eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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厳しい受電判断、PAS投入

2012年11月15日 | eつれづれ
キュービクル火災事故と言う事で緊急対応依頼。中は真っ黒、アクリルのカバーは全部グニャグニャ状態で内部は、かなりの温度上昇があった事が判る。

焼損機器を外して念入りに業者が清掃、5kVの直流絶縁診断ではナント1MΩの指示で、再度の碍子清掃をおこなったが全く絶縁が上昇しない...ただ10分間の電圧は安定していたが...これだけは救い。沿岸地区は、この程度は当たり前??。

今日の受電は無理でも明日には受電しないと大変な事になる...電力配電に1MΩでPAS投入すると電話連絡(渋々OK)、Voの監視をお願いし万全の体制で...PAS電源はインバータ発電機より供給し操作は直ぐ開放出来る様にして最初はVCB.PT.CT.母線のみでPAS投入、PAS開放しなかったので順次変圧器、進相コンデンサ等のLBSを入れ何とか受電成功した。この時の電圧グラフだが別の漏洩電流はグラフオーバー酷い状態。

1000Vメガー値も1MΩこりゃー厳しい...PASの地絡事故開放覚悟で一か八かの賭け、もうヘボ経験のみ、こんな現実は教科書の知識など何も成らない!!と覚悟を決め人生滅多にない1日となった。最悪の高圧絶縁抵抗1kV.1MΩで6MΩ確保もママナラズ、直ぐキュービクル全面取替を進言した。東日本大震災復興でキュービクル納品も3ヶ月以上との事で、それまでは沿面リークしない様に祈るのみだ。他に試験したのはPAS、OCR試験を実施した。

追伸:
母線より相間のメガー測定、これもナント1MΩ(PTヒューズ抜く)で、ヘタすると短絡か...コリャー無謀とも言える決断だったが明日で5日目、特にリーク音、異臭は無いが充電して乾燥したか。

Igr(対地抵抗分電流)は5mA、tanδ値は44、発熱電力は25W、もっとも対地電圧6600/√3=3810Vでは、これより若干、低下するが今後の受電中に於いても大変、厳しい数値だ。