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●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ…《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》

2022年06月18日 00時00分03秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


(20220617[])
片山夏子記者による、東京新聞の記事【原発避難者4訴訟 最高裁、国の賠償17日判断 「事故がなければおやじは死ななかった」福島・須賀川の農家、樽川和也さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183817)。

 《トウモロコシの収穫で忙しくする福島県須賀川市の農家樽川和也さん(46)にとって、17日は特別な日となる。1人の原告として加わった東京電力福島第一原発事故を巡る被災者の集団訴訟で、最高裁が国の責任の有無を判断する。11年前の父の死がなければ、起こすことはなかった裁判。「東電とともに国の責任が認められ、双方のトップが事故の被害者にきちんと謝罪してほしい」。当日は収穫作業をしながら、判決を待つ。(片山夏子)》


   『●言葉が見つかりません…
    《須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだ
     と話していたという》

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
      「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
          東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

   『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…人災を
      起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?
    《福島県須賀川市で八代続く農家の樽川和也さん…▼だが、
     福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の
     情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止に
     なったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った》

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
    《とても、そんなんで済む損害じゃねえべ
     「《もう取り戻せない、償うことなどできない現実》…「原状回復」なんて
     決してできない「現実」だ。一体誰が「こういうふうにした者たち」なのか、
     こんなとんでもない「現実」を生み出した者たちなのか?
     誰一人、責任をとろうともしない」
    《土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で
     農業を営む樽川和也さんは、東京電力福島第一原発の
     事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。
     東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で
     苦悩を訴えている。もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた》

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さん
     が語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」…。制作者らが映画に
     込めた思いとは――。井上淳一監督、企画した馬奈木厳太郎弁護士、
     出演した白井聡・京都精華大専任講師(政治学)…》

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 虚しき
     「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
         企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
    《事故の影響で生活が一変した被災者からは怒りや失望の声が上がった
     …無罪判決を聞いた福島県須賀川市の樽川和也さん(44)は
     「全く納得できない」と憤る。樽川さんの父、久志さん
     (当時64)は、事故直後に自慢のキャベツが出荷停止になり、
     もう福島で農業はできないと悲観して自ら命を絶った》

   『●《今なお続く福島の「不条理」》: 東電の初期の主張は
     「無主物」…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
                …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき


 「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか申し訳ないと謝罪したか」!
 誰も責任をとらない…。《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》。いまの政治状況と全く同じ。アベ様らの《無責任体質》、腐敗が連鎖。最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。《火事場ドロボー》として戦争を煽っている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?
 核発電「麻薬」中毒患者の皆さんのやることはデタラメばかり。最「低」裁を頂点とした裁判所も「司法判断」を放棄し、アベ様らに忖度した「政治判断」を繰り返してきた。
 「原発さえなければと思います」―――《原状回復》なき《原発回帰》は許されない。

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                            …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                            …政策に大きな影響》(2/2)



 ……………………………………………………… でっ、やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ…《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》。
 アベ様の息のかかった最「低」裁、本領発揮。期待した私がバカでした。あぁ~あ、《東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき》。
 東京新聞の記事【原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183789)によると、《東京電力福島第一原発事故によって被害を受けた住民や福島県内から避難した人たちが、国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、原発事故について国の賠償責任を認めない統一判断を示した。全国で約30件ある同種訴訟への影響は必至だ》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/183817

原発避難者4訴訟 最高裁、国の賠償17日判断 「事故がなければおやじは死ななかった」福島・須賀川の農家、樽川和也さん
2022年6月17日 06時00分

     (トウモロコシを収穫する樽川和也さんは「国と東電の責任が
      認められるのは当たり前」と話す=福島県須賀川市で)

 トトウモロコシの収穫で忙しくする福島県須賀川市の農家樽川和也さん(46)にとって、17日は特別な日となる。1人の原告として加わった東京電力福島第一原発事故を巡る被災者の集団訴訟で、最高裁が国の責任の有無を判断する。11年前の父の死がなければ、起こすことはなかった裁判。「東電とともに国の責任が認められ、双方のトップが事故の被害者にきちんと謝罪してほしい」。当日は収穫作業をしながら、判決を待つ。(片山夏子


◆人間の造ったものは必ずぼっこれる。福島の百姓はもう終わりだ…

 「おめえに間違った道を継がせたな」。2011年3月23日夜、和也さんは父久志さんが漏らした一言を忘れられない。父との会話はそれが最後だった。

 その日夕方、久志さんが力を入れていたキャベツの出荷停止を告げる県の文書がファクスで届いていた。夕食後、久志さんは珍しく茶わんを洗った。翌朝、暗いうちに寝床を抜け出し、自ら命を絶った。64歳だった。

 11年3月12日に福島第一原発1号機が水素爆発した様子を、久志さんはテレビで食い入るように見ていた。「人間の造ったものは必ずぼっこれる(壊れる)。福島の百姓はもう終わりだ」。よく冗談を言っていた久志さんの口数は減り、朝起きると吐き気を訴えるようになったという。

 ホウレンソウ、カキナ…。放射能汚染で県産野菜の出荷停止は増え、出荷直前だったキャベツ7500個も廃棄を余儀なくされた。久志さんは亡くなる直前に畑を見て回ったのか、携帯の歩数計は680歩を示していた。

 出荷できなくなった畑は黄色の花で埋まり、育ちすぎたキャベツが「バリッバリッ」と音を立てて割れた。和也さんは母美津代さん(72)と、久志さんの日誌を頼りに作業を続けた。「汚染した表土をすき込んでいいのか。出荷できるのか」と、作物の汚染を疑うのは切なかった


◆11年もたつのに誰も責任を取ってねぇべ

 久志さんが作っていた寒キャベツは地元で評判が良く、直売所ですぐ売り切れ、学校給食にも使われていた。「1センチ作るのに100年かかる」は久志さんの口癖。「子どもたちに安全でうまい野菜を食べさせるのが、おやじの誇りだった」と和也さんは目を細める。

 久志さんの死は震災関連死と認められ、東電とも和解したが謝罪はなかった。和也さんは「原発事故がなければおやじは死ななかった11年もたつのに誰も責任を取ってねぇべなのになんで国は再稼働しか考えてねぇのか」と憤る。

 美津代さんは、久志さんが亡くなった時の姿を忘れられないと声を震わせる。「黙っていられないと思った原発事故で放射性物質がまき散らされ、国も東電も責任あるべ

 和也さんが久志さんの死後に栽培を始めたトウモロコシは甘く、直売所で飛ぶように売れるほど評判になった。裁判が終わったら、父に伝えたいという。「農業を継いだこと、俺に後悔なんてあるはずがねぇよ


原発被災者訴訟 東京電力福島第一原発事故後、被災住民らが東電と国に賠償を求めて起こした集団訴訟は約30ある。うち福島、群馬、千葉、愛媛の4訴訟(原告計約3700人)について、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、「国が巨大津波を予見し、東電に対策を講じさせれば事故は防げたかを判断し、国の賠償責任の有無を判決で示す。この統一判断は他の訴訟に大きな影響を与える。東電の賠償責任は最高裁第2小法廷(同)が3月に東電の上告を退けて確定し、4訴訟の賠償金は計約14億円。


【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた 原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
<群馬>「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
<千葉>「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん
<愛媛>「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/183789

原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断
2022年6月17日 14時38分

     (判決前に最高裁正門前で集会を開いた原告たち
      =17日午後、東京都千代田区で)

 東京電力福島第一原発事故によって被害を受けた住民や福島県内から避難した人たちが、国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、原発事故について国の賠償責任を認めない統一判断を示した。全国で約30件ある同種訴訟への影響は必至だ。

 4訴訟は国と東電を相手に福島、群馬、千葉、愛媛で起こされ、高裁段階では群馬以外の3件で国の責任が認められていた。東電の賠償責任については今年3月に最高裁で確定し、賠償総額は4件で計約14億円となっている。

 主な争点は、巨大地震による津波を予見できたかと、対策を講じていれば事故を回避できていたか

 原告側は、福島沖を含む範囲で津波地震発生の可能性を予測した政府の地震調査研究推進本部による「長期評価」などに基づき、防潮堤の建設や重要機器室への浸水を防ぐ「水密化」を行っていれば事故は防げたとし、国は東電に対策を指示する義務があったと主張していた。

 一方、国側は、長期評価は信頼性が低く、津波は予見できなかったと反論。長期評価に基づいて想定された津波と実際の津波とは規模や方向が異なり、対策を講じても敷地への浸水は防げなかったと主張していた。

【関連記事】原発避難者訴訟 争点は
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●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑…<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!

