[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年06月16日[木])
[その1へ]
…さて、生業訴訟…「生業を返せ、地域を返せ!」がようやく最「低」裁に。
東京新聞【福島第一原発事故、国の責任は 17日に最高裁が初判断 原発避難4訴訟の争点とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183386)によると、《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決が17日、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)で言い渡される。原発事故の国の責任について最高裁が判断を示すのは初めてとなる。判決次第で国と東電を相手取った同種訴訟をはじめ、避難者への賠償の見直し議論や今後の原発政策など広範に影響が及ぶ可能性がある。(小沢慧一)…福島訴訟弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は「現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり、除染や汚染水の海洋放出問題など、原発事故に関わる多くの政策に大きな影響を与える」と意義を強調する》。
[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」】 (東京新聞 2022年06月11日)]
そして、東京新聞のシリーズ記事【「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182747)。《原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった》。
【「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」②群馬】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959)。《◆事故を防ぐ機会は「何度も何度もあったのに」 10日午後6時前、JR前橋駅前で、丹治杉江さん(65)はマイクを握っていた。「事故の原因をはっきりさせ、2度と同じように涙を流す人を見たくない」 2012年11月から毎週金曜に始めた脱原発を呼び掛ける活動は、483回目。次回17日には駅前に立たない。その日、自身の裁判で最後の判決が最高裁で言い渡される》。
【「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」③千葉】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183201)。《「国と東電にふるさとを奪われ、何でこんなに苦しい仕打ちを受けないといけないのか」。原告団に加わった時から、その思いは変わらない。裁判を通じて「国は東電に責任をなすりつけ、東電は安全対策よりも経営のことしか考えていない」と痛感した。5年ぐらいで終わると思っていた裁判は、想像以上に長期化した。「責任の有無はすぐに分かるはず。どうしてここまで引き延ばすのか不思議でならない」と嘆く。南原さんはかつて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが発生する火力発電よりも、原発は環境に優しいと前向きにとらえていた。だが、放射能で汚染した土の保管や長期化する廃炉作業を目の当たりにし、考え方は完全に変わった。「国の管理監督責任をもっと拡大することが将来のためになる。最高裁は忖度せずに判断を下してほしい」》。
【「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」④愛媛】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183388)。《15年1月、松山地裁での第1回口頭弁論で、国の冷酷な態度を見せつけられた。避難生活の苦しさを法廷で意見陳述しようとしたところ、国の代理人は「(裁判の)証拠にならないから不要だ」と、耳を傾けようとしなかった。その後も延々と科学的な論争が続き、傍聴席で疑問に思った。「この裁判に、避難者の居場所はあるのだろうか」》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/182747】
「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
2022年6月11日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島
(中島孝さんは市場で自ら選んだ地元産を中心とした
鮮魚をさばいて刺し身にし、息子が継いでくれた
店に並べる=福島県相馬市で)
◆店、つぶしちゃうかもしれないな
「原告団長になってもらえませんか」。2012年12月、東京から訪れた馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士(46)からそう頼まれた時、福島県相馬市で地元鮮魚を扱うスーパーを営む中島孝さん(66)は即答できなかった。「店、つぶしちゃうかもしれないな」。
東日本大震災直後、スーパーには水や食べ物を求めて毎日、たくさんの人が詰め掛けた。買い置きの店の米を炊き、交渉して市場の冷凍倉庫から魚を買い、漂白したいけすで水を運んだ。ガソリンがなく自転車や歩きで遠方から来る人も。1日1500人が長蛇の列を作った。周辺の店が閉まる中、地域の人を餓死させてはならないと、死に物狂いで食材を確保した。
東京電力福島第一原発事故の後、福島の漁業は操業停止に。仲買業者も中島さんが組合長を務める小売業者組合も、地元の魚が手に入らず困窮した。「首つるしかねぇ」。そんな声が日々、入ってきた。弁護士の力も借りて東京電力に損害賠償を直接請求したが、遅々として進まなかった。
◆売り上げ3割減、妻と無給で年金暮らし
東電と国に損害賠償を求める訴訟の原告団長に請われたのはそんな時だった。妻和美さん(66)からは「みんな首つりそうなんだべ。息子に魚の切り方教えっから。店は何とかすっから」と背中を押された。弁護団に「私財をなげうっても勝つ覚悟です」と言われたことも脳裏をよぎった。
「逃げるわけにはいかない」
原告団の会合、訴訟、国や東電との交渉…。店を頻繁に空けるようになった。原発事故の影響もあり、売り上げは多い時で3割減り、現在、妻と自分は無給にして年金で暮らす。
原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった。
◆再稼働進めようとする国 判決で終わりではない
事故から11年超が過ぎ、100人以上の原告が亡くなった。中島さんは15年に自殺した福島県南相馬市のラーメン屋だった高木光雄さん=当時(71)=が忘れられない。法廷で「子どもたちが家族で店に来てくれるのが喜びだった。避難指示区域となり、その店さえできない。悔しさが分かるか」と意見陳述した姿が心に残る。遺書はなかった。
中島さんは言う。「最高裁判決で国の責任が認められると信じている。亡くなった仲間にも聞かせたかった。国は今、再稼働を進めようとしている。判決で終わりではない。原告団は解散せず、二度と原発事故が起きない社会を次世代に引き継げるまで闘い続ける」(片山夏子、写真も)
福島訴訟 「生業を返せ、地域を返せ!」をスローガンに2013年3月11日に提訴した。原告は福島県や茨城県などの住民ら約5000人で、原発事故の被災者訴訟として最多。一審福島地裁(金沢秀樹裁判長)は国の責任を東電の2分の1としたが、二審仙台高裁(上田哲裁判長)は東電と同等と判断し、賠償金も一審の倍となる総額10億1000万円にした。高裁判決は、国の賠償基準「中間指針」で帰還困難区域だけに認められた「ふるさと喪失」の慰謝料の対象地域を拡大。避難指示区域の外にある福島・会津地方などや栃木、宮城両県の一部の被災者への賠償も認めた。
◇
最高裁第2小法廷は17日、福島、群馬、千葉、愛媛の各県の原発事故被災者たちが東電と国に損害賠償を求めた4つの訴訟について、国に賠償責任があるかどうかの統一判断を示す。全国約30ある集団訴訟に絶大な影響を与える可能性がある判決を前に、4訴訟の原告にこれまでの11年と、これからを聞いた。
【関連記事】原発避難4訴訟が結審 最高裁、夏前にも統一判断へ 避難者「痛み、放置せず判断を」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959】
「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
2022年6月12日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」②群馬
(「原発事故の原因をはっきりさせたい」と訴える
丹治杉江さん(左)=10日、前橋市のJR前橋駅北口で)
◆事故を防ぐ機会は「何度も何度もあったのに」
10日午後6時前、JR前橋駅前で、丹治(たんじ)杉江さん(65)はマイクを握っていた。
「事故の原因をはっきりさせ、2度と同じように涙を流す人を見たくない」
2012年11月から毎週金曜に始めた脱原発を呼び掛ける活動は、483回目。次回17日には駅前に立たない。その日、自身の裁判で最後の判決が最高裁で言い渡される。
東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県内に避難した一人として、13年9月に裁判を起こした。世界最悪レベルの事故の責任は東電だけではなく、国にもあると認めさせるためだった。
「過酷な事故を防げる機会は何度も何度もあったのに、国は対策をしたとしても事故は防げなかったと主張した。やりもしないでやっても無駄だったなんて、一番腹が立つ」
法廷に毎回通い、他の避難者の訴訟を応援するため、各地に足を運んだ。交通費や休業手当が出るわけでもない。自宅には、読みあさった原発関連の本や資料が山のように積んである。
「勉強し、人の話を聞き、発信して。こんな濃密な日々はなかった。後悔はない。でも、これが自分の望んだ人生だったのかな」
◆罵声のような言葉 一人で泣き、叫んだ
あの日事故が起きなければ、今ごろ沖縄で夫の幹夫さん(68)と暮らしていた。新婚旅行の地で、夫は家電修理の仕事を続けながら、自分は観光ガイド-。かつて将来を語り合った2人は今、「あのころは…」と昔のことばかり思い出す。
幹夫さんが全国の愛用者から届くワープロの修理を手掛けて経営が順調だったころ、原発事故が起きた。福島第一原発から35キロのいわき市北部にあった自宅から、前橋市に移ったのは11年7月。政府の避難指示区域の外からの「自主避難」だった。原告団の約半数は同じ自主避難者だ。
放射能への不安、子どもを安心して育てられないなど、それぞれの事情で避難を余儀なくされた。にもかかわらず、自主避難には「勝手に逃げた」とレッテルを貼られた。
「裁判が福島の復興を邪魔している」と、罵声のような言葉を浴びた時もあった。「何度も車の中で一人、泣いたり、大声で叫んだりした」。それでも、原告団の先頭に立ち続けた。原告は4人が亡くなり、末期がんで苦しんでいる人もいる。「くじけなかったのは、悔しいからですよ」
◆裁判が終わってもするべきことがある
国の責任を巡る最高裁の統一判断は、約30ある他の訴訟に絶大な影響を与える。「怖い。これで終わりだから。考えると、眠れない」。勝っても劇的に生活が変わるわけではない。でも、責任を認めさせたい。
「原発事故の被害者が安心して暮らせるよう、たくさん施策を作っていかないと。原発事故後を生きる大人の責任として」。裁判が終わっても、するべきことがある。幹夫さんと将来を語り合うのは、まだもう少し先だ。(小川慎一)
群馬訴訟 東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県内に避難した住民と家族ら137人が国と東電に慰謝料を求め、2013年9月11日に提訴。17年3月17日の一審前橋地裁判決(原道子裁判長)は集団訴訟では最初の判決で、国について「規制権限に基づき対策を取らせるべきなのに怠った」と責任を認め、東電と国に計3855万円の支払いを命じた。だが21年1月21日、二審の東京高裁判決(足立哲裁判長)は一転、国の責任を否定。東電のみに計1億1972万円の支払いを命じた。東電の賠償責任は最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)が22年3月2日付で東電の上告を退け、確定した。
【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
【関連記事】原発避難者側、国の責任あらためて主張 群馬訴訟、最高裁で弁論 夏にも統一判断
【関連記事】「忖度せず、国の責任を認めて」原発事故避難者の集団訴訟で初の最高裁弁論
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/183201】
「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん
2022年6月14日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」③千葉
(最高裁の統一判断を前に「9年間は長すぎる」
と語る南原聖寿さん)
◆福島ナンバーだけで嫌な視線
「すっかり体力が落ちちゃったね。5月に出場した障害者スポーツ大会の100メートル走は21秒。精神的なものもあるけど、白髪が増えるわけだ」
足に障害がある南原聖寿(せいじゅ)さん(62)はスマートフォンに保存された過去の写真を見返し、年月の経過を実感することが多くなった。
東京電力福島第一原発の20キロ圏内にある福島県南相馬市小高区の自宅から、家族で千葉県君津市に避難して11年が過ぎた。東電と国の責任を追及するため千葉地裁に提訴してから既に9年を超え、ようやく17日に最高裁が国の責任について判断する。
「原告団の中には亡くなった人もいるし、加齢で表舞台に立てなくなった人もいる。長すぎる」
君津市は妻の園枝(そのえさん)(63)の実家が近くにあったが、苦労は尽きなかった。「乗る車が福島ナンバーというだけで、嫌な視線を感じた」。疎外感を覚えずにはいられなかった。
就職した長男(25)は事故当時、転校先の中学校で「放射能がうつる」と言われるなどのいじめに遭い、不登校に。知的障害のある長女(22)は事故後、車いすでの生活に変わった。園枝さんも足の障害が悪化し、車いすを手放せない。
◆最高裁は忖度しないで判断を
住み慣れた地からの転居で、長年勤めていた半導体メーカーの退職を余儀なくされた。消化器系の持病が悪化し、アルバイトもあきらめた。生活保護で家賃と生活費をやりくりしながら、園枝さんと長女の3人でアパート暮らしを続ける。
「福島にいたころはいろいろな人と交流があったけど、現在の自宅周辺は住民同士のつながりが薄く、家族で外出するのは買い物や病院に行く時ぐらい。町内会活動でもあればいいけどね」
小高のアパートには、ひな人形や写真のアルバムなど思い出の品が残っていた。だが、運び出せぬまま、数年前に所有者の意向で取り壊された建物とともに処分された。
「国と東電にふるさとを奪われ、何でこんなに苦しい仕打ちを受けないといけないのか」。原告団に加わった時から、その思いは変わらない。
裁判を通じて「国は東電に責任をなすりつけ、東電は安全対策よりも経営のことしか考えていない」と痛感した。5年ぐらいで終わると思っていた裁判は、想像以上に長期化した。「責任の有無はすぐに分かるはず。どうしてここまで引き延ばすのか不思議でならない」と嘆く。
南原さんはかつて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが発生する火力発電よりも、原発は環境に優しいと前向きにとらえていた。だが、放射能で汚染した土の保管や長期化する廃炉作業を目の当たりにし、考え方は完全に変わった。
「国の管理監督責任をもっと拡大することが将来のためになる。最高裁は忖度せずに判断を下してほしい」(山口登史、写真も)
