Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》

2020年03月16日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]



東京新聞の二つの記事。宮尾幹成記者によるインタビュー記事【<東海第二原発 再考再稼動>(1)耐震性と老朽化に問題 元福井地裁裁判長・樋口英明さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201911/CK2019112802000166.html)と、
松村真一郎記者によるインタビュー記事【台風被害は復興できる でも、原発事故は… <東海第二原発 再考再稼働>】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802100030.html)。

 《営業運転開始から28日で41年となる首都圏唯一の原発をこのまま再稼働させていいの か》。
 《二十八日は東海第二原発が営業運転を始めてから四十一年。老朽化が進む一方で、再稼働に向けた手続きは止まらない。首都圏唯一の原発の再稼働に疑問を持つロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」のボーカルTOSHI-LOWさんに聞いた》。

 東京新聞の記事【署名6万人分 原電、初の受け取り 東海第二再稼働反対】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802000140.html)によると、《茨城県東海村にある東海第二原発の再稼働に反対し、廃炉を求めている市民団体が二十七日、原発を保有する日本原子力発電(原電)の本店(東京都台東区)を訪れ、六万三千三百二十八人分の署名を提出した。原電は昨年六月から署名の受け取りを拒否してきたが、初めて受け取った》。

 四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…。正気じゃないね。《日本の国策は「安全な原発を動かす」》…《安全》な《原発》というのは、形容矛盾だと思います。

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
      日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…
    《日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発
     二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の
     安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、
     なおさらだ…3・11後、安全対策のハードルは高くなり、
     四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、
     さらに特別な対策が必要とされている》。

 政府や自公お維はどうしても発電機能付き「海暖め装置」を動かしたくて仕方ないらしい。「たかが電気のために」。地球温暖化対策の切り札とでも嘯きながら。よほど美味しいおカネの「濁流」があるようだ。

   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
     「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金
     証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

 相も変わらず原子力規制委員会はデタラメ。最後の砦の司法に訴えても、裁判所も役に立たない…。再エネへの切り替えに乗り遅れ、救いようのない国に堕ちていくニッポン。この自公政権のままではダメです。元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と仰っています。そんな簡単なことが分からないとはねぇ。

   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
      もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、
     その下で電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201911/CK2019112802000166.html

<東海第二原発 再考再稼動>(1)耐震性と老朽化に問題 元福井地裁裁判長・樋口英明さん
2019年11月28日

 東海村の日本原子力発電東海第二原発の再稼働の是非を巡り、「中立」を掲げていた山田修村長が雑誌で容認と受け取れる発言をして、波紋を広げた。再稼働に向けた資金のめどがつき、事故対策工事も着々と進む。営業運転開始から28日で41年となる首都圏唯一の原発をこのまま再稼働させていいのか。有識者や文化人に考えを聞き、随時掲載していく。

 二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。今も自分が正しいと確信を持っている

 大飯原発の基準地震動(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと関電は主張していた。

 私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いがなかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」という関電の主張の信用性だった。

 それが争点なら難しい工学的判断は不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯もロシアンルーレット状態だった。

 日本の国策は「安全な原発を動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だったと思っている。

 仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。これは他の原発と共通の問題だ。

 東海第二の建設当初の基準地震動は二七〇ガルだが、東京電力福島第一原発事故後に原電が約一〇〇〇ガルに引き上げ、新規制基準の審査も通った。だが、耐震補強工事をしたところで、四倍も耐震性を上げることは可能だろうか。例えば八〇〇ガルの地震に本当に耐えられるのか。これがもう一つの問題になる。

 三つめは、既に原則四十年の運転期限を超えていること。自動車や家電なら老朽化で突然止まっても、その後は安全だ。だが、原発は止まった後がとてつもなく危ない。きちんと冷やすことができなくなれば、四~五時間でメルトダウンする。

 これ以上に争点を広げると、裁判官の能力を超えてしまう。この三つに絞れば誰にでも理解できるし、反論が極めて難しい

 東海第二の周辺人口が他の原発より多いのは事実だが、人口が多くても少なくても原発事故の深刻な被害に変わりはない地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない

 東海第二のように、再稼働の事前同意対象を立地自治体の周辺にも広げる運動は、原発を止める手段としては、裁判による差し止め以外では最も有効だ。

 (聞き手・宮尾幹成


<ひぐち・ひであき> 1952年、三重県鈴鹿市生まれ、京都大法学部卒。83年、判事任官。静岡、名古屋などの地裁・家裁、大阪高裁などを経て、2014年5月に福井地裁で大飯原発差し止め判決、15年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分決定を出した。17年8月、名古屋家裁を最後に定年退官した。

<東海第二原発> 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給していた。東日本大震災時は外部電源を失い、冷温停止まで3日半かかった。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。

 2018年11月に原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認めた。再稼働の対策工事は21年3月までかかる見込みで、資金支援のため、東京電力などが約3500億円を拠出する構図も固まった。再稼働には、東海村や水戸市など6市村の同意が必要で、首長がどう判断するかが焦点になる。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802100030.html

台風被害は復興できる でも、原発事故は… <東海第二原発 再考再稼働>
2019年11月28日

 茨城県東海村の日本原子力発電東海第二原発の再稼働を巡り、「中立」を掲げていた山田修村長が雑誌の取材で再稼働容認とも受け取れる発言をし、波紋を広げた。二十八日は東海第二原発が営業運転を始めてから四十一年。老朽化が進む一方で、再稼働に向けた手続きは止まらない。首都圏唯一の原発の再稼働に疑問を持つロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」のボーカルTOSHI-LOWさんに聞いた。

     (ふるさとへの思いを語るBRAHMANの
      ボーカルTOSHI-LOWさん=東京都渋谷区で)

 東京電力福島第一原発事故で、茨城県産のホウレンソウが出荷できなくなった。水戸市の実家が営む冷凍食品会社はホウレンソウが主力商品だったので、大ダメージを受けた。関西圏への出荷分は全部だめになり、何年も続いた。原発問題はエネルギーではなく生活の問題だと認識した。

 自分は若い頃に東京に出て、ふるさとを捨てた人間だと思っていた。でも福島の事故が起きたことで、ふるさとって大事なんだという郷土愛に気付いた

 茨城県だって住めなくなるんだ、地元を喪失するかもしれないんだ、と現実味を帯びて感じた。ふるさとがなくなっていいとは思えなかった。

 それ以来、原発反対の声を上げている。アーティストだからではない。アーティストである前に国民であり、親であり、人間。おかしいことはおかしいと言う。

 ファンは非日常を求めてライブに来るから、嫌がる人もいる。だけど、何を歌うかなんて自分たちの自由だと思っている。

 曲作りでは、聴く人の心に描かれる風景が、自分の訴えたいことと合っていればいい。「鼎(かなえ)の問」という曲では、原発事故をイメージしながら、自分が大事にしているものが失われていく情景を書いた。大事なものが何か、考えるきっかけになってほしい。

 ライブで原発の話をすることもある。「気付くのも気付かないのも自分次第。でも、気付いたら何かしなければならない」と伝えている。

 十月の台風19号では実家も被災した。ボランティアで、県内の被災地で災害ごみの片付けなどを手伝った。台風のような災害は片付けたら復興できる。でも、原発事故はそれができない

 原発事故は起こらないと言われていたのに起きてしまった。東海第二でも起こり得る。福島の事故はなぜ起きたか。答えが出ないまま、東海第二を再稼働させる理由は一つもない

 再稼働を判断した時の首長は、何かあった時に責任を取ってくれるのか。これからは事故が起きたら、再稼働を容認した人に責任を取ってもらうようにしたらいい。「それでも再稼働しますか」と問いたい。

 二十~三十年後、自分の曲を聴いた人に「原発なんてものがあったんだ」と思ってもらえる世の中になってほしい。(聞き手・松村真一郎)


 <トシロウ> 本名・宮田俊郎。水戸市出身。15歳でバンドを始める。1995年に結成したロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」でボーカルを担当し、国内外で活動。甲子園の応援で使われる曲もある。東日本大震災後にNPO法人「幡ケ谷再生大学復興再生部」をつくり、被災地の復興支援に取り組む。

 <東海第二原発> 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給。東日本大震災時は外部電源を失い、冷温停止まで3日半かかった。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。2018年11月に原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認めた。対策工事は21年3月までかかる見込み。再稼働には東海村や水戸市など六市村の同意が必要で、首長がどう判断するかが焦点になる。
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●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑…<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!

2020年03月14日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の社説【3・11から9年 千年先の郷土を守る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020031102000169.html)。

 《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発にしたいのか。原発は安全です、ちゃんと制御アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へアピールしたいのか》。

   『●《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で
         食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》
    《五輪開催年の完全版上映について「国は福島の問題を『終わったこと
     と見せたいようだ福島の人たちの人生をめちゃくちゃにして
     おきながら、はしゃいでいられるのか」と語る》

   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
               聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
    《状況は、アンダーコントロール」「汚染水の影響は、港湾内の
     0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、
     今までも、現在も、将来も全く問題ありませんと。あれから6年。
     いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう

   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考え
     でしょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?
    「アベ様のお答えの一部…「正確な情報発信した」!! COVID19問題
     と言いい、開いた口が塞がらない…。
     息吐く様にウソをつくアベ様の本領発揮」
    「アベ様口癖の「悪夢のような旧民主党政権」…あらゆる意味で、
     悪夢のような最悪な政権はもはや明白です」
    《あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう
     メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの
     原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は
     溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出
     画策されています。(共同声明より)》

   『●桜井勝延氏《そこで経験したことは、国も県も政治家も、現場を見も
     しないでものごとを決定し、責任をとろうとしないという現実だった》


 女川にしろ、東海第二にしろ、核発電所再稼働なんてやっている場合なのか? 「地元」首長の皆さんは、再稼働に同意するのですか? アベ様の《復興原発》に協力するつもり? 東京電力福島第一核発電所周辺の「原状回復」は完了したのですか? 「福島の百姓は終わりだ」という悲嘆を、《今なお続く福島の「不条理」》を、「福島はオリンピックどごでねぇ」ことを、《福島の教訓》をもう忘れたのですか?


   『●言葉が見つかりません…
    《須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだ
     と話していたという》

   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
          東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

   『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…人災を
      起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?
   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さん
     が語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」…。制作者らが映画に
     込めた思いとは――。井上淳一監督、企画した馬奈木厳太郎弁護士、
     出演した白井聡・京都精華大専任講師(政治学)…》

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 虚しき
     「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
         企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●《今なお続く福島の「不条理」》: 東電の初期の主張は
     「無主物」…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
                …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?


 NNNドキュメント’20より。

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/31190.html

2020年3月8日(日) 24:55【拡大枠】
3・11大震災シリーズ(90)
東日本大震災9年
約 束
~それぞれの道~

東日本大震災から9年。被災地では多くの人が懸命に生きている。家族との約束。仲間との約束。故郷への約束。果たしたい約束がある。それは心の支えだ。津波で流された自宅を再建したいと願う老夫婦。震災で家族を失い、1000年後の命を守ろうと中学時代の仲間と石碑の建立に取り組む青年。原発事故で一度はあきらめかけた牧場を復活させ、将来は息子にバトンをつなぎたいと考える男性。岩手・宮城・福島の3局共同制作で送る。

ナレーター/土村芳 放送枠/55分
制作/テレビ岩手 ミヤギテレビ 福島中央テレビ
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 《◆ふるさとを奪わないで 女川いのちの石碑には、震災直後に生徒たちが詠んだ句を一句ずつ刻んでいます。原発に近い塚浜の公園に立つ十三番目の石碑には、こんな句が添えられました。 <故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い、忘れるわけにはいきません》。《建てているのは、女川中学校卒業生の有志でつくる「女川1000年後のいのちを守る会」》(https://www.inochino-kyoukasho.com/)。
 この痛切な願いを、誰よりも忘れたがっているのは、アベ様らではないのですか? だって、《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣》アベ様なのですから。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
   『●SLAPPと原発、沖縄
   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」
     …提言を無視した結果がご覧の通りの事故ある」」

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
     “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020031102000169.html

【社説】
3・11から9年 千年先の郷土を守る
2020年3月11日

 牡鹿半島の付け根に位置する宮城県女川町は、東北電力女川原発のある町です。

 リアス海岸の岬を巡るとあちこちで、高さ二メートル、幅一メートルほどの平たい石碑に出合います。「女川いのちの石碑」です。

 建てているのは、女川中学校卒業生の有志でつくる「女川1000年後のいのちを守る会」。今月一日、十八基目ができました。

 あの日女川町は、最大一四・八メートルの津波に襲われました。

 人口約一万人のうち、死者・行方不明者は八百二十七人に上り、全住宅の九割に当たる約三千九百棟が被害に遭いました。

 東日本大震災の被災市町村の中で、最も被災率の高かった町だと言われています。


◆大震災を記録に残す

 震災翌月、当時の女川第一中(二〇一三年に女川第二中と統合して女川中)に入学した一年生は、社会科の授業で「ふるさとのために何ができるか」を話し合いました。そして震災を記録に残す活動の実践に乗り出すことを決めたのです。

 町内に二十一ある浜の集落すべてに津波は押し寄せました。

 それぞれの津波到達点に石碑を建てておこう、ふるさとの風景に震災の記憶を刻みつけ千年先まで命を守る避難の目安にしてもらおう-

 街頭やSNSで寄付を募ると、半年で目標額の一千万円が集まりました。

 石碑には、警告が刻まれます。

 <ここは、津波が到達した地点なので、絶対に移動させないでください。もし、大きな地震が来たら、この石碑よりも上へ逃げてください。逃げない人がいても、無理矢理にでも連れ出してください。家に戻ろうとしている人がいれば、絶対に引き止めてください


◆津波わずかに高ければ

 末尾には、卒業生から未来へ贈るメッセージも添えました。

 <今、女川町は、どうなっていますか? 悲しみで涙を流す人が少しでも減り、笑顔あふれる町になっていることを祈り、そして信じています>と。

 第一号は一三年十一月、女川浜を見下ろす母校の校庭に建ちました。今年中には二十一基目が完成し、プロジェクトは完了する予定です。

 そんな女川町でも、原発再稼働の手続きが最終段階を迎えています

 女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を逃れたにすぎません

 原発の敷地は、大地震の影響で一メートルも沈下しました原子炉建屋の壁からは、千百三十カ所ものひび割れが見つかりました

 震災で、満身創痍(そうい)にされた原発です。原子力規制委員会の審査を終えて、規制基準に「適合」と判断されはしたものの、とても安心とは言えません。規制委も安全だとは言いません

 「あと三十センチ津波が高ければ、福島と同じになったと思います。原発に絶対の安全はなく、ふるさと喪失のリスクが付きまとう。福島の教訓です。再稼働を許すとすれば、これからも多大なリスクを、しょっていかねばならんのです。住民の命を預かるものとして、そんなことはできません

 原発から三十キロ圏内にある宮城県美里町相沢清一町長は、再稼働にきっぱりと「ノー」を突きつけます

 「目の前に、現実の課題が山積みです。風化だなんてとんでもない。(放射性物質をかぶった)稲わらひとつ、処分できない。避難計画をつくれと言われても、なかなか答えが見つからない。高齢者はどうなるか? 複合災害が起こったときは? 途中で風向きが変わったら? 隣町から逃げて来る人たちは?…。(国や東北電力は何をそう急ぐのか

 東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発にしたいのか原発は安全です、ちゃんと制御アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へアピールしたいのか

 いずれにしても、原発のある風景や暮らしの中に刻み込まれた震災の痕跡を、見過ごすことはできません。風化を許してはいけません

 その一つ一つが、未来ではなく、今を生きる私たちへの「警告」になるはずだから。


◆ふるさとを奪わないで

 女川いのちの石碑には、震災直後に生徒たちが詠んだ句を一句ずつ刻んでいます。

 原発に近い塚浜の公園に立つ十三番目の石碑には、こんな句が添えられました。

 <故郷を 奪わないでと 手を伸ばす

 この痛切な願い、忘れるわけにはいきません
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●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

2020年03月11日 00時00分57秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020012302000130.html)。
レイバーネットの記事【「今日は一番言いにくい話をします」/双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0119shasin)。

 《この区切りの付け方はどうなのか。政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表した▼国が財源を保証している復興・創生期間が二一年三月で終了することを受けての判断だろう。政府にとって震災後十年というのはなるほど、キリの良い数字なのかもしれぬ。されど、その判断が被災地にはどう映るかが心配である。見放され、もはやあの震災は過去のものだと通告されているような気にさせられぬか》。
 《周囲には、双葉町民だということを一切明かさず生きている人もいる。そうすれば職場でも学校でいじめられることがないからだ。鵜沼さんは双葉町民であることを隠さず、テレビや新聞の取材にも応じてきた。いじめやオリンピックへの言及もしたがカットされ、だからこそこういう上映会が貴重なのだと、忙しい農作業の合間をぬって駆けつけてくれた》。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》

 まず、ᴍᴄちょろ@chorho_speakingさんのこのつぶやき(https://twitter.com/chorho_speaking/status/1232479588938207232)に貼られている映像(するめのよっちゃんver.2 沖縄は日本だ さん)をご覧ください。【【原発】菅総理に住民から怒りの声 福島の避難所(11/04/21)】(ANN news)(https://www.youtube.com/watch?v=FuXW2pq014I)。ブログ主は、涙が出て止まらなかった。

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https://twitter.com/chorho_speaking/status/1232479588938207232

ᴍᴄちょろ@chorho_speaking

2011年のテレビって、こんなでしたよ。

フリーダムです


するめのよっちゃんver.2 沖縄は日本だ さんによる
午前10:36 2020年2月26日
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 アベ様はこれまで何をやってきたのか? アベ様口癖の「悪夢のような旧民主党政権」…あらゆる意味で、悪夢のような最悪な政権はもはや明白です。

 何一つ解決せずに…《政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表》。東電・政府・原子力「寄生」委員会等は双葉町を「原状回復」してみせてよ!