2020年03月14日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の社説【3・11から9年 千年先の郷土を守る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020031102000169.html)。

 《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発にしたいのか。原発は安全です、ちゃんと制御アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へアピールしたいのか》。

   『●《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で
         食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》
    《五輪開催年の完全版上映について「国は福島の問題を『終わったこと
     と見せたいようだ福島の人たちの人生をめちゃくちゃにして
     おきながら、はしゃいでいられるのか」と語る》

   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
               聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
    《状況は、アンダーコントロール」「汚染水の影響は、港湾内の
     0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、
     今までも、現在も、将来も全く問題ありませんと。あれから6年。
     いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう

   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考え
     でしょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?
    「アベ様のお答えの一部…「正確な情報発信した」!! COVID19問題
     と言いい、開いた口が塞がらない…。
     息吐く様にウソをつくアベ様の本領発揮」
    「アベ様口癖の「悪夢のような旧民主党政権」…あらゆる意味で、
     悪夢のような最悪な政権はもはや明白です」
    《あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう
     メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの
     原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は
     溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出
     画策されています。(共同声明より)》

   『●桜井勝延氏《そこで経験したことは、国も県も政治家も、現場を見も
     しないでものごとを決定し、責任をとろうとしないという現実だった》


 女川にしろ、東海第二にしろ、核発電所再稼働なんてやっている場合なのか? 「地元」首長の皆さんは、再稼働に同意するのですか? アベ様の《復興原発》に協力するつもり? 東京電力福島第一核発電所周辺の「原状回復」は完了したのですか? 「福島の百姓は終わりだ」という悲嘆を、《今なお続く福島の「不条理」》を、「福島はオリンピックどごでねぇ」ことを、《福島の教訓》をもう忘れたのですか?


   『●言葉が見つかりません…
    《須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだ
     と話していたという》

   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
          東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

   『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…人災を
      起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?
   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さん
     が語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」…。制作者らが映画に
     込めた思いとは――。井上淳一監督、企画した馬奈木厳太郎弁護士、
     出演した白井聡・京都精華大専任講師(政治学)…》

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 虚しき
     「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
         企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●《今なお続く福島の「不条理」》: 東電の初期の主張は
     「無主物」…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
                …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?


 NNNドキュメント’20より。

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/31190.html

2020年3月8日(日) 24:55【拡大枠】
3・11大震災シリーズ(90)
東日本大震災9年
約 束
~それぞれの道~

東日本大震災から9年。被災地では多くの人が懸命に生きている。家族との約束。仲間との約束。故郷への約束。果たしたい約束がある。それは心の支えだ。津波で流された自宅を再建したいと願う老夫婦。震災で家族を失い、1000年後の命を守ろうと中学時代の仲間と石碑の建立に取り組む青年。原発事故で一度はあきらめかけた牧場を復活させ、将来は息子にバトンをつなぎたいと考える男性。岩手・宮城・福島の3局共同制作で送る。

ナレーター/土村芳 放送枠/55分
制作/テレビ岩手 ミヤギテレビ 福島中央テレビ
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 《◆ふるさとを奪わないで 女川いのちの石碑には、震災直後に生徒たちが詠んだ句を一句ずつ刻んでいます。原発に近い塚浜の公園に立つ十三番目の石碑には、こんな句が添えられました。 <故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い、忘れるわけにはいきません》。《建てているのは、女川中学校卒業生の有志でつくる「女川1000年後のいのちを守る会」》(https://www.inochino-kyoukasho.com/)。
 この痛切な願いを、誰よりも忘れたがっているのは、アベ様らではないのですか? だって、《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣》アベ様なのですから。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
   『●SLAPPと原発、沖縄
   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」
     …提言を無視した結果がご覧の通りの事故ある」」

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
     “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020031102000169.html

【社説】
3・11から9年 千年先の郷土を守る
2020年3月11日

 牡鹿半島の付け根に位置する宮城県女川町は、東北電力女川原発のある町です。

 リアス海岸の岬を巡るとあちこちで、高さ二メートル、幅一メートルほどの平たい石碑に出合います。「女川いのちの石碑」です。

 建てているのは、女川中学校卒業生の有志でつくる「女川1000年後のいのちを守る会」。今月一日、十八基目ができました。

 あの日女川町は、最大一四・八メートルの津波に襲われました。

 人口約一万人のうち、死者・行方不明者は八百二十七人に上り、全住宅の九割に当たる約三千九百棟が被害に遭いました。

 東日本大震災の被災市町村の中で、最も被災率の高かった町だと言われています。


◆大震災を記録に残す

 震災翌月、当時の女川第一中(二〇一三年に女川第二中と統合して女川中)に入学した一年生は、社会科の授業で「ふるさとのために何ができるか」を話し合いました。そして震災を記録に残す活動の実践に乗り出すことを決めたのです。

 町内に二十一ある浜の集落すべてに津波は押し寄せました。

 それぞれの津波到達点に石碑を建てておこう、ふるさとの風景に震災の記憶を刻みつけ千年先まで命を守る避難の目安にしてもらおう-

 街頭やSNSで寄付を募ると、半年で目標額の一千万円が集まりました。

 石碑には、警告が刻まれます。

 <ここは、津波が到達した地点なので、絶対に移動させないでください。もし、大きな地震が来たら、この石碑よりも上へ逃げてください。逃げない人がいても、無理矢理にでも連れ出してください。家に戻ろうとしている人がいれば、絶対に引き止めてください


◆津波わずかに高ければ

 末尾には、卒業生から未来へ贈るメッセージも添えました。

 <今、女川町は、どうなっていますか? 悲しみで涙を流す人が少しでも減り、笑顔あふれる町になっていることを祈り、そして信じています>と。

 第一号は一三年十一月、女川浜を見下ろす母校の校庭に建ちました。今年中には二十一基目が完成し、プロジェクトは完了する予定です。

 そんな女川町でも、原発再稼働の手続きが最終段階を迎えています

 女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を逃れたにすぎません

 原発の敷地は、大地震の影響で一メートルも沈下しました原子炉建屋の壁からは、千百三十カ所ものひび割れが見つかりました

 震災で、満身創痍(そうい)にされた原発です。原子力規制委員会の審査を終えて、規制基準に「適合」と判断されはしたものの、とても安心とは言えません。規制委も安全だとは言いません

 「あと三十センチ津波が高ければ、福島と同じになったと思います。原発に絶対の安全はなく、ふるさと喪失のリスクが付きまとう。福島の教訓です。再稼働を許すとすれば、これからも多大なリスクを、しょっていかねばならんのです。住民の命を預かるものとして、そんなことはできません

 原発から三十キロ圏内にある宮城県美里町相沢清一町長は、再稼働にきっぱりと「ノー」を突きつけます

 「目の前に、現実の課題が山積みです。風化だなんてとんでもない。(放射性物質をかぶった)稲わらひとつ、処分できない。避難計画をつくれと言われても、なかなか答えが見つからない。高齢者はどうなるか? 複合災害が起こったときは? 途中で風向きが変わったら? 隣町から逃げて来る人たちは?…。(国や東北電力は何をそう急ぐのか

