により、国の規制に服している。自民党は、放送法を恣意的に解釈し、厳しい政権批判を行うテレビ局に「停波の脅しをかけたほど、批判を抑制している。

 政府がテレビ局の放送内容を直接規制する日本は、先進国では例外的存在だ

 第7に、日本の大手メディア幹部の権力への擦り寄りが深刻な問題になっている。報道機関のトップが、首相と会食やゴルフをすることは、まともな国ではあり得ない。しかし、日本では、これを公に自慢する風潮さえでてきた

 経営陣の権力への擦り寄りで、現場では、権力側と戦っても最後はトップが折れてしまうから勝ち目がないと、最初から諦めることになっている

 第8の問題は、経営陣による報道現場への介入だ。例えば、テレビ局で、政権批判はあまりしないようにと指示を出したり、出演者の顔ぶれについて文句を言ったり、酷い例では、番組審議会委員長会社の販売物を宣伝する放送を強要するといったことも起きているほどだ。

 第9の問題は、スポンサーやプロダクションへの忖度が蔓延して、企業の不祥事などの報道が制約されていることだ。

 広告を大量に出す企業の批判はできないというのが不文律となっている。例えば、福島の原発事故の際、テレビ局は東京電力批判ができなかったジャニー喜多川のレイプ事件をBBCが取り上げるまで各局が見て見ぬふりをして報道しなかったのも同じことだ。

 第10に、政党助成金電通などの広告代理店の問題がある。

 電通などの代理店は、新聞やテレビの広告を集める仕事はもちろん、多くのイベントを手掛けることで大手メディアに大きな影響力を持っている。

 その一方で、自民党の宣伝も手掛けている。自民党は他党に比べて圧倒的多数の議員を擁するため、政党助成金の額も突出している。そこから電通などに巨額の宣伝広告費が流れるのだ。電通などから見て自民党は「上得意」だ。

 当然のことながら、メディア側は、電通の意向を忖度するので、あまり強い自民批判はしにくくなるという面があるようだ。

 以上のような構造的問題は古くからあったが、安倍政権になるとメディアに対する直接間接の圧力は異常に高まり、報道の自由度は大きく下がった

 最初は、それでも戦おうとする記者は数多く存在したが、個々の記者やデスクが戦っても、上に上がると負けてしまうことが続くと、現場には厭戦気分が広がり自主規制が始まった。萎縮したという面もあるが、面倒に巻き込まれて時間を取られると他の記事が書けなくなるという理由も大きかったようだ。

 自主規制が強まり、長期間継続すると、何が問題なのかを自分で見いだす能力が低下する。テーマ設定は、取材先の政治家や官僚が行い、彼らの情報をもとに記事を書くことが当たり前になってしまうのだ。

 記者たちは、自分たちが変わってしまったこと、能力を失ってしまったことに気づくことさえなくなる。実は、それが一番危険なことだ。

 記者たちが変えられてしまった今、日本の国民は、真実を知る機会を失いつつある

 これは、民主主義の危機だ。メディアが権力の監視役の機能を果たせない国に民主主義は存在し得ない

 将来的には、記者たちの自由だけでなく、私たちの自由もまた失われることになるだろう。

 最後に、ガンジーの言葉を掲げておこう。

 あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである
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●《日頃から他党の政治活動を妨害…立憲民主党や共産党などの野党を「日本の敵」と位置づけ、日常的に執拗に“口撃”》してきた利権裏金脱税党

2024年06月02日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 「Dappi事件で浮上した自民党のネット工作」(週刊金曜日 1353号、2021年11月12日) ↑]


(2024年05月10日[金])
カルト協会とヅボヅボで票の差配までやって選挙制度を歪めておきながら、よく言うよなぁ。

   『●当該選挙民が責任を持って原発推進議員に落とし前を
    《駅前で、何人かの市民に話を聞いてみたが「ピンとこない」
     「難しい」と、関心は薄い。しかし全国で一票の格差訴訟を
     起こしている升永英俊弁護士は「住んでいる場所で
     一票の価値が違うのは、一票の住所差別だ」と強調する》

   『●《民主主義の根幹を成す選挙にはそれだけ価値がある…1票は重い。責任
      ある行動が求められる》…選挙に行く以外に《悪政は拒否できない》
   『●(狙撃兵)《その死を呼び寄せた原因が反日カルト組織である統一教会と
     ズブズブだった関係にあり…なぜ「ファザームーン」みたく神格化…?》
   『●朝日新聞スクープ…統一協会《関連団体…が…参院選や昨年の衆院選
     において、自民党議員に対して「政策協定」への署名を求めていた》
   『●ズブズブ壺壺ヅボヅボでない自民党議員にとっては大チャンスなのに?
      ……まあ、やる気のある、自民党にそんな議員が居ればの話ですがね
   『●ズブズブ壺壺ヅボヅボな政権与党・自民党のどうしようもない腐敗具合
        …村上誠一郎議員を〝罰して〟《留飲を下げ》たかと思ったら…
    《安倍派の前会長である細田博之・衆院議長も結局、放置されたままだ
     細田氏は2019年に韓鶴子総裁が出席したイベントに参加した際、
     「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの場は大変意義深い」
     「安倍総理に早速報告したいと考えております」などと発言していた
     ほか、ジャーナリストの鈴木エイト氏は2016年参院選の票の差配
     ついても「細田氏がある候補者に統一教会票を回すと打診したが、
     その候補が断わったために、別の議員に票が差配された
     と言われている」と指摘するなど…、新たな疑惑も浮上しているが、
     新聞・テレビなどの動きは鈍い。下村博文・元文科相の名称変更への
     関与疑惑もそのままになっている》

