eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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耐圧試験電圧上昇せず...

2010年04月10日 | eつれづれ
直流耐圧試験記録にチノーハイブリッド記録計AL5F50-ONNを使用して実施。
緑は直流印加電圧で赤は漏洩電流のグラフ。14.79kVより電圧上昇せず漏洩電流は激しく変動...絶縁抵抗低く試験器出力電圧が垂下して規定まで行かない。3回とも同じで、これは使い物にならない。

直流耐圧試験器14.79kVより電圧上昇出来ない。

この時の漏洩電流値の指示は2mAタップにて0.47mA。

イブリッド記録計AL5F50-ONNの表示は146.6の100倍値=14660V(試験器指示は14790V)。

では計算上で不良の裏付け根拠をエクセルに入力してtanδ値で確認して見る。電圧入力は14,790V、絶縁抵抗値は14790V/0.47mA=31.46MΩを入力する。Igr(対地抵抗分電流)0.47mAは試験器と一致しているのでエクセル計算は間違いなし。tanδ値は3.1なので不良となる。Io=合成電流は15.34mAで高圧ケーブルが持っているIc(対地静電容量成分電流)が殆ど...高圧ケーブルのシース電流も測定していても意味が無い。対地電圧6600/√3=3810Vでは直ぐにはパンクしないが近々ダメになるだろう。

使用中の6kV高圧ケーブル等、耐圧試験は回路の対地電圧6600/√3=3810Vであり、これに対応する直流電圧は3810*√2=5388Vとなるが安全を考慮して5000Vを印加する。さらに段階的に印加し絶縁抵抗直流耐圧試験が漏れ電流換算で1μA以下であれば良い。
試験器電流切替mAレベルでの印加はダメな証拠ではあるが高電圧になると高圧ケーブルヘッドからとか容易に漏れ出すので本来は漏れ対策をしなければならない。
ただ通常は面倒なのでやらないだけ...新設等は何ら問題無く印加可能。

耐圧の試験結果はパンクしてダメです...やり直しして下さい...この程度の技術者レベルではピンハネと同じ程度がしれたもの...参考にも成らずウソ八百で雲に巻く土方電気ヤでした。