千葉訴訟 東京電力福島第一原発事故で福島県内から千葉県内に避難した住民47人が2013年3月11日、国と東電に損害賠償を求めて提訴。17年9月22日の一審千葉地裁判決(阪本勝裁判長)は国の責任を認めず、東電に計3億7600万円を支払うよう命じた。21年2月19日、二審の東京高裁判決(白井幸夫裁判長)は、国の責任について東電に津波対策を講じるよう「規制権限を行使しなかったのは違法」と認め、国と東電に計2億7800万円の支払いを命じた。東電の賠償は最高裁第2小法廷が22年3月2日付、東電の上告を退け、確定した。5月末までに原告7人が亡くなった。
【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
<群馬>「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/183388】
「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん
2022年6月15日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」④愛媛
(「国の責任をはっきりと認め、若者に希望を与えてほしい」
と話す渡部寛志さん=9日、愛媛県松前町で)
【関連記事】】福島第一原発事故、国の責任は 避難者賠償訴訟、17日に最高裁判決
◆避難、離婚…家族はバラバラに
「フクシマさん、フクシマさん」。福島県南相馬市から愛媛県に避難した渡部寛志さん(43)は、愛媛で知り合った人からこう呼ばれることがある。東京電力福島第一原発事故から11年がたっても、「避難者」であり続ける。そして、差別もなくならない。
福島から愛媛に避難しているのは、わずか22人(4月時点、復興庁調べ)。人数が少ないだけに「避難者が目立ち、差別につながりやすい」。住居を購入しても、近所の人たちに福島から来たことを隠し続けている避難者もいる。
事故前、原発の北約12キロにある南相馬市小高区で妻と娘2人と暮らし、専業農家をしていた。政府の避難指示で町を離れ、事故から1カ月後、大学時代を過ごした愛媛に避難した。
遠く離れた地での避難生活が長引き、妻と意見が衝突することが増え、2019年に離婚した。渡部さんと次女(13)が残り、長女(17)は元妻と福島県須賀川市に移った。家族がバラバラになった現実に、「原発事故が起きなかったなら…」との思いが拭えない。
◆国の冷酷な態度見せつけられ
国と東電を相手に裁判を起こすきっかけとなったのは、松山市内の住職の呼びかけで事故直後に始まった避難者の交流会。月1回集まると、「経済的に苦しい」と窮状を訴える声が相次いだ。賠償を東電に任せ、避難者支援も不十分なまま放置している国が許せなかった。
交流会に参加する避難者を一軒一軒訪ねて説明し、原告を募った。子育て世代の避難者が多く、事故時に20歳未満だった原告は8人と3割に上る。
15年1月、松山地裁での第1回口頭弁論で、国の冷酷な態度を見せつけられた。避難生活の苦しさを法廷で意見陳述しようとしたところ、国の代理人は「(裁判の)証拠にならないから不要だ」と、耳を傾けようとしなかった。その後も延々と科学的な論争が続き、傍聴席で疑問に思った。「この裁判に、避難者の居場所はあるのだろうか」
◆「避難者の学校ほしかった」
それでも、声を上げなければ自分たちの苦しみがなかったことにされてしまう。最高裁の法廷で避難者の思いを伝えようと、5月に原告たちを訪ねて回った。
その中に、いじめに遭い不登校になった兄弟がいた。弟は20年秋に自殺した。22歳の兄は「避難者同士が通える避難者学校を全国につくってほしかった」と吐露し、「『悪かった』と素直に謝罪ができる国だったら、そもそも事故は起きなかった」と憤った。
渡部さんの中学2年の次女は「同級生は原発事故をあまり知らない。知らないとまた事故を起こすから、判決が出たら『国の政策によって起きた事故』と教科書に載せてほしい」。
若い原告の声を聞き、渡部さんは思う。「これからも事故を背負って生きていく若者が、希望を持てる判決を言い渡してほしい」(小野沢健太)
愛媛訴訟 東京電力福島第一原発事故で福島県内から愛媛県内に避難した住民が2014年3月から順次提訴し、25人が国と東電に慰謝料を請求。一審松山地裁(久保井恵子裁判長)は19年3月26日、国と東電に計2743万円の支払いを命じた。21年9月29日、二審高松高裁(神山隆一裁判長)も、東電に津波対策を講じさせなかったのは「許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠く」と国の責任を認め、計4621万円の支払いを命じた。東電の賠償責任は最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)が22年3月30日付で東電の上告を退け、確定した。
【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた 原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
<群馬>「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
<千葉>「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん
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[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)] (2021年02月21日[日])
山田雄之記者による、東京新聞の記事【国の責任認める 福島第一原発事故避難者訴訟で東京高裁判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86969)。
《東京電力福島第一原発事故で、千葉県に避難した住民ら43人が国と東電に計約18億8500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫裁判長)は国の責任を認めた》。
白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。
責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! もうすぐ10年経ちますよ…いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。
アサヒコムの記事【原発避難訴訟、国の責任認める 高裁で2件目】(https://www.asahi.com/articles/ASP2M53R1P2KUTIL060.html?iref=comtop_National_01)によると、《東京電力福島第一原発事故で千葉県内に避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫裁判長)であった。一審・千葉地裁は国の責任を否定して東電にだけ賠償を命じたが、高裁は国と東電の両方に同等の責任を認めた。原発事故をめぐって避難者が国と東電を訴えた集団訴訟は全国で約30件あり、控訴審判決は今回が3件目。国の責任を認めた判決は昨年9月の仙台高裁に続いて2件目で、国の責任を否定したのは今年1月の東京高裁の1件となった。今後、最高裁が統一判断を示すとみられる。今回の訴訟の一審・千葉地裁判決は2017年9月に言い渡された。一審では18世帯45人が国と東電に計約28億円を求め、千葉地裁は42人に計約3億8千万円を支払うよう、東電に命じた。千葉地裁は、政府の「地震調査研究推進本部」が02年に公表した地震予測の「長期評価」に基づけば、遅くとも06年までに原発の敷地の高さを超える津波を予見できたと認めた》。
福島民報の【<速報>国の責任認め、東電にも賠償命令 原発集団訴訟で東京高裁】(https://www.minpo.jp/news/moredetail/2021021983773)によると、《東京電力福島第一原発事故で本県から千葉県に避難した住民17世帯43人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長)は19日、国の責任を否定した一審千葉地裁判決を覆し、国と東電の責任を認め、両者に賠償を命じた。全国で約30ある同種訴訟のうち、国を被告に含めた控訴審判決は3件目。国の責任を認めたのは昨年9月の仙台高裁判決に続いて2件目となった》。
「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」…もうすぐ10年が経とうとしている。
『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」』
《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
彼が求めていることは「責任をとってくれ」です。
「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
やめたか。申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
2013年3月11日に福島地裁に起こした
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)
には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》
『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」』
『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》』
『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき』
『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる』
「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
一部認められました。
国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復》
して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
さっさとお願いします。
…出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
現実を直視し》、何を為すべきですか?」
まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/86969】
国の責任認める 福島第一原発事故の避難者訴訟で東京高裁判決
2021年2月19日 21時54分
(原発避難者訴訟の控訴審判決で勝訴し、垂れ幕を掲げる
原告代理人の弁護士ら=19日、東京・霞が関の東京高裁前で)
東京電力福島第一原発事故後に福島県から千葉県などに避難した住民ら43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長)は19日、国の賠償責任を認めなかった一審の千葉地裁判決を変更し、国と東電双方の責任を認めた。東電に約2億7800万円、うち国に約1億3500万円を連帯して支払うよう命じた。
全国で約30件ある集団訴訟で、高裁判決は3例目。昨年9月の仙台高裁判決は国の責任を認めたが、今年1月、国の責任を認めた前橋地裁判決を東京高裁判決は覆した。今回の判断は国の責任を認める2例目の高裁判決となった。
◆津波対策命じなかった国は「著しく合理性欠く」と違法性認定
この日の判決は、国が2002年に公表した地震予測「長期評価」を「相応の科学的信頼性がある」と評価。国が津波対策の妥当性を判断する際に長期評価を重視しなかったことを「著しく合理性を欠く」と批判し、福島第一原発に大きな津波が到来する予見可能性があったと判断した。
その上で、防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした。
国の責任は東電と同程度としたが、原告のそれぞれへの請求額が違うため、賠償額が異なった。
一審は「国は長期評価に基づき津波の発生を予見できた」としながらも「津波の規模の大きさから措置を講じても、原発事故を回避できなかった可能性がある」として国の責任を否定。東電にだけ約3億7600万円の賠償を命じていた。(山田雄之)
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【関連記事】原発の「安全神話」再生産に警鐘鳴らす 福島第一原発事故から10年で民間事故調が報告書を出版
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沖縄タイムス社説【社説[原発事故高裁判決]賠償基準の見直し急げ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/641486)。
《東京電力福島第1原発事故について国の責任を強く指摘する判決が示された。原発事故で被災した福島県などの住民約3650人が、国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き両者に賠償を命じた》。
東京電力核発電人災の刑事裁判では…東京地裁永渕健一裁判長の判決は、あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》でした。
『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》』
『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御
できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》』
『●永渕健一裁判長、東電旧経営陣の刑事裁判で「無罪」《判決の
中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる》』
『●東京新聞の小野沢健太記者によるシリーズ記事【<原発事故
「無罪」>】…《判決に表情変えず 遺族ら「うそー」悲鳴》』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
『●《今なお続く福島の「不条理」》:東電の初期の主張は「無主物」
…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●東京電力核発電人災の刑事裁判: 東京地裁永渕健一裁判長の判決は、
あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》』
《被告人全員無罪! 2019年9月19日、福島第一原発事故刑事裁判の
判決が下された。司法犯罪とも言える不当判決の内容を弁護士・
海渡雄一が徹底解説する、前作「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」
の改訂版。東京高等裁判所での控訴審を前に全国民必見の33分間!!》
一方、民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
東京新聞の記事【福島第一原発事故で二審も国と東電に賠償責任認める 仙台高裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/58768)によると、《東京電力福島第一原発事故の被災者約3650人が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁(上田哲裁判長)は30日、国と東電に対して、3550人に総額約10億1000万円を支払うよう命じた。一審福島地裁判決に続き国と東電の責任を認め、救済範囲も広げた。全国約30件ある集団訴訟では最大規模であり、国の責任に関する初めての高裁判断となった。原告団の馬奈木厳太郎弁護士は仙台高裁前で原告や支援者に対して、「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも賠償範囲が広がっている」と話した。2017年10月の一審福島地裁判決は、国と東電の責任を認め、約2900人に総額約5億円の支払いを命じた。被災者側、国、東電のいずれも控訴していた》。