   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》…
                 原状回復して見せたのか? 誰か責任は?

 石井宏昌記者による、東京新聞の記事【原発事故で自主避難の丹治さん「福島の復興はまだ先」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/202002/CK2020021202000144.html)によると、《東日本大震災から来月十一日で丸九年となるのを前に、高崎市で十一日、被災地への理解を深めようと市民団体主催の学習会があった。東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県に自主避難した丹治杉江さん(63)が苦悩する避難者や原発事故被災地の現状を報告。「東京五輪を機に政府は原発事故が終わったかのように強調するが、原発立地地域の復興はまだ先福島の現状を知ってほしい」と訴えた。(石井宏昌)》。

   『●カネ色の五つの輪: 「巨大なビジネスなのにボランティアは
             タダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?」
   『●「アンダーコントロール」な訳がない…そもそもウソにウソを
       重ねて、金(カネ)色の五つの輪をニッポン誘致しておいて

 金(カネ)色の五つの輪、いったい、なにが復興五輪か?
 阿部岳さんによる、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]聖火は「聖」なのか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/541537)。《▼東京五輪のリレーは今月始まる。ここに来て、組織委員会が変なことを言い始めた。沿道から撮影した動画はSNSに投稿してはいけない、見つけたら削除を要請するという。ナチス時代にはなかった放映権ビジネスで、放送局に配慮した ▼しかし、競技会場と違って天下の公道は貸し切りではないし、入場の約束事もない。民間団体である組織委が通行人に指図する根拠は不明だ ▼大会の機運を高めるリレーも、商業主義が行き過ぎればスポンサー企業のためだけのイベントになる。ただでさえスポンサー枠で走者が決まり、発着点に営業所が選ばれている…▼出発点になる福島県には原発災害が終わったことにされる警戒感もある。日本でなぜか「聖火」と呼ばれるあの火は、外国語では単に「五輪の火」。過剰にありがたがっていると、大事なことを見落としそうだ。(阿部岳)》。

 東京新聞の記事【原電が断層データ書き換え 敦賀2号審査、規制委が批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020020701002648.html)によると、《原子力規制委員会は7日、原子炉建屋直下に活断層があると指摘されている日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査会合で、原電が提示した地質データに不適切な書き換えがあると指摘した。審査の根幹に関わる問題だとしてこの日の会合を打ち切った。問題となったのは原電が2012年に実施した掘削調査の記録。従来の資料では「未固結粘土状部」と記載していたが、7日の資料は「固結粘土状部」に変わっていた。会合で規制委は「元のデータの書き換えは絶対にやってはいけない。倫理上の問題だ」と批判。原電は、別の方法で詳細に観察した結果を踏まえ記載を修正したなどと弁解、陳謝した》。
 あ~ぁ、核発電「麻薬」中毒な皆さんはやることなすことがデタラメ…何が「世界一厳しい」安全基準か!  「推進」な「寄生」委員会にさへ指摘される始末…。

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…日本原電は
               東海第二原発の再稼働をしたいらしい…

 日刊ゲンダイの記事【“復興五輪”強調に怒り 福島県民「内閣支持率30%」の衝撃】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268223)によると、《安倍内閣を「支持する」は、前回の昨年9月調査から11・1ポイントも下落し、30・3%。逆に「支持しない」は、13・6ポイント増え、53・9%になり、支持と不支持が大逆転したのだ》。
 《700人から回答を得た》…まだ3割はアベ様の内閣を支持! 正気?

 レイバーネットの記事【共同声明 : オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0225hasegawa)によると、《2020東京オリンピックへ向けての聖火リレーが始まろうとしています。しかし、未曽有の原発被害の渦中にある私たちは、「オリンピックどころではない!」と言わざるを得ません。原発事故の被害者がどれだけ「復興五輪」を歓迎しているでしょうか。忘れもしません。2013年9月、ブエノスアイレスでの招致演説で安倍晋三首相はこう言ったのです。状況は、アンダーコントロール」「汚染水の影響は、港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、今までも、現在も、将来も全く問題ありません」と。あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう。メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出が画策されています。(共同声明より)》
 な~にが「復興五輪」だ!

   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で
      計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?

 東京新聞の記事【女川原発2号機 正式適合 再稼働「地元同意」焦点に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020022702000154.html)によると、《原子力規制委員会は二十六日に定例会合を開き、東北電力が再稼働を目指す女川(おながわ)原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が、新規制基準を満たしているとする「審査書」を決定した。これで審査に正式適合した。適合は九原発十六基目となる。女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発で、地震と津波で大きな被害を受けた。被災原発の適合は日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)に続き二基目。再稼働は安全対策工事が完了する二〇二〇年度以降の見込み。今後は地元同意手続きが焦点となる。規制委の更田豊志委員長は記者会見で「震災の影響をきちんと確認した上で、(適合を判断した」と強調。審査結果を地元に説明する機会があれば、専門用語などを使わずに分かりやすく伝えられるよう準備する意向を示した。宮城県知事、女川町長、石巻市長はいずれも「議会の意見を聞いて判断する」などと述べ、再稼働への賛否を明らかにしなかった》。
 「地元」首長、こんなことを許していいのか? 3.11東電核発電人災を忘れたのか?

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
          なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

 東京新聞の記事【<東日本大震災9年>双葉町 一部避難指示解除 駅周辺 帰還困難区域で初】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020030402000162.html)によると、《政府は四日、東京電力福島第一原発事故で福島県双葉町の全域に出ている避難指示を、駅周辺の帰還困難区域など一部で解除した。第一原発が立地する同町は避難指示が出た十一市町村で唯一、全域避難が続いていた。事故以来約九年ぶりに人の出入りが自由になり、復興は一歩前進した》。
 東電や政府は「原状回復」して見せたのですか? 何《歩前進》しないといけないのですか?

 桜を見る会には予算をつけて詐欺師までも招待し、政府の追悼式は止める。どんな神経か?

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●斎藤貴男さん【ジャパンライフと政界、マスコミ、警察の結託…
       腐った構造】《腐り切った構造は世代を超えて受け継がれ…》
   『●「桜を見る会」税金接待…《稲田氏や萩生田氏、世耕氏
     といった安倍首相の側近議員たちも…招待し、もてなしていた》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020012302000130.html

【コラム】
筆洗
2020年1月23日

 <二千年終(おわ)る閂(かんぬき)真一文字>は俳人桂信子さんの句で二〇〇〇(平成十二)年末の作である。一九一四(大正三)年生まれで当時八十五歳。若くして夫を失い、戦争中も一人で生き抜いてこられた方である。阪神淡路大震災も経験した▼「二千年」とは桂さんにとって、そうした苦しさもあった過去そのものなのだろう。そこに区切りのかんぬきをかけ、前を向いていく。そんな決意が句にこもる▼強さやすがすがしさを感じるが、この区切りの付け方はどうなのか。政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表した▼国が財源を保証している復興・創生期間が二一年三月で終了することを受けての判断だろう。政府にとって震災後十年というのはなるほど、キリの良い数字なのかもしれぬ。されど、その判断が被災地にはどう映るかが心配である。見放され、もはやあの震災は過去のものだと通告されているような気にさせられぬか▼復興や再生が終わったとは決して言えまい。原発の問題も残る。なによりも、十年が経過しようが、被災地には癒えることのない悲しみがある。キリ、区切り、節目。そんなものは政府や被災地以外の言い分であって区切りの付けられぬ心の痛みが今なお続いている▼<震災十年終る閂真一文字>か。そのかんぬきをかける音は冷たい。
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http://www.labornetjp.org/news/2020/0119shasin

「今日は一番言いにくい話をします」/双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る

「今日は一番言いにくい話をします」〜双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る
堀切さとみ(『原発の町を追われて』制作者)

 1月19日、東京・高円寺のフリースペース「グレイン」で、『原発の町を追われて』上映会とトークが行われた。30人があつまり、双葉町から埼玉県加須市で避難生活をしている鵜沼久江さん(写真下)の話に聞き入った。

 「今日は一番言いにくい話をします。お金の話です」と鵜沼さん。「避難者は賠償金もらって、いい思いして」と言われているがとんでもない。われわれ双葉町民には『生活再建のためのお金』として一律100万円渡されました。世間ではもらったお金だと思われているみたいですが、借りてるだけそれも強制的な貸付なんですよ」。

 双葉町民には精神的慰謝料として、一人あたり一ヵ月10万円が振り込まれていた時期がある。このことがマスコミで報道されるや、避難者に対する世間の目は、同情からやっかみに変わった。避難先の小中学校で子どもたちはいじめにあい、働きに出た大人たちは「双葉の人間が来たから仕事がなくなった」と責められた。「だからといって、ひと月10万で生活なんてできません。私は避難先で必死になって野菜を作って売って来ましたが、『賠償金いっぱいもらってるのに、なんで働く必要があるんだ』と言われてきました。8年たった今もですよ」と鵜沼さんはいう。

 双葉町は、福島第一原発事故で今も全町避難を余儀なくされている唯一の町だ。この三月、ついに双葉駅を中心に、一部避難指示が解除される。それに伴い、東京五輪の聖火ランナーが双葉町を走ることも決まった(1月21日朝日新聞)。双葉駅はかつては止まらなかった特急が、止まる駅になるのだという。

 「福島第一原発は今も危険な状態にあります。昨年夏に一時帰宅した時、排気塔の撤去作業をしていたためか、付近の放射線量が上がりました。でも町民には何の説明もありません」。避難するのも避難解除するのも、上から勝手に決められてきた。復興再生計画もそうだ。津波で家が流された海沿いの地域は「水田再生ゾーン」になっている。そこに土地をもつ人は「こんなところでコメなんて作りたくない」という。それを見越して町は、福島県外の農業法人にコメ作りを委託している。国や県が決めたことに逆えば大変なことになるから、町長も町会議員も何も言わない。国が安全だといえば日本中が納得し、帰らないのがわがままと言われる。「だったら総理大臣が家族をつれて住んでみてよそうすれば本当に安全なんだって、国民に伝わるから」と鵜沼さんは笑う。

 会場から「どうなることが復興だと思いますか?」と質問が出た。「双葉町に帰って、農業したいんだという人がいる。じゃあ、あんたの息子は引き継いで農業やるのかって聞くと『俺の息子は帰らねえ』っていう。それじゃあ、何のために双葉で農業やるのか。次世代に引き継げない、あと十年やそこらの自分の満足のために帰るなんて。そのための除染費用を、東電が出すならいい。でもそうじゃなくて、皆さんの税金でしょ? 無駄に使わないでほしい」。

 「双葉町は地図からなくなるんじゃない?」。加須市に避難した当初からそう思っていたと鵜沼さんは言う。周囲には、双葉町民だということを一切明かさず生きている人もいる。そうすれば職場でも学校でいじめられることがないからだ。鵜沼さんは双葉町民であることを隠さず、テレビや新聞の取材にも応じてきた。いじめやオリンピックへの言及もしたがカットされ、だからこそこういう上映会が貴重なのだと、忙しい農作業の合間をぬって駆けつけてくれた。

 親戚や孫からは「もうテレビには出ないで」と言われるが怯まない。現実を話し続けること、それ以外に双葉町を存続させる手立てはないと、鵜沼さんは思っている。「お金をもらったからって黙り込んじゃダメ。やましいことでも何でもない」。双葉町民へのメッセージだ。

2020-01-22 16:02:25
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●永渕健一裁判長、東電旧経営陣の刑事裁判で「無罪」《判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる》

2019年10月10日 00時00分30秒 | Weblog


ビデオニュース・ドットコムの記事【劣化した司法に大規模事故は裁けない 添田孝史氏(科学ジャーナリスト)/マル激トーク・オン・ディマンド 第963回(2019年9月21日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/963/)。

 《判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる。…今回の判決は業務上過失致死傷の立証に必要とされる「予見可能性」と「結果回避可能性」の2要件のうち、予見可能性まで否定してしまった》。

   『●東電原発人災…《「失敗の本質」とその責任を
     問》うた上で、核発電「麻薬」中毒患者に「原状回復」させよ
    《「東電原発裁判 福島原発事故の責任を問う」添田孝史著…。
     …福島原発事故は、膨大な放射能をまき散らして大地や水を
     汚染し、今もなお続く避難生活で「原発関連死」が千数百人に
     及んでいる。これほどの事故を起こしながら、いまだに誰一人
     として罪を問われていないことに納得できない人は多いだろう。
     そこで福島県民らが国や東電を「事故は予見可能で、
     対策を怠った」と告発したが、東京地検は2度にわたって
     不起訴とした。だが、東京電力の元経営者3人に絞り、
     検察審査会で強制起訴を勝ち取ったものだ》

 《予見可能性まで否定》していて、核発電所を稼働していいの? 《事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかった》ってどんな論理? アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断をまたしても見せつけられた。そもそも、地震によって破断などの致命的な事故が発生した人災である。阿部岳さんの、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]「東電無罪」の論理】によると、《▼「あらゆる可能性を考慮して必要な措置を義務付けられれば、運転はおよそ不可能になる」とも。言い出したらきりがない、という居直りが加わって未曽有の犠牲が出た。判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》。
 誰も責任をとらない…。《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》。裁判所が、それを認めてしまっていいのか? 《東電刑事裁判が露わにした、そうでなくても劣化が著しい司法が、大規模事故や高度の技術的な問題を裁くことの限界》…。

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
               浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●阿部岳さん【「東電無罪」の論理】《「…運転はおよそ
    不可能になる」…判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》
     ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」

   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
     取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御
     できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
    《倫理観も正義感、透明性、そのすべては原発という国策の前では
     治外法権だといわんばかりだ

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http://www.videonews.com/marugeki-talk/963/

劣化した司法に大規模事故は裁けない
ゲスト 添田孝史氏(科学ジャーナリスト)
番組名 マル激トーク・オン・ディマンド 第963回(2019年9月21日)

 判決の中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣3人が業務上過失致死傷で強制起訴されていた裁判で、9月19日、東京地裁は3被告にいずれも無罪の判決を言い渡した

 確かに検察が二度までも不起訴処分とした事件だ。検察審査会の二度にわたる起訴相当議決によって強制起訴はされたものの、有罪に持ち込むことが容易ではないことは当初から予想されていた。また、企業が引き起こした事件の刑事責任を特定の個人に負わせるためには、多くの法的な壁が存在することも想像に難くない。