 東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発にしたいのか原発は安全です、ちゃんと制御アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へアピールしたいのか

 いずれにしても、原発のある風景や暮らしの中に刻み込まれた震災の痕跡を、見過ごすことはできません。風化を許してはいけません

 その一つ一つが、未来ではなく、今を生きる私たちへの「警告」になるはずだから。


◆ふるさとを奪わないで

 女川いのちの石碑には、震災直後に生徒たちが詠んだ句を一句ずつ刻んでいます。

 原発に近い塚浜の公園に立つ十三番目の石碑には、こんな句が添えられました。

 <故郷を 奪わないでと 手を伸ばす

 この痛切な願い、忘れるわけにはいきません
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●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》

2019年10月05日 00時00分28秒 | Weblog


桐島瞬氏の、週刊朝日の記事【東電旧経営陣に無罪判決 被災者から失望の声が相次ぐ】(https://dot.asahi.com/wa/2019092400076.html)。

 《事故の影響で生活が一変した被災者からは怒りや失望の声が上がった…無罪判決を聞いた福島県須賀川市の樽川和也さん(44)は「全く納得できない」と憤る。樽川さんの父、久志さん(当時64)は、事故直後に自慢のキャベツが出荷停止になり、もう福島で農業はできないと悲観して自ら命を絶った》。


   『●言葉が見つかりません…
    《須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだ
     と話していたという》

   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
          東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

   『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…人災を
      起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?
    《福島県須賀川市で八代続く農家の樽川和也さん…▼だが、
     福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の
     情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止に
     なったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った》

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
    《とても、そんなんで済む損害じゃねえべ
     「《もう取り戻せない、償うことなどできない現実》…「原状回復」なんて
     決してできない「現実」だ。一体誰が「こういうふうにした者たち」なのか、
     こんなとんでもない「現実」を生み出した者たちなのか?
     誰一人、責任をとろうともしない」
    《土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で
     農業を営む樽川和也さんは、東京電力福島第一原発の
     事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。
     東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で
     苦悩を訴えている。もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた》

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さんが
     語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」…。制作者らが映画に込めた
     思いとは――。井上淳一監督、企画した馬奈木厳太郎弁護士、
     出演した白井聡・京都精華大専任講師(政治学)…》

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 虚しき
     「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
    《基地、原発「子に継ぐものでない」 久保田さん辺野古集会で訴え
     「裁判に加わるのは、すごく怖かった」。福島第1原発事故の
     発生直後、2人の子どもを連れて水戸市から那覇市に避難した
     久保田美奈穂さん(36)は2年前の3月11日、国と東京電力を
     福島地裁に訴えた。「巨大組織」を相手に原状回復や慰謝料を
     求める集団訴訟。家族や友人からは「嫌がらせされる」などと
     反対された。だが、「誰も原発事故の責任を取らないのは許せない
     との思いで参加に踏み切った。久保田さんら沖縄に住む原告たちは
     「福島と沖縄の問題を互いに理解を深めていきたい」と》

 誰も責任をとらない…。《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》。いまの政治状況と全く同じ。アベ様らの《無責任体質》、腐敗が連鎖。
 核発電「麻薬」中毒患者の皆さんのやることはデタラメばかり。最「低」裁を頂点とした裁判所も「司法判断」を放棄し、アベ様らに忖度した「政治判断」を繰り返す。

   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●阿部岳さん【「東電無罪」の論理】《「…運転はおよそ
    不可能になる」…判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》
     ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」


 《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…訴えられた側の論理。《原状回復》して見せてくれれば、喜んで皆さんは元の福島の生活にに戻られるでしょうよ。それに、そもそもこんな核発電人災などなければ、福島を出た人は誰もいなかった

   『●言葉が見つかりません…
   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』: 
         「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
          『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」: 
         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり
   『●「原発さえなければ…」:  
      それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?

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https://dot.asahi.com/wa/2019092400076.html

東電旧経営陣に無罪判決 被災者から失望の声が相次ぐ
桐島瞬 2019.9.25 07:00 週刊朝日 #原発

 2011年3月の東京電力福島第一原発事故を巡り、旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された裁判で、東京地裁は9月19日、無罪判決を言い渡した。事故の影響で生活が一変した被災者からは怒りや失望の声が上がった。

 被告は勝俣恒久・元会長(79)、武黒一郎・元副社長(73)、武藤栄・元副社長(69)の3人。裁判の焦点は、巨大津波が予見できたかどうかだった。

 原発事故が起きる3年前、東電は最大15.7メートルの津波が来襲する可能性があることを試算し、3被告とも知っていた。検察官役の指定弁護士は、経営者として事故の責任があるとして禁錮5年を求刑。一方、3被告は無罪を主張していた。

 この日の判決で、永渕健一裁判長は「原発の運転を停止するほど巨大な津波が来るとは予測できなかった」とし、刑事責任は負えないとした。

 無罪判決を聞いた福島県須賀川市の樽川和也さん(44)は「全く納得できない」と憤る。樽川さんの父、久志さん(当時64)は、事故直後に自慢のキャベツが出荷停止になり、もう福島で農業はできないと悲観して自ら命を絶った

「原発事故以降、放射性物質に汚染されない米や野菜を作るために農家がどれだけの努力をしてきたか事故が起きなければ必要なかったこと。津波は予測できなかったというが、私たちでも何か事故を起こせば無罪では済まされない。県民を苦しめたのだから、経営者が責任を取るのは当然だ

 その上で、「誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる」と指摘する。

 茨城県水戸市から2人の子供を連れて沖縄県那覇市に避難した久保田美奈穂さん(40)は、判決を聞いてやっぱりと思った。

「原発を推進する政府の下では、大事故を起こした責任者さえも守られてしまう。津波が予見できないならまた事故が起きる危険性がある。それなら再稼働するべきではないし、今ある原発も廃炉にしたほうがいい

 判決を受け、国と東電に事故被害の回復を求める裁判を起こしている「生業を返せ、地域を返せ!」の原告・弁護団は、「最も重視される価値が地域住民の生命、健康であるという事実軽視するもの」などとする声明を発表した。指定弁護士の5人は控訴するかどうかを今後検討するという。(桐島瞬

※週刊朝日  2019年10月4日号
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●《歴史に名前》? 憲法99条無視な違憲な壊憲…《この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ》はずのアベ様が…

2019年05月15日 00時00分59秒 | Weblog


東京新聞の社説【首相の改憲発言 日程ありきは許されぬ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050802000179.html)。

 《安倍晋三首相が二〇二〇年の改正憲法施行に再び意欲を示した。自民党総裁としての発言だが、改憲の必要性よりも在任中の実現を優先させる意図ではないか。日程ありきの改憲論議は許されない》。

   『●宮崎駿監督は「憲法解釈を変えた偉大な男として
        歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判
   『●アベ様は、「政治への強い志も知の蓄積の
      気配すらも見られなかった」(青木理さん)…原点回帰な9条壊憲
   『●壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、
                   そして、緊急事態条項を絶対に許してはダメ
   『●「改憲自体が目的…首相・安倍晋三が改憲を
       断行したという記念碑的目標」…《愚劣なことだ》
   『●憲法99条無視で、違法に「#選挙妨害を
      暴力団に発注するアベ様」が9条壊憲を口にする資格はあるのか?
   『●首相の立場で国会で堂々と壊憲を主張…
      それを恥知らずな元防衛相が歯の浮く様な気持ちの悪いおべっか質問

 憲法99条無視な違憲な壊憲…《この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ》はずのアベ様が壊憲。宮崎駿監督は「憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判。アベ様の汚名の歴史に、壊憲という愚行が新たな一頁に。

