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●『渡邉恒雄 権力とメディア』読了(1/2)

2008年11月04日 07時57分52秒 | Weblog

『渡邉恒雄 権力とメディア』、9月に読了。魚住昭著。講談社文庫。20038月刊。

ある人の発言、「・・・天皇制を打倒したくて共産党に入ったのに、党の『徳田天皇』制的体質に反発して脱党し、結局最後は自分がマスコミの天皇に・・・」(p.57)

この新聞社にもこういう時代はあった。退職後、『不当逮捕』や『誘拐』を書いた本田靖春さん。読売社会部での「黄色い血」追放キャンペーンで「戦後ジャーナリズム史にその名をとどめる」(p.190)。本田さんが当時を振り返り、「・・・反権力の気風がみなぎっていて、・・・無告の民を代表しているんだという誇りを持っていた」(p.190)

九頭竜ダム事件。「・・・「[渡邉ら読売新聞が] こんな事件に深入りしなかった我々の判断は正しかったと思う」、これは論点の巧妙なすり替え・・・渡邉の行為がジャーナリストとして正当だったかどうかだ。・・・「我々新聞記者は・・・大切なのは、取材対象に対する主体的批判力を失わぬことである」と、大見得を切った。・・・カネがらみの裏工作に加担するのを取材とは言わない。むしろ記者と取材対象という関係の限度を超えた癒着と言ったほうが適切だ」(p.215)。真のジャーナリストとして、魚住さんの適切な指摘。
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