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」。
『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」』
《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
彼が求めていることは「責任をとってくれ」です。
「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
やめたか。申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
2013年3月11日に福島地裁に起こした
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)
には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》
国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復》して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。さっさとお願いします。
『●東電原発人災…《「失敗の本質」とその責任を問》うた上で、
核発電「麻薬」中毒患者に「原状回復」させよ』
《福島生業訴訟で10月に福島地裁判決で勝訴した南雲芳夫弁護士も
「自分の失敗を反省しない人はまた必ず間違いを犯す。ですから
私たちは何よりも責任を明らかにする」と語る》
出来ない? 不可能? 核発電「麻薬」中毒の皆さん、核発電「寄生」な方々、フザケナイデもらいたい。
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と安全規制を
怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?』
『●室井佑月さん、「責任が誰にあり、どう取るのかを
見届けたいのだ。そこまでできて、やっと次の段階に…」』
福島原発訴訟(生業訴訟)の行方に注視が必要です。
『●3.11東京電力原発人災から4年:
虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」』
《◆広がる生業訴訟 「かながわ訴訟」の原告は、南相馬市小高区から
横浜に避難した村田弘団長(72)ら百七十四人》
《「原発事故の時、どこに住んでいたかで国は賠償に差をつけた。
でも日常生活や地域のつながりを突然奪われた痛みはみな同じ。
被災者を分断してはならない」》
《基地、原発「子に継ぐものでない」 久保田さん辺野古集会で訴え》
《「誰も原発事故の責任を取らないのは許せない」との思いで参加に
踏み切った。久保田さんら沖縄に住む原告たちは「福島と沖縄の問題を
互いに理解を深めていきたい」と…》
《4日間、座り込みに参加。機動隊に強制的な「ごぼう抜き」で
排除された。「国は住民の思いを聞かないんだな」と強く実感した》
《事故収束のめどは立たず、被災者の苦しい生活が続く中、各地で
原発再稼働の準備が進められている…「住民の反対にもかかわらず
国はここに新しい基地を造ろうとしている。原発も基地も子どもたちが
受け継いでいくものではない」》
『●川内原発再稼働:東京電力原発人災の教訓は活かされず、
そして、福井地裁判決をかみしめることも無く』
《「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)
原告団のメンバーが、九日から川内原発のある鹿児島県薩摩川内市を
訪れ、集会などに参加する。原発は経済的なメリットと引き換えに
「ふるさと、生業」を失い、未来を描けなくなるという現実を伝えるために。
…東京電力福島第一原発事故で、放射性物質は県境を越えて東日本に
広がりました。原発のある大熊町と双葉町、北隣の浪江町の広い地域は、
三十年間は戻れない帰還困難区域になりました。…生業訴訟原告団は
今年から原発立地自治体を訪ね、自らの経験を伝えるキャラバンを
始めました。先月、佐賀地裁で開かれている玄海原発差し止め訴訟では、
福島県二本松市の農業根本敬さんが意見陳述をしました。自宅は
原発から六十キロ離れていますが、「(事故直後)水田の土は
一キロあたり五〇二〇ベクレルでした。風評ではありません。
実害です」と広域な被害状況を説明。「相馬市の酪農家は、
フィリピンから嫁いだ妻をフィリピンに戻して、黒板に
『原発さえなかったら』と書き付けて命を絶ちました」と語りました》
『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」』
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:「区域外避難」者も含めて
「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●「なぜ巨大な権力にあらがえるのか。
人々は「世代の責任」を語る」「子を守る「風かたか」になる」』
『●東電原発人災…《「失敗の本質」とその責任を問》うた上で、
核発電「麻薬」中毒患者に「原状回復」させよ』
最後に、《国と東電の責任が同等というのは当然の判断である》…の「国」、当然、アベ様を最大の《戦犯》として、まず挙げるべきである。
『●「想定外」という言い訳は許されない』
『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任』
『●SLAPPと原発、沖縄』
『●『DAYS JAPAN』
(2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき』
「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」
『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」』
「〝四月バカ〟では済まない、本質的●●。何食わぬ顔で
《最大の戦犯》なアベ様。しかも、菅直人氏についての
デマ「メルマガ事件」の犯人もアベ様だ。今も何食わぬ顔で、
原子力「寄生」委員会のデタラメな「お墨付き」の下、
核発電所再稼働を強行し、司法も役立たず、核発電所まで輸出する…
大迷惑な核発電「麻薬」中毒者のトップがアベ様。
《最大の戦犯》が犯罪を犯し続けている」
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【https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/641486】
社説[原発事故高裁判決]賠償基準の見直し急げ
2020年10月2日 07:00
東京電力福島第1原発事故について国の責任を強く指摘する判決が示された。
原発事故で被災した福島県などの住民約3650人が、国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き両者に賠償を命じた。
原発事故の集団訴訟は全国で約30件あるが、国の責任を認める初めての高裁判断だ。これまで一審では国の責任への判断は割れている。各地の訴訟に影響を与える可能性があり判決の意味は大きい。
裁判では、原発を襲う大津波を予見できたかなどが争われた。
仙台高裁判決は一審に続き、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測の「長期評価」を信頼できると認めた。この知見に基づき試算すれば、国と東電は02年末時点で海抜10メートルの敷地を超える津波の到来を予見でき、事故を回避し得たと判断した。
一審と異なるのは国の責任の度合いだ。一審では国の責任は東電の半分にとどまるとしたのに対し、高裁は東電と同等に原告の損害全体に責任を負うべきだと踏み込んだ。
国と東電の責任が同等というのは当然の判断である。
そもそも原発は国の政策として推進されてきたものだ。さらに国は安全性を確保するため電力会社を規制する立場でもある。津波対策が適切に講じられているか厳格な判断が求められていた。
「東電の報告を唯々諾々と受け入れ、規制当局に期待される役割を果たさなかった」。判決が示した不作為への厳しい批判を、国は重く受け止めなければならない。
■ ■
高裁判決は、原告3550人に計約10億1千万円を賠償するよう命じた。賠償額は一審判決の2倍に、対象人数も約2900人から増えた。
賠償の目安として国が定めた中間指針を超える金額が認められ、対象とする地域も一部で広げられた。
ただ、指針は東電などの過失が前提にされず、被災者からはもともと金額が低すぎると指摘されている。国と東電は指針を見直し被害実態に見合うものにすべきだ。
原発事故から来年3月で10年を迎えるが、今なお古里を離れて暮らす人は少なくない。福島県によると、県外への避難者は今年7月時点で2万9千人余りいる。
地元で暮らしていても、生活再建が進まなかったり健康被害への不安を抱えていたり、平穏な生活を取り戻せずにいる人は多い。被災者支援の拡充は急務だ。
■ ■
菅内閣が初閣議で決定した内閣の基本方針は、東日本大震災や原発事故の記述が全くなく、被災者を失望させた。
福島県内では現在も7市町村に帰還困難区域が残り、除染や避難指示解除の見通しは立っていない。第1原発で増え続ける処理水の処分方法も定まっていない。
原発事故を巡っては国会の事故調査委員会が、規制当局(国)と東電の「なれ合い」があり「明らかに人災」だと指摘している。国は責任を明確に認め、復興にこれまで以上に力を入れてもらいたい。
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沖縄タイムスの【社説[東電旧経営陣に無罪]誰も責任問われぬとは】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/473853)。
琉球新報の【<社説>東電旧経営陣無罪 原子力ムラ擁護の判決だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-993462.html)。
東京新聞の社説【東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019092002000193.html)。
《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない。市民感覚とのずれに驚くほかない…東京電力の旧経営陣3被告に対し東京地裁(永渕健一裁判長)は無罪判決を言い渡した》。
《原子力ムラに寄り添った判決と断じざるを得ない。2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に、東京地裁が無罪の判決を言い渡した。事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかったと判示した》。
《事故の三年前まで時計の針を戻してみよう。国の地震予測である「長期評価」に基づく津波の試算が最大一五・七メートルにのぼるとの報告がなされた。…◆電源喪失予測もあった …原発ありきの発想に立った判決ではないか。「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである》。
『●「砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を
照らす意味を持つ」…相変わらずの最「低」裁かな?』
「《五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の
田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに
裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に
見つかった》…ということで、「三権の長でありながら米国の
干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」をしていた訳です」
『●最「低」裁判断に失望し、砂川事件の伊達秋雄裁判長は
程なく退官…《わが国の司法にとって大きなマイナス》』
永渕健一裁判長のお名前を記憶しておかねば。
一方、時事通信の記事【首相動静(9月19日)】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019091900314&g=pol)によると、《午前9時35分から同50分まで、大谷直人最高裁長官。…》とある。
判決当日午前、大谷直人最「低」裁長官がアベ様を御訪問…事前に政治判断をご報告ですか? 〝つぶやき〟上では、田中耕太郎長官を想起する、というものもありました。大谷直人最高裁長官は、以下のような方。
『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り
続けるのか?》 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電』
《ツイッターに不適切な投稿をしたとして東京高裁が懲戒を申し立てた
岡口基一裁判官(52)の分限裁判で、最高裁大法廷
(裁判長・大谷直人長官)は十七日、投稿内容が「裁判官の品位を
辱める行状」にあたると判断し、同高裁の岡口裁判官を戒告とする
決定をした。裁判官十四人全員一致の意見》
「《さまざまな社会事象への裁判官の考えは、個人として
発信していいのではないか》に賛成です。《問題の核心は、
高裁長官が「ツイートを続ければ、分限裁判を検討する」
と岡口氏に言ったことではないのか。もし私的な表現行為の
自由を封殺する意図なら、ゆゆしき問題だ》…《今回の決定で、
裁判官たちが萎縮しないか。閉鎖的環境の中に逼塞するのを
懸念する》」
《事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかった》ってどんな論理? アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断をまたしても見せつけられた。
『●アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断
…捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認』
日刊ゲンダイの記事【司法が「絶対的安全」を否定 この判決で原発再稼働の狂気】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262181)によると、《■原発国家の三権は原子力ムラの腐臭塗れ 台風15号が直撃した千葉県のインフラ寸断は3週目に入ろうとしている。安倍首相は「内閣総理大臣の最も重要な責務は、国民の命を守り、平和な暮らしを守ることであると考えています」などとペラペラ言っているが、安全・安心な国民の暮らしは置き去り。改めてそれがハッキリしたのが、東京電力福島…》。
『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき』
「《07年の新潟県中越沖地震では想定を大きく超える揺れを
記録した》。いま、つぶやき空間では、木村俊雄氏の指摘が話題に。
これは、2013年9月段階で、すでに指摘されていた。やはり
「人災」だった…《木村俊雄さんが、フクイチ地震時のデータの
解析を終えて、結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管
(小口径配管)から冷却水が漏れた…》」
地震によって破断などの致命的な事故が発生した人災である。
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
アベ様らは「“棄民”政策」がお好きだ。冷酷、冷血。