 しかし、今回の判決は業務上過失致死傷の立証に必要とされる「予見可能性」と「結果回避可能性」の2要件のうち、予見可能性まで否定してしまった。そもそも今回検察審査会が強制起訴に至った理由は、最高クラスの権威が集まった政府の地震調査研究推進本部2002年に策定した巨大地震の長期評価をもとに各電力会社が予想される津波水位を割り出したところ、福島第一原発においては+15.7メートルという数値が2008年3月の時点で既に出ていたという事実を重く受け止めた結果だった。

 つまり、東京電力は実際に15.7メートルの津波が発生する危険性があることを2008年の時点で知っており、武藤被告を始めとする幹部たちもその後1年以内に、その事実を知らされていながら、対応を取らないまま2011年の3月11日を迎えたことがあの大惨事につながったというのが、検察審査会の議決の骨子だった。検察審査会は、今回のような大津波は十分に予見が可能だったし、対応するだけの十分な時間もあったと判断したわけだ。

 ところが、今回の判決で裁判所は、実際に津波対策を取るための十分な時間がなかったという理由で「結果回避可能性」を否定したばかりか、地震調査研究推進本部の長期評価や東京電力が自らの子会社に作成させた15.7メートルという予想される津波水位も確定的なものではなかったので、本当にそのような高い津波が来ることが予見できたとまでは言えないという、驚くような判断を下してしまった。

 この裁判の傍聴を続けてきた科学ジャーナリストの添田孝史氏は、原発の津波に対する脆弱性の問題は1990年代から指摘されてきた問題で、東電は一貫してこれを先延ばしにすることで、ほとんど何も対応をせずにきたと指摘する。今回も2008年に15.7という数値が出てから東京電力は、あらためて土木学会に検討を依頼するなど、明らかな時間稼ぎをしていた。

 女川原発を持つ東北電力東海第二原発を持つ日本原子力発電のように同じ長期評価を受けて、然るべき対応を取った電力会社もあったことを考えると、これは東京電力に深く根付いた体質と言わねばならないと添田氏は語る。

 それにしても東電はなぜ、防潮堤を15.7メートル超までかさ上げすることに、そこまで強く抵抗したのだろうか。添田氏は、防潮堤の工事の費用くらい東電にとってはなんでもないが、問題はその工事の期間中、福島第一原発の操業を止めなければならなくなることを東電は嫌がったのだろうと説明する。

 15.7メートルの津波が来る可能性があり、現在の津波対策がそれに対応できていないのであれば、現状では福島第一は安全ではないことになる。地元では当然、その間は止めろという話になる。

 ところが、当時の東電は2007年の新潟県中越沖地震で損傷を受けた柏崎刈羽原発が止まっていて業績が悪化していた。更にその上に福島第一を止めるということは、東電としては何としても避けたかったのだろうと、添田氏は言う。

 強制起訴によってこの事件が刑事裁判に持ち込まれたことによって、公判の場で東電内部で何が起きていたのかが白日の下に晒され、3つの事故調を持ってしても全く表に出てこなかった多くの事実が明らかになった

 その意味で、判決は無罪であっても、強制起訴には大きな価値があったことは間違いない。しかし、日航機ジャンボ墜落事故やJR西の脱線事故など、大規模な事故が起きるたびに叫ばれる強制捜査権を持たない事故調査委員会の非力さと、個人を刑事訴追する以外に事実究明の手段がないという不条理な日本の法制度は、そろそろ解決されるべき時に来ているのではないだろうか。

 技術がここまで発展した今日にあっても、いや技術が高度になればなるほど、残念ながらこれからも大規模な事故は繰り返されるだろう。その時に、原因究明が原因企業の善意の協力と、個人の刑事責任の追及に依存したままでは、再発防止はどうにもおぼつかない。

 原発問題を長年取材し、当初からこの裁判を傍聴してきた科学ジャーナリストの添田氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が、東電刑事裁判が露わにした、そうでなくても劣化が著しい司法が、大規模事故や高度の技術的な問題を裁くことの限界などについて議論した。


PROFILE
添田孝史(そえだ たかし)
科学ジャーナリスト
1964年島根県生まれ。88年大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。90年大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了。同年朝日新聞社入社。科学部などを経て2011年より現職。国会事故調査委員会で協力調査員として津波分野の調査を担当。著書に『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判 福島原発事故の責任を問う』など。
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●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

2019年10月07日 00時00分32秒 | Weblog

[『朽ちていった命 ―被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>金のために魂を売ってはならない】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1001110.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/原発マネー、倫理も正義も治外法権!?】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910040000209.html)。

 《「人が制御できないなんて恐ろしい。政府はいつも『大丈夫』と発表するが、本当のことを言っていない」。1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の東海事業所で臨界事故が発生した。当時、近所に住んでいた女性は8歳の頃に感じた恐怖を語った》。
 《★原発を巡りノーと言える人と言えない人の明暗がくっきりと浮かぶ。東北電力女川原発から30キロ圏にある宮城県美里町長・相沢清一…★政治家として町長として立派な発言だ。相沢でなくとも、国が安全だと言ったところで何かあればその責任は現場の町長に及ぶ。…★一方、関西電力の経営陣の対応社会常識と乖離(かいり)している問題。》


 JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? 《女性は窓を閉め切り、クーラーを止め、蒸し風呂のような室内で家族と報道番組を見ていた「重体」と伝えられた作業員2人はその後、死亡した ▼事故で住民600人以上が被ばくした。冒頭の女性は2011年、福島第1原発の事故を受けて取材に応じた》。

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

 《事故後も「安全神話」は生き続け、福島の事故につながった》…なのに、核発電を続けたいという。
 そして、そのためには何でもする核発電「麻薬」中毒な皆さん方。《一方で現在、関西電力役員らの金品受領が明らかになっている。金品は高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から贈られた》。《11年9月、東海村の村上達也村長(当時)は「原子力に向き合う姿勢を正し、金のために魂を売ってはならない」》という警告を無視して。

 やはり核発電は「金のなる巨大木」…原発マネーの《還流》どころか、政治家のセンセのお名前もポチポチと…。
 自民党以外は? お維は、どうなんでしょうねぇ?

 日刊ゲンダイの記事【政界に飛び火 原発マネー“還流”で関電が挙げた議員の名前】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262733)によると、《稲田朋美幹事長代行との関係性に“焦点” 八木誠会長、岩根社長ともに「悪いのは森山氏」と言わんばかりだったが、まずかったのは、報告書に〈森山氏は、高浜町、福井県庁、福井県議会および国会議員に広い人脈を有して(いた)〉と記載したことだ…政界への“飛び火”に今ごろ、安倍官邸は激怒しているに違いない》。

 核発電「金のなる巨大木」に蝟集する人々。
 週刊朝日の記事【関電3億2千万円“裏金” 元助役の関連会社が稲田朋美元防衛相ら自民党議員に献金 後援会長も】(https://dot.asahi.com/wa/2019100300042.html)によると、《その関連会社の「アイビックス」(本社・福井市)が、自民党の稲田朋美元防衛相に献金していたこともわかった。アイビックスの吉田敏貢会長は稲田氏の後援会長を務めていた。稲田氏が代表を務める自民党福井県第一選挙区支部の政治資金収支報告書によると…。また、衆院議員の高木毅氏(福井2区)が代表を務める自民党福井県第二選挙区支部は、16年に警備費用としてオーイングに約19万4千円を支払っていた。…ある野党幹部が話す。「…高木氏がなぜかアポもなく野党の控室にふらっと現れてびっくりした。…野党が何か探ってないか偵察にきたんじゃないか。関電スキャンダルと政治については今後、国会で追及したい」》。
 《“パンツ大臣”高木毅復興相》、大丈夫?

 《倫理観も正義感、透明性、そのすべては原発という国策の前では治外法権だといわんばかりだ

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
               浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●阿部岳さん【「東電無罪」の論理】《「…運転はおよそ
    不可能になる」…判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》
     ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」

   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
     取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1001110.html

<金口木舌>金のために魂を売ってはならない
2019年10月4日 06:00
原発 電力会社 金口木舌

 「人が制御できないなんて恐ろしい。政府はいつも『大丈夫』と発表するが、本当のことを言っていない」。1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の東海事業所で臨界事故が発生した。当時、近所に住んでいた女性は8歳の頃に感じた恐怖を語った

女性は窓を閉め切り、クーラーを止め、蒸し風呂のような室内で家族と報道番組を見ていた「重体」と伝えられた作業員2人はその後、死亡した

事故で住民600人以上が被ばくした。冒頭の女性は2011年、福島第1原発の事故を受けて取材に応じた。「原子力のデメリットを国民は知っておく必要がある」と語っていた

▼JCOの事故は安全を守るマニュアルを無視し、簡略化した手順で作業が行われる中で起こった。根拠のない「安全神話」が命を奪い、住民を危険にさらした

▼事故後も「安全神話」は生き続け、福島の事故につながった。一方で現在、関西電力役員らの金品受領が明らかになっている。金品は高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から贈られた

▼11年9月、東海村の村上達也村長(当時)は「原子力に向き合う姿勢を正し、金のために魂を売ってはならない」と述べた。東海村と福島の事故を経験しても、なお原子力の利用は必要と考えるのか。住民主体で議論を深めていく必要がある。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910040000209.html

政界地獄耳
2019年10月4日10時1分
原発マネー、倫理も正義も治外法権!?

★原発を巡りノーと言える人と言えない人の明暗がくっきりと浮かぶ。東北電力女川原発から30キロ圏にある宮城県美里町長・相沢清一は朝日新聞のインタビューに答え「やはり再稼働はするべきでないと思う。福島の原子力事故から8年半たった今も大勢が避難している。女川原発の30キロ圏内の住民はもとより、宮城県民が原子力の安全性を本当に信頼して再稼働に踏み切るのか、心配がある。特に宮城は農業県』なので事故はあってはならない。もし国が認めてもノーと言わざるを得ない。私たちには住民の命を守る責任があり、万が一の時にはその責任がとれないからだ」。

政治家として町長として立派な発言だ。相沢でなくとも、国が安全だと言ったところで何かあればその責任は現場の町長に及ぶ。慎重になるのは技術的な安全だけではない。福島原発の事故では東京電力や国は事態を絶えず隠蔽(いんぺい)し、発覚してから公表まで時間をずらすなど住民や国民に不誠実に対応してきた。また事故とさまざまなその後に起こった事象との因果関係にも不誠実に対応してきた。つまり、技術の安全宣言よりも信頼関係があるか否かの方がずっと重要でもある。

★一方、関西電力の経営陣の対応社会常識と乖離(かいり)している問題。同社の幹部ら20人が福井県高浜町の故人の元助役から受け取ったとされる3億2000万円相当の金品を断るすべはなかったと説明。幹部らは一様に、怖くて言えないとか、その原資はどこからのものかと考えなかったの問いに、1度も考えなかったと答えている。原発に万が一があってはいけないと町長は体を張って住民を守ろうとしているが、関電幹部は数億円の金が助役から行ったり来たりすることを迷惑だとは感じていたものの、そういった金が飛び交うことに全く注力していないさまが幾度かの会見で垣間見える。原発マネーには調整費や賄賂、裏金が常識で支払うべき側が、金品を受け取る異常なロンダリングが通常行われていたことを示唆するとともに、この金に違和感すら感じていない。倫理観も正義感、透明性、そのすべては原発という国策の前では治外法権だといわんばかりだ。今日からの国会で少しは解明されるのだろうか。(K)※敬称略
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●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した

2019年09月24日 00時00分58秒 | Weblog


沖縄タイムスの【社説[東電旧経営陣に無罪]誰も責任問われぬとは】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/473853)。
琉球新報の【<社説>東電旧経営陣無罪 原子力ムラ擁護の判決だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-993462.html)。
東京新聞の社説【東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019092002000193.html)。

 《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない。市民感覚とのずれに驚くほかない…東京電力の旧経営陣3被告に対し東京地裁(永渕健一裁判長)は無罪判決を言い渡した》。
 《原子力ムラ寄り添った判決と断じざるを得ない。2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に、東京地裁が無罪の判決を言い渡した。事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかったと判示した》。
 《事故の三年前まで時計の針を戻してみよう。国の地震予測である「長期評価」に基づく津波の試算が最大一五・七メートルにのぼるとの報告がなされた。…◆電源喪失予測もあった …原発ありきの発想に立った判決ではないか。「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである》。

   『●「砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を
      照らす意味を持つ」…相変わらずの最「低」裁かな?
    「《五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の
     田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに
     裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に
     見つかった》…ということで、「三権の長でありながら米国の
     干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」をしていた訳です」

   『●最「低」裁判断に失望し、砂川事件の伊達秋雄裁判長は
      程なく退官…《わが国の司法にとって大きなマイナス》

 永渕健一裁判長のお名前を記憶しておかねば。
 一方、時事通信の記事【首相動静(9月19日)】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019091900314&g=pol)によると、《午前9時35分から同50分まで、大谷直人最高裁長官。…》とある。
 判決当日午前、大谷直人最「低」裁長官がアベ様を御訪問…事前に政治判断をご報告ですか? 〝つぶやき〟上では、田中耕太郎長官を想起する、というものもありました。大谷直人最高裁長官は、以下のような方。

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り
      続けるのか?》 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《ツイッターに不適切な投稿をしたとして東京高裁が懲戒を申し立てた
     岡口基一裁判官(52)の分限裁判で、最高裁大法廷
     (裁判長・大谷直人長官)は十七日、投稿内容が「裁判官の品位を
     辱める行状」にあたると判断し、同高裁の岡口裁判官を戒告とする
     決定をした。裁判官十四人全員一致の意見
    「《さまざまな社会事象への裁判官の考えは、個人として
     発信していいのではないか》に賛成です。《問題の核心は、
     高裁長官が「ツイートを続ければ、分限裁判を検討する」
     と岡口氏に言ったことではないのか。もし私的な表現行為の
     自由を封殺する意図ならゆゆしき問題だ》…《今回の決定で、
     裁判官たちが萎縮しないか閉鎖的環境の中に逼塞するのを
     懸念する
》」

 《事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかった》ってどんな論理? アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断をまたしても見せつけられた。

   『●アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断
       …捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認

 日刊ゲンダイの記事【司法が「絶対的安全」を否定 この判決で原発再稼働の狂気】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262181)によると、《原発国家の三権は原子力ムラの腐臭塗れ 台風15号が直撃した千葉県のインフラ寸断は3週目に入ろうとしている。安倍首相は「内閣総理大臣の最も重要な責務は、国民の命を守り、平和な暮らしを守ることであると考えています」などとペラペラ言っているが、安全・安心な国民の暮らしは置き去り。改めてそれがハッキリしたのが、東京電力福島…》。

   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
    「《07年の新潟県中越沖地震では想定を大きく超える揺れを
     記録した》。いま、つぶやき空間では、木村俊雄氏の指摘が話題に。
     これは、2013年9月段階で、すでに指摘されていた。やはり
     「人災」だった…《木村俊雄さんが、フクイチ地震時のデータの
     解析を終えて、結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管
     (小口径配管)から冷却水が漏れた…》」

 地震によって破断などの致命的な事故が発生した人災である。

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」

 アベ様らは「“棄民”政策」がお好きだ。冷酷、冷血。
 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/安倍政権もメディアも国民のことなどなんにも考えていない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262080)によると、《「棄民という言葉があります。(中略)台風15号による被害と同時並行でにぎやかに発足した安倍改造内閣、災害と組閣2つのことを一緒に見ますと棄民の意味がわかります」(金平茂紀・ジャーナリスト) これは9月14日のTBS報道特集で金平さんが語った言葉だ。金平さんは(中略)の部分で、棄民の意味も説明している。「災害や戦争などで酷い目にあっているのに、国やメディアから見捨てられた人々のことです」と。彼がいってることは正しい、国とメディアの罪だ。…なぜならば今回のやらかしは安倍政権にとって、相当にヤバいことだからだ。国民のことなどなんにも考えていないグロテスクな集団だということが露わになってしまった。その証左だった。右に倣えのメディアもおなじだ》。

