eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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高圧ケーブルの耐圧試験とリアクトル

2010年04月06日 | eつれづれ
延々と長いダム工事の高圧ケーブル(900m)交流耐圧試験依頼あったが出来ない根拠計算...仮に三相一括を想定した場合、耐圧トランス+2kVAリアクトル13台並列で漸く一次側励磁電流8.1Aで可能の様だ。これでは余りにも非現実的で無理。1本ずつでも全く馬鹿げたリアクトル台数が必要の様だ。

同じ様に2kVAリアクトル1台では三相一括AC耐圧試験10,350V、10分間印加可能な高圧ケーブル長さは120m程度だ。この時の一次側励磁電流は1.98Aで電源容量は殆ど要らない。この高圧ケーブル長さで、これ以上、リアクトル台数を増やせば逆に遅れ電流が多くなり電源容量が増えてくるのでマズイ。耐圧トランスの影響は??。

以上の様なダメな理由で対地静電容量Icの充電電流(交流透過)は関係ない直流耐圧試験装置の出番となる。
大手の建設関係会社勤務の電気主任技術者はデータ他、OK等の試験根拠云々、色々聞いて報告書提出なのでヤッカイだ。耐圧試験をやること自体、見よう見まねで誰でも出来るが...。今回は既存高圧ケーブルも含めてなので7000Vでの試験依頼だが、これでもリアクトルは当然、複数台必要なので直流耐圧試験に落ち着く。