 日刊ゲンダイのコラム【ここがおかしい 小林節が斬る!…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253319)によると、《自民党の改憲4項目について…4.教育の充実は、現行憲法の26条1項(教育を受ける権利の保障)で十分で、具体的な事は法律で決めればいい(つまり、改憲を要する事ではない)。 3.参院選挙区合区の解消…。2.緊急事態条項…。1.9条に『自衛隊』と明記…》とある。
 また、同様に、琉球新報の【<社説>安倍首相の改憲姿勢 憲法軽視の弊害もたらす】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-914456.html)によると、《安倍晋三首相は3日に公開したビデオメッセージで、憲法9条への自衛隊明記を軸とした改憲に意欲を示し、2020年施行の目標も堅持していると明言した。しかし、国民の中に改憲を求める声は高まっていない。改憲自体が目的になった政権と与党自民党の、乱暴な手続きや発言が目に付くだけだ。自民党は18年3月に(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項の新設(3)参院選「合区」解消(4)教育無償化・充実強化―の改憲4項目をまとめた》。
 この壊憲4項目の先には、「ト」な自民党壊憲草案の「新たな三原則」…国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限へと。くわえて、「緊急事態条項」の新設という狂気・凶器。自公お維を支える「1/4と2/4」の皆さん、早く目覚めて下さい。

 マガジン9の記事【こちら編集部/誰がために憲法はある(芳地隆之)】(https://maga9.jp/190508-5/)によると、《「元号が変わり、現行憲法最後の憲法記念日になるかもしれない日に、憲法に関する映画が一本も上映されない国で、僕は映画にかかわり続けることはできない」 去る5月3日、川越スカラ座で映画『誰がために憲法はある』が上映され、その後に監督の井上淳一さん、製作の馬奈木厳太郎(まなき・いずたろう)さんによる舞台挨拶がありました。冒頭はその際の井上監督の言葉です。本作品については、一人芝居『憲法くん』の原作者である松元ヒロさんへのインタビュー「この人に聞きたい」を読んでいただければと思います。ここでは、映画全体の語り手である女優、渡辺美佐子さんが東京・麻布の小学生だったころ、通学路で顔を合わせ、ほのかな恋心を抱いていた水永龍男君のことを》。
 さらに、《弁護士として、4200人超と最大規模の原告団を擁する福島原発訴訟に携わる馬奈木さんは、観客との質疑応答のなかで、憲法前文にある「再び戦争の惨禍が起こるのことのないやう」の部分についてこう述べました。「私たちが蒙る最も大きな惨禍が戦争であるともいえる。日常生活では大文字の『憲法』を考えるのは難しくても、普段の暮らしのなかで大切にしたいこと、いわば小文字の『憲法』なら考えられるのではないか」》。

   『●川内原発再稼働: 東京電力原発人災の教訓は活かされず、
                 そして、福井地裁判決をかみしめることも無く
    《酪農家の自殺は、福島県ではよく知られた悲劇です。全国ニュースにも
     なりました。弁護団事務局長の馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士は
     昨年秋、鹿児島県の地元紙記者から取材を受けたとき、
     この話を記者が知らないのに驚きました。この記者だけか、それとも…。
     これがキャラバンを始めるきっかけになりました》

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さんが
     語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」…。制作者らが映画に込めた
     思いとは――。井上淳一監督、企画した馬奈木厳太郎弁護士、
     出演した白井聡・京都精華大専任講師(政治学)…》

   『●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の
      「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心
    《福島で農業を営む人々はどんな暮らしをしているのか?
     井上淳一監督の『大地を受け継ぐ』はその一面を明らかにしてくれる。
     といっても、これは十数人の学生たちがある農家の母と息子に話を
     聴くだけのドキュメンタリーである。が、その話がとてもいい》

   『●『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、
       戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇り》
    《映画「(た)がために憲法はある」(井上淳一監督)の全国順次公開…》
    《井上淳一監督(53)は故・若松孝二に師事し、若松プロの青春群像を
     描いた「止められるか、俺たちを」の脚本を書いた硬骨漢。「このまま安倍1強の
     政治状況が続けば、改憲は現実のものとなり、もしかすると今年の
     憲法記念日は、現行憲法で最後になるかもしれない…映画界にはまったく
     といっていいほど危機感がない。この映画は、そんな映画界への挑戦状
     
でもあります。憲法に込められた理想がいかに大切か、今こそ、
     ひとりでも多くの人にこの映画を見て欲しい」と語る》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050802000179.html

【社説】
首相の改憲発言 日程ありきは許されぬ
2019年5月8日

 安倍晋三首相が二〇二〇年の改正憲法施行に再び意欲を示した。自民党総裁としての発言だが、改憲の必要性よりも在任中の実現を優先させる意図ではないか。日程ありきの改憲論議は許されない

 令和最初の憲法記念日。首相は改憲派が主催する「公開憲法フォーラム」にビデオでメッセージを寄せた。日本国憲法施行七十年の節目に当たる二年前の同じフォーラムで「二〇二〇年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と言及したことに触れ、「今もその気持ちに変わりはない」と述べ、自ら改憲実現の先頭に立つ決意を重ねて示した。

 憲法に改正条項がある以上、改憲論議自体は否定しない。法律の改正では対応できず、もし改憲がどうしても必要な状況になれば、幅広い合意により、改正に踏み込むこともあり得るだろう。

 しかし、二〇年までに改正憲法を施行しなければ対応できないような差し迫った政治課題が今、あるのだろうか。あるいは、国民の側から改憲を求める声が大きく湧き上がっている状況だろうか

 首相は改憲を必要とする理由に「憲法に自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打つ」ことを挙げたが、「多くの国民は自衛隊を違憲と思っていない」(北側一雄公明党憲法調査会長)のが実態だ。

 共同通信による憲法に関する世論調査では九条改憲の必要が「ある」が45%、「ない」は47%と二分されている。自衛隊違憲論を理由とした改憲論には無理がある。

 また首相は「貧困の連鎖を断ち切るため、教育はすべての子どもたちに真に開かれたものとしなければならない」ことを憲法に位置付ける必要性を強調したが、これも憲法というよりは、法律や政策対応の問題ではないのか。

 改憲が必要な状況でないにもかかわらず、二〇年という期限を無理やり設定して論議を強引に進めるのであれば、改憲を必要とする切迫性よりも、二一年秋までの党総裁任期中の改憲実現を狙ったと指摘されてもやむを得まい。

 改憲は幅広い国民的な合意が前提だ。与党だけや一部の野党を取り込んだだけで強引に進めることがあってはならない。

 首相は「この国の未来像について真正面から議論を行うべき時に来ている」とも語ったが、首相らへの忖度(そんたく)の有無が問題となった森友加計問題統計不正など、未来像に影を落とす問題が残されたままだ。改憲論議に先だって国会で解明、議論すべきではないか。
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●室井佑月さん、「責任が誰にあり、どう取るのかを見届けたいのだ。そこまでできて、やっと次の段階に…」

2018年01月11日 00時00分09秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



週刊朝日の室井佑月さんのコラム【連載「しがみつく女」/「2018、変わるならそこ!」】(https://dot.asahi.com/wa/2017122700080.html)。

 《というか、年が明けてガラリと変えちゃいけないことのほうが多いんだ。国会で森友加計学園の問題は、引きつづきやるのよね。もうこれ以上はないくらい、これらがおかしいという証拠はあがっている》。