 東京新聞の社説【東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る】…しかも、前述の通り地震によって破断などの致命的な事故が発生した人災だった。
 吉井英勝議員が再三提言・警告、それを無視したのはアベ様だ。「メルマガ事件」の裏に居たのもアベ様。最悪な無責任な責任者がアベ様。「棄民」政策を繰り返している。

   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト
    《結果は大丈夫だったが、海水注入を中断していれば再臨界が起こる
     可能性があり、このネタが本物なら菅首相はすでに辞任していたかも
     知れない。自民党、安倍元首相の背後には原発を今後も推進したい
     経産省が付いており、この谷垣総裁質問の本質は、菅降ろしのための
     「原発クーデータ」計画
だったといっていいだろう》

   『●「メルマガ事件」東京地裁判決、アベ様の
     「息吐く様に嘘つく」典型例が無罪に、そして、はしゃぐメディア
    《数々の「ニセ情報」を発信して政策を捩じ曲げ、「捏造」によって
     「日本の名誉」を傷つけてきたのは、むしろ安倍首相ご本人》
    《メディア報道や他人の発言を「捏造」「でっち上げ」
     「ウソをばらまいた」と声高に批判する安倍だが、その安倍こそが
     過去に数々のニセ情報を捏造し、発信し、大ウソを拡散させてきた》

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒトは、 
           いま、熊本大分大地震に際して何をしている?
   『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
       「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」
    「同感。そして、例えば、核発電人災で誰か一人でも自民党議員が
     責任をとったという話を聞いたことが無い。デマまで流して
     (アベ様による「メルマガ事件」)、当時の政権に責任を押し付ける、
     しかも、それを司法までが助ける」

   『●「安倍ちゃん…○○の象徴じゃない?…あれぐらいのさ、
            ■■な人じゃないと、多分あんなことやれない…」
    「マツコ・デラックスさん、すばらしい。…《インスタとかSNSっていうのは、
     ようはああいうのって、ものすごい操作できるってこと》…本当に。
     直ぐさま、《菅降ろしのための「原発クーデータ」計画》アベ様の
     デマメルマガ事件」を思い出した。《都合のいい》ことの羅列に
     終始するに決まっていますね、アベ様のインスタ。《安倍首相のほうこそ
     いたるところで見境なくデマを乱発してきた自らのイメージ向上や
     政策ゴリ押しのために「デマ拡散装置」として利用してきた実績》がある訳
     ですし。息吐く様に噓をつく

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

 支離滅裂な東京地裁・永渕健一裁判長の無罪判決。《「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/473853

社説[東電旧経営陣に無罪]誰も責任問われぬとは
2019年9月21日 11:00

 未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない。市民感覚とのずれに驚くほかない。

 2011年3月の福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に対し東京地裁(永渕健一裁判長)は無罪判決を言い渡した。

 勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3被告。いずれも禁錮5年を求刑されていた。

 公判では大津波を予見できたか対策を取れば事故を回避できたかどうかが最大の争点となっていた。

 検察官役の指定弁護士は、国が02年に公表した地震予測「長期評価」を基に、東電が08年に最大15・7メートルの津波が原発を襲う可能性があるとの試算結果を得ており、予見できたと主張。安全対策を取る義務があったのに怠ったと訴えた。弁護側は「長期評価に信頼性はなく、予見できなかった」と無罪を主張した。

 判決は3被告に「予見可能性がおよそなかったとは言い難い」としながら、「信頼性、具体性のある根拠を伴った認識ではなかった」と判断。その上で、「原発の運転を止めるには相当な負担と困難があり、津波を予見し、対策工事が終了するまでは運転を停止すべき法律上の義務は認められない」と結論付けた。

 これに納得ができる人がどれだけいるだろうか。安全より運転を重視。予見可能性を指摘しながら、東電が具体的対策を取らなかったことを追認したのである。長期評価の信頼性も否定した。これを生かさないでは何のための長期評価なのか。判決は「無責任体制」を認めたようなものであぜんとするほかない

    ■    ■

 福島第1原発事故の責任を巡っては民事訴訟も提起されている。避難者が国や東電に損害賠償を求めた集団訴訟は各地で約30件起こされ、原告は1万人以上に上る。

 「東電は津波を予見でき、事故を防げた」と評価した判決も多い。

 例えば初めての判決となった17年の前橋地裁判決では国の地震予測の長期評価は合理的とし、これを基に試算すれば、東電は大津波の予見が可能で、08年5月ごろには実際に「予見していた」と指摘した。電源設備の高台移転などの対策を取れば、事故を容易に回避できたとして東電の過失を認めている。電源設備の高台移転など具体的だ。

 刑事は民事より立証のハードルが高いとの声があるのも事実だが、今回の無罪判決には大いに疑問がある。

    ■    ■

 未曽有の原発事故が招いた結果は極めて重大だ。今なお約4万2千人が福島県内外で避難生活を強いられている。

 強制起訴制度は司法に市民感覚を反映させる目的で裁判員制度とともに導入された。今回の無罪判決は市民感覚との乖(かい)離(り)が甚だしい。

 重大事故で個人を超えた企業や法人の「組織罰」を問うための法整備を進める必要があろう。

 東電や旧経営陣は無罪判決によって社会的責任を免れたわけではないことを肝に銘じるべきである。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-993462.html

<社説>東電旧経営陣無罪 原子力ムラ擁護の判決だ
2019年9月21日 06:01

 原子力ムラ寄り添った判決と断じざるを得ない。

 2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に、東京地裁が無罪の判決を言い渡した。事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかったと判示した。

 避難者が集団で国や東電に損害賠償を求めた民事訴訟では、津波を予見でき事故を回避できたとする判決が多い

 刑事裁判では過失立証のハードルが高い。そうだとしても、未曽有の被害をもたらした原発事故で誰も刑事責任を負わないのは納得し難い

 国は「絶対安全」と強調し、各地で原発の設置を推進した。万全の用意があって初めてそう言える。現実には、「絶対安全」だから最高水準の対策は不要という、倒錯した理屈がまかり通った。

 原子力政策を所管する経済産業省、原発を運転する東電など、産官学から成る原子力ムラは本来、原発事故に対して連帯して責任を負わなければならない立場にある規制等を担う国と東電は共犯関係にあったと言えよう。

 「事故が起きないように、また起こったとしても人体や環境に悪影響をおよぼさないよう、何重にも対策が取られています」「大きな津波が遠くからおそってきたとしても、発電所の機能がそこなわれないよう設計しています」

 文部科学省と経産省が10年に発行した小学生・中学生向けのエネルギー副読本「わくわく原子力ランド」「チャレンジ!原子力ワールド」に、このような記述がある。

 政府は、教育現場を含め、さまざまな機会をとらえて安全神話を植え付けようとした

 今回の判決は、自然災害に対し、事故が絶対に起きないレベルの安全性が求められたわけではない―と指摘している。政府の主張がうそ偽りだったことを改めて浮かび上がらせた。

 「あらゆる可能性を考慮して必要な措置を義務付けられれば、法令上は認められた運転が不可能になる」とも判決は断じた。事故当時、「絶対安全」を確保しつつ原発を稼働させることなどできなかったわけだ。ここでも政府の欺瞞(ぎまん)が浮き彫りになる。

 起訴状によると、3被告は大津波を予測できたのに対策を怠り、原発事故によって長時間の搬送、待機を伴う避難を余儀なくさせるなどして、44人を死亡させたとされる。

 電源設備を高台に移し浸水しないように適切な対策を講じていれば、事故は回避できたはずだ。遺族、被害者の無念はいかばかりだろうか。市民感覚から懸け離れた東京地裁の判決である。

 本をただせば、「絶対安全」を掲げて原発建設を推し進めた、政府の国策詐欺同然の手法にたどりつく。原子力ムラの責任を曖昧にしたままでは禍根を残す。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019092002000193.html

【社説】
東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る
2019年9月20日

 東京電力の旧経営陣は「無罪」-二〇一一年の福島第一原発事故で検察審査会が強制起訴した裁判だった。本当に予想外の事故だったのか疑問は残る。

 事故の三年前まで時計の針を戻してみよう。国の地震予測である「長期評価」に基づく津波の試算が最大一五・七メートルにのぼるとの報告がなされた。東電社内の会合で元副社長に「『(津波想定の)水を下げられないか』と言われた」-担当していた社員は法廷で驚くべき証言をした。元副社長は否定し、「そもそも長期評価は信頼できない」と反論した。


◆「力が抜けた」と証言

 社員は「津波対策を検討して報告するよう指示された」とも述べた。だから、その後、防潮堤を造る場合は完成までに四年を要し、建設に数百億円かかるとの報告をしている。元副社長は「外部機関に長期評価の信頼性を検討してもらおう。『研究しよう』と言った」と法廷で応じている。

 てっきり対策を進める方向と思っていた社員は「想定外の結論に力が抜けた」とまで証言した。外部機関への依頼は、対策の先送りだと感じたのだろう。実際に巨大津波の予測に何の対策も講じないまま、東電は原発事故を引き起こしたのである。

 この社員は「時間稼ぎだったかもしれないと思う」「対策工事をしない方向になるとは思わなかった」とも証言している。

 社員が認識した危険性がなぜ経営陣に伝わらなかったのか。あるいは対策の先送りだったのか。これはぬぐえぬ疑問である。

 旧経営陣の業務上過失致死傷罪の責任を問うには(1)原発事故との因果関係(2)大津波などが予見できたかどうか(3)安全対策など結果回避義務を果たせたか-この三点がポイントになる。


◆電源喪失予測もあった

 東京地裁は争点の(2)は「敷地高さを超える津波来襲の予見可能性が必要」とした。(3)は「結果回避は原発の運転停止に尽きるが、原発は社会的有用性があり、運転停止だと社会に影響を与える」ため、当時の知見、社会通念などを考慮しての判断だとする。

 原発ありきの発想に立った判決ではないか。「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである

 宮城県に立地する東北電力女川原発との違いも指摘したい。女川原発が海抜一五メートルの高台に建てられたのは、八六九年の貞観地震を踏まえている。だから東日本大震災でも大事には至らなかった。

 〇八年の地震予測「長期評価」が出たときも、東北電力は津波想定の見直しを進めていた。ところが、この動きに対し、東電は東北電力に電子メールを送り、津波対策を見直す報告書を書き換えるように圧力をかけた。両社のやりとりは公判で明らかにされた。

 「危険の芽からは目をそらすな」-それは原発の事業者にとって常識であるはずだ。旧ソ連のチェルノブイリ事故が示すように、原発でいったん事故が起きれば被害は極めて甚大であり、その影響も長期に及んでしまう

 それゆえ原発の事業者は安全性の確保に極めて高度な注意義務を負う。最高裁の四国電力伊方原発訴訟判決でも「(原発の)災害が万が一にも起きないように」と確認されていることだ。

 「最大一五・七メートルの大津波」という重要なサインが活(い)かされなかったことが悔やまれる。〇四年にはスマトラ沖地震の津波があり、インドの原発で非常用海水ポンプが水没し運転不能になった。〇五年の宮城県沖地震では女川原発で基準を超える地震動が発生した。

 これを踏まえ、〇六年には旧経済産業省原子力安全・保安院と電力会社による勉強会があった。そのとき福島第一原発に敷地高一メートルを超える津波が来襲した場合全電源喪失から炉心損傷に至る危険性が示されている

 勉強会が活かされたらとも悔やむ。防潮堤が間に合わなくとも電源車を高台に配備するなど過酷事故対策が考えられるからだ。福島第一原発の非常用電源は地下にあり、水没は容易に発想できた。国会事故調査委員会では「明らかな人災」と厳しく非難している。

 今回の刑事裁判は検察が東電に家宅捜索さえ行わず、不起訴としたため、市民の検察審査会が二度にわたり「起訴すべきだ」と議決したことによる。三十七回の公判でさまざまな事実関係が浮かんだ意義は大きい。


◆地震の歴史は繰り返す

 安全神話が崩れた今、国の原発政策に対する国民の目は厳しい。歴史は繰り返す。地震の歴史も繰り返す。重大なサイン見落としによる過酷事故は、やはり「人災」にも等しい。繰り返してならぬ。苦い教訓である。
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●東電は《企業版ふるさと納税制度を利用し、子育て支援事業などにおよそ4億円を寄付》って、酷い冗談!?

2019年04月14日 00時00分07秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【東電が東通村に「ふるさと納税」4億円 “返礼”は原発建設か】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250639)。

 《東京電力が原子力発電所の建設を進めている青森県東通村に「企業版ふるさと納税」制度を利用して約4億円を寄付する方針を固めた》。

   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…
       《安全神話、経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず
   『●それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…
           東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらく
   『●中西宏明経団連会長《再稼働が進まない要因を、 
      原発と原爆を同一視する地域住民の理解不足と決めつけ》?
   『●《ニコニコ》の山下俊一《先生も小児の甲状腺被ばくは
          深刻なレベルに達する可能性があるとの見解です》
   『●《県がこのまま原発を進めれば地域破壊がさらに進み、
          住民を苦しめ続ける。権力がそこまでしていいのか》
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》 
                 …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?
   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
      日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…
    「東京電力核発電人災という「致命的かつ超巨大な教訓」に何も学んでいない。
     そして、フザケルなー!、東電…《福島第一原発事故の賠償を続ける
     東電が他社の原発を支援》。東電は、東海第二再稼働へ資金…
     フザケルナー! 《廃炉・賠償 援助の余裕なし》のはず」

   『●核発電「麻薬」中毒患者・中西宏明経団連会長自ら、
        ニッポンは《民主国家ではない》ことを立証して見せた

 朝日新聞の記事【ふるさと納税、趣旨反した自治体は対象外に 新基準公表】(https://www.asahi.com/articles/ASM3X4WMWM3XUTFK00X.html)によると、《ふるさと納税制度の対象自治体が6月から事前審査制になる。総務省が28日、事前審査して指定する仕組みに変えると公表し、指定基準を自治体側に説明した。豪華な返礼品や過剰な宣伝をする自治体は指定されないことになり、納税者が寄付しても住民税などが減るメリットはなくなる。過度な返礼品競争を規制する改正地方税法が27日に国会で成立したことを受け、総務省が基準を公表した。指定基準は、返礼品は地場産品 返礼品の調達額は寄付額の3割以下 返礼品を強調した宣伝広告をしない――などとした。指定された後に違反がわかれば、2年間指定を受けられなくする》そうだ。

 《これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…でもって今、東電は巨大な利益を上げている…》。無責任に反省無しどころか、核発電所再稼働という世界の潮流に逆らうドアホウぶり。九電なんて、核発電所がブラックアウトしないように太陽光発電を遮断する始末だ。

   『●「これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…
             でもって今、東電は巨大な利益を上げている…」

 それが今度は、〝ふるさと納税〟…《企業版ふるさと納税制度を利用し、子育て支援事業などにおよそ4億円を寄付》って、核発電建設や核発電「麻薬」中毒になることのどこら辺が子育て支援になるのだろうか? 東電だけでなく、《停止中の東通原発の再稼働を目指す東北電力も同額の寄付をする方針》だそうだ。

   『●メルトダウンする原発推進党
   『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開
   『●原発をそんなところに建て、稼働してきた責任をどう取るのか?
   『●原発推進派に未来を託していいのか?
   『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず
   『●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(1/2)
    《同じことが東通原発(青森、東北電力)の安全審査でも起きている。
     実はこの原発も、2013年2月に「敷地内にある断層群の多くが
     活断層である可能性が高い」と、規制委の調査団が認定する報告書を
     まとめていたのだ。
       ところが、東北電力側が反論、「これは地層が水を吸って膨張する
     いわゆる『膨潤現象』で形成されたもの」という、かなり無理な主張の
     追加調査書を提出。それをもとに調査団が再議論。
       一度、規制委として結論を出したものを、電力会社側が反論すれば
     再調査する。これでは、いつまで経っても終わらない。
       なぜこんなことが起るのか。原子力関連ではよくあることだが、
     審議会や調査団のメンバーがいつの間にか入れ替わっていて、
     最初の結論とは違う方向へ議論が誘導される。電力会社側が、それを
     画策している。そして、規制委はまんまとその電力側の意図に乗った…?》

