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●東電原発人災避難者をコケにしていないか?……「経済神話の否定」「環境神話の否定」を否定する愚かさ

2015年12月27日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【高浜再稼働認める 福井地裁、仮処分取り消し】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000133.html)、
【福島を忘れたのか 「闘い続ける」誓い新た 高浜仮処分取り消し】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000130.html)、
社説【大飯・高浜原発 安全は“神話”のままだ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015122502000138.html)。


 《福井地裁(林潤(じゅん)裁判長)は二十四日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた四月の仮処分決定を取り消した》。
 《「裁判長は福島原発の事故を忘れてしまったのか」…林潤裁判長》。
 《福井県にある高浜原発大飯原発の再稼働差し止めを求める司法判断が、覆された。だが待てよ。誰もまだ安全を保証するとは言っていない。大事故が起きた時、責任を取る覚悟も力もないままだ》。

 『●核発電信者・値上げ脅迫の関電「再稼働差し止めの仮処分決定」執行停止申し立て・・・福井地裁が却下』したはずの林潤裁判長殿、一体全体なぜ?? 辺野古破壊でも生じているような『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』のように、林潤裁判長も「ヒラメ」化
 配置換えの樋口英明裁判官は何を思う? 「経済神話の否定」「環境神話の否定」を否定する愚かさ。「経済神話の否定」「環境神話の否定」を覆す林裁判長。司法の矜持無し。三権分立はどこ行った?

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
              もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・

    《原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける。
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、
     電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、
     許されないと、怒りさえにじませているようだ

      経済神話の否定である》
    《そして、原発の稼働が地球温暖化の原因になる温室効果ガスの
     削減に寄与するという被告側の主張に対しては、
     福島原発事故はわが国始まって以来の環境汚染
     甚だしい筋違いとまで言い切って、環境神話も否定した》


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000133.html


高浜再稼働認める 福井地裁、仮処分取り消し 仮処分取り消し
2015年12月25日 朝刊

 福井地裁(林潤(じゅん)裁判長)は二十四日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた四月の仮処分決定を取り消した。関電の異議を認めた。二基の地元同意の手続きは既に完了しており、来年一月下旬にも再稼働する。住民側はこの決定を不服として二十五日、名古屋高裁金沢支部に抗告する。

 林裁判長は、原子力規制委員会の新規制基準について四月決定から一転「合理性がある」と判断した。四月決定で問題とされた基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の策定方法などにも不備はないとした。

 その上で、高浜原発の基準地震動に関し「極めて厳しく想定されており、信頼に足る」などと支持した。各施設の耐震安全性についても「基準地震動に対して余裕を持っている」とする関電の主張を採用した。

 さらに、住民側が主張した津波や土砂災害の危険性に関しても関電の対策を「合理的」と評価。炉心溶融が起きた後の対応などについては「安全性に欠ける点があるとはいえない」として、「判断するまでもない」と退けた。こうしたことから「住民らの人格権が侵される具体的危険があるとはいえない」と結論づけた。

 仮処分は昨年十二月、福井や京都など四府県の住民九人が求めた。福井地裁の当時の樋口英明裁判長(名古屋家裁に異動)は四月、関電の想定を超える揺れの地震で炉心が損傷する危険があるとして、再稼働を認めない決定を出し、関電が異議を申し立てていた。

 二基は二月に新規制基準に適合。今月三日に高浜町の野瀬豊町長が、二十二日には西川一誠知事が再稼働に同意した。関電は3号機は来年一月下旬、4号機は二月下旬の再稼働を目指している。

 福井地裁は二十四日、住民側が関電大飯(おおい)原発3、4号機(同県おおい町)の運転差し止めを求めた仮処分の申し立てについても「規制委の審査が続いており、再稼働が差し迫っているとはいえない」として却下した。大飯原発は規制委の適合審査中で、住民側は名古屋高裁金沢支部に即時抗告するか、審査に適合した段階で再び仮処分を申し立てるかを検討する。


「規制委の判断」を追認

<解説> 福井地裁の異議審決定は原子力規制委員会の新規制基準の合理性を認め、原発の再稼働を進める政府方針を後押しした。四月の仮処分決定が果たした行政に対するチェック機能は後退し、憲法が定める「司法権の独立」も揺らぎかねない

 決定は「過酷事故が起こる可能性が否定されるものではない」と言いながら、住民側の不安とは向き合っていない。関電と規制委に最新の科学技術を反映し「高いレベルの安全性を目指す努力」を求めはしたが、これは両者に責任を転嫁したにすぎない

 最新の科学技術に照らすだけなら、裁判官は専門家である規制委の判断を追認するしかない。東京電力福島第一原発事故を経験した裁判官に求められるのは、科学技術では明らかになっていない部分を見通し、現在の基準の合理性を判断する姿勢だ

 憲法七六条は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される」と定める。地元同意の手続きが一気に進む中で出した判断は、住民側弁護団が言うように「再稼働の日程に配慮した」と疑われかねない。

 国民の過半数が原発の再稼働に反対する一方で、政府と電力会社、地元自治体が一体となった原発回帰の動きが加速する。司法は福島原発事故から何を学んだのか。国民の不安の声に耳を傾けない限り、その存在意義は失われていくだろう。 (高橋雅人)