   『●森友捜査ツブシ選挙の後の祭りだけれど、
       「関係者を国会に呼ぶなどして、もう一度調査をやり直すべきだ」
   『●高野孟さん「誰よりも安倍晋三首相が恐れていて、
       彼らをできるだけ長く世間から隔離しておくよう」内命?
    「アベ様の大見得・啖呵「議員辞職」…その秋はとっくに過ぎている。
     《夫と妻は別人格で、代わって話せることじゃない》ので、アベ昭恵氏や、
     総理大臣夫人付きの谷査恵子氏、国策として不当に長期に囚われの
     身の籠池泰典前理事長、そしてもちろん、「国家戦略特区諮問会議議長・
     アベ様は、2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった」らしい、
     そのオトモダチ・加計孝太郎氏に、国会で証言してもらうしかない」
    「腐臭を放つ《悪だくみ》、《このまま幕引きして、国民に疑惑を忘れさせよう
     という安倍の策略》を許していいのか? モリ・カケ・スパ等々々々々々々…
     泥沼なのに、アベ様の大見得・啖呵「議員辞職」は未だ有言実行されず。
     前川喜平さん、《これが逃げ切れるなら私は日本の民主主義を疑う》。
     …ニッポンの民主主義の大変な危機。」

   『●「安倍ちゃん…○○の象徴じゃない?…あれぐらいのさ、
           ■■な人じゃないと、多分あんなことやれない…」

 《もうこれ以上はないくらい、これらがおかしいという証拠はあがっている》山積するこれら問題について、アベ様自身も含めて、責任を持って国会で証言してはどうか? 
室井佑月さんの言う《責任が誰にあり、どう取るのかを見届けたいのだ。そこまでできて、やっと次の段階に…》、その典型が、誰一人責任をとらない東京電力原発人災。2011年3月11日以降、今も、何一つ解決していない。《責任が誰にあり、どう取るのかを見届けたいのだ》…でもそれだけでは足りない。欠けているのは、人災前の地域の姿への復元である。先に進むのは、核発電「麻薬」中毒患者達が、彼の地域を「原状回復」して見せてから、だ。《そこまでできて、やっと次の段階にいけるのだと思う。次の世界が見えてくる》。10の10…乗万歩譲って、「原状回復」して見せてくれたら、核発電再稼働や輸出を検討すればいい。まずは、原状回復して見せよ。《次の段階》《次の世界》はそれからだ。

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
    《とても、そんなんで済む損害じゃねえべ
    「《もう取り戻せない、償うことなどできない現実》…「原状回復」なんて
     決してできない「現実」だ。一体誰が「こういうふうにした者たち」なのか、
     こんなとんでもない「現実」を生み出した者たちなのか?
     誰一人、責任をとろうともしない」
    《土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で
     農業を営む樽川和也さんは、東京電力福島第一原発の
     事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。
     東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で
     苦悩を訴えている。もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた》

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った
     樽川和也さんが語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」が
     劇場公開されている》
    「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが
     二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ! 
     「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、
     「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」

   『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
      人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?

 《この国は、なぜ戦争へ突き進んでしまったのか、それは誰の責任なのか、もっと真剣に、ずっと考えつづけるのでいい。そのくらい戦争の責任は重いものだそれができていれば、安倍首相みたいなのが現れなかった》…まったく同感だ。敗戦後から、遠い昔に、既に、ボタンの掛け違いは始まっていた訳だ。

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https://dot.asahi.com/wa/2017122700080.html

室井佑月 2018、変わるならそこ!」

連載「しがみつく女」
2018.1.3 07:00週刊朝日 #室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中

     (【イラストはこちら】(c)小田原ドラゴン)
       (https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2017122700080_2


 国の課題や疑惑が数多く持ち上がった2017年。作家・室井佑月氏は、そうした山積した問題に疑問を投げかける。

*  *  * 

 あけましておめでとうございます。2018年は良い年になるといい。

 新年となり、なにかがガラリと変わるなんて期待しちゃいないけど。

 というか、年が明けてガラリと変えちゃいけないことのほうが多いんだ

 国会で森友加計学園の問題は、引きつづきやるのよね。もうこれ以上はないくらい、これらがおかしいという証拠はあがっている

 国側のいい分も、今後、こういうことはないようにという感じに変わってきている。が、多くの国民が望んでいるのはそういうことじゃない

責任が誰にあり、どう取るのかを見届けたいのだ

 そこまでできて、やっと次の段階にいけるのだと思う。次の世界が見えてくる

 今までそれをきちんとやってこなかったから、困った今があるのではないか?

 日本は敗戦国だからといって、米国になんでもいわれるがまま、こちらの意見をいってこなかった。

 だから今、不公平な地位協定はそのままで、言い値で武器なども買わなくてはいけない。管制権でさえ握られて、羽田から伊丹まで30分で行ける距離を、遠回りさせられている。

 銀行や大企業の失敗は、責任追及されず、当たり前のように国が肩代わりしてきた

 福島の原発事故で、あんなに甚大な被害があったにもかかわらず、誰も捕まらず、おとがめなしだ

 だから、次の新しいエネルギーに移行できない。コストが高く、管理も難しくて世界がやめようとしている原発から、離れられない

 この国は、なぜ戦争へ突き進んでしまったのか、それは誰の責任なのか、もっと真剣に、ずっと考えつづけるのでいい。そのくらい戦争の責任は重いものだ

それができていれば、安倍首相みたいなのが現れなかった

 世界から眉をひそめられる歴史修正主義的な発言も出てこなかったはずだし、この国も戦争ができる普通の国に、なんて考えはしなかったはず。

メディアも先の戦争から、反省が足りてないのか? 米国と一緒になってお隣の小国に拳を上げる行為を、なぜ一丸となって非難しない再び悲惨な戦争で、この国の人間が大勢死のうが、またまた自分ひとりの責任じゃないからいいっていうのか?

 あたしは今の世の中が安倍一強になったのは、政治家としての安倍さんが強いということじゃなく、この時代の流れの中のクライマックスだからだと思っている。

 戦争で時代の一区切りではなく、そこにいきつく前に、間違ったこの流れは止めなくては。アベ的なものの登場が、この時代の終わりだと信じたい

 2018年、なにかがガラリと変わるなら、そこよ。

 ノーベル平和賞を『ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーン』が受賞したのを、唯一の被爆国であるこの国が素直に喜べないおかしいって思わない?

※週刊朝日 2018年1月5-12日合併号
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●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?

2017年10月28日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017101102000132.html)と、
社説【福島原発判決 国の責任を明確にした】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101102000134.html)。

 《福島県須賀川市で八代続く農家の樽川和也さん…▼だが、福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止になったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った》。
 《国と東京電力の両方に賠償を命じた福島地裁の判決だった。原発事故の被災者ら約四千人が起こした裁判で、津波の予見性とその対策をしなかった責任を明確にした点は極めて大きな意味がある》。

 東京電力核発電人災で《情熱が染み込んだ土を汚》され、その「大地を受け継ぐ」…。その大地は《原状回復》されたのか? 大地を汚された他の方は、遺言として「原発さえなければ…」と書いた。

   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり
    《東電は、私の家に来て父の仏前に線香をあげて欲しい
     それがなければ、和解したといっても心が晴れない

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」
    《とても、そんなんで済む損害じゃねえべ
    「《もう取り戻せない、償うことなどできない現実》…「原状回復」なんて
     決してできない「現実」だ。一体誰が「こういうふうにした者たち」なのか、
     こんなとんでもない「現実」を生み出した者たちなのか?
     誰一人、責任をとろうともしない」
    《土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で
     農業を営む樽川和也さんは、東京電力福島第一原発の
     事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。
     東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で
     苦悩を訴えている。もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた》

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った
     樽川和也さんが語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」が
     劇場公開されている》
    「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが
     二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ!
     「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、
     「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」

 福島地裁で、《和也さんら福島の人たち三千八百人余が「原発事故で奪われた生業(なりわい)と地域を返せ」と起こした裁判の判決が出た》。残念ながら《原状回復》は認められなかったそうだ。
 《国も東電も福島第一原発付近では最大一五・七メートルの津波を予見することができた》し、さらには、《実際に〇八年に東電自身がそのように試算している》、《全電源喪失による事故回避は可能だった》。にもかかわらず、《国も東電もすべきことを何もなさず》、よって、《原発事故は予見できたのに手を打たなかった人災》だった。