 2007年に、ふるさと納税の創設を表明したのは当時の総務相である現・最低の官房長官。ふるさと納税での華美・過剰な返礼品に対する批判の声が、総務省から上がっている。《企業版ふるさと納税制度》での過剰な返礼品(=核発電所建設)に(ふるさと納税という愚策の提案者?、な)最低の官房長官は文句を言わないのだろうか?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250639

東電が東通村に「ふるさと納税」4億円 “返礼”は原発建設か
2019/03/28 14:50

     (東京電力(C)日刊ゲンダイ)

 東京電力が原子力発電所の建設を進めている青森県東通村に「企業版ふるさと納税制度を利用して約4億円を寄付する方針を固めたという。28日のNHKニュースが報じた。

 東電が東通村で進めていた原発建設は8年前の東日本大震災で中断。東通村は見込んでいた原発の固定資産税などが入らず、財政が逼迫しているとして、東電などに寄付を求めていた

 これを受けて東電は、企業版ふるさと納税制度を利用し、子育て支援事業などにおよそ4億円を寄付することを決めた。

 停止中の東通原発の再稼働を目指す東北電力も同額の寄付をする方針。

 国から支援を受けている東電特定の自治体に寄付することへの批判に加え、福島第1原発事故の被災者への損害賠償や支援を優先すべきだという声もある。

 折しも27日、避難を強いられた福島県飯舘村などの14世帯42人が計約17億円の損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁が東電に対してスズメの涙の2100万円の支払いを命じたばかりだ。同様の集団訴訟は全国で約30件に上る。
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●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…

2019年03月10日 00時00分58秒 | Weblog


2017年11月25日の東京新聞の社説『東海第二原発 延命は割に合わない』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017112502000162.html)。
2018年4月5日の東京新聞の社説【玄海原発 小さな穴の大きな教訓】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018040502000143.html
2018年4月6日の東京新聞の宮尾幹成記者・伊藤弘喜記者による記事【東電、他社原発を支援 東海第二再稼働へ資金 東北電と対策費】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201804/CK2018040602000145.html)。
2019年3月1日の東京新聞の山下葉月記者による記事【東海第二原発 100万人の逃げ場あるか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019030102000146.html)。

 《日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、なおさらだ…3・11後、安全対策のハードルは高くなり、四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、さらに特別な対策が必要とされている》。
 《九州電力玄海原発3号機の配管で見つかった小さな穴は重大だ。原子力規制委員会の審査で「世界一厳しい基準」に適合とされ、再稼働した直後のトラブルだ。「アリの一穴」という故事もある》。
 《福島第一原発事故の賠償を続ける東電が他社の原発を支援することに、批判が集まるのは確実…千七百四十億円のうち、原電が自社で賄えない分について東電と東北電に協力を求め、両社は三月三十日にそれぞれ社長名の文書で支援の意向を表明…廃炉・賠償 援助の余裕なし 東電が原電を援助する意向を示した。だが東電は利用者の電気代や国からの支援がなければ、福島第一原発の廃炉や賠償費用などを賄えない身他社を援助している場合ではない》。
 《日本原子力発電が東海第二原発の再稼働を明言した。3・11の津波被災原発なのに、百万人近い周辺住民の避難計画はほとんどできていない。大地震の危険が再び迫る中、これで理解が得られるか。…原電側の唐突な「再稼働表明」に、茨城県の大井川和彦知事は「県の安全性評価結果を待つべきではないか」と不快感を表した》。

   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代…
       時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
   『●玄海原発「MOXの安全性の立証」はできたのか!? 
            「プルトニウムは飲んでも大丈夫」だから??

 四十年廃炉のルール、トンだ「例外中の例外」…核発電「麻薬」中毒者達は一体誰に「忖度」? 何故にそこまでして再稼働したいのか?

   『●レトリックを吹聴する…「政治判断」乱発な
       最「低」裁を頂点とする裁判所の劣化がニッポンをメルトダウン
   『●中西宏明経団連会長《再稼働が進まない要因を、
       原発と原爆を同一視する地域住民の理解不足と決めつけ》?

 東京電力核発電人災という「致命的かつ超巨大な教訓」に何も学んでいない。
 そして、フザケルなー!、東電…《福島第一原発事故の賠償を続ける東電が他社の原発を支援》。東電は、東海第二再稼働へ資金…フザケルナー! 《廃炉・賠償 援助の余裕なし》のはず。

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」

 東京新聞の記事【浪江のADR 速やかな救済遠のいた】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018041002000160.html)によると、《福島県浪江町の住民が東京電力に対し、原発事故に伴う慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続きADR)は決裂した。未曽有の事故被害で早期解決を目指すとした制度は十分に機能したのか》。

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」

 日刊ゲンダイの記事【どの口が言うのか 東電が原発再稼働支援に「適切な判断」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/227020)によると、《被災者をバカにするにも程がある。東電が日本原子力発電(日本原電)の東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働に向けて資金援助を決めた問題は、被災者の気持ちを逆なでするものだ。11日の衆院予算委で立憲民主党の枝野幸男代表がこう吠えた。「まだ多くの人が東電の賠償方針に不満を持ち、争っている。こういう状況で他の会社の原発に資金支援する金があったら、『賠償に回せ、廃炉に回せ、電気料金を下げろ』ですよ」 答弁に立った東電の小早川智明社長は、日本原電への支援について「当社として適切な判断」「経済事業を通じて資金を確保することで、福島への責任をまっとうしていく」などとノラリクラリだったが、冗談じゃない》。

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」

 東京電力社長の答弁が酷い。そんなことを、東電核発電人災の被災者の人々に向かって言えるのか!? 経済産業委員会での辰巳孝太郎(日本共産党)さんによる質疑(1時間40分あたり、http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=4756&type=recorded)。

 東京新聞の2018年6月15日の記事【東電、柏崎刈羽頼み 福島第二原発、廃炉へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018061590070233.html)によると、《福島第二原発(同県富岡町、楢葉町)の全四基を廃炉にする方向で検討すると表明》。
 何を今頃。当たり前でしょっ。さっさと廃炉作業を。柏崎刈羽再稼働やよその核施設への投資なんてやっている暇があるのか?

   『●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、
      一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…
   『●東電核発電人災から7年:
    「村の生活は百年余りにわたり、人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●「これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…
            でもって今、東電は巨大な利益を上げている…」

 東京新聞の記事【再稼働方針、6市村に伝達 東海第二 原電へ厳しい批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019030102000146.html)によると、《原電…村松衛社長は二十八日、再稼働の際に事前同意を必要とする協定を結んでいる六市村の首長と水戸市内で面会し、再稼働の方針を伝えた。再稼働に慎重な首長側からは厳しい意見が出た》。
 「あとは野となれ山となれ」…核発電「麻薬」中毒者のやることは正気じゃぁない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017112502000162.html

【社説】
東海第二原発 延命は割に合わない
2017年11月25日

 日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発の二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、なおさらだ。
 日本原子力発電(原電)は国内唯一の原子力発電専業会社、原発による電気を電力小売会社に販売する卸売会社である。
 沖縄を除く九電力などが出資して、一九五七年に設立された。
 茨城県東海村と福井県敦賀市に計四基の原発を持っていた。
 このうち六六年運転開始、日本初の商業用原子炉である東海原発は、三十二年で運転終了、廃炉、解体中。七〇年稼働の敦賀1号機も廃炉が決まっている。
 八七年稼働の敦賀2号機は、直下を活断層が走る恐れが指摘され、廃炉やむなしの公算大。七八年運転開始、来年操業四十年の東海第二を延命させないと、売るものがなく、電力卸売会社としての存続が困難になる。
 しかし、延長の前には高い壁がある。資金繰りの壁である。
 3・11後、安全対策のハードルは高くなり、四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、さらに特別な対策が必要とされている。
 東海第二ではこれまでに、規制委に防潮堤の設計変更や、新しい循環冷却システムの設置を求められ、再稼働にかかる予算は当初の二倍以上、約千八百億円に膨らんだ。原電は、積み立てが義務付けられた廃炉資金さえ、残高不足、自前の調達は困難な状況だ。
 東海第二だけではない。東京電力柏崎刈羽原発は、3・11後の新たな規制にこたえるため、これまでに六千八百億円を費やした。
 これは東芝を揺るがす原発関連の損失額に匹敵する金額だ。いずれにしても尋常な額ではない
 安全を追求すればするほど、対策費は当然かさむ。
 電力自由化の時代、電気料金に転嫁するにも限度がある。
 東海第二の場合、三十キロ圏内に全国最多の百万人近い人口を抱えている。県都の水戸市もすっぽり含まれる。事故の際、どこへ逃げればいいのだろうか。
 東海第二は“割に合わない原発”の典型なのだ。無理な延長、再稼働はすべきでない。
 それより原電は、実際の廃炉、解体を他社に先んじて進めている。その分野に業態を転換してはどうだろう。原発高経年化の時代。確実に、需要は伸びる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018040502000143.html

【社説】
玄海原発 小さな穴の大きな教訓
2018年4月5日

 九州電力玄海原発3号機の配管で見つかった小さな穴は重大だ。原子力規制委員会の審査で「世界一厳しい基準」に適合とされ、再稼働した直後のトラブルだ。「アリの一穴」という故事もある。 

 直径約一センチの穴ひとつ、放射能を含まない水などを循環させる二次系の配管で見つかった。小さな穴で、放射能漏れもなかったとはいうものの、見過ごしにはできない出来事だ。

 政府や大手電力事業者が「世界一厳格だ」と胸を張る、3・11後の新たな原発規制基準。その基準をパスして再稼働した玄海原発3号機から蒸気漏れが見つかったのは、再稼働から八日目で、発電出力は75%に達していた。

 玄海原発2号機では二〇〇七年、核燃料に直接触れる一次冷却水につながる配管で、ひび割れが見つかった。

 地元住民らでつくる市民団体が「検査体制は未改善。(2号機同様)経年劣化による配管の破損で重大事故の恐れがある」などとして、3、4号機の再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、佐賀地裁は昨年六月、「九電が必要な対策を実施しており、同様の事態が生じる恐れがあるとは認めがたい」と、申し立てを却下した。

 配管の小さな穴は、原子力規制委員会や司法による安全判断の信頼性に、大きな穴をあけてしまったのではないか。

 九電から佐賀県への連絡は、蒸気漏れが確認されてから、二時間後のことだった。電力事業者の安全認識にも、再び疑問符がついたと言えるだろう。

 九電の瓜生道明社長は「(3号機は)七年間停止しており、再稼働で何が起こるかわからないということが現実になってしまい、残念」と述べている。その通り。

 だとすれば、すでに再稼働した原発の総点検が、必要になるのではないか。

 3・11後、原発が再稼働されるたび、津波対策や非常用電源の多重化などが特に強調されてきた。もちろん大事なことである。

 だが、原発の配管は極めて複雑だ。福島の事故についても、地震の揺れによる配管や電気設備の損傷が過酷事故につながったという疑いは、まだぬぐえていないのだ。

 九電側は雨水による腐食らしいとしているが、予防はできなかったのか。老朽化や経年劣化の影響をもう一度精査せよ、場合によっては地震の揺れの影響もと、小さな穴が警告を発してくれている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201804/CK2018040602000145.html

東電、他社原発を支援 東海第二再稼働へ資金 東北電と対策費
2018年4月6日 朝刊

 東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働を目指す日本原子力発電(原電)は五日、原子力規制委員会の審査会合で、新規制基準適合と運転延長のための対策費千七百四十億円について、東京電力と東北電力から援助の意向が示されたと報告した。資金繰りのめどが付き、審査は大詰めを迎える。だが、福島第一原発事故の賠償を続ける東電が他社の原発を支援することに、批判が集まるのは確実だ。 (宮尾幹成

 原電は大手電力各社が出資する原発専業会社で、東電と東北電は電気を購入する契約を結んでいる。千七百四十億円のうち、原電が自社で賄えない分について東電と東北電に協力を求め、両社は三月三十日にそれぞれ社長名の文書で支援の意向を表明した。東北電は債務保証などをするとしたが、東電は具体的な支援方法までは示さなかった。

 東海第二の対策費は防潮堤など大規模工事が必要となり、当初想定の倍以上に膨れあがった。対策費が千七百四十億円を超えた場合は、原電は両社と再協議することも検討している。

 新基準審査は地震や津波対策など主な課題を終え、規制委が適合の条件として、対策費の資金繰りにめどを付けることを求めていた。今後、事実上の適合を示す「審査書案」を取りまとめる。ただ運転開始四十年となる十一月末までに、運転延長の審査も通らなければ廃炉となる。

 審査を通過しても、再稼働には地元同意が必要。原電は三月二十九日、立地する東海村以外の周辺五市にも事前の同意権を拡大した協定を結び、県と六市村の同意が不可欠となった。一つの自治体でも了解しなければ、再稼働できない。水戸市議会は再稼働反対の意見書を可決する見通しとなっている。


◆廃炉・賠償 援助の余裕なし

 東電が原電を援助する意向を示した。だが東電は利用者の電気代や国からの支援がなければ、福島第一原発の廃炉や賠償費用などを賄えない身他社を援助している場合ではない

 原電は原発で発電した電気を電力会社に売る卸売会社だが、稼働中の原発はない。収入源がない中で東電や中部電力など電力五社から毎年、一千億円規模の「基本料金」を受け取り、綱渡りの経営を続けている。

 原電が保有する原発四基のうち、東海(茨城県東海村)と敦賀1号機(福井県敦賀市)は廃炉作業中。敦賀2号機(同)は直下に活断層があると指摘され原子力規制委員会が活断層と判断すれば廃炉は必至だ。

 さらに東海第二も再稼働できず廃炉になれば、原電は発電の手段を失い経営破綻の恐れが出てくる。そうなれば原電の筆頭株主(出資比率約28%)の東電は打撃を受ける。これが東電が原電を援助する理由だ。

 だが東電に他社を援助している余裕はないはずだ。政府は福島事故の処理費用を二十一兆五千億円と見込むが、費用の一部には税金や利用者の電気代が充てられる。しかも処理費は見込みより膨らむ恐れがある。

 現状は火力発電や再生可能エネルギーで大半の電気が賄えており、今後電力需要が増える見込みは薄い。

 龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「先細りの原発に依存する原電を一時的に支援しても問題の先送りになるだけ。原電をいかに『たたんでいくか』を議論する方が合理的だ」と話す。 (伊藤弘喜
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019030102000146.html

再稼働方針、6市村に伝達 東海第二 原電へ厳しい批判
2019年3月1日 朝刊

 東海第二原発(茨城県東海村)を運営する日本原子力発電(原電)の村松衛社長は二十八日、再稼働の際に事前同意を必要とする協定を結んでいる六市村の首長と水戸市内で面会し、再稼働の方針を伝えた。再稼働に慎重な首長側からは厳しい意見が出た。

 六首長との会合で方針を表明するのは初めて。村松社長は二十二日に東海村と水戸市に方針を伝えたが、他の四市は個別の面会に応じていなかった。

 会合は非公開。東海村の山田修村長によると、首長側は「住民の理解がないまま(防潮堤などの)工事を進めるのはどうなのか」などの声が出たという。今後は原電と首長らによる協議の前に、六市村と原電による事務レベルの連絡協議会をつくり、原電の説明事項を検討することを決めた。

 山田村長は面会後の取材に「原電が一方的に前に進むイメージが強い。協定に基づいて協議がされていくのか危機感を持った」と述べた。村松社長は「意見交換や調整が不足している。信頼関係をしっかり築いていきたい」と話した。

 六市村と原電は昨年三月、「再稼働の際、六市村の実質的な事前了解を得る」と規定する協定を結んだ。 (山下葉月)
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●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」

2018年03月11日 00時00分35秒 | Weblog


東京新聞の社説【102歳の自殺 原発事故のもつ罪深さ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018022402000168.html)。
日刊ゲンダイの城南信用金庫の顧問・吉原毅さんへのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/吉原毅氏突く原発推進の矛盾 “自然エネは儲かる”が新常識】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223325)。

   『●言葉が見つかりません・・・
    「須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだと話していたという」。

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』: 
         「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
          『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」: 
         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり
   『●「原発さえなければ…」: それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?