日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/安倍政権もメディアも国民のことなどなんにも考えていない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262080)によると、《「棄民という言葉があります。(中略)台風15号による被害と同時並行でにぎやかに発足した安倍改造内閣、災害と組閣2つのことを一緒に見ますと棄民の意味がわかります」(金平茂紀・ジャーナリスト) これは9月14日のTBS報道特集で金平さんが語った言葉だ。金平さんは(中略)の部分で、棄民の意味も説明している。「災害や戦争などで酷い目にあっているのに、国やメディアから見捨てられた人々のことです」と。彼がいってることは正しい、「国とメディア」の罪だ。…なぜならば今回のやらかしは安倍政権にとって、相当にヤバいことだからだ。国民のことなどなんにも考えていないグロテスクな集団だということが露わになってしまった。その証左だった。右に倣えのメディアもおなじだ》。
東京新聞の社説【東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る】…しかも、前述の通り地震によって破断などの致命的な事故が発生した人災だった。
吉井英勝議員が再三提言・警告、それを無視したのはアベ様だ。「メルマガ事件」の裏に居たのもアベ様。最悪な無責任な責任者がアベ様。「棄民」政策を繰り返している。
『●『DAYS JAPAN』
(2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき』
「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」
『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト』
《結果は大丈夫だったが、海水注入を中断していれば再臨界が起こる
可能性があり、このネタが本物なら菅首相はすでに辞任していたかも
知れない。自民党、安倍元首相の背後には原発を今後も推進したい
経産省が付いており、この谷垣総裁質問の本質は、菅降ろしのための
「原発クーデータ」計画だったといっていいだろう》
『●「メルマガ事件」東京地裁判決、アベ様の
「息吐く様に嘘つく」典型例が無罪に、そして、はしゃぐメディア』
《数々の「ニセ情報」を発信して政策を捩じ曲げ、「捏造」によって
「日本の名誉」を傷つけてきたのは、むしろ安倍首相ご本人》
《メディア報道や他人の発言を「捏造」「でっち上げ」
「ウソをばらまいた」と声高に批判する安倍だが、その安倍こそが
過去に数々のニセ情報を捏造し、発信し、大ウソを拡散させてきた》
『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒトは、
いま、熊本大分大地震に際して何をしている?』
『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」』
「同感。そして、例えば、核発電人災で誰か一人でも自民党議員が
責任をとったという話を聞いたことが無い。デマまで流して
(アベ様による「メルマガ事件」)、当時の政権に責任を押し付ける、
しかも、それを司法までが助ける」
『●「安倍ちゃん…○○の象徴じゃない?…あれぐらいのさ、
■■な人じゃないと、多分あんなことやれない…」』
「マツコ・デラックスさん、すばらしい。…《インスタとかSNSっていうのは、
ようはああいうのって、ものすごい操作できるってこと》…本当に。
直ぐさま、《菅降ろしのための「原発クーデータ」計画》アベ様の
デマ「メルマガ事件」を思い出した。《都合のいい》ことの羅列に
終始するに決まっていますね、アベ様のインスタ。《安倍首相のほうこそ
いたるところで見境なくデマを乱発してきた…自らのイメージ向上や
政策ゴリ押しのために「デマ拡散装置」として利用してきた実績》がある訳
ですし。息吐く様に噓をつく」
『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」』
支離滅裂な東京地裁・永渕健一裁判長の無罪判決。《「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである》。
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【https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/473853】
社説[東電旧経営陣に無罪]誰も責任問われぬとは
2019年9月21日 11:00
未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない。市民感覚とのずれに驚くほかない。
2011年3月の福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に対し東京地裁(永渕健一裁判長)は無罪判決を言い渡した。
勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3被告。いずれも禁錮5年を求刑されていた。
公判では大津波を予見できたか、対策を取れば事故を回避できたかどうかが最大の争点となっていた。
検察官役の指定弁護士は、国が02年に公表した地震予測「長期評価」を基に、東電が08年に最大15・7メートルの津波が原発を襲う可能性があるとの試算結果を得ており、予見できたと主張。安全対策を取る義務があったのに怠ったと訴えた。弁護側は「長期評価に信頼性はなく、予見できなかった」と無罪を主張した。
判決は3被告に「予見可能性がおよそなかったとは言い難い」としながら、「信頼性、具体性のある根拠を伴った認識ではなかった」と判断。その上で、「原発の運転を止めるには相当な負担と困難があり、津波を予見し、対策工事が終了するまでは運転を停止すべき法律上の義務は認められない」と結論付けた。
これに納得ができる人がどれだけいるだろうか。安全より運転を重視。予見可能性を指摘しながら、東電が具体的対策を取らなかったことを追認したのである。長期評価の信頼性も否定した。これを生かさないでは何のための長期評価なのか。判決は「無責任体制」を認めたようなもので、あぜんとするほかない。
■ ■
福島第1原発事故の責任を巡っては民事訴訟も提起されている。避難者が国や東電に損害賠償を求めた集団訴訟は各地で約30件起こされ、原告は1万人以上に上る。
「東電は津波を予見でき、事故を防げた」と評価した判決も多い。
例えば初めての判決となった17年の前橋地裁判決では国の地震予測の長期評価は合理的とし、これを基に試算すれば、東電は大津波の予見が可能で、08年5月ごろには実際に「予見していた」と指摘した。電源設備の高台移転などの対策を取れば、事故を容易に回避できたとして東電の過失を認めている。電源設備の高台移転など具体的だ。
刑事は民事より立証のハードルが高いとの声があるのも事実だが、今回の無罪判決には大いに疑問がある。
■ ■
未曽有の原発事故が招いた結果は極めて重大だ。今なお約4万2千人が福島県内外で避難生活を強いられている。
強制起訴制度は司法に市民感覚を反映させる目的で裁判員制度とともに導入された。今回の無罪判決は市民感覚との乖(かい)離(り)が甚だしい。
重大事故で個人を超えた企業や法人の「組織罰」を問うための法整備を進める必要があろう。
東電や旧経営陣は無罪判決によって社会的責任を免れたわけではないことを肝に銘じるべきである。
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-993462.html】
<社説>東電旧経営陣無罪 原子力ムラ擁護の判決だ
2019年9月21日 06:01
原子力ムラに寄り添った判決と断じざるを得ない。
2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3被告に、東京地裁が無罪の判決を言い渡した。事故回避のために原発を止める義務を課すほどの大津波の予見可能性はなかったと判示した。
避難者が集団で国や東電に損害賠償を求めた民事訴訟では、津波を予見でき事故を回避できたとする判決が多い。
刑事裁判では過失立証のハードルが高い。そうだとしても、未曽有の被害をもたらした原発事故で誰も刑事責任を負わないのは納得し難い。
国は「絶対安全」と強調し、各地で原発の設置を推進した。万全の用意があって初めてそう言える。現実には、「絶対安全」だから最高水準の対策は不要という、倒錯した理屈がまかり通った。
原子力政策を所管する経済産業省、原発を運転する東電など、産官学から成る原子力ムラは本来、原発事故に対して連帯して責任を負わなければならない立場にある。規制等を担う国と東電は「共犯」関係にあったと言えよう。
「事故が起きないように、また起こったとしても人体や環境に悪影響をおよぼさないよう、何重にも対策が取られています」「大きな津波が遠くからおそってきたとしても、発電所の機能がそこなわれないよう設計しています」
文部科学省と経産省が10年に発行した小学生・中学生向けのエネルギー副読本「わくわく原子力ランド」「チャレンジ!原子力ワールド」に、このような記述がある。
政府は、教育現場を含め、さまざまな機会をとらえて「安全神話」を植え付けようとした。
今回の判決は、自然災害に対し、事故が絶対に起きないレベルの安全性が求められたわけではない―と指摘している。政府の主張がうそ偽りだったことを改めて浮かび上がらせた。
「あらゆる可能性を考慮して必要な措置を義務付けられれば、法令上は認められた運転が不可能になる」とも判決は断じた。事故当時、「絶対安全」を確保しつつ原発を稼働させることなどできなかったわけだ。ここでも政府の欺瞞(ぎまん)が浮き彫りになる。
起訴状によると、3被告は大津波を予測できたのに対策を怠り、原発事故によって長時間の搬送、待機を伴う避難を余儀なくさせるなどして、44人を死亡させたとされる。
電源設備を高台に移し浸水しないように適切な対策を講じていれば、事故は回避できたはずだ。遺族、被害者の無念はいかばかりだろうか。市民感覚から懸け離れた東京地裁の判決である。
本をただせば、「絶対安全」を掲げて原発建設を推し進めた、政府の国策詐欺同然の手法にたどりつく。原子力ムラの責任を曖昧にしたままでは禍根を残す。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019092002000193.html】
【社説】
東電旧経営陣に無罪 「人災」の疑問は残る
2019年9月20日
東京電力の旧経営陣は「無罪」-二〇一一年の福島第一原発事故で検察審査会が強制起訴した裁判だった。本当に予想外の事故だったのか疑問は残る。
事故の三年前まで時計の針を戻してみよう。国の地震予測である「長期評価」に基づく津波の試算が最大一五・七メートルにのぼるとの報告がなされた。東電社内の会合で元副社長に「『(津波想定の)水を下げられないか』と言われた」-担当していた社員は法廷で驚くべき証言をした。元副社長は否定し、「そもそも長期評価は信頼できない」と反論した。
◆「力が抜けた」と証言
社員は「津波対策を検討して報告するよう指示された」とも述べた。だから、その後、防潮堤を造る場合は完成までに四年を要し、建設に数百億円かかるとの報告をしている。元副社長は「外部機関に長期評価の信頼性を検討してもらおう。『研究しよう』と言った」と法廷で応じている。
てっきり対策を進める方向と思っていた社員は「想定外の結論に力が抜けた」とまで証言した。外部機関への依頼は、対策の先送りだと感じたのだろう。実際に巨大津波の予測に何の対策も講じないまま、東電は原発事故を引き起こしたのである。
この社員は「時間稼ぎだったかもしれないと思う」「対策工事をしない方向になるとは思わなかった」とも証言している。
社員が認識した危険性がなぜ経営陣に伝わらなかったのか。あるいは対策の先送りだったのか。これはぬぐえぬ疑問である。
旧経営陣の業務上過失致死傷罪の責任を問うには(1)原発事故との因果関係(2)大津波などが予見できたかどうか(3)安全対策など結果回避義務を果たせたか-この三点がポイントになる。
◆電源喪失予測もあった
東京地裁は争点の(2)は「敷地高さを超える津波来襲の予見可能性が必要」とした。(3)は「結果回避は原発の運転停止に尽きるが、原発は社会的有用性があり、運転停止だと社会に影響を与える」ため、当時の知見、社会通念などを考慮しての判断だとする。
原発ありきの発想に立った判決ではないか。「あらゆる自然現象の想定は不可能を強いる」とも述べたが、それなら災害列島に原発など無理なはずである。
宮城県に立地する東北電力女川原発との違いも指摘したい。女川原発が海抜一五メートルの高台に建てられたのは、八六九年の貞観地震を踏まえている。だから東日本大震災でも大事には至らなかった。
〇八年の地震予測「長期評価」が出たときも、東北電力は津波想定の見直しを進めていた。ところが、この動きに対し、東電は東北電力に電子メールを送り、津波対策を見直す報告書を書き換えるように圧力をかけた。両社のやりとりは公判で明らかにされた。
「危険の芽からは目をそらすな」-それは原発の事業者にとって常識であるはずだ。旧ソ連のチェルノブイリ事故が示すように、原発でいったん事故が起きれば被害は極めて甚大であり、その影響も長期に及んでしまう。
それゆえ原発の事業者は安全性の確保に極めて高度な注意義務を負う。最高裁の四国電力伊方原発訴訟判決でも「(原発の)災害が万が一にも起きないように」と確認されていることだ。
「最大一五・七メートルの大津波」という重要なサインが活(い)かされなかったことが悔やまれる。〇四年にはスマトラ沖地震の津波があり、インドの原発で非常用海水ポンプが水没し運転不能になった。〇五年の宮城県沖地震では女川原発で基準を超える地震動が発生した。
これを踏まえ、〇六年には旧経済産業省原子力安全・保安院と電力会社による勉強会があった。そのとき福島第一原発に敷地高一メートルを超える津波が来襲した場合、全電源喪失から炉心損傷に至る危険性が示されている。
勉強会が活かされたらとも悔やむ。防潮堤が間に合わなくとも電源車を高台に配備するなど過酷事故対策が考えられるからだ。福島第一原発の非常用電源は地下にあり、水没は容易に発想できた。国会事故調査委員会では「明らかな人災」と厳しく非難している。
今回の刑事裁判は検察が東電に家宅捜索さえ行わず、不起訴としたため、市民の検察審査会が二度にわたり「起訴すべきだ」と議決したことによる。三十七回の公判でさまざまな事実関係が浮かんだ意義は大きい。
◆地震の歴史は繰り返す
安全神話が崩れた今、国の原発政策に対する国民の目は厳しい。歴史は繰り返す。地震の歴史も繰り返す。重大なサイン見落としによる過酷事故は、やはり「人災」にも等しい。繰り返してならぬ。苦い教訓である。
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日刊ゲンダイの記事【柏崎の再稼働は無理…米山知事が「県に運転停止の権限」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221889)。
《一般に大手メディアなどは、「再稼働後の運転停止の権限は規制委にしかない」との論調なのだが、米山はこれに真っ向から反論…「…私は、根拠のない“ケンカ”はしません」》
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と安全規制を
怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?』
『●室井佑月さん、「責任が誰にあり、どう取るのかを
見届けたいのだ。そこまでできて、やっと次の段階に…」』
『●東電原発人災…《「失敗の本質」とその責任を問》うた上で、
核発電「麻薬」中毒患者に「原状回復」させよ』
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
三反園訓鹿児島県知事はヒヨリ、泉田裕彦前新潟県知事もダークサイドに堕ちて…。別件ながら、『本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」』はずだったのに、じりじりと沖縄の「山」や「海」が殺され行く。