   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ


 アベ様らや電力会社、原子力「寄生」委員会は、核発電所を次々に再稼働させました。また、インド等に核発電輸出をすると言います。アノ東電も、柏崎刈羽核発電所を再稼働すると言います。
 アベ様や東電は、福島の皆さんが安心して故郷へ一刻も早く戻れるように、早く「原状回復」して見せて下さいよ! 再稼働、輸出するなんて、話はそれからでしょ?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017101102000132.html

【コラム】
筆洗
2017年10月11日

 福島県須賀川市で八代続く農家の樽川(たるかわ)和也さん(42)は、キャベツの悲鳴を聞いたことがあるという▼樽川さんの父・久志さんは、土づくりにこだわる人だった。「一センチのいい土ができるには、百年かかる」と言い、堆肥づくりに手間暇を掛けた。その土で育てた野菜は築地市場で評価され、自慢のキャベツは学校給食でも人気だった▼だが、福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止になったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った▼出荷できなくなった七千五百株のキャベツは、畑でむなしく育った。大きくなりすぎたキャベツはパリッパリッと音を立て、真っ二つに割れた。和也さんには、それがキャベツの悲鳴に聞こえたのだ▼衆院選が公示された昨日、和也さんら福島の人たち三千八百人余が「原発事故で奪われた生業(なりわい)と地域を返せ」と起こした裁判の判決が出た。福島地裁が政府と東電の責任を厳しく認めて賠償を命じたとの一報を、和也さんは稲刈りの最中に聞いた▼久志さんは、遺書は残さなかった。ポケットの中に歩数計機能付きの携帯電話があり、その歩数は、およそ七百。自宅裏のキャベツ畑を見てから、命を絶ったのだろう。それから六年半。私たちは、どんな方向に、どれほど歩いてきたのか立ち止まって考えたい、衆院選だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101102000134.html

【社説】
福島原発判決 国の責任を明確にした
2017年10月11日

 国と東京電力の両方に賠償を命じた福島地裁の判決だった。原発事故の被災者ら約四千人が起こした裁判で、津波の予見性とその対策をしなかった責任を明確にした点は極めて大きな意味がある。
 「なりわいを返せ、地域を返せ」のスローガンで全国最大規模の訴訟だった。原告は福島の全五十九市町村ばかりでなく、宮城、茨城、栃木にまたがった。
 居住地の放射線量を事故前の水準に戻す「原状回復」を求めたが、これは認められなかった。だが、国と東電に対し、約五億円の賠償を認めた。この判決が画期的といえるのは、原告勝訴に導いた論理の明快さといえる。
 まず出発点に挙げたのが、「長期評価」である。文部科学省の地震調査研究推進本部。その地震調査委員会が二〇〇二年に作成した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」のことだ。
 これを判決は「専門的研究者の間で正当な見解として是認されたものであり、信頼性を疑うべき事情は存在しない」と断言する。
 そうすると国も東電も福島第一原発付近では最大一五・七メートルの津波を予見することができた実際に〇八年に東電自身がそのように試算しているのだ。
 判決はいう。経済産業相は長期評価が公表された後、シミュレーションに必要な期間が過ぎた〇二年末までに、東電に対し非常用電源設備を技術基準に適合させるよう行政指導するべきだった。東電が応じない場合は、規制権限を行使すべきであった。
 判決は津波対策の回避可能性についても、さらに具体的に言及する。安全性確保を命じていれば、東電はタービン建屋や重要機器室の水密化の措置を取っていたであろうから、全電源喪失による事故回避は可能だった-。
 何と整然とした論理であることか。国の責任をはっきり明言した判決に敬意を払う。次のようにも書いている。

   <経産相の〇二年末の津波対策義務に関する規制権限の
     不行使は、許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠いていた

 〇二年から東日本大震災の一一年までの間、国も東電もすべきことを何もなさず、ただ漫然としていたのである。
 大地震も大津波もたしかに自然の力による天災であろう。しかし、原発事故は予見できたのに手を打たなかった人災である。そのことが、今回の裁判でより鮮明に見えてきた。
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●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心

2016年05月07日 00時00分42秒 | Weblog


レイバーネットTVhttp://www.labornetjp.org/tv)の『●木下昌明の映画の部屋』(http://www.labornetjp.org/Column)に出ていた映画批評【●ドキュメンタリー映画『大地を受け継ぐ』 引き裂かれた「大地を継ぐ心」~東日本大震災5年のフクシマ】(http://www.labornetjp.org/news/2016/0220eiga)。

 《大地を受け継いで 生きていかざるを得ない者の、引き裂かれた気持ちが伝わってくる》。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
     だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」

 《あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか》?
 一方、「大地を受け継い」だ人々の葛藤を思うと、辛くなる。《「生産者ながら、その気持ちはわかる。汚染された物は食いたくないもん。それは風評でなくて現実だ」と。彼は自分が食べない物を売る農家の「罪の意識」についても吐露する》。東京電力核発電人災の「大地を受け継い」だ人々の葛藤、《引き裂かれた「大地を継ぐ心」》。
 なのに、アベ様や電力会社は、そんな「大地」を原状回復する努力をしていると言えるのか? それどころか、一体何に夢中になっているのか?

   『●言葉が見つかりません・・・
   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
      「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
        『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」

 「『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【今日が命日…忌野清志郎の「表現の自由を奪う圧力」との闘い、そして憲法9条への美しすぎるメッセージ】(http://lite-ra.com/2016/05/post-2205.html)によると…《彼の死後に起きた東日本大震災では福島第一原発が放射能事故を起こし、また、そんな大事故が起きたのにも関わらず、その反省を活かそうともせずこの国は原発再稼働へと急速に歩みを進めている》」(『●室井佑月さん:アベ様に「マスコミは甘すぎやしないか?…いっそう乱暴になるし、国民の知る権利が妨害」』)。
 取り返しようの無い東京電力原発人災。現実には、原状回復も無理。せめて、ニッポンは何をすべきか? 
 「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ! 「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」。

   『●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(2/8)
   『●何がメルトダウンしたのか?
   『●東京電力原発人災で失われた内在的価値
   『●柏崎刈羽原発再稼働を画策するような東電は
                 十分に責任を果たしたのか?
   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」
                ・・・・・・いま、その〝少年〟は?

   『●「極右化する欧州」 『週刊金曜日』
       (2014年6月27日、997号)についてのつぶやき
   『●「豊かな玄海町」へ:
     「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」

   『●東京電力原発人災で失われた内在的価値
   『●「糸島ブランド」が泣いている: 安全神話に乗っていて
            「原子力正しい理解で豊かな暮らし」なのか?

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http://www.labornetjp.org/news/2016/0220eiga

木下昌明の映画批評 : ドキュメンタリー映画『大地を受け継ぐ

●ドキュメンタリー映画『大地を受け継ぐ』
  引き裂かれた「大地を継ぐ心」~東日本大震災5年のフクシマ


 福島で農業を営む人々はどんな暮らしをしているのか?