 《福島第一原発事故による強制避難を前に百二歳の男性が自殺した。福島地裁が東京電力に対し遺族への賠償を命じたのは、事故との因果関係を認めたからだ。原発事故の罪深さをあらためて思う》。
 《福島第1原発事故を受け「脱原発」を宣言した異色の金融マンは、絶対に「原発ゼロ」をあきらめない。…産経新聞…素晴らしい批判をいただき、感謝申し上げる次第です。おかげで原発推進派の典型的な考え方がよく分かりました。産経新聞でさえ、世界のエネルギー情勢を誤認している。真実を教えて差し上げ、認識を改めていただこうと反論書を送りましたが、いまだ回答はいただけていません》。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?

 《政府は原発再稼働の政策を進める。だが、原発事故という取り返しのつかない罪をこの判決は、われわれに思い出させる》…強い憤りを感じる。《戦前の日本軍も、「航空主兵論」が世界の趨勢だったのに、時代遅れの「大艦巨砲主義」に固執し、戦艦大和に莫大な資金と労力を費やし、無用の長物と化した。その結果、この国は一度、滅びたのです。現政権は同じ轍を踏んでいるように見えます》…核発電「麻薬」中毒患者がこの国を滅ぼす。

 東京新聞の記事【仮設打ち切り 怒りの春 「何もできねえうちから戻れって。早いんでねえか」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018022790070520.html)によると、《東京電力福島第一原発事故で全域避難した七町村のうち、避難指示が最初に解除された福島県楢葉町(ならはまち)。二〇一五年九月の解除から二年半たっても、住民は32%しか帰還していない。三月末には町外にある仮設住宅の提供が打ち切られ、全員が退去を迫られる。町に帰るか、町外に移り住むかの選択を強いられる住民からは、怒りや不安の声が上がっている》。
 東電や原子力「寄生」委員会、アベ様ら核発電「麻薬」中毒患者福島県楢葉町を《原状回復》して見せよ。話はそれからだ。

 マガジン9の記事【雨宮処凛がゆく!/第43回:3・11から7年〜遺族が見る「大切な人の夢」〜の巻】(http://maga9.jp/180221-3/)/《だけど、「忘れない」ということ以外に、できることは多くない。…心の復興。おそらく、今、一番置き去りにされていることだ。どうしたら、それに少しでも役立つことができるのか。わからないまま「あの日」が近づくたびに、こうしてあの日にかかわる言葉に触れ、書くことしかできない》。

   『●マガイ物ではないモノもある ~城南信金~
   『●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者
   『●経団連は原発推進・復活の第4案を希望?
   『●脱原発は可能: ビジョンある金融機関(城南信金)のトップもいる
   『●城南信金の吉原毅理事長が退任・・・
      脱原発という、「理事長交代後も考え方は引き継がれ」て欲しい
   『●警察や消費者庁の沈黙…「商取引の原則」を無視して、
            なぜ核発電料金を支払わなければならないのか?
   『●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の救い様の無さと、
                        アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」

 吉原毅さんへのインタビュー記事に出てくるアベ様広報紙といったマスコミも核発電「麻薬」中毒そのもの。
 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/日本は原発輸出も 世界で普及が進む再生可能エネルギー】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221757)によると、《総額3兆円という日立のイギリスへの原発輸出プロジェクトについて、安倍政権は政府系金融機関が出資し、メガバンクの融資についても政府保証をする方針だという。原発の再稼働も進めるつもりだ。しかし、こうした動きは国際社会とあまりにも隔絶している》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018022402000168.html

【社説】
102歳の自殺 原発事故のもつ罪深さ
2018年2月24日

 福島第一原発事故による強制避難を前に百二歳の男性が自殺した。福島地裁が東京電力に対し遺族への賠償を命じたのは、事故との因果関係を認めたからだ。原発事故の罪深さをあらためて思う。

 福島県飯舘村。農家で生まれた男性は長男で、尋常小学校を出たあと、父母とともに農地を開拓した。牛馬を飼い、田畑を耕した。葉タバコや養蚕も…。

 次男の妻は共同通信に対し、「年を重ねてからは老人会で温泉に出掛け、地域の祭りでは太鼓をたたいて楽しんでいた」と答えている。九十九歳の白寿を祝う宴には、村中から百人近くも集まったともいう。そのとき、「大好きだった相撲甚句を力強く披露した」とも次男の妻は語り、忘れられない姿となったという。

 二〇一一年。原発事故が起こり、飯舘村が避難区域となると知ったのは四月十一日である。

   「やっぱりここにいたいべ

 男性はこうつぶやいたという。両手で頭を抱えるようなそぶりで下を向いた姿を見ている。二時間もテレビの前で座り込んでいた。

 次男の妻は「避難指示はじいちゃんにとって、『死ね』と言われるのと同じだった」と受け止めている。確かにそうだろう。

 福島地裁の判決も、男性の百年余に及ぶ人生を語っている。

 <結婚や八人の子の誕生と育児、孫の誕生を経験し、次男の妻、孫と生活した。村の生活は百年余りにわたり、人生そのもので家族や地域住民との交流の場だった>

 だから、避難は男性にとり、過酷なストレスとなる。科学的に言えば、降った放射性物質セシウム137の半減期は約三十年。避難は長期にわたるのは必至で、これも耐えがたい苦痛である

 「ちいと俺は長生きしすぎたな」と避難前にこぼした。判決は「不自由な避難生活の中で家族に介護という負担をかけるのを遠慮したと認めるのが相当」と述べた。原発事故と避難が男性を押しつぶすストレスを与えた。そして、首を吊(つ)って自殺したのだ。

 原発事故での自殺をめぐる訴訟で東電への賠償命令はこれで三件目になる。一方、東日本大震災や原発事故の関連自殺者は厚生労働省調べで一七年までに、福島県は九十九人。岩手県や宮城県のほぼ倍だ。

 政府は原発再稼働の政策を進める。だが、原発事故という取り返しのつかない罪をこの判決は、われわれに思い出させる。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223325

注目の人 直撃インタビュー
吉原毅氏突く原発推進の矛盾 “自然エネは儲かる”が新常識
2018年2月19日

     (「自然エネ価格は世界規模で急速に低下し、石炭や天然ガスよりも
      安くなっている」/(C)日刊ゲンダイ)

 福島第1原発事故を受け「脱原発」を宣言した異色の金融マンは、絶対に「原発ゼロ」をあきらめない。

 先月には小泉純一郎元首相らと「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表。全ての原発の即時廃止と自然エネへの全面転換を目指す内容に、「原子力ムラ」に毒されたメディアがかみついたが、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長の吉原毅氏は「批判はすべて事実誤認」とあきれ顔だ。多くの国民が知らされていない世界のエネルギーの新常識とは――。


■原子力ムラが殺す日本の技術

  ――基本法案について、産経新聞が1月14日付の社説で〈亡国基本法案〉〈夢想の虚論〉〈これでは国が立ちゆかぬ〉と痛烈に論評していました。これに反論したそうですね。

 素晴らしい批判をいただき、感謝申し上げる次第です。おかげで原発推進派の典型的な考え方がよく分かりました。産経新聞でさえ、世界のエネルギー情勢を誤認している。真実を教えて差し上げ、認識を改めていただこうと反論書を送りましたが、いまだ回答はいただけていません。

  ――産経の社説は〈太陽光や風力発電の電気代が年々、家計に重くのしかかっている〉と高コストを指摘していました。

 海外で言ったら、笑われますよ。世界の常識を全くご存じない。自然エネ価格は世界規模で急速に低下し、比較的低コストの石炭や天然ガスよりも安くなっています。太陽光の最安値は1キロワット当たり1・77セント。円換算で2円を切る。風力も肉薄しています。

  ――ところが、政府は「原発のコストは安い」と喧伝し、ベースロード電源の20~22%に組み込もうとしています。

 コスト計算はわれわれ金融機関が専門です。経済人なら、誰もが原発は採算割れだと知っています。さすがに政府もウソをつけないのか、資源エネルギー庁の発電コストの検証資料には、原発だけ「1キロワット当たり10・1円~」と余計な「~」が付いています。「~」とは無限大の可能性もあるということ。苦肉の策の真意を読み取ってあげなければいけません。

  ――発電コスト低下の裏で何が起きているのですか。

 目覚ましい技術革新です。太陽光や風力の発電設備はシンプルで、生産するほど習熟曲線効果で技術は進歩する。大量生産によって製造コストは下がり、設備投資の額も安くなる。特に中国は愚直なまでに品質を年々向上させ、世界中で飛ぶように売れています。ソーラーパネルと風力装置はともに中国企業が世界シェア首位。今や世界一の自然エネ大国です。

  ――日本のメーカーはどうなのですか。

 技術面で後れを取っています。私も各地の自然エネ推進プロジェクトに関わっていますが、太陽光も風力もバイオマスも、まず日本製が採用されない。現場に聞くと、実績がないし、故障が多いと言うのです。「世界に誇る日本の技術」も経験を積まなければ、国際競争に勝てない。原子力ムラの妨害によって、自然エネ開発が遅々として進まないままだと、日本の技術はますます世界から取り残されます。

  ――先日も電力各社が「満杯」としてきた送電線の容量が、実際は平均8割も空いていたとの京大の研究グループの調査結果が報じられました。

 原発再稼働のために確保しているのです。風力発電の供給を検討していた福島の「飯舘電力」は、送電線に空きがないとして、東北電力から20億円もの送電増強費を要求され、事業断念に追い込まれた。こんなバカげた妨害を政府が容認するから、自然エネは拡大しない。政府が原発即時ゼロを決断し、送電線が空けば瞬く間に普及します

 日本の全原発の廃炉費用は多く見積もっても10兆円でしょう。バブル崩壊後に国内金融機関は110兆円もの不良債権を処理し、旧国鉄の分割・民営化で国は37兆円の債務を処理しています。それらと比べれば、どうってことない金額です。


国際金融界からツマハジキ

  ――産経は社説で〈日本が資源に乏しい島国であることを完全に無視している〉と書きました。

 米エネルギー学者のエイモリー・ロビンス博士は「太陽光、風力、地熱に恵まれた日本は、ドイツの9倍の豊かな資源がある」と語っています。例えば日本の農地460万ヘクタールを使い、農作業しながら空中で発電を行う「ソーラーシェアリング」の技術を用いれば、日本の電力需要の10倍に当たる1840ギガワットの発電が可能です。

 農家にもお金が回り、耕作放棄地もなくなる。地方に新たな産業が興れば、さまざまな関連ビジネスや雇用が生まれる。若者も希望を持って帰ってくる。こうして自然エネに転換したドイツやデンマークは、地域経済の活性化に成功しました。自然エネは、安倍政権が掲げる「地方創生」の切り札なのです。

  ――ワクワクします。

 産経が大好きな国防面も盤石です。原油に頼らなくなれば、ホルムズ海峡の封鎖は心配無用。逆に危険な原発が54基もあれば、「さあ、ミサイルを撃ってくれ」と国を差し出すようなもの。産経的には北朝鮮の脅威が高まる中、それでいいのでしょうか。

  ――皮肉ですね。

 何より海外に支払う年間25兆円もの化石燃料費が丸々国内に返ってくる。それだけの富が国民に幅広く行き渡るのに、原発温存による「政策障害」が、日本の経済発展を阻害しています。

  ――中国の方がよっぽど進んでいますね。

 昨年10月の共産党大会で、習近平国家主席は「エネルギー革命を起こす」と宣言。2050年までに自然エネを全電力の8割に拡大させる国家目標を掲げました。中国が自然エネに力を入れるのは単純に儲かるから。利にさとい国ですから、儲からないことはやりません。太陽光も風力も燃料費ゼロ。設備の寿命も40年はもつ。設備投資の減価償却を終えれば、近い将来、コストゼロの電力で経済を賄えるのです。

  ――なるほど、儲かるに決まっています。

 “自然エネは儲かる”が、世界の常識。新たな産業革命ともいわれています。低コストで効率良く、安全性が高い。今や電力の主役です。太陽光の総発電量は毎年純増し、380ギガワットを超えた。風力も500ギガワットを超え、両者で1000ギガワット目前。原発1000基分に匹敵します。

 加速度的に市場は拡大しているのに、日本だけが立ち遅れている。自然エネに舵を切らなければ、それこそ「亡国」につながりかねません

  ――自然エネには世界の金融機関が、かなり投資しているそうですね。

 ゴールドマン・サックスが27兆円、シティ・グループは16兆円など景気のいい話が飛び交っています。また、事業運営の自然エネ100%調達を目指す「RE100」には、アップルやNIKE、BMWなど日本でも有名な世界企業122社が加盟していますが、日本企業はリコー、積水ハウス、アスクルの3社のみ。

 もはや環境意識の高い企業でなければ、国際金融界から相手にされません。追い込まれた日本の財界や大企業は悲鳴を上げ始めています。原子力ムラのせいで、国際金融界から日本企業が排除されかかっているとは、由々しき問題です。


■戦艦大和の過ちを繰り返すのか

  ――自然エネはいいことずくめなのに、政府はなぜ、かたくなにデメリットだらけの原発に固執するのでしょうか。

 簡単に言えば、原子力ムラのエゴイズムです。従来の方針を続ければ、とりあえず目先の利益や自分たちの利権は守られる。「今だけ、金だけ、自分だけ」の発想です。

 そして政官財ともリーダー不在で、誰もが政策転換の責任を負うのを恐れている。戦前の日本軍も、「航空主兵論」が世界の趨勢だったのに、時代遅れの「大艦巨砲主義」に固執し、戦艦大和に莫大な資金と労力を費やし、無用の長物と化した。その結果、この国は一度、滅びたのです。現政権は同じ轍を踏んでいるように見えます。

  ――目先の利益といえば、アベノミクスの異次元緩和策にも相通じるものを感じます。

 株価上昇が目的なら、問題です。株式投資は一種のバクチ。資産を持つ人が、その資産によって、また儲かる仕組みです。カネがカネを生むような風潮を政府が助長すれば、人々の勤労意欲や社会貢献の気持ちを逆なでします。

 拝金主義の蔓延でモラルが崩壊し、国家の衰退を招きかねません。原発の背後でうごめいているのは「原子力ムラ」の住人だけではない。拝金主義の蔓延で増殖した利己主義、自己中心的となった日本の世相が深く根を張っています

(聞き手=本紙・今泉恵孝)


▽よしわら・つよし 1955年東京生まれ。77年慶大経済学部卒業後、城南信用金庫入職。2010年11月理事長就任。15年6月に退任し、相談役に。17年6月から顧問。東日本大震災以降、被災地支援を精力的に行うと同時に、原発に頼らない安心できる社会を目指して「脱原発」を宣言。17年4月に全国組織「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」を創設、会長に就いた。
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●アレが「もし再稼働しても、電力は首都圏向けに提供される」のみ…新潟県知事選=県民投票で否決

2016年10月26日 00時00分54秒 | Weblog


東京新聞の山口哲人記者による記事『原発「3度目の住民投票」 新潟知事選 何が起きた』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016102302000113.html)。

 《柏崎刈羽原発は一二年以降、運転を停止しているが、もし再稼働しても、電力は首都圏向けに提供される。東電が政府と二人三脚で再稼働を急ぐ姿は、中央の押し付けに映ったとみる》。

 県民投票という位置づけでしょうか、新潟県知事選において、アレの再稼働に反対してもらえて、本当に安心しました。
 新潟県民の皆さんが核発電の本質に気付かれ、自公や原子力ムラ住人の進める《中央の押し付け》《利益誘導》を《非常に不愉快》と感じて下さったことに敬意を表します。多くの核発電の「地元」の皆さん、県民の皆さんにも是非参考にして頂きたい選挙戦でした。3.11東京電力核発電人災の何ものも解決していませんし、一体何が起こったのかがほとんど分かっていません。東京電力は、それらに対して何の努力もしていません。