《私は、根拠のない“ケンカ”はしません》と言うが、米山隆一新潟県知事は、核発電「麻薬」中毒患者らの暴走を止められるか? 《早急な再稼働はムリだ》と記事は言うけれども、司法は機能せず、アベ様らはどんな汚い手を使うやもしれず…。
『●本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」』
「「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
(沖縄人を見くびってはいけない)」「
「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」」……。
そして、記事が言う《本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」》
という言葉を信じたい」
『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…』
《応援の森裕子参院議員(61)が
「泉田候補はダークサイドに落ちたな」と強烈に批判》
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221889】
柏崎の再稼働は無理…米山知事が「県に運転停止の権限」
2018年1月25日
(講演する米山知事(C)日刊ゲンダイ)
国と東京電力の“勇み足”に待ったをかけられるか――。24日、新潟県の米山隆一知事が都内で講演し、再稼働へ進む柏崎刈羽原発について、合意なく再稼働すれば「県には運転停止の権限がある」と訴えた。米山は泉田裕彦前知事(現衆院議員)の路線を継承した原発再稼働「慎重派」だ。
柏崎刈羽原発については、先月27日に原子力規制委員会が6、7号機について新規制基準「適合」の審査書を決定。再稼働へ一歩前進した。一般に大手メディアなどは、「再稼働後の運転停止の権限は規制委にしかない」との論調なのだが、米山はこれに真っ向から反論した。
その根拠は、原発立地自治体と事業者との間で交わされる「協定」だという。
「(協定を)法的拘束力のない“紳士協定”だという人がいるけれども、
日本の法律において紳士協定というものはありません。
日本の法律は意思主義なので、双方が合意すれば法的効力は生じます」
協定(第14条)によると、県や市、村は発電所への立ち入り調査などの結果<特別の措置を講ずる必要があると認めたとき>国を通じて東電に原子炉の運転停止を求めることができる。さらに、<特に必要と認めたとき>は直接、東電に運転停止などを求めることができるのだ。
米山は、県の独自調査が終わるまで再稼働の是非について議論しない姿勢だ。場合によっては、国と争うつもりだと言い放った。
「仮に、福島原発事故に関する県の独自検証の結果や
『再稼働の合意』を待たずに、国が(柏崎刈羽原発を)再稼働した
場合は、差し止め訴訟を起こします。私は、根拠のない“ケンカ”はしません」
県は3つの検証委員会を立ち上げ、原発事故の原因や健康への影響、万が一の場合に備えた避難方法を調査している。結果を出すには数年を要するという。早急な再稼働はムリだ。
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日刊ゲンダイの飯田哲也氏のコラム【明日を拓くエネルギー読本/「東電原発裁判」は市民による「現代の東京裁判」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/218472)。
《今年6月、画期的な裁判が始まった。福島原発事故から6年以上も経過し、初めて行われた事故責任を問う刑事裁判である。福島原発事故は、膨大な放射能をまき散らして大地や水を汚染し、今もなお続く避難生活で「原発関連死」が千数百人に及んでいる。これほどの事故を起こしながら、いまだに誰一人として罪を問われていないことに納得できない人は多いだろう…福島原発事故の「失敗の本質」とその責任を問うた後に、初めて私たちは「3・11後」に立つことができるのではないか》。
東京電力核発電人災《事故の「失敗の本質」とその責任を問うた後に》…さらに、東電や自民党、原子力「寄生」委員会の面々が福島を「原状回復」して見せた後に《「3・11後」に立つことができる》。百万歩譲って、核発電所の再開や輸出を検討したいのならば、《「失敗の本質」とその責任を問》い、「原状回復」して見せてから。
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と安全規制を
怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?』
『●室井佑月さん、「責任が誰にあり、どう取るのかを
見届けたいのだ。そこまでできて、やっと次の段階に…」』
ましてや、「原状回復」し得ていない東京電力に、世界一安全・安心を詐称した「新規制基準」の名の下に、柏崎刈羽核発電所の再稼働にお墨付きを与える原子力「寄生」委員会のデタラメぶり。アベ様ら自民党に、なぜにそんなに「忖度」しないといけないのか?
『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…』
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
『●「前例のない作業、人が近づけない環境、
構造上の非常識…」もんじゅ廃炉…新高速炉なんてやってる場合?』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/218472】
飯田哲也
環境エネルギー政策研究所所長。1959年、山口県生まれ。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻。脱原発を訴え全国で運動を展開中。「エネルギー進化論」ほか著書多数。
明日を拓くエネルギー読本
「東電原発裁判」は市民による「現代の東京裁判」
2017年11月29日
「東電原発裁判 福島原発事故の責任を問う」添田孝史著/岩波書店 780円+税
今年6月、画期的な裁判が始まった。福島原発事故から6年以上も経過し、初めて行われた事故責任を問う刑事裁判である。
福島原発事故は、膨大な放射能をまき散らして大地や水を汚染し、今もなお続く避難生活で「原発関連死」が千数百人に及んでいる。
これほどの事故を起こしながら、いまだに誰一人として罪を問われていないことに納得できない人は多いだろう。
そこで福島県民らが国や東電を「事故は予見可能で、対策を怠った」と告発したが、東京地検は2度にわたって不起訴とした。だが、東京電力の元経営者3人に絞り、検察審査会で強制起訴を勝ち取ったものだ。
旧日本軍を組織論で読み解いた名著「失敗の本質」(戸部良一他著)は、敗軍の将の責任を問わないまま転戦させて負け戦を繰り返したことを原因のひとつに挙げる。
福島生業訴訟で10月に福島地裁判決で勝訴した南雲芳夫弁護士も「自分の失敗を反省しない人はまた必ず間違いを犯す。ですから私たちは何よりも責任を明らかにする」と語る。
「事故の責任はない」と主張して民事裁判では負け続けている国が、同じく負け続けている東電の原発再稼働を審査する仕組みは、とうてい信頼できない。それだけでなく、原発事故損害賠償のあり方、増え続ける福島第1原発の汚染水や廃炉費用、甲状腺がんなどの発症への対応などを、いずれも「反省していない人たち」が担っているのだ。
「東電原発裁判」は、検察官役も弁護士が担う、いわば市民による「現代の東京裁判」だ。今後、東電の責任を明らかにし、その過程で、これまで東電や国、福島県などが伏せてきたさまざまな事実も明るみに出すことを期待したい。
福島原発事故の「失敗の本質」とその責任を問うた後に、初めて私たちは「3・11後」に立つことができるのではないか。
本コラムは今回が最終回。ご愛読、ありがとうございました。
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【もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017122202000137.html)。
《発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか…前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…。日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる》。
『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と…
ドブガネという巨額の「エサ代」は続く』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●東電核発電人災から6年が経過し、全て廃炉へ…な訳がない:
高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日』
『●「原発0」何処? 「国民の声より大事な何か、
国民の命以上に守りたい何かがそこに、あるのだろうか」?』
《三十年の歳月と約四千億円》…様々な意味で大甘の見積もりな、《前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…》なもんじゅの廃炉…。新高速炉「アベシンゾウ」(仮称)なんてやってる場合なのか?
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」』
『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」』
『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』』
「『猿の惑星』シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」
『●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」
…「核信者」「核燃料サイクル教信者」』
『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+
「命」「活」「業」「態」…どれか一つでも原状回復できたか?』
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と安全規制を
怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
核発電人災を引き起こしたあの東京電力、その柏崎刈羽核発電所に原子力「寄生」委員会が「新規制基準」適合、再稼働にお墨付きを出したとさ。新「寄生」委員長・更田豊志氏もアベ様ら核発電「麻薬」中毒患者に「忖度」。狂気な人々、凶器を振り回す。
悪夢の増殖炉では、《核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない》…「狂気」と言わず、何と言う? 《悲劇》《悲運》どころか「悲惨」な悪夢。
『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…』
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017122202000137.html】
【社説】
もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか
2017年12月22日
発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか。
大まかなスケジュールと言うべきか。今月六日、原研、日本原子力研究開発機構が原子力規制委員会に申請した廃炉計画は、具体性にも実現性にも欠けている。
原子炉内から核燃料を取り出し、冷却材の液体ナトリウムを抜き取って、建物を解体する。二〇四七年度までの三十年間、四段階に分けて実施する。政府の試算では、通常の原発の十倍以上、四千億円近い費用がかかるという。
中でも特に難関なのが、ナトリウムの抜き取りだ。
核燃料のプルトニウムに高速の中性子を当てて、激しい核分裂を促して、増殖させる。だから高速増殖炉。普通の原発とは違い、冷却材に、中性子を減速させる水ではなく、ナトリウムを使う。
ナトリウムは、空気に触れると発火し、水に触れると爆発的な反応を起こす。その上、核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない。
前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…。日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる。
もんじゅの完成は一九九〇年。一兆円以上の国費を注ぎ込みながら、トラブルが相次いで、運転できたのは二百数十日だった。つくづく悲劇の原子炉だ。
もんじゅで増殖させる燃料を作るはずだった青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場は、一八年度上期の完成をさらに三年延期することになりそうだ。
こちらも九七年完成だったのが、二十三回もの延期。再処理にかかる事業費も増え続け、十三兆九千億円に上る見込みという。
それでも政府は、燃料の増殖こそ断念したものの、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを高速炉で燃やすという核燃料サイクル計画をあきらめない。国富をとめどなく注ぎ込んでまで、かくもこだわる理由は何か。
もんじゅの現状を直視して、サイクルは白紙に戻し、その廃炉に全力を傾注すべきである。夢は夢。もんじゅにもうこれ以上、悲運を背負わせるべきではない。
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東京新聞の記事【今村復興相が記者に「出ていきなさい」 自主避難対応で激高、謝罪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017040502000122.html)、と
中山高志記者に取る記事【「自主避難も国の責任」 復興相発言受け抗議集会】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017040602000135.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/原発への覚悟感じられない激高大臣】(http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1803329.html)。
《今村雅弘復興相は四日の記者会見で、東京電力福島第一原発事故に伴う自主避難者への対応を巡り、国の責任を質問したフリーの記者に対し「二度と来ないでください」「うるさい」などと激高》。
《「自主避難者」について、今村雅弘復興相が「本人の責任」「裁判でも何でもやればいい」などと発言した問題》。
《★この東電8000株所有の復興相・今村雅弘は、前任のパンツ大臣より始末が悪いのか。そもそも何に激高し何に謝罪したのか》。
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●東電核発電人災から6年が経過し、
全て廃炉へ…な訳がない:高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日』
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と
安全規制を怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
「自主避難」を強いられている「区域外避難」者も、東電原発人災以前の姿に「原状回復」してくれれば、喜んで「自己責任」で帰還すると思いますよ。それ(「原状回復」)をできればね…。
《東電8000株所有の復興相・今村雅弘》大臣も、一応、謝罪しました。でも、「皆さま」とは誰のこと? 「発言の撤回」には応じず…、って、一体何を謝罪したのでしょうね?