   『●新年こそは、まともな国に生まれ変わることを切に願う ――― 素晴
     らしい国にならなくてもいいので、〝まともな国〟になってほしいだけ
   『●《岸田首相は「本人が亡くなられた今、十分に把握するのは限界が
       ある」》と拒否…「政治とカルト」「アベ様とカルト」の徹底解明を
   『●アベ様よりはヅボヅボではない、票の差配などしていない…《ならば、
     なぜ議院運営委員会や記者会見など公の場で堂々と説明しないのか》?
   『●《1票の格差が最大3・03倍…最高裁大法廷は「合憲」とした…議会制
       民主主義の根底をなすのは「公正な選挙」である》(東京新聞)

 Dappi事件…さんざんデマを流しておきながら、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党がデカい口を利けるのかね? まずは、自らの不始末の責任を取れ。

   『●コレは「美しい国・日本」? 《内閣情報調査室の一室…映画『新聞
     記者』》っていうのも怖いけど、天下の自民党本部事務総長が関連…?
    《これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、
     個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に
     関わる大事件である。この企業がDappiアカウントだけを運用していた
     とは限らない。また、同様の工作活動を行っている企業が他に
     存在しないと考えるほうが不自然だ。…現在、疑われているのは
     自民党だ。国民を騙すために税金が使われていたとしたら、党の
     存続に関わってくる。岸田政権は総選挙前に真相を明らかにすべきだ》

   『●ニッポンは民主主義国家なの? ――― 天下の自民党が血税使って
      デマ・ヘイトまがいの野党攻撃、世論誘導…衆院選前に実態解明を!
   『●Dappi事件…《裁判で、原告側はDappiの投稿を「被告企業が業務と
      して行っていた」と主張。被告側は「従業員1人の私的投稿」と反論》
   『●Dappi事件《自民党との癒着ぶり》《新たな自民党との蜜月ぶり》…
     《赤旗…自民党都連は…ワンズ社に対して計5件、計404万円余の支出》
   『●《国内世論を誘導する工作の研究》ってすっげぇなァ、アケスケ…
     《防衛省に有利な世論 特定国への敵対心 反戦・厭戦機運の払拭》
   『●琉球新報《防衛省…都合のいい情報が拡散され、国民が知らぬ間に世論
       操作される恐れがある。戦争中、大本営による世論操作を想起させる》
   『●アケスケなステマ的手法…《戦前の日本は大本営発表と言論統制によって
      戦争に突き進んでいった…またも戦争に駆り立てるプロパガンダで…》
   『●防衛省が大本営発表モドキの世論工作…《プロパガンダによりバカを
      洗脳し動員する悪質な連中が権力を握った結果が今の日本の惨状》
   『●Dappi事件…《投稿していた社員に月額110万円もの給与が支払われて
         いた…給与額から類推して社長など幹部社員の関与の疑い》
   『●Dappi事件…《元宿氏はいまも自民党の自民党事務総長の立場…安倍政権、
      岸田政権通じてのキーマンがネット工作に関与していたのではないか》?
   『●ワンズクエスト社による Dappi事件の真相解明が必要…小西洋之氏「政権
     与党の自民党の関与が疑われるのであれば、事態はこの上ないほどに深刻」
   『●Dappi事件…〝ドロボウ〟した側が〝ナワを綯いながら〟「何ら調査の
       必要があるとは考えていない」と国会答弁するのは如何なものか?
   『●Dappi事件…小西洋之議員は《「裁判に負けてでも守るべきものは何だ
     ったのか。黒幕がいて、お金で雇われていたと考えるのが自然では…」》

 市民の批判の声を押しつぶしておきながら、よく言えたものだ。
 日刊ゲンダイの記事【自民が「選挙妨害」の罰則強化に言及も“おまいう”反応…「Dappi」での野党批判を蒸し返される】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/339877)《…と一定の理解を示す投稿がみられるものの、《自民党が言えるのか》《自民党は選挙ではなく日頃から他党の政治活動を妨害していた》といった批判の声も少なくない。《日頃から他党の政治活動を妨害》と指摘されているのは、X(旧ツイッター)の「Dappi」=すでにアカウントは閉鎖=をめぐる「デマ拡散事件を指しているようだ》、《■立憲民主党や共産党などの野党を「日本の敵」と位置づけ、日常的に執拗に“口撃”》。