◆福井地裁の決定骨子

▽高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定を取り消す
▽原子力規制委員会の新規制基準には合理性がある
▽高浜3、4号機の基準地震動は余裕を持って評価してあり、各施設の安全性は確保されている
▽再稼働しても住民の人格権が侵害される具体的危険性は認められない
過酷事故の可能性が全く否定されるものではない
▽大飯原発3、4号機の再稼働は差し迫っておらず、仮処分判断の必要性がない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000130.html

福島を忘れたのか 「闘い続ける」誓い新た 高浜仮処分取り消し
2015年12月25日 朝刊

     (高浜原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分の取り消しが決まり、
      垂れ幕を掲げる関係者の横で演説する河合弘之弁護士
      =24日、福井市の福井地裁前で)

 「裁判長は福島原発の事故を忘れてしまったのか」。福井地裁が二十四日、関西電力高浜原発3、4号機や大飯原発3、4号機の再稼働を認める判断を示したことに、地裁周辺で待っていた市民らは重い沈黙に包まれた。福島県の避難住民からは「原発事故の被害者でないと、その恐ろしさは分からないのか」と疑問の声が上がった。

 午後二時すぎ。地裁前で待つ人々の前に「司法の責任どこへ!」などと書かれた垂れ幕を掲げた人たちが飛び出してきた。

 信じられない。まさか…。申立人の今大地(こんだいじ)晴美さん(65)は幕を手にそんなことを思っていたという。

 裁判所前には三百人ほどが朗報を待っていた。神戸市の無職、中井忠さん(72)は言葉を失ったといい、「司法は自ら裁くことを放棄した」と話した。

 その後、福井市の県国際交流会館で開かれた住民側の記者会見では、三人の裁判官への不満が相次いだ。

 異議審が始まった五月、林潤(じゅん)裁判長は「耳目を集める事件なので慎重にやらせてもらう」と宣言。早く審理を終わらせたがる関電を制し、双方によるプレゼンテーションを実施した。両者ともに自由に意見を述べさせるため、記録に残さずに発言させた。

 「何のためのプレゼンだったのか、と思わざるを得ない」「関電に厳しい質問をしていたが、今となっては助け舟を出していたようにさえ思える」。弁護士から厳しい言葉が飛ぶ。

 申立人の一人、松本なみほさん(41)は「裁判官は国策に押し切られた。でも電力が自由化されたら、電力会社を選べる。選挙という手段もある」と今後も闘い続けることを誓っていた。

 一方、福井県高浜町の野瀬豊町長は「新規制基準が妥当かが論点だったのだと思うが、観念的な部分を外した冷静な判断だと評価したい」と話した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015122502000138.html

【社説】
大飯・高浜原発 安全は“神話”のままだ
2015年12月25日

 福井県にある高浜原発、大飯原発の再稼働差し止めを求める司法判断が、覆された。だが待てよ。誰もまだ安全を保証するとは言っていない。大事故が起きた時、責任を取る覚悟も力もないままだ。

 逆回転が加速し始めたということか。「原発ゼロ」の歯止めが、また一つ外された。

 最大の争点は、3・11後に定められた原子力規制委員会の新たな規制基準を、原発再稼働の“お墨付き”とするか、しないかだ。

 規制委は二月、高浜原発3、4号機を新規制基準に適合しているとした。

 それを受け、関電は再稼働の準備に着手。しかし、福井地裁は四月、「新規制基準は合理性を欠く」として、周辺住民が求めた再稼働差し止めを認める決定を下していた。新規制基準の効力に根本的な疑問を投げかけたのだ。

 関電の不服申し立てを受けた福井地裁は、その決定を百八十度覆したことになる

 安全対策上想定すべき最大の揺れの強さ(基準地震動)、その揺れや津波に対する関電側の対策、使用済み核燃料保管の危険性…。どれをとっても規制委の審査に「不合理な点はない」として、原発が周辺住民の人格権や、個人が暮らしや生命を守る権利を侵害する恐れはないと判断した。

 昨年五月、同様に運転差し止めを認めた大飯原発3、4号機に関しても「規制委の審査中であるから」と、差し止めを却下した。

 高浜に関しては、西川一誠知事が二十二日再稼働に同意して、地元同意の手続きを終えている。関電は、まず3号機から運転開始を急ぐという。

 だが、よく考えてもらいたい。

 裁判所は事業者の取った対策が「新規制基準に適合する」という規制委の判断を「合理的」としただけだ。規制委自身が何度も表明しているように、その判断は「安全」を保証するものではない

 今回の福井地裁も「過酷事故の可能性がまったく否定されたものではない」と、はっきり述べているではないか。

 知事の判断も同じである。

 安全確保は事業者の責務事業者の規制は国の責務県は監視するだけという、及び腰の最終同意である事業者にも国にも“責任能力”などないことは、福島の現状を見れば、明らかではないか。

 安全性も責任の所在もあいまいなまま、再稼働へひた走るその状況が何も変わっていないということを、忘れてはならない。
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