東京新聞の別の記事【今村復興相、「自己責任」発言を撤回せず 国会で謝罪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017040602000246.html)によると、《今村雅弘復興相は六日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第一原発事故に伴う自主避難者への対応を巡る発言に関し、「皆さまにご迷惑を掛けたことをおわびする。感情的になってしまった」と改めて陳謝した…。民進党の郡和子氏から発言の撤回を求められたが、応じなかった》…そうです。
「死の町」の発言者よりも、「死の町」にした者こそ糾弾されるべきではないでしょうか?
『●「死の町」にした者が悪いのではないか?』
『●続・「死の町」にした者こそ糾弾されるべきではないか?(1/2)』
『●続・「死の町」にした者こそ糾弾されるべきではないか?(2/2)』
『●再・「死の町」にした者こそ糾弾されるべきではないか?』
『●反省なき自民党を体現:
「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」』
『●「こういうふうにした者たち」とは誰だ?
……東京電力原発人災の自覚無き犯罪者たち』
『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」』
『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言』
『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」』
即刻クビでしょう。同時に、「裸の王様」には任命責任もとって頂くべき。《東電8000株所有》者を、核発電人災の復興大臣に任命する、アベ様のセンスの無さ。
『●闇勢力問題だけでなく、
アベ様はオカネ(マネー)にもダークだっという話』
「My News Japanに興味深い記事(2012年8月)
【東電株保有の国会議員ランキング 小宮山、石破、今村、塩崎、井上…
20人中16人が東電救済法案に堂々賛成】
(http://www.mynewsjapan.com/reports/1672)が出ています。
「東電株を保有する議員は衆参に計20人いるが、今村雅弘・
石破茂・小宮山洋子ら実に16人が、利害当事者にもかかわらず
棄権することなく、臆面もなく賛成に回り、株資産の「紙くず化」を
防いでいた」というもので、宮沢洋一経産相よりも一桁多い株を
所有しています。更に、「◇麻生、谷垣、鳩山…関電、
九電株4千株超」という一文も見えます。こういうのは「利益相反」
にはあたらないのでしょうか?
「闇社会」問題だけでなく、アベ様はオカネ、マネーにもダークだっ
という話。アベ様だけでなく、石破氏や麻生氏の名前も挙がっており、
代々ですが、自民党の政治家は金に意地汚いことが分かります。
『●「財政危機を叫び、国民に大増税を強行しながら、
この財政規律の欠如は何なのか」!?』ですし、
『●斎藤貴男さん「庶民から取れるだけ取ろうとしているのが安倍政権」』
だし、さらには、『●アベ様は「株価さえ上がれば何をやっても許される
と思っているのだろうか」?』ですね、まったくも~っ」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017040502000122.html】
今村復興相が記者に「出ていきなさい」 自主避難対応で激高、謝罪
2017年4月5日 朝刊
今村雅弘復興相は四日の記者会見で、東京電力福島第一原発事故に伴う自主避難者への対応を巡り、国の責任を質問したフリーの記者に対し「二度と来ないでください」「うるさい」などと激高した。今村氏はその後、復興庁内で記者団に「感情的になった。今後こうしたことがないよう対応したい」と謝罪した。
今村氏は会見で、三月末で住宅支援を打ち切られた自主避難者への今後の対応を問われ「一番身近にいる福島県が中心になってやっていく方が良い」と発言。記者が「大臣自身が実情を知らないのでは」と聞くと「(避難先からの帰還を)どうするかは本人の責任、判断だ」と応じた。
今村氏は「(避難に)一応の線引きをして、ルールにのっとり進んできたので経過は分かってほしい。(不服なら)裁判でも何でもやればいい。国としてはできるだけのことはやったつもりだ」とも述べた。
記者が「責任を持って回答してください」とただすと「なんて君は無礼なことを言うんだ。(発言を)撤回しなさい。出ていきなさい」と声を荒らげ、事務方が会見を打ち切った。その後の記者団への対応で、自主避難者への発言の意図を聞かれ「客観的に言っただけだ」と強調した。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017040602000135.html】
「自主避難も国の責任」 復興相発言受け抗議集会
2017年4月6日 朝刊
(今村雅弘復興相に対して抗議する鴨下祐也さん(左)=5日午後、
東京都千代田区で(池田まみ撮影))
東京電力福島第一原発事故の避難指示区域外から避難を続ける「自主避難者」について、今村雅弘復興相が「本人の責任」「裁判でも何でもやればいい」などと発言した問題で、発言に抗議する集会が五日夜、東京・霞が関で開かれた。一方、避難者の支援団体や復興庁内部からも、大臣としての資質を問う声や、発言への批判が聞かれた。 (中山高志)
「今も被ばくの危険性があるから避難している。復興大臣は避難者の状況を全く理解していない」
復興庁が入る合同庁舎前での集会で、福島県いわき市から東京都内に自主避難する鴨下祐也さん(48)が声を張り上げた。「避難は自己責任ではなく、国の責任であることを訴え続けたい」
避難者が多い江東区で支援に取り組む区議の中村雅子さん(65)も「好んで避難先を選んだわけではない。発言により、何の落ち度もない避難者の心がどれだけ傷ついていることか」と強い口調で訴えた。
会員制交流サイト(SNS)などで参加を呼びかけた大田区のアルバイト杉原浩司さん(51)は、安倍政権の下で自主避難者に対する住宅無償提供の打ち切りや避難指示解除が進められている点に触れ「発言は今村氏個人の考えではなく、政権の政策そのもの」と批判。今村氏の即時辞任と住宅打ち切りの撤回を求めた。
集会には約三十人が参加。抗議行動は、六日も午後四時から首相官邸前などで予定されている。問い合わせは「避難の協同センター」=電090(6142)●●●●=へ。
◆復興庁幹部も問題視
原発事故直後に福島県田村市から避難し、東京都葛飾区で一人暮らしをする熊本美弥子さん(74)は「田村の家の玄関先は放射性物質による土壌汚染がひどく、住める状況じゃない。大臣は汚染の状況を本当に知っているのか」と不快感をあらわにした。
熊本さんは「国は当事者としての責任に欠ける。住宅を提供し続ける責務がある」と憤った。
支援団体「避難の協同センター」(東京都新宿区)の満田夏花(みつたかんな)事務次長は「被災者支援の要である大臣が、原子力政策を進めた国の責任を無視している。大変ゆゆしき問題だ」と怒る。
「国は避難者の実情の把握を怠り、福島県に責任を転嫁している。復興庁の避難者への姿勢が見えた発言で、あまりにひどい」と話した。
復興庁幹部は「『本人の責任』という発言は、自主避難者にとってきつい言い方だった。確かに帰還するかどうかは避難者一人一人が判断することだが、『責任がある』とは絶対言えない。言葉足らずは否めない」と顔をしかめた。
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【http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1803329.html】
政界地獄耳
2017年4月6日9時27分
原発への覚悟感じられない激高大臣
★この東電8000株所有の復興相・今村雅弘は、前任のパンツ大臣より始末が悪いのか。そもそも何に激高し何に謝罪したのか。ひどさから言えば金融相・石原伸晃の過去の一連の発言、福島第1原発事故の被災者に「最後は金目でしょ」と言ってみたり、汚染土壌の保管先について「福島第1原発の『サティアン』」と何度もテレビで発言するなど、少し考えればわかりそうなことがちゃんと言えない部類の政治家なのか。
★原発事故で今も帰れない、約3万人いるとされる自主避難者について、会見で記者から国が責任を取るべきではとの問いに「本人の責任でしょう。(不服なら)裁判でも何でもやればいいじゃないか」「出て行きなさい」「何で無責任だと言うんだ。撤回しなさい。無礼だ。もう2度と(会見に)来ないで下さい」「うるさい」と激高、会見を打ち切り退室した。
★つまり政府の言うことを聞かず勝手なことをしていると、助けないぞと脅し、被災者に対しての物言いや態度からは、原発に対して向き合う覚悟も感じられない。自主避難者は、国の避難指示を受けなかった地域から、被ばくを心配し避難した人たち。勝手に逃げた人は、勝手にどうぞということだ。
★大臣は激高したことについては謝罪したが、自主避難をした人たちについての発言は撤回もしていないし、謝罪もしていない。この政権は思うようにいかなかったり、都合の悪い場合は切り捨てるという対応を是とすることは、沖縄の人たちに向けた態度でも示されている。つまりこれを問題視する空気は、閣内にも与党にもないということだ。政治の劣化は、まひしていて気づかないところにある。(K)※敬称略
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リテラの記事【岡山大・津田敏秀教授が「甲状腺がん多発は原発被曝と関係ない」派に反論/福島の甲状腺がん多発、行政や医療関係者の「原発事故と関係ない」の主張はデータを無視したデタラメだ】(http://lite-ra.com/2017/03/post-2985.html)。
《もうひとつ深刻な問題が放射性物質による健康被害、特に子どもたちの甲状腺がん…にもかかわらず、政府や検討委員会は一貫して、「これまでのところ被曝の影響は考えにくい」とその原因を原発事故とは認めない姿勢を貫き続けている》。
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、
東電と安全規制を怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
子供達の『X年後』の現実を見て見ぬふりのオトナ達の冷酷。核発電「麻薬」中毒患者達であるアベ様や原子力「ムラ寄生」委員会、電力会社やその株主…高速炉「アベシンゾウ」(仮称)や核発電再稼働・輸出を進めるヒトデナシぶり。東京電力核発電人災に対して何の反省も、教訓も、ましてや、何の責任をとろうともしない核発電「麻薬」中毒患者達。責任など、とりようもないことを理解することも無く。だからこそ、核発電「麻薬」中毒患者には「原状回復」を要求する。核発電を続けたいのならば、「原状回復」してみせよ!、話はそれから、だ。「原状回復」出来るものならね…。
『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・
取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?』
『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
・・・2011年から「X年後」を怖れる』
『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの
参加者だということがわかっているのだろうか」?』
『●黙殺される東電原発人災『X年後』:
「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」』
『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」
…では、何が原因なのか?、を説明して下さい!』
『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で
放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?』
『●「福島の子どもたちの健康など一顧だにしていない」…
「福島の小児甲状腺がんの多発の原因は原発事故」』