 井上淳一監督の『大地を受け継ぐ』はその一面を明らかにしてくれる。といっても、これは十数人の学生たちがある農家の母と息子に話を聴くだけのドキュメンタリーである。が、その話がとてもいい。

 時は2015年5月、場所は大惨事を起こした福島第1原発から約65キロの福島県須賀川市の農家の居間。大きな食卓を囲んで、息子の楢川和也が事故後どう過ごしてきたかを、学生たちにつぶさに語り、時折母の美津代が口を添える。

 「地震の翌朝、いざ家についたら廃虚みたいになっていた ……3月23日、出荷停止で8000個の結球野菜が全滅した……おやじは『おめえに農業継がせて失敗だった』と…… 24日朝、おやじはキャベツ畑の所に立っているように見えたが、足が地面についていなかった……」

 息子の抑制した静かな語り口に、誰しもが引きつけられよう。当時の農家の実態が見えてくるようだ。話そのものがドラマチックなドキュメントになっているからだ。

 彼はまた、「放射能に汚染された作物でも、作ってみて 販売できないと証明されて初めて東電が賠償する仕組みだから、食べられない物でも作らざるを得なかった」と、倒錯した状況を苦渋を込めて明かす。そして自殺した父は農薬を嫌い、常々いい土が必要なのだと、食べることの大切さを訴えていたと、農業を介して人間の生きる基本を話す。

 一人の学生が質問する。「福島県産の物は食べないという人をどう思うか?」

 すると彼は、「生産者ながら、その気持ちはわかる汚染された物は食いたくないもんそれは風評でなくて現実だ」と。彼は自分が食べない物を売る農家の「罪の意識」についても吐露する。その言葉は重い。大地を受け継いで生きていかざるを得ない者の、引き裂かれた気持ちが伝わってくる。ぜひ見てほしい一本である。

(「サンデー毎日」2016年2月28日号・木下昌明

*2月20日より東京・ポレポレ東中野ほかで公開ロードショー
(c)「大地を受け継ぐ」製作運動体
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●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」

2016年05月06日 00時00分17秒 | Weblog


asahi.comの記事【(核の神話:26)受け継ぐ「大地」、福島だけではない】(http://www.asahi.com/articles/ASJ4W5QMNJ4WPTIL016.html?iref=comtop_list_nat_f01)。
asahi.comの記事【吉永小百合さん「核なき世界」への願い、カナダから】(http://www.asahi.com/articles/ASJ544WBSJ54PTIL010.html?iref=comtop_list_nat_n04)。

 《福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さんが語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」が劇場公開されている》。
 《あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか》?

   『●言葉が見つかりません・・・
   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
      
「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」

   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
        『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)

   『●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、
                 自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」

 「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ! 「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要。

   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり


 《音楽家の坂本龍一さんがピアノで伴奏した。核兵器と原発による核の被害を受けた日本が世界に伝えるべきものは何か。吉永さんは詩の言葉を通し、「核なき世界」への願いを次世代に伝えた》。

   『●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが
       攻撃を開始: 吉永小百合さんを断固支持する

 「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが攻撃を開始しても、怯まぬ吉永小百合さん。あらゆる核を否定し、「「核なき世界」への願いを次世代」へ、と言う吉永さん。そういう「未来図」は可能だと信じる。

   『●吉永小百合氏の原発廃止発言
   『●「「愛国」と戦争 安倍政権の軍事改革徹底批判」
           『週刊金曜日』(9月20日、960号)について
   『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
       非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任

   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●「安倍政権への怒りと原発再稼働反対への思い」を
                 語る吉永小百合さんを支持します
   『●「原理原則の無い国」、「死の商人」に堕した国、
               原発輸出したい哀しい国・ニッポン
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
         政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」

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http://www.asahi.com/articles/ASJ4W5QMNJ4WPTIL016.html?iref=comtop_list_nat_f01

(核の神話:26)受け継ぐ「大地」、福島だけではない
核と人類取材センター田井中雅人 2016年5月2日16時28分

     (樽川和也さん=(C)「大地を受け継ぐ」製作運動体)

 福島第一原発事故から5年。あの時、父親を自死により失った樽川和也さんが語るドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」が劇場公開されている。制作者らが映画に込めた思いとは――。井上淳一監督、企画した馬奈木厳太郎弁護士、出演した白井聡・京都精華大専任講師(政治学)の3人によるトークショー(4月23日、大阪市淀川区のシアターセブン)を再現する。

     ◇

 (井上)ぼくがなぜ、こういう映画を撮ったかというと、福島に帰れない人がいまだに10万人近くいる。東京大空襲でも約10万人が犠牲になったといわれる。ついつい「数」の話になりますが、その人たち一人ひとりに、こういう生活があって、一人ひとりに思いがある。

 樽川さんの暮らす福島県須賀川市から65キロ離れた福島第一原発で起こった無残な事故のために、こんな圧倒的な不平等を強いられる。樽川さんと同じように、福島で暮らすそれぞれの人に具体的な顔があり、現実がある。そのことをちゃんと我々が知ること。何も終わっていない。原発事故によって、このような痛みを強いられている人が、自分と同じように朝起きて、おなかが減って、ごはんを食べて、仕事なり学校なりに行って、好きな人がいて、親きょうだいがいて……という同じ人間であるということを知ること知って、想像するしかない

 2月に福島でこの映画を先行上映したときに、上映後のサイン会に並ばれたほとんどの人が、この5年間の思いをぼくに語ったんです。びっくりしました。泣き出す方もいらっしゃる。たぶんですね、普段は黙して語らない方だと思うんです。樽川さんの話に触発されたこともあるでしょうし、こういう映画を撮るやつだったら(話そう)と思ったのかもしれません。映画の中で樽川さん、深く沈黙されるじゃないですか。この沈黙の中にこそ、福島の声があるんじゃないかと思いました。その人たちをないがしろにしているんじゃないかという、今のありように対して、自分は何ができるかと自分に問うことが一番大事だと、ぼくは思います。

 (馬奈木)原発事故のあと、弁護士相談で初めて福島に行ったら、被害者家族らが殺気立っていた。何家族かの相談が終わって、じゃあさようなら、と1回で終われるかというと、終われない。被害者の話を聞いてしまったから、としか言いようがない。それで毎週、東京から福島に行くようになった。まだ原発事故は収束していない。被害は今、この瞬間も続いている放射性物質は降っているにもかかわらず、原発を再稼働する何なら海外にも売りましょうかと言う真摯(しんし)に福島の被害に対応し、誠実に福島の人たちと向き合う人であればそんな発想は出てこないだろう

 樽川さんと最初に会ったのは2011年6月。彼の暮らす須賀川市で弁護士相談会がありました。お父さんが(原発事故のショックで自死により亡くなったことは報道で知っていました。あの事件のご遺族の方かと。彼とはたまたま同い年(1975年生まれ)ということもあり、ひとごとではないと思いました。

 樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。彼が求めていることは責任をとってくれです。あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか申し訳ないと謝罪したかと。そう思っているのは、樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の2013年3月11日に福島地裁に起こした「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です。

………。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ544WBSJ54PTIL010.html?iref=comtop_list_nat_n04

吉永小百合さん「核なき世界」への願い、カナダから
バンクーバー=核と人類取材センター副島英樹 2016年5月4日20時09分

     (坂本龍一さんの伴奏で、詩を朗読する吉永小百合さん
       =3日、カナダ・バンクーバー、内田光撮影)

 原爆詩の朗読を30年にわたって続けてきた俳優の吉永小百合さんがカナダのバンクーバーで3日(日本時間4日)、原爆の詩や原発事故に見舞われた福島の人々の詩を朗読した。音楽家の坂本龍一さんがピアノで伴奏した。核兵器と原発による核の被害を受けた日本が世界に伝えるべきものは何か。吉永さんは詩の言葉を通し、「核なき世界」への願いを次世代に伝えた。

 朗読会は「The Second Movement in Canada」(カナダにおける「第二楽章」)と題してブリティッシュコロンビア大学(UBC)で開催。学生を含め約200人が聴き入った。

 「声高ではなく、柔らかい口調で語り継ぎたい」との思いを込めた吉永さんの朗読シリーズ「第二楽章」の中から、「にんげんをかえせ」で知られる峠三吉の「原爆詩集 序」を日本語と英語で、栗原貞子作「生ましめんかな」を英語で朗読。また和合亮一さんや佐藤紫華子(しげこ)さんら福島の詩人の作品、永瀬清子作「降りつむ」を日本語で読み上げた。「降りつむ」は皇后の美智子さまが英訳しており、これらも会場で紹介された。