   『●衆院補選、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党は全敗…東京
       15区と長崎3区は不戦敗で、恥ずかしくて候補者を立てられなかった…

    《★衆院東京15区の補欠選挙。選挙中には候補者のヤジが激しく、
     都知事・小池百合子は先月19日、定例会見で都民ファースト副代表
     ・乙武洋匡の街道演説に演説をかぶせてくる手法に対して
     「スタッフも命の危険を感じる場面があった。これまでに経験した
     ことがない選挙妨害が発生している」と発言。…★問題はその当時、
     小池を始め、この問題の重要性を政治が無視したことに起因する。
     ヤジの排除は当然だと考えていたのではないか。与野党関係なく
     政治に関わる人たちが、自分のこととしてこの問題について
     立ち止まらなかったことにある》

   『●《安倍政権下で始まった危険な言論統制に歯止めをかける判決…首相に
       ヤジを飛ばした市民が、北海道警の警察官に違法に排除された事件》
   『●アベ様をヤジって道警の警察官に排除…札幌地裁は《ヤジを公共的で
      政治的な表現行為と認め、その排除は表現の自由の侵害だと判断》
   『●アベ様の耳に続き、「聞く力」なきキシダメ首相の耳を塞いであげる警察
      …《今の警察は政権を応援する声には反応せず、批判だけ排除する》
   『●《どの演説会場も厳戒体制を通り越して近づきがたい異様な雰囲気…私
      にはかえって危険な状況を作り出しているとしか思えないのだが。》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/339877

自民が「選挙妨害」の罰則強化に言及も“おまいう”反応…「Dappi」での野党批判を蒸し返される
公開日:2024/05/08 06:00 更新日:2024/05/08 06:00

    (おまいう(C)日刊ゲンダイ)

「仮に妨害を目的に悪意を持って行われたなら、罰則強化を含め、今後の検討課題の一つになっていく」

 自民党の梶山弘志幹事長代行(68)は7日の会見で、先月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙の最中、選挙妨害とも受け取れる行為が相次いだことに言及。今後、罰則強化のための公職選挙法改正も選択肢との認識を示した。

 同選挙区では、一部の陣営が演説会場で他候補に50分近くにわたって大音量でやじを飛ばしたり、クラクションを鳴らしたりするなどの行為が相次ぎ、警察官が駆け付ける事態となった。

 今後の衆院選などを控え、自民党候補に対しては「裏金事件」を巡って厳しい批判の声が上がることが予想されるため、梶山幹事長代行としては何らかの“歯止め”を掛けたいのだろう。

 これに対しSNS上では、《選挙妨害は論外》《法改正ではなく、何がダメなのかの基準作りが必要》と一定の理解を示す投稿がみられるものの、《自民党が言えるのか》《自民党は選挙ではなく日頃から他党の政治活動を妨害していた》といった批判の声も少なくない。

 《日頃から他党の政治活動を妨害》と指摘されているのは、X(旧ツイッター)の「Dappi」=すでにアカウントは閉鎖=をめぐる「デマ拡散事件を指しているようだ。


■立憲民主党や共産党などの野党を「日本の敵」と位置づけ、日常的に執拗に“口撃”

 一時16万人を超えるフォロワーがいた匿名アカウント「Dappi」。自民党や日本維新の会は称賛する一方で、立憲民主党や共産党などの野党を日本の敵と位置づけ日常的かつ執拗に“口撃”この投稿に呼応して野党批判を繰り広げる自民党議員もみられた

 このため立憲民主党の小西洋之(52)、杉尾秀哉(66)両参院議員が虚偽の投稿で名誉を傷つけられたとして、投稿の発信元だったIT企業「ワンズクエスト社」(東京)と社長らに損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こし、判決では「企業が業務として投稿していたと認定され、同社の全面敗訴が確定している。

 結局、虚偽投稿を指示した人物や団体の存在、目的はいまだに分からないままだが、「しんぶん赤旗日曜版」はワンズ社の社長が「自民党本部事務総長の親戚を名乗っていたと報道。同党の東京都支部連合会が同社に業務発注していたことや、同党の小渕優子・選対委員長(50)が代表を務める政治団体とも取引があったことが報じられるなど、背景に自民党の組織的関与を疑う声がある

自分たちの妨害は棚に上げておいて、他党の事になると突然、厳しくなる自民党》

《これはおまいう自民党は選挙妨害どころか政治活動を妨害していたじゃないか。おそらく裏金

 裏金事件の全容解明はもちろん、国民が納得できる責任の取り方を示さない限り、自民党がどんな“改革”を訴えても世論の政治不信はぬぐい切れない。
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