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【http://lite-ra.com/2017/03/post-2985.html】
岡山大・津田敏秀教授が「甲状腺がん多発は原発被曝と関係ない」派に反論
福島の甲状腺がん多発、行政や医療関係者の「原発事故と関係ない」の主張はデータを無視したデタラメだ
2017.03.11
(津田敏秀・岡山大学大学院教授)
福島原発事故から6年。しかし現在においても廃炉の目処さえたたず、2月には2号機格納容器内の放射線量が推定毎時650シーベルトというとてつもない数字が計測された数値に達していると発表された。
そしてもうひとつ深刻な問題が放射性物質による健康被害、特に子どもたちの甲状腺がんだ。2月20日に開かれた福島県の有識者会議「県民健康調査」検討委員会は、事故当時18歳以下だった甲状腺がんまたは悪性の疑いのある患者が昨年10〜12月にさらに1人増え、185人に達したと発表した。発表のたび増え続ける甲状腺がんの子どもたち。にもかかわらず、政府や検討委員会は一貫して、「これまでのところ被曝の影響は考えにくい」とその原因を原発事故とは認めない姿勢を貫き続けている。
こうした検討委員や医師たちの姿勢に異を唱えてきたのが環境疫学の専門家である津田敏秀・岡山大学大学院教授だ。2015年、津田教授とその研究グループは医学雑誌「Epidemiology」(国際環境疫学会発行、電子版)に福島での甲状腺がんの分析結果を発表、同年10月8日には「日本外国特派員協会」で会見を開き、その詳細を報告した上でこう危険性を警告した。
「福島県内の子どもたちの甲状腺がんの発生率は全国平均の
20〜50倍で今後さらに多発する可能性は大きい──」
しかし、津田教授らの発表が海外メディアやネットで大きく報じられる一方、日本の主要メディアではほとんど触れられることはなかった。さらに、行政や医療関係者からは、津田教授の指摘に対する反論が次々出され、ネットでは、保守系の評論家や原発ムラの息がかかっていると思われる連中があたかも津田氏の研究が「デマ」であるかのような批判を拡散させている。
そこで本サイトでは、津田教授本人にこうした“被曝の影響はない派“からの批判に再反論をしてもらうべく3月10日、インタビューを行った。
──津田教授の研究・分析結果に対して“被曝の影響はない派“の多くが持ち出すのが、「スクリーニング効果」と「過剰診断」により見かけ上増えているに過ぎないとする主張です。すなわち、福島原発事故を受け、これまでなされなかった大規模検査や、医師の過剰な診断が行われたことで、臨床症状が現れていない潜在的ながんの発見に結びつき、それによって罹患数が急激に増加したように見えるだけではないのかというものです。
津田 実は甲状腺がん、特に小児甲状腺がんにおいて、スクリーニング効果、過剰診断がほとんどないことはすでに実証されています。チェルノブイリでも過剰診断やスクリーニングなどが話題になり、最終的に日本と同じように腫瘍の大きさが5.1ミリ以上の人々を二次検査し、どの程度がんが見つかるかの検査を実施しました。これらも含め、べラルーシでは、最終的には、非曝露群(被曝していないグループ)や比較的低線量の地域で合計4万7203人での超音波検診の結果、一例も見つからなかった。そして甲状腺がん発生は過剰診断などではなくチェルノブイリ事故による多発だと最終的に決着したのです。これは論文にもなっています。
そもそも過剰診断やスクリーニング効果と言っている人たちは、数字のことを無視しています。たとえば甲状腺がんのスクリーニング効果を指摘している論文もいくつかはありますが、そこで示されているのは大人で最大で15倍くらい。実際の福島の事故当時18 歳以下の甲状腺がん発生率は全国の20〜50倍なんですから、スクリーニング効果では説明できない。つまり、過剰診断やスクリーニング効果というのはもっともらしく見えて、科学的根拠も何もないんですよ。
また甲状腺がんは「ゆっくりと成長する」という思い込みがありますが、少なくとも福島県での事故時0〜18歳の子どもたちに観察された甲状腺がんは、1巡目スクリーニングでゆっくり成長するがんが除かれた後の2巡目のスクリーニングでも見つかり、やはりすでに14倍から39倍の桁違いの多発を示していて、1巡目から2〜2年半の間に少なくとも5mm超に成長するがんが80%を占めています。このことからもこの桁違いの多発を、スクリーニング効果で全部説明できるとは全く考えられません。
──たとえば国立がん研究センター・社会と健康研究センターのセンター長である津金昌一郎氏は、「『多発』の原因が被曝なら、数十倍というオーダーの増加は相当の大量被曝を意味する。しかし、福島県民の被曝線量はチェルノブイリ原発事故による住民の被曝線量と比べて低く、過去の経験や証拠からそうとは考えにくい。被曝から発症・多発までの期間も早すぎる」として「現時点では放射線の影響で過剰にがんが発生しているのではなく、『過剰診断』による『多発』とみるのが合理的だ」(朝日新聞2015年11月19日付)との旨を述べています。
津田 被曝線量が低いなどと言っている人は、政府などが主張している被曝線量にもとづいて話しているのだと思いますが、福島の被曝線量は各地でバラツキが大きく、数値が低い所と高い所では2桁も差がありました。
しかもチェルノブイリとの比較において、重要なのは福島の人口密度が圧倒的に高いということです。厳密には比較できませんが、人口密度を考慮すると、被曝線量がたとえ3分の1以下でもチェルノブイリと同じくらいになる。ですから私が心配なのは、福島県の南のほうは人口密度が高く、そして放射能プルーム(放射性物質が大気中を雲のように流れていく現象)は南に流れている。そうすると、被曝線量が低くても数としては高くなる。私たちはそれを警告していますし、実際にそういう風になってきている。
逆に小児甲状腺がんは“放射線の内部被曝によってすごく増える”ということは国際的にも認められている事実ですが、では他にも原因があるかといえば他の理由はない、増えるという要因がないのです。ですから福島でこれだけ見つかっているということは逆に、被曝線量がそれなりに高かったと言えます。病気の発見の歴史は、今回の被曝線量といった“原因”の側からわかってきたものではなく、“この病気がこんな人に多発している”というところの研究や調査が始まり、その結果、原因がわかってきた。それは教科書にも載っている歴史的にも常識的な手法です。その手法を用いたときの結論は、事故による放射性物質放出で甲状腺がんが増えているということ。多発も桁違いで、これまでのデータからすると過剰診断もほとんどない、と言うしか結論の出しようがない。
──福島県の有識者会議「県民健康調査」検討委員会は、甲状腺がん増加を放射線の影響や因果関係と考えにくい理由として、“チェルノブイリ事故後に甲状腺がんが多発したのは事故から5年後だが福島ではがん発見が1年から4年と早い”ということもあげていますが。
津田 それは間違いです。なぜなら事故の翌年からベラルーシでもウクライナでもロシアでも多発し始めているからです。それはデータやグラフを見ても明らかで、翌年から増えているのです。たとえばベラルーシ国立甲状腺がんセンターの統計でも、少なくとも翌年から増えている。3年以内に甲状腺がんの過剰な症例が観察されたことを示すチェルノブイリのデータもある。しかし、そうした事実を検討委員会などは無視している。ちゃんとデータを真面目に見ていないからそうなるんです。こういう深刻な問題は見たくないデータでもちゃんと見ないといけない。第二次大戦時の日本もそうですが、見たくないデータを見ないと、取り返しのつかないことになってしまう。粉飾決算を繰り返した挙句、経営破綻する企業と同じことになってしまう。とくに今回のケースでは、子どもたちの健康がかかっているんです。私たちも甲状腺がんが増えて欲しくないけれど、きちんと見るべきは見て意見を言わないといけない。2011年以前から、巨大地震が既存のいかなる護岸壁よりずっと高い津波を引き起こす可能性は、東京電力もデータとして認識していた。しかしそうしたデータを無視したからこそ、原発事故が起こり、健康被害が起こっていることを忘れてはいけません。
──同じく検討委員会はチェルノブイリ事故後の甲状腺がん多発は5歳以下だが、福島では事故当時5歳児以下の発見がないと主張してきました(ただし、2016年6月に原発事故当時5歳の子ども1名に甲状腺がんあるいはその疑いがあると判明)。
津田 5歳以下が多かったというのは、チェルノブイリ事故14年後までの合計において“事故時に5歳以下が多かった”ということです。つまり、事故当時5歳以下だった子どもが、その後8 、9、10年が経って発症し、発症時年齢としては10代後半が多く発症しているんです。福島は事故からまだ6年。現時点で5歳以下の発症がないと言っても何の意味などありません。これから数年待たないといけない。実際、チェルノブイリでは、事故当時5歳以下の子どものがんが多発した時期は事故から12〜14年後です。これはグラフとして示されています。福島でも、今後10年で増えると危惧されるということです。
──ふくしま国際医療科学センター・放射線医学県民健康管理センターの高橋秀人教授らは、津田先生の解析が、原発事故が起きる前に、がん検診で発見できるまでに進展した甲状腺がんが存在した可能性を無視している、と言っています。つまり、先生の研究が「4年で全てのがんが臨床症状で発見されるまでに成長する」(潜伏期間が4年)というありえない仮定に立っている、と。
津田 そんな仮定は私は論文に書いていないし、言ってもいない。私たちが言っているのは、平均潜伏期間に関してです。「平均4年」と言っていることと「発見された全てのがんが4年で成長した」と言っていることとが異なることは、中学生でもわかります。論文では、事故前から発症もしくはある程度がんを持っている人が混入していることを前提としているし、それは論文にも書いてあることです。彼は私どもの論文を読めていないし、読むための基礎知識がないということでしょう。またアメリカ科学アカデミー(NAS)の報告では小児甲状腺がんの最短潜伏期間は1年です。そもそも、すでに述べましたように、チェルノブイリでの観察でも事故の翌年から増えています。また高橋氏の言う「4年という仮定」に関して言えば、平均潜伏期間が4年でなくても、10年でも、20年でも、数十年でも、結論は変わらないのです。やはり多発です。私たちは1年から100年まで有病期間の長さを仮定しましたが、やはり多発でした。平均潜伏期間が100年というのは現実の人間ではあり得ません。従って、ちょっとふざけすぎていると思われたらいけないので、論文では20年までとしましたが、結論は変わりません。それだけ激しい多発が起こっているのです。高橋氏がご自分でデータを確かめておられないことが、この点でも分かります。
高橋氏からの反論については、今度岩波書店の「科学」などで詳細に論考する予定です。彼が医師国家試験にも出てくるような疫学理論について無知なのか、明らかにしていくつもりです。時間があるときに岡山に来ていただければ、詳細にご説明しますよ。
──こうした医療関係者の尻馬に乗って、保守系評論家からも、津田先生の指摘が嘘だという攻撃がなされています。たとえば、池田信夫氏は、「チェルノブイリ事故で甲状腺癌が出たのは、放射性ヨウ素に汚染された牛乳を飲んだ子供だが、福島県の調査では内部被曝はゼロなので、甲状腺癌が増え続ける原因がわからない。津田氏は、その医学的なメカニズムを説明すべきだ」と主張・反論しています(アゴラ15年10月13日付)。
津田 本当にそんなことを言われているのですか? 本当だとすれば、これは内部被曝や放射線における甲状腺がんに対する知識がゼロだと言っていることと同じです。甲状腺がんを効率高く多発させるのは放射性ヨウ素だということは知られていますが、その放射性ヨウ素131の半減期は8日間。それを事故から3年後の14年に検査して、内部被曝が検出されなかったなんて、ナンセンス以外のなにものでもない。アウト・オブ・プロブレム。そのレベルで公の場で話をするな、と言いたいですね。
──津田先生は、こうした論文への反論の“再反論”を積極的に行ってきました。ネットでも“回答集”を見ることができます。でも甲状腺がんと被曝の因果関係を頭から否定し、ムキになって反論する人は後をたちません。その理由をどのようにお考えですか?