   『●東電柏崎刈羽原発再稼働!?: 
     《第一原発事故を検証しない限り…》とする泉田裕彦新潟県知事の正論
   『●残念な「泉田裕彦新潟県知事「出馬撤回」事件」:  
       「原子力ムラはニンマリ」「東電の高笑い」で良いの?
   『●NHK解説委員長、原発は人間の手に負えないモンスター
             …「アベ様のNHK」発の核発電政策への波紋
   『●新潟県知事選: 自公推薦候補者に騙されてはいけない
             …確実にあの東京電力のアレを再稼働させる
   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
     佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●米山隆一知事…「ニンマリできなかった原子力ムラ」
       「高笑いできなかった東電」の相当なイヤガラセが予想
   『●環境倫理を『虚構新聞』から学ぶ…「原発導入を許してしまった
                 世代の一人として、恥ずかしく申し訳ない」

   『●「日本壊滅を救った新潟県民」…「インチキと不備だらけ」…
               「このまま再稼働されたら、福島原発の二の舞」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016102302000113.html

原発「3度目の住民投票」 新潟知事選 何が起きた
2016年10月23日 朝刊

     (住宅街からみえる東京電力柏崎刈羽原発の施設
                          =新潟県柏崎市で)

 新潟県に二十五日、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の再稼働に反対する知事が誕生する。先の知事選で、共産、自由、社民三党の推薦を受けた米山隆一氏(49)が、自民、公明両党推薦の候補に約六万票差をつけて初当選した。新潟の有権者はなぜ、再稼働反対派を選んだのか。 (山口哲人


■自分の問題

 「知事選は再稼働の是非を問う『住民投票』の性格を帯び、県民が意思表明できる機会となった」。刈羽村の市民団体「原発反対刈羽村を守る会」メンバー武本和幸さん(66)はこう振り返った。

 新潟県では過去二回、原発を巡る住民投票が行われた。一九九六年には東北電力巻町(現・新潟市西蒲区の一部)に計画していた巻原発の建設、二〇〇一年には柏崎刈羽原発へのプルサーマル導入の是非が問われた。いずれも反対派が勝利し、東北電と東電は計画の撤回に追い込まれた。

 今回の知事選は、原発をめぐる三度目の住民投票という意味合いがあった。過去二回は原発が立地する町村だけが対象だったが、今回は県内すべての自治体の住民が対象。反対が上回った背景には東電福島第一原発事故があると、武本さんは指摘する。

 コメどころの南魚沼市では、事故後の一時期、放射線量が急上昇した。福島県から避難してきた約三千人は、今も新潟県内で暮らす。「原発は自分の問題だと感じる人が増え、知事選の結果を左右した


■脱原発鮮明

 党内に再稼働を容認する議員を抱える民進党が自主投票となり、皮肉にも米山氏は脱原発を鮮明にすることができた。「市民連合@新潟」の共同代表を務める佐々木寛・新潟国際情報大教授(政治学)は「米山陣営は遠慮なく再稼働反対を主張でき、無党派層に浸透できた」と分析する。

 佐々木氏はこうも指摘する。「県民は原発を危険というだけでなく中央の押し付けと感じた

 新潟県内に電力を供給するのは東北電力だ。柏崎刈羽原発は一二年以降、運転を停止しているが、もし再稼働しても、電力は首都圏向けに提供される。東電が政府と二人三脚で再稼働を急ぐ姿は中央の押し付けに映ったとみる。


■戦略のミス

 自公が推薦した前長岡市長の森民夫氏(67)の陣営は、中央との関係を前面に打ち出した。投票前日に、地元紙に出した選挙広告で国から見放されない新潟県を!! 国との太いパイプをもつ新潟県を!!と強調。森氏は街頭演説で「国とパイプがあるから(再稼働を巡っても)厳しいことも言える」と訴えた。

 自民党の伊吹文明元衆院議長は投開票後の派閥会合で、知事選応援で新潟入りした際に、県民から言われた話を紹介した。

 「東京から来る偉い人(応援弁士)は中央とのパイプを話し、俺たちに入れないと損だという利益誘導みたいな印象を与え、非常に不愉快だと言われた。一般の人の九十九パーセントはこういう感覚なんだと気付いた」
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●東電柏崎刈羽原発再稼働!?: 《第一原発事故を検証しない限り…》とする泉田裕彦新潟県知事の正論

2016年08月25日 00時00分20秒 | Weblog


東京新聞の記事【規制委、柏崎刈羽を優先審査 福島第一と同型、年度内に適合も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082402000116.html)。

 《原子力規制委員会が…東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)を優先して進める方針…今も廃炉作業や住民避難が続く第一原発事故は収束しておらず事故の当事者である東電の原発が優先されることは議論を呼びそうだ》。

 優先的に審査するかなんてことよりも、東電は「サイカドウ」の「サ」の字も口に出すことは許されない、と私は思います。審査申請を原子力「ムラ寄生」委員会=原子力「規制緩和」委員会が認めることも無茶苦茶で、いったい何のための「規制」委員会なのか!、と言いたい。そして、アベ様ら自民党議員たちの無責任…、(責任の取りようがないことは脇に置くとしても)誰か一人でも責任をとったのか?
 《第一原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない》とする泉田裕彦知事の肩にかかっている。ニッポンに核発電所を再稼働する資格はない。ましてや、東京電力に再稼働させるなど、絶対にあってはならない。東電は、人災前の姿へと「原状回復」を、まずは、して見せろ!、話はそれから。

   『●言葉が見つかりません・・・
   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
      「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●柏崎刈羽原発再稼働を画策するような東電は 
                 十分に責任を果たしたのか?
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
        『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
     だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
   『●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の
        「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心
    「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが
     二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ!
     「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、
     「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082402000116.html

規制委、柏崎刈羽を優先審査 福島第一と同型、年度内に適合も
2016年8月24日 朝刊

 原子力規制委員会が、事故を起こした東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型原発の再稼働に向けた審査で、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)を優先して進める方針を固め、二基と並行審査中の原発を持つ電力会社に伝えていたことが分かった。審査が順調に進めば本年度内にも適合する可能性が出てきた

 第一原発事故後にできた新規制基準に基づく審査に適合し、これまでに再稼働した原発は全て加圧水型で、二基が適合すれば、東電の原発では初めて、全国的にも沸騰水型では第一号となる。

 規制委は優先審査の終了後、適合証の原案となる審査書案の取りまとめに入り、この作業にも人員を集中させるとみられる。ただ、今も廃炉作業や住民避難が続く第一原発事故は収束しておらず事故の当事者である東電の原発が優先されることは議論を呼びそうだ。

 新潟県の泉田裕彦知事は「第一原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない」との姿勢を崩しておらず、適合しても再稼働の時期は見通せない

 柏崎刈羽6、7号機は二〇一三年九月に審査を申請。規制委は昨年八月、沸騰水型の審査を効率的に進めるためにモデルケースを作るとして6、7号機の優先審査を決定した。しかし今年三月、施設の耐震性の評価手法について、東電が準備不足で十分に説明できなかったことから優先を取り消し、東北電力女川2号機(宮城県)など四原発四基と並行して審査するやり方に戻していた。

 関係者によると、問題となった評価手法を東電がまとめたため、規制委は少なくとも九月中旬まで柏崎刈羽の審査を再度、優先することにし、八月、並行審査中の電力会社に方針を伝えた。昨年から今年にかけての優先審査が順調に進んだため、残りの課題は少ないという。

 沸騰水型原発は、フィルター付きベントなど事故対策設備の設置が新規制基準で義務付けられたため、既に再稼働した九州電力川内原発(鹿児島県)などの加圧水型に比べ、審査に時間がかかっている。
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●何もなかったかのように、原発回帰を加速する自公政権: いま、引き返さなくていいのか?

2016年03月17日 00時00分16秒 | Weblog


東京新聞の社説【メルトダウン これで原発回帰とは】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030102000148.html)。

 《いずれにしても、ずさんとか不注意とかでは済まされない。安全と人命の軽視原発回帰を考え直させる重大事である。故意にせよ、不注意にせよ、なぜ“隠し事”が続くのか》。

   『●立ち止まるなら今・・・「原発政策を福島第一原発事故以前に
                     先祖返りさせたのが自民党安倍政権」
   『●歴史的役割踏まえた原発に頼らない国へ:
      「人の命と安全は経済性に優先する」=「人格権の尊重・倫理」

 《何もなかったかのように、原発回帰》を加速する自公政権。いま、引き返さなくていいのか? 《原子力業界は、何を恐れて情報を出し渋るのか》…核発電する能力も資格もないことが自明であるというのに…一体、「何がメルトダウンしたのか?」 《関西電力 高浜原発4号機に、福井県の西川一誠知事は「安全を最優先に情報公開を徹底し…」と注文》って、核発電に「安全」なんてないでしょうに、今さらながら、言ってることと西川知事の原発回帰最優先な行動に大きな矛盾。

   『●何がメルトダウンしたのか?
    「ここに紹介されている最後の3つの標語。我々が選択して
     しまった原子力の「安全利用」という選択肢、被爆労働者
     犠牲なくして成り立たない社会という選択肢・・・、その選択は
     はたして正しかったのでしょうか?…
       「原子力郷土の発展豊かな未来
       「原子力明るい未来のエネルギー
       「原子力正しい理解で豊かなくらし

   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
    「《何もなかったかのように、原発回帰に向かう安倍政権の姿勢が
     鮮明になってきた。地震列島に五十基を超える原発を
     造ってきたのは自民党政権だ。その自覚のなさに驚くしかない
     ・・・・・・全く同感。自公に手を貸す人の「自覚のなさ」にも」

   『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題
   『●死者を鞭打つ ~東京電力原発人災原因解明の
      キーパーソン、そして、事故を防げたかもしれない人~
   『●ウソとカネで五輪誘致:
        「福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」」
   『●東京都知事選: 「脱原発」が大前提、
       「脱原発モドキ派」「原発推進派」なんて論外
   『●無責任の極み:
     「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」
   『●原子力ムラ復権を易々と許していていいのか?
   『●安心な新「安全神話」: 「万が一事故が起きた場合は
        関係法令に基づき、政府が責任を持って対処する」
   『●誰も責任をとらない自民党議員・・・・・・
     3.11東京電力原発人災以前に逆戻りしていて大丈夫?
   『●3.11東京電力原発人災から4年:
     虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●電源構成(エネルギーミックス)案という貧相な「未来図」:
                     泥棒やその子分に縄をなわせる愚
   『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:    
          国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?
   『●東電原発人災避難者をコケにしていないか?
      ……「経済神話の否定」「環境神話の否定」を否定する愚かさ
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」: 「麻薬」患者の関電が
                 プルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●3.11東電人災の5年、王様・アベ様からして
       核発電「麻薬」中毒患者という哀しい国ニッポン


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030102000148.html

【社説】
メルトダウン これで原発回帰とは
2016年3月1日

 原発非常事態のマニュアルの存在に、五年もの間誰も気づかなかったとは-。いずれにしても、ずさんとか不注意とかでは済まされない。安全と人命の軽視。原発回帰を考え直させる重大事である。

 故意にせよ、不注意にせよ、なぜ“隠し事”が続くのか

 福島原発事故では当初から、核燃料が溶け落ちる、炉心溶融(メルトダウン)の恐れが指摘されていた。

 東京電力の「原子力災害対策マニュアル」では、核燃料の損傷の割合が5%を超えれば、炉心溶融と判定することになっていた。

 3・11から三日後の十四日には格納容器の中の放射線量を測定する装置が回復し、その日から翌十五日にかけて、1号機から3号機まで、それぞれ55%から30%の損傷が推定される状態だった。

 東電は「明確な定義がないとして、五月までメルトダウンを認めなかった

 ところが定義はあったのだ

 同じ東電柏崎刈羽原発を有する新潟県に求められ、探したら、見つかったという説明だ。五年は長い。「気づかなかった」で済まされる話ではないだろう。

 メルトダウンが進むと、溶け落ちた核燃料が格納容器壁を破り原子炉の外にあふれ出るメルトスルーに至り、重大な核汚染を招く。

 すぐに強い警告を発していれば、対策や避難の仕方も変わっていたにちがいない

 原発事故の過小評価は、安全の、生命の過小評価にほかならない

 東京電力だけではない。福島原発事故の前、中部電力 浜岡原発東北電力 女川原発でも、定期検査で見つかった損傷の報告を怠ったことがある。

 北陸電力 志賀原発で一九九九年に発生した臨界事故は、長い間、明るみに出なかった

 高速増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏れ事故の際、旧動燃は、現場を撮影したビデオの一部を故意に公開しなかった

 原子力業界は、何を恐れて情報を出し渋るのか

 再稼働直前に水漏れ事故を起こした関西電力 高浜原発4号機に、福井県の西川一誠知事は「安全を最優先に情報公開を徹底し…」と注文を付けた。

 当然のことをそこで言わねばならないところに、原発問題の根っこの一つはある

 情報公開の徹底なくして、原発再稼働はありえないはずなのだ。
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●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」: 「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…

2016年02月27日 00時00分02秒 | Weblog


東京新聞の記事【高浜1、2号機、新基準に適合 老朽原発が相次ぎ延命も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022502000138.html)と、
社説【高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022502000142.html)、
そして、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016022502000143.html)。


 《原子力規制委員会は…七月七日に運転期間満了を迎える関西電力 高浜原発1、2号機…対策などを進めれば、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発が新基準を満たす初めての判断》。
 《四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機が、新規制基準に適合と判断された。安全のために定めた「寿命」の原則は、もう、反故にされたのか》。

 み~んな、核発電「麻薬」患者、特に、関電は重傷。プルサーマルに続き、今度は「寿命核発電所」を再稼働したいそうだ。アタマオカシイノデハ?  狂っているとしか言えません。

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●「値上げ脅迫」: 無策の関西電力・・・
       東京電力原発人災以降、一体何をやってきたのか?
   『●川内原発再稼働: 「経済麻薬」=思考停止、
      「他の方法で経済発展する手を考えることを放棄させる」
   『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
               ……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走
   『●「大切なのは「信頼」だ」…
     だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者

 《原子力規制委員会が老朽化した関西電力高浜原発1、2号機の安全対策に対し、新規制基準に適合していると、判断した。老いた馬をなお走らせるのか》。

 「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」なり。 「愚」を繰り返すニッポン……「このゴジラ最後の一匹だとは思えない」。「仏様のおかげ」にまだ縋ろうとする関電、アベ様、原子力「寄生」委員会、「地元」賛成派、等々。

   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
       高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」

   『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とう
     という「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?