 坂本さんは「核と人類は共存できない、という吉永さんの強い信念に共感します。将来、人々が核兵器や原発に苦しまないことを願う」とスピーチした。

 吉永さんが坂本さんと海外で朗読会を開くのは、2011年の英オックスフォード大以来2度目。今回はUBCとサイモンズ財団、朝日新聞社が主催した。詩の英訳を通したUBCと津田塾大の交流授業の成果も発表。スタジオジブリの美術監督を務め、「第二楽章」の風景画を手がけた男鹿和雄さんの作品も展示された。現地の4日には、吉永さんが主演し、坂本さんが音楽を担当した長崎原爆の映画「母と暮せば」も海外で初めて上映される。

(バンクーバー=核と人類取材センター・副島英樹)
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●原状回復できない現実: 「12万円で、あとはもう黙ってろ、自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」

2016年02月22日 00時00分21秒 | Weblog


asahi.comの記事【首つったおやじ、無駄死にさせたくねえ 福島の農家】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2N0Q9QJ2KUPQJ00K.html?iref=comtop_pickup_03)。

 《12万円で、あとはもう黙ってろ、自然に放射能さがんの待ってろっつうことでしょう。とても、そんなんで済む損害じゃねえべ》。

 原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」。

   『●言葉が見つかりません・・・
    《須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだ」と話していたという》

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
        「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」

         『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:

         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

 《もう取り戻せない、償うことなどできない現実》…「原状回復」なんて決してできない「現実」だ。一体誰が「こういうふうにした者たち」なのか、こんなとんでもない「現実」を生み出した者たちなのか? 誰一人、責任をとろうともしない。

   『●「こういうふうにした者たち」とは誰だ?
      ……東京電力原発人災の自覚無き犯罪者たち
    < 失ったものは永遠に帰っては来ない
       元通りに出来ないはずだのに/
       責任をはたすって?/
       何の責任をだ
       一体責任って何だ?>

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http://www.asahi.com/articles/ASJ2N0Q9QJ2KUPQJ00K.html?iref=comtop_pickup_03

首つったおやじ、無駄死にさせたくねえ 福島の農家
聞き手・萩一晶 2016年2月20日05時05分

     (樽川和也さん=萩一晶撮影)

 土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で農業を営む樽川和也さんは、東京電力福島第一原発の事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で苦悩を訴えている。もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた。


 ――事故から5年。いまの状況を教えてください。

 「放射能は、こっちの中通りにも降りました。田んぼも畑もビニールハウスも、みんなやられて、うぢらは職場を汚染されたんですだけど、東電は資産への賠償をしたわけでもねえ、放射能を取り除いたわけでもねえ。ただ、5年の月日が流れただけたーだ被害かぶって苦しんで、うぢらはいったい、なあんなのって」

 「精神的な慰謝料として事故の年に8万円、翌年に4万円はもらいましたよ。ただ、それだけ。12万円で、あとはもう黙ってろ、自然に放射能さがんの待ってろっつうことでしょう。とても、そんなんで済む損害じゃねえべ


 ――生前、お父さんは野菜の有機栽培に熱心だったそうですね。

 「環境のこと、よく考える人でした。寒キャベツをつくり始めたのも、冬なら1回も消毒やんねくたって虫がつかねえからです。雪の下で成長して、味もかなり甘くなる。地元の学校は全部うぢのキャベツを給食に使ってました。本当に安全でおいしいものを子どもらに食わせられる、って喜んでた。学校に呼ばれて、食の教育でしゃべったこともあんだ。そういうのが誇りだったの

 「国から野菜の出荷停止の連絡が届いた翌朝、首をつりました。収穫前のキャベツ7500個がダメになった。畑も汚された。これから先、どうやって生きてくっぺ、と思い詰めたんでしょう」


 ――この件は原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)の仲介で和解し、東電も事故との因果関係を認めたんですね。

 「おやじの無念を晴らしてえ、無駄死にさせたくねえと思って訴えました。ようやく和解して、賠償も出た。やっと東電も線香上げに来てくれる、謝罪してくれると思ってたんだ。だけど違った。届いたのはファクスでした」


 ――除染は進んでいますか。

 「田んぼは、やりました。大型のトラクターで40センチぐらい耕し、ゼオライトをまいて、また耕す。その粒に土の放射能が吸着する、それが除染だ、つうから」

 「だけど、おがしいっしょ。稲は放射能、吸わねくなるかもしんねえよ。でも土にある絶対量は変わってねえんだから。汚染された土の上で、俺たち毎日、朝から晩まで働いてんだよ。将来どうなんのかな、いつか影響出んじゃねえかなって不安だらけだもん」

 「国との交渉のときも、ひな壇に座ってる農水省の人に向かって何度も言いました。あんたら除染の『除』って、どういう漢字書くか、わがってんのかって。たーだ混ぜただけで、なんで除染になんのって。したら、みんな下向いて書類見てるんだ。その通りだって、思ってんじゃねえの


 ――汚染された表土を、はぎ取れないものですか。

 「薄くはぎとれんなら、まだいがったの。だけど事故の翌月に、耕していいっていう県の指示があったんだから。俺も半信半疑だったんだけど、みんな耕したんだ。あそこで耕さねきゃよかったの。1年は作物つくんな、補償は出すって言えば、いがったんだ。おっきな分かれ道だったんだ」

 「機械で、はぎとんのは簡単です。だけど40センチも土とっちゃったら、今度はろくな作物できねえから。ふかふかのいい土、1センチつくんのに何十年もかかんだよ

 「8代目の俺の代で、田んぼを荒らすわけにいがねから続けてんだ。やんねで、ぶん投げとけば、すぐに荒れ地になる。周りにも迷惑がかかる。それに、つくんねきゃあ賠償も出ねえし、収入もねえもん。生活できねえ」


 ――育てた農産物への賠償は?

 「販売実績があって損害を証明できるものにだけ出ます。たとえば、事故前に2000円で売れたのが1500円にしかなんねえんだったら、その差額は東電が賠償する。だけど、天候不順で値が上がったキュウリはこの2年、賠償出てねえんです。事故前より高い値段で売れたんだから払いませんって。おがしいっしょ。もしも事故なかったら、もっと高く売れてたんだよ。他県より安いんだよ。もう、東電はカネ出したくねぐて、しょうがねえんだから

 「俺たちだって請求もできねえようなものも、いっぱいあんだ。もう戻ってこねえものが。うぢで毎年つくって食べてた椎茸(しいたけ)も、山のふきのとう、たらの芽も、全部ダメになったけど一切出ねえ」


 ――風評被害はどうですか。

 「うぢのコメも、11年のは放射能が最高値30ベクレルぐれえあったの。規制値が500ベクレル以下(1キロあたり。12年度以降は100ベクレル)だったから十分に大丈夫な数値なんだけど、やっぱ口に入れるもんでしょう。俺も本当は食いだくねかった。まあ、よそで買うわけにもいがねから食いましたけど」

 「ただ、出荷すんのは、なんか悪いことしてる気がして。だから東京の人が、福島のは食いたくねえという気持ちは、よくわかる。こんなボロ原発あっとこの、わざわざ買って食いてえかえ。これは風評被害じゃねえよ根も葉もない噂(うわさ)が広まって売れねえのが風評被害だけど、じぇねえっしょ。根も葉もあんだから。現実に降ったんだよ、放射能が


 ――いまも検出されますか。

 「コメは去年もおととしも、放射能は未検出だったの。やれることはやったから。放射能の吸収を抑える塩化カリウムも毎年まいてるし。全袋を検査して、もしも数値が出たら出荷できないんだもの、いま福島のコメは、他県よりずっと安全だと思ってる」

 「実際、コメは売れてますよ。外食産業とか病院とか、福島県産とわがんねえところで表には出ねえだけで、すごい量が動いてんの。うまいから、福島のコメは。粘りと甘みがあって。だから外食産業の人らは、いいみたいです。うまいコメを安く買えて」

………。
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