津田 それは私が訊きたいです。でもこれまで反論してきた人たちは信じられないほど専門知識のない人が多かった。これまで3、4回ほど公開討論をやっていますが、討論ではほとんど何も言えなかったのに、ネット上だけで批判していたり、年次推移でチェルノブイリで甲状腺がんが多発していく様子のグラフが読めないようなケースもありました。自分たちの同志の中で議論してばかりいて、きちんとデータを見ていないんじゃないでしょうか。
──こうした専門家たちの態度を見ると、様々な利害関係、保身、そして政府、電力会社との原子ムラとの癒着関係などを想像されますが。
津田 それは私にはわかりません。しかし、ひとつだけ言えるのは、私たちの意見にもっとも懐疑的で厳しい反論をしているのは私たち自身だということです。自問自答して、それで国際学会で3回発表して、そのうえでやっと論文を発表するという手順をずっとやってきました。今回だけでなく慎重すぎると非難されてもしかたないくらい、慎重にやっているんです。
──しかし検討委員会には医師など専門家もいます。
津田 さっきも言ったように、彼らは専門的知識なんてもっておられないようですから。委員会の議論でもチェルノブイリの論文やその他でも健康影響に関する論文が議論にさえなっていない。福島の分析結果もきちんとした文書では出されていない。口でなんとなく思いついたことを、しかも全然専門的ではない内容を井戸端会議的にやっているだけ。結論ありき以前の問題です。具体的なデータも文献も出さずにやっていて、私たちの論文も参考にしないどころか話題にも一切出さない。したがって、危機が迫っている可能性が大きいのに、因果判断よりもっと重要な対策に関しては一切言及されない。ですから国際環境疫学会が日本政府や福島県に対し公開レターで「県民の健康状態を記録・追跡し、原発事故によるリスクをさらに解明する手段を取るよう」注意喚起しています。
──あらためて今後、政府、医学界はこの問題にどう対処すべきとお考えでしょうか。
津田 今後、甲状腺がんの手術が激増していきます。しかも子どもだけでなく事故当時19歳以上の方が数的には増加するはずです。チェルノブイリのデータをみればそれはわかります。しかし甲状腺の外科医はそんなにたくさんいませんから、首周辺の外科医、具体的には耳鼻咽喉科医やその他の外科も含めて、甲状腺の外科手術ができる医師を戦略的に増やしていく必要があります。すでにパンク状態気味のようですから、手術までの待ち時間を短くしなくてはなりません。また白血病も潜伏期間が過ぎている。2011年内だけの被曝量から推論したWHOの2013年2月の発表でも、甲状腺、乳がん、白血病、その他の固形がん、あるいはがん以外の病気も一定程度多発するとされています。子どもだけでなく、今後の福島の人々の健康を調査、ケアするためにも、18歳以下の検診だけではダメです。全体の数を把握するためにも被曝手帳のようなシステムを作る必要がある(被曝者手帳の配布やがん登録の充実)。これは福島だけでなく、近隣、特に栃木県や茨城県などにも導入した方がいい。
──国は3月末から、年間線量が20ミリシーベルト以下になった地域の避難指示を解除することを決定しましたが、この点についてはどうしょうか。
津田 それは間違った情報にもとづく、完全に誤った判断です。被曝は、それを避けるために全財産や命を投げ打つ必要はないとは思いますが、できるだけ簡単な方法で、避けられる被曝は避けたほうがいい。何ミリシーべルト以下なら大丈夫ということはありません、それは国際機関でも意見が一致していることです。低ければ低いほうがいい。国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた年間1ミリシーベルト。それくらいを目安として守ったほうがいい。「20ミリシーベルト以下」という数値設定はあまりに高すぎます。毎年全員がCTスキャンを受ける高さですよ。そんな場所にすべての年齢の人たち、子どもから妊婦まで住まわせるなんて、おかしいことです。
(インタビュー・構成 編集部)
津田敏秀 1958年生まれ。医師・医学博士。岡山大学医学部卒業後、内科勤務。その後岡山大学医学部衛生学教室にて医学博士取得。岡山大学医学部(後、大学院医歯薬学総合研究科)助手、講師を経て、岡山大学大学院環境学研究科教授。専門は疫学、環境疫学、産業保健。
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[※東京新聞(2017年3月18日)↑]
東京新聞の川田篤志記者の記事【原発事故、国・東電に過失 前橋地裁 避難者への賠償命令】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017031802000144.html)と、
社説【原発避難者訴訟 国・東電の責任は当然だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017031802000175.html)。
《東電は巨大津波を予見しており、事故は防げた》。
《原発事故によって平穏に生きる権利を侵された。そう避難者が慰謝料を求めた裁判で前橋地裁判決は国と東京電力の過失を明白に認めた。生活は戻らない。原発の再稼働を急がず立ち止まるべきだ》。
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」』
『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』』
「『猿の惑星』シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」
『●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」
…「核信者」「核燃料サイクル教信者」』
『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+
「命」「活」「業」「態」…どれか一つでも原状回復できたか?』
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●東電核発電人災から6年が経過し、
全て廃炉へ…な訳がない:高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日』
《こうした措置を取っていれば事故は発生しなかった》かどうかは大変な疑問で、配管の破断等は避けられなかったのではないか? そもそも、このニッポンで核発電なんてやるべきではなかった。
でも、いずれにしろ判決の結論は核発電「人災」…、なのに、なのに、アベ様ら核発電「麻薬」中毒患者ときたら…高速炉「アベシンゾウ」(仮称)や核発電再稼働・輸出なんてやっている場合か? 判決に言う《経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむをえない》に逆戻り。しかも、いまや、経済性さえないことが明確なのに。
類は「ト」を呼び、朱に交われば「ア」になる…壊憲や教育破壊、軍国化、極右化において、そんなオトモダチのアベ様への過剰「忖度」。そして、アベ様によるオトモダチへの利益供与、そんな数々の疑惑でお忙しいアベ様。問題山積。息吐く様に噓をつき、かつ、無責任な「裸の王様」。
斎藤貴男さんの御言葉。日刊ゲンダイの記事【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/軽々しく愛国心を強制したがる連中はみんなあんなもんだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201423)によると、《安倍晋三首相は11日に東京都内で開かれた東日本大震災の追悼集会で、最後まで「原発事故」を口にしなかった。昨年までは形だけでも触れてきたのに、今回の挨拶では「復興は着実に進展していることを実感します」と自画自賛。今なお避難生活を余儀なくされる人が12万人以上いる現実には言及した…》。今回の判決で言う《「東電は巨大津波を予見しており、事故は防げた」と判断、東電と安全規制を怠った国の賠償責任》というこの「国」というのは、具体的には誰を指すのか? アベ様は理解できているだろうか?
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017031802000144.html】
原発事故、国・東電に過失 前橋地裁 避難者への賠償命令
2017年3月18日 朝刊
(福島第一原発事故避難者の集団訴訟で国と東京電力の
賠償責任が認められ、前橋地裁前で垂れ幕を掲げる
原告側弁護士。「一部勝訴」には、一部原告の請求が
棄却された不満も=17日、川上智世撮影)
東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県などに避難した住民ら百三十七人が国と東電に計約十五億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁は十七日、「東電は巨大津波を予見しており、事故は防げた」と判断、東電と安全規制を怠った国の賠償責任を認め、うち六十二人について計三千八百五十五万円の支払いを命じた。
原告側弁護団は「原発の津波対策を巡る訴訟で国と東電の過失が認められたのは初めて。国の賠償責任を認めたことは極めて大きな意味がある」と評価した。全国で約三十件ある集団訴訟の最初の判決で、影響を与えそうだ。
原道子裁判長は、政府が二〇〇二年、「福島沖を含む日本海溝沿いでマグニチュード8級の津波地震が三十年以内に20%程度の確率で発生する」とした長期評価を発表した数カ月後には、国と東電は巨大津波の予見は可能で、東電は長期評価に基づき津波の高さを試算した〇八年には実際に予見していたと指摘。
さらに、配電盤を高台に設置するなどの措置は容易で、こうした措置を取っていれば事故は発生しなかったとし、安全より経済的合理性を優先させたことなど「特に非難に値する事実がある」と述べた。
国については〇七年八月に東電の自発的な津波対策が難しい状況を認識しており、規制権限に基づき対策を取らせるべきだったのに怠ったとして「著しく合理性を欠き、違法だ」とした。
原告は避難指示区域に住んでいた七十六人と区域外からの自主避難者ら六十一人。賠償が認められたのは区域内が十九人で一人当たり七十五万~三百五十万円、区域外が四十三人で七万~七十三万円。
原告は「生活基盤を失い、慣れない土地で精神的苦痛を受けた」と一人当たり千百万円の慰謝料などを求めた。国と東電は、長期評価は科学的知見として不十分だったとして予見可能性を否定。対策を取っていても事故は防げなかったと反論していた。
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/images/PK2017031802100057_size0.jpg】
◆国の責任逃れ許さず
国の過失責任を初めて認定した前橋地裁の判決は、「事故を防ぐことは可能だった」と指弾し、国の「責任逃れ」を許さなかった。健康被害の有無によらない「平穏に暮らす権利」を認め、国と東電の責任を明確化したことは、原発再稼働に前向きな政府や電力会社に対する裁判所の忠告とも受け取れる。
判決は損害賠償について、避難の経緯などそれぞれの個別の事情に応じて判断することが相当とした。賠償が認定されたのは全原告の約半数にとどまり、明暗は分かれた形だ。
だが避難指示区域内からの避難者と比べ、賠償額で大きな開きがあった区域外からの「自主避難者」にも、原告個々の事情に応じた賠償を認めた点は評価できる。国の指針を基準にした賠償しか認めてこなかった東電の硬直的な対応への戒めといえるだろう。
判決は、国、東電とも「津波は予見できた」と明確に断じた。全国で係争中の集団訴訟でも原告側は同様の主張をしている。今回の判断を被害者救済にどうつなげるかが問われている。 (川田篤志)
<予見可能性> 危険な事態や被害が発生する恐れがあることを事前に認識できたかどうかということ。危険を予見できたのに、回避する対策を怠って重大な結果を招いた場合、過失を問われることがある。東京電力福島第一原発事故を巡っては、事故を引き起こすほどの巨大津波を予測できなかったとして東京地検が2度、刑事告訴された東電の元会長を不起訴処分としたが、昨年2月、検察官役の指定弁護士が検察審査会の議決に基づき、業務上過失致死傷罪で強制起訴した。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017031802000175.html】
【社説】
原発避難者訴訟 国・東電の責任は当然だ
2017年3月18日
原発事故によって平穏に生きる権利を侵された。そう避難者が慰謝料を求めた裁判で前橋地裁判決は国と東京電力の過失を明白に認めた。生活は戻らない。原発の再稼働を急がず立ち止まるべきだ。
どこに住むのか、どんな仕事を選ぶのか、人には自分の人生を決める権利がある。しかし原発事故でもたらされた放射能の恐怖や不安がそれをかなわなくする。
「原発事故のために穏やかに生きることができなくなった」と国と東電の責任を正面から問うた裁判だった。
判決は原発の電源を喪失させる大規模な津波発生など、事故を予見しながら適切な対策を怠った東電と、原発事業に対して適切に規制権限を行使しなかった国の責任を全面的に認めた。各地では約三十の同種の裁判が争われている。
争点の一つは、原発の敷地地盤面を超え、非常用電源を浸水させるほどの巨大津波の発生を予見できたかどうかにあった。
判決は「地震、津波は予見できた」と認めた。被害を防ぐ措置についても「一年でできる電源車の高台配備やケーブルの敷設という暫定的対策さえ行わなかった」と東電の対応のずさんさを断じ、「経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむをえない」などと強い言葉で表した。
原発事業の規制を担う国に対しては「東電に対して技術基準適合命令など規制権限を行使すべきで、権限を行使していれば事故は防げた」と、不適切な行政が事故を招いたことを認めた。
慰謝料の算定で問題になってきたのが国の原子力損害賠償紛争審査会が決めた中間指針である。裁判では指針を上回る賠償が認められるのかどうかが注目された。
判決は国と東電の過失は認めたものの指針の合理性を認めており、賠償額は低い。指針より上積みされた人がいる一方、半数が棄却されたのは残念である。
原発事故がもたらした放射能汚染は甚大で、国が線引きした避難区域の内と外でその被害は本質的に違いはない。
にもかかわらず、区域外の被害者にまともな賠償が行われないのは差別である。指針は是正されるべきである。
原発事故は国策が招いた人災である。政府は原発回帰を強め各地で再稼働を進めているが、事故がひとたび起きればその被害は償い切れない。この判決を重く受けとめ、一刻も早い被害の回復にこそ努めるべきだ。
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