 「安全神話」「不老神話」を支えるものが、またしても、経済性とは……原子力「推進」委員会=「寄生」委員会は芯から腐っている。

   『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない
    「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
     高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない
と、怒りさえ
     にじませているようだ。経済神話の否定である」
    「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず
    「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が法的には
     許されない
」ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
     なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
     以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
     主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
    「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
     問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない

     として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022502000138.html


高浜1、2号機、新基準に適合 老朽原発が相次ぎ延命も
2016年2月25日 朝刊

 原子力規制委員会は二十四日の定例会合で、七月七日に運転期間満了を迎える関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、原子炉建屋の放射線対策やケーブルの防火対策などを進めれば、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発が新基準を満たす初めての判断となった。

 東京電力福島第一原発事故後に改正された原子炉等規制法では、原発の運転期間は四十年に制限され、最大二十年間の運転延長は「例外」とされてきたが、早くも例外が認められる見通しとなった。今後、延長を目指す電力会社が相次ぎ、実質的に「六十年廃炉」になっていく恐れがある。

 この日の会合で、事務局は、建屋上部に遮へいドームを造り、ケーブルには防火シートを巻き、事故時の対策拠点を新設するなど関電の方針を説明。これらが実行されれば、新基準を満たすとした。委員から若干の質問は出たが、審査書案に異論はなく、議論は十五分ほどで終わった

 規制委は二十五日から三月二十五日まで意見募集を実施して審査書を決定。対策工事の詳細設計や老朽化の審査も進めた上で、延長の可否を決める。

 四十年廃炉の原則は二〇一二年、米国の制度も参考にして法制化された。二十年延長の例外規定も設けられたが、当時の細野豪志原発担当相(民主党)は「例外が認められるのは、極めて厳しい。例外中の例外」と明言していた。

 四十年超の原発を延命させるためには、新基準で要求される設備を整えるほか、老朽化に伴い原子炉がもろくなっていないか、建屋のコンクリートの強度は十分かなどの審査にもパスすることが求められる。

 関電は、1、2号機は出力が八十二万六千キロワット、3、4号機は八十七万キロワットと大きく、新基準などに適応する対策費に四基合わせて約三千百九十億円をかけても採算が合うと判断した。

 新基準ができた後、関電美浜1、2号機(福井県)など五基の廃炉が決まったが、いずれも最大五十万キロワット台と比較的小さい。

 今後十年のうちに、十五基が四十年を迎え、廃炉か延長か判断を迫られる。しかし、大型化の傾向は明確で、十一基までが八十万キロワット超。もっと新しい原発は百万キロワット超が主流だ。

 各社とも方針を明らかにしていないが、採算性を優先すれば、延長を狙ってくる可能性が高い。そうなれば、四十年廃炉の原則は失われることになる。


◆規制委「費用かけ克服」

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は二十四日の定例記者会見で、老朽原発の関西電力高浜1、2号機(福井県)が新規制基準に基づく審査に適合としたことに関し、「(老朽原発も)費用をかければ技術的な点は克服できる」と述べた。

 田中委員長は今後の老朽原発の審査方針について「個々に判断していく」としたほか、高浜原発の追加の安全対策について「新しく原発を造る半分の費用がかかっている。それなりの覚悟があったのだろう」と述べ、関電の対応に一定の評価を示した。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022502000142.html

【社説】

高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ
2016年2月25日

 四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機が、新規制基準に適合と判断された。安全のために定めた「寿命」の原則は、もう、反故(ほご)にされたのか

 五年前のあのころに、気持ちを戻してみてほしい

 3・11を教訓として、私たちは繰り返し訴えてきたはずである。

 今世紀に入って新たに運転を始めた原発は、東北電力東通1号機など五基しかない。

 四十年寿命を厳格に適用し、役目を終えれば直ちに停止、廃炉に向かう。おおむね二〇三〇年代に原発は停止して、北海道電力泊3号機の寿命が尽きる四九年の暮れまでに国内の原発はゼロになる

 その間に、不要になった送電網や港湾施設を活用しつつ、風力や太陽光など再生可能エネルギーを普及させていくべきだ-と。

 国民の大勢も、そのように感じていたはずだ。

 折しも3・11は、東京電力福島第一原発の1号機が、運転開始四十年を迎えるちょうど半月前。四十年の当日には、原発の廃炉と福島の未来を考えようという市民グループ「ハイロアクション福島原発四十年実行委員会」が、結成イベントを開くはずだった。

 廃炉時代は3・11以前から、始まっていたのである

 一二年の年明け早々、当時の民主党政権が「原発の運転期間は原則四十年」の方針を打ち出した。

 「ほとんどの原子炉は中性子の照射により四十年で脆化(ぜいか)する」という設計思想に基づいて設定された“寿命”である。

 脆化とは「もろくなる」ということだ。

 原子炉の心臓部に当たる圧力容器の内側には、核分裂で生じる中性子が当たり続けてもろくなる。つまり、こわれやすくなるのである。その限界が四十年。高レベルの放射能を浴びており、交換も不可能だ。原発の寿命が最長四十年という理屈は通る。

 旧式の圧力容器は材質が悪く劣化が早い。四十年も持たないと、前倒しを求める意見も目立つ。

 それなのに「一度だけ最大二十年延長できる」という例外規定が、法律に付いてきたのはなぜか。

 そして3・11の教訓をこめた新しい原発規制に、なぜそれが踏襲されたのか。

 「世界の潮流にならい」というのが政府の説明だった。要は「米国のルールを取り入れた」ということなのだろう。

 ところが、本家の米国でさえ、3・11以降、求められる補修や改善に費用がかかり過ぎるとして、延命をやめて、閉鎖、廃炉に踏み切る原発が増えている。二十年という延長期間の方こそ、根拠が薄いのではないか。


◆“不老神話”の誕生か

 原子力規制委員会は例外を認める条件として、通常より格段厳しい特別点検や安全対策の大幅な強化を義務付けてはいる。

 しかし、心臓部は交換不能、新しい部品のつなぎ目から問題が生じる恐れがあるとの指摘もある。補修による延命にはやはり、限界があるとは言えないか。

 経済産業省が昨春示した三〇年の電源構成(ベストミックス)案は、総発電量に占める原発の割合を「20~22%」と見込んでいる。

 四十年寿命を守っていては、達成できない数字である。

 例外規定の背後には、福島の教訓放棄、安全神話の復活、そして、新増設をも視野に収めた原発回帰の未来が透けて見えないか

 関電は、同じ老朽原発の中でも、出力が低い小型の美浜1、2号機はすでに運転を終了し、美浜3号機を含む中型の運転延長を願い出た=図参照。

 安全への配慮からというよりも、補修にかかる費用と再稼働の利益をてんびんにかけ、そろばんをはじいた上での判断だ。


◆工学は寿命を決める

 一九五〇年代前半、世界初のジェット旅客機である「コメット」の事故が相次いだ。航空機業界はその反省に立ち「安全寿命設計」という考え方を採り入れた。

 たとえば長距離型のジャンボでは、総飛行六万時間、離着陸二万回が“寿命”になるという。

 電力業界に安全思想、安全文化が根付いているとは、言い難い

 私たちは、もう一度訴える。

 原発の四十年寿命は厳格に守り、円滑な廃炉や核のごみの処分に備えるべきである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016022502000143.html

【コラム】
筆洗
2016年2月25日

 男は街角で動かぬ年老いた馬を見たという。一八八九年一月三日、イタリア・トリノでのことだそうだ。御者がどんなに脅しつけても馬は頑として動かない。御者は烈火のごとく怒り、馬を鞭(むち)で打ち始めた▼見かねた男は駆け寄って御者の仕打ちを止めた。泣きながら馬の首を抱きかかえ、そのまま、倒れた▼男は哲学者のニーチェである。二日後、目を覚ましたが、その時には、精神を完全に病んでいたという。ハンガリーのタル・ベーラ監督による映画「ニーチェの馬」(二〇一一年)で知った。キリスト教的道徳や憐憫(れんびん)に否定的だったニーチェだが、この逸話には同情と優しさがあふれている▼あの白黒映画の馬の哀(かな)しげな顔が、振り払っても浮かんでくる話である。原子力規制委員会が老朽化した関西電力高浜原発1、2号機の安全対策に対し、新規制基準に適合していると、判断した。老いた馬をなお走らせるのか▼原発の運転期間は原則四十年でそれを超える高齢原発の「合格」は初めてという。再稼働には原子炉建屋に放射線を遮るドームを建設することや、ケーブルの火災対策強化など必要だが、それさえもが、老いて休ませるべき馬を動かすための無理で非情な鞭に見えなくもない▼しかもそれは馬ではない。間違いや老朽化による変調など絶対に許されぬ、扱いの難しい装置である。鞭打たれるものが心配である。
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●東京電力を何かと支援したい原子力「寄生」「委は、公文書管理法の趣旨を理解していない」

2016年01月06日 00時00分27秒 | Weblog


東京新聞の記事【柏崎刈羽原発の集中審査 規制委、検討文書作成せず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015122402000217.html)。


 《規制委の内規や公文書管理法では意思決定過程を検証する文書の作成などを義務づけているのに、内部で検討した文書を作成していなかったことが、新潟日報社が行った情報公開請求で分かった…内閣府公文書管理委員会の委員で弁護士の三宅弘・日弁連副会長は「原子力政策の記録は他分野よりきっちり残さなければいけない。規制委は、公文書管理法の趣旨を理解していない」と批判》。

 原子力「規制」委員会ではなく原子力「寄生」委員会原子力「ムラ寄生」委員会であり、原子力「推進」委員会。そして、無能な原子力「寄生」庁。東電核発電人災を忘れ去りたい「寄生」「委は、公文書管理法の趣旨を理解していない」。そりゃぁ、ニッポンでいかなる核発電所も稼働できる論理は無いわけだから、「意思決定のプロセスを含め、規制にかかわる情報の開示を徹底する」ための公文書なんて残せるわけがない。《原発審査という根幹部分で透明性が確保されていない実態》は明らか。

   『●東京電力柏崎刈羽原発を優先審査:  
      原子力「ムラ寄生」委員会は「規制」のお仕事をしてくれ!
    「東電は「資料の提出が早く、対応がしっかりしている」!? 
     原発人災への対応こそ、しっかりしてくれ。原発人災の処理に
     全精力を注ぐべき東電が、一体何をやっているのか?? 
     原発「人災」に何の責任もとらない東電に再稼働させる!?、
     あ~まさに原子力「ムラ寄生」委員会、原子力「寄生」庁。
     少しは「規制」のお仕事をしてくれ!

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015122402000217.html


柏崎刈羽原発の集中審査 規制委、検討文書作成せず
2015年12月24日 夕刊

 原子力規制委員会が今年八月に東京電力柏崎刈羽(かりわ)原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の6、7号機を集中的に審査する対象に決めた際、規制委の内規や公文書管理法では意思決定過程を検証する文書の作成などを義務づけているのに、内部で検討した文書を作成していなかったことが、新潟日報社が行った情報公開請求で分かった。

 規制委の活動原則でも「意思決定のプロセスを含め、規制にかかわる情報の開示を徹底することを掲げている。しかし、原発審査という根幹部分で透明性が確保されていない実態が浮かび上がった。

 集中審査の対象になれば、他原発より早く、新規制基準への適合判断を得られる可能性がある。新潟日報社は柏崎刈羽原発が集中審査対象に選ばれた経緯を探るため、規制委に公開されている審査の資料などを除いた関係文書を開示するよう情報公開請求した。これに対し、規制委は「該当する文書は取得も作成もしておらず、現在保有していない」と回答した。

 規制委は当初、沸騰水型軽水炉の設備面の審査を、柏崎刈羽のほか、東北電力女川(宮城県)、中部電力浜岡(静岡県)、中国電力島根(島根県)の各原発と横並びで実施。だが、七月一日の定例会合で更田豊志(ふけたとよし)委員長代理から提案があり、一つの原発に絞る集中審査に移行する方針に変わった。八月の審査会合では更田氏が柏崎刈羽原発を対象にすると各事業者に伝えた。更田氏は選定理由について、他原発より新しいタイプの原子炉であることを挙げたが、なぜ原子炉のタイプで選んだのかの説明はなかった。

 内部文書が存在しないことについて規制委事務局の原子力規制庁法務室は「公開している委員会会合での議論が全てだ。内部で業務上のやりとりはあったとは思うが、公文書管理法上、文書を残すようなものではない」と話している。

 これに対し、内閣府公文書管理委員会の委員で弁護士の三宅弘・日弁連副会長は「原子力政策の記録は他分野よりきっちり残さなければいけない規制委は、公文書管理法の趣旨を理解していない」と批判する。
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●旧原子力安全・保安院の「やらせ」や「圧力」・・・・・・どこが一体「安全」や「保安」なのか?

2015年01月09日 00時00分22秒 | Weblog


東京新聞の記事【津波対策「関わるとクビ」 10年 保安院内部で圧力】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014122690070039.html)。

 「当時の規制機関だった経済産業省原子力安全・保安院は、大津波が襲う可能性を認識しながら、組織内の原発推進圧力の影響で、電力会社にきちんと指導しなかった実態が浮かんだ」。
 旧原子力安全・保安院「やらせ」や「圧力」・・・・・・。どこが一体「安全」や「保安」なのか?

   『●原発推進やらせ・仕込み: 誤誘導した事実をひっくり返す訳でもなし
   『●玄海原発プルサーマル賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!
   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官
   『●死者を鞭打つ ~東京電力原発人災原因解明のキーパーソン、
                         そして、事故を防げたかもしれない人~
   『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
       40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長
   『●再稼働ありきの「世界最高水準の規制基準」という「世界一の無責任」さ


 同記事中の図面(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2014122699070039.jpg)より。
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旧原子力安全・保安院の「やらせ」や圧力

2005年10月 やらせ/九州電力玄海原発のプルサーマル計画のシンポジウム」

2006年 5月 圧力/ 防災重点区域の見直しを始めた原子力安全委員会に、保安院員長が「寝た子を起こすな」

2006年 6月 やらせ/四国電力伊方原発のプルサーマル計画のシンポ

2006年10月 やらせ/東北電力女川原発の住民説明会

2007年 8月 やらせ/中部電力浜岡原発のプルサーマル計画のシンポ

2010年7月 圧力/貞観地震の議論について内部担当者に「余計なことをするな」「クビになるよ」

            ↓ ↓ ↓

2011年3月11日東京電力福島第一原発事故
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 何の反省もなく、誰も責任をとらない原子力ムラ住人、自民党議員。原子力「ムラ寄生」委員会を先兵として、自公議員が原発再稼働、原発推進、原発輸出へひた走る。

   ●「原発事故調書 原因不明、責任不在」: 
         川内原発再稼働なんてやってる場合か!
   『●インフラ輸出・原発輸出のためには
      国内での原発稼働・リニア建設が必要という「愚」な論理

   『●政治献金という名の「賄賂」: アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014122690070039.html

津波対策「関わるとクビ」 10年 保安院内部で圧力
2014年12月26日 07時00分

    (図面「旧原子力安全・保安院の「やらせ」や圧力」は上記)

 政府は二十五日、東京電力福島第一原発事故で政府事故調査・検証委員会が政治家や東電関係者らに聴取した記録(調書)のうち、新たに百二十七人分を公開した。当時の規制機関だった経済産業省原子力安全・保安院は、大津波が襲う可能性を認識しながら、組織内の原発推進圧力の影響で、電力会社にきちんと指導しなかった実態が浮かんだ。 

 保安院の小林勝・耐震安全審査室長の調書によると、二〇〇九年ごろから、東日本大震災と同じクラスの貞観(じょうがん)地震(八六九年)の危険性が保安院内でも問題になっていた。独立行政法人「産業技術総合研究所」の岡村行信活断層・地震研究センター長は、貞観地震が福島第一周辺を襲った痕跡を指摘。自らの調書では「四百~八百年周期で反復していると考えている」と述べた。

 岡村氏らの指摘を受け、小林室長らは貞観津波の再来リスクを検討するよう保安院幹部に提案したが、複数の幹部から一〇年に「あまり関わるとクビになるよ」「その件は原子力安全委員会と手を握っているから、余計なことを言うな」とくぎを刺されたという。

 当時、国策で使用済み核燃料を再処理した混合酸化物(MOX)燃料の利用が推進されており、保安院の幹部の中には、地震・津波対策より国策の推進を重視する体質があった。

 これまでの本紙の取材で、プルサーマル関連のシンポジウムでは賛成派の動員要請などの「やらせ」に加わった。〇六年には、事故に備えた防災重点区域を検討しようとした原子力安全委員に、院長自らが「寝た子を起こすな」と圧力をかけたことも判明している。

 小林室長は、保安院内の雰囲気について「貞観地震に懸念を示す人もいれば、福島第一のプルサーマルを推進したいという東電側の事情に理解を示す人もいた」と打ち明けた。

 電力会社の姿勢について、保安院の山形浩史・原子力安全基準統括管理官は調書で「(電力会社は)ありとあらゆる場面で、嫌だ嫌だというような話だったし、指針の見直しだといった時も、ありとあらゆるところからプレッシャーを受けた」と吐露した。

 一方、東電の地震・津波対策を担当する吉田昌郎(まさお)原子力設備管理部長(後の福島第一所長)らは、一〇年三月ごろの朝会合で、保安院の担当者から「貞観地震の津波が大きかったと指摘された。しかし、東電側は具体的な検討を先送りした。 (肩書はいずれも当時)

<政府事故調> 2012年7月に最終報告書をまとめるにあたり、福島第一の吉田昌郎(まさお)所長(故人)や菅直人首相ら計772人を聴取。調書は、承諾が得られた関係者から順次、公開されている。公開は3回目で、計202人分になる。
 今回が最後の公開とみられる。

(東京新聞)
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