心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

泥牛月に吼ゆ

2010-12-21 | 禅語・般若心経
                              (半紙)

泥牛月に吼ゆ でいぎゅうつきにほゆ   
赤根祥道「心が晴れる 禅の言葉」 中経文庫 より

泥でつくった牛が、月の光の中で、悠然と立ちながら
月に向かって吼えているように見える。

そこには一片の計らいもなく、自然のまま、天地に抱かれ、
今を無心に生きることの素晴らしさを教えてくれている、とな 

そうは言っても、日常の中で、無心ってなんぞや・・っていうか、
そうは言っても、自然のままでは社会生活はなかなか厳しいぞよ、とか。

「自然のまま」と「我が儘」とは違うのだからに 

学生の頃、ある方が言ってたことばを、ふと思い出した。

自由をはきちがえちゃいけない。
自由の裏づけには、責任が伴わなければいかんのさ 

とかく「個人」を主張する今の世の中、
権利の主張ばかり・・が、増殖しないことを願うばかりなり 
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書展レポート

2010-12-20 | 書展・展覧会情報
                           石川芳雲氏 2尺×6尺の連

昨日は母と第32回日本書道学院展へ。
顧問は高木聖鶴氏・王偉平氏・高木聖雨氏。

昨年は 東京都美術館で開催だったけど、現在改修中のため都立産業貿易センターで。
天井が低くて全体に作品は小さめ。

最終日の昨日は、席上揮毫があったようだけど、一歩間に合わず残念。
会場に着いてすぐに、作衣姿の石川先生にお目にかかり。
少々お疲れのようだったけど、いつもながら少年のような笑顔でいらして 

「先生、少しお痩せになりませんか?」
「うん、忙しくてあんまり食べてないの。」
「130歳まで生きるにはまだ50年あるんですから、ちゃんと召し上がって下さいね」
「そうだね! まだあと50年、頑張ります  」
「その頃、私はもういないと思いますけど、空から拝見させて頂きます  」


高木聖雨氏  二宮奇龍氏  三谷嶽雨氏
平野清華氏         四季茜歩氏
楷書:お名前失念
木村青龍氏         新井青谿氏



宮山一琴氏 阿部花谿氏
市川潮風氏 鍋谷紀元氏
市川氏作品アップ

母の師でいらした(故)中平南谿先生門下のお仲間もいらしたり、
私からしたら、母とどこか同じにおいのする作品があったりして。
以前は、正直言ってあまり興味が持てなかった書風も
いいなぁと思えるものもあったり。

書の世界も色々だなぁ・・と

で、そのあと母は帰り、私は銀座で開催中だった玄同社展へ。
その模様は、リンクスにYou tubeとしてアップされていたので、拝借。
38秒頃に出てくる甲骨「衆」が稲村先生の作品。その次は掘吉光氏。




その後、歩いてすぐの鍋谷氏も出品されている油絵展へ。
和服女性モデルのデッサン会をやってるというので、ちょいとお邪魔をば。
会場は、書とはまた違う空気が流れていて、楽しかったなり 
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不自由だからこそ

2010-12-19 | つれづれ
                

先月散歩の途中で、呼び止められた・・気がした。
声が聞こえたわけじゃなくて、その存在に。

自由でありたいと思いながらも
どこかに不自由だったり、渇いたものがないと
湧いてこない想いもあるような 

「平和ボケ」ということばは
一見、しあわせなようでいて
実は、しあわせでないような 

それでも、井戸端会議中の葉っぱを見ていたら
心なごむなり 




まだまだやりかけのことがあれこれと・・なんだけど
今日は午前中から、母と書展巡りに行って来ま~す

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横顔美人

2010-12-18 | 

ひさびさに我が家の猫さまたち。

みーにゃの横顔が好き。
凛としながらもどこか儚げで。
身びいきとわかっているけど、美人だなぁって

でも、なかなかデリケートでややこしい性格でして

たとえば、いつも妹分のぷくぷくより先にご飯をあげるんだけど、
そのそばで待ってるぷくぷくが、少し遅れてご飯を食べ始めると
「一緒には食べたくないにゃっ」と言って、鼻を鳴らし立ち去る・・とか。

それを横目で確認したぷくぷくは、私とみーにゃの知らぬ間に
みーにゃのご飯も食べちゃう→だからぷくぷくは、ぶくぶくに

で、はい。そのちゃっかり者の、ぷくぷくです。




たまたま盗み食いをしているところを見つけて、「ぷくっ!」って声をかけると
口に入れたまま、その場に固まって不服そうな一声。

その表情がおかしくて、ついつい・・ったくう・・と許してしまう飼い主なのでした

みーにゃの更年期?らしき症状は、ちょっと落ち着いてきたようで一安心。
ぷくぷくのメタボに注意・・かな 

さてと。部屋も片付けるど~ 
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書展情報

2010-12-17 | 書展・展覧会情報
ご紹介が遅くなりましたが  今週末の書展情報をば。。

 今日17日(金)~19日(日)まで開催の、第32回日本書道学院展。

 ◆会場:東京都立産業貿易センター浜松町館5階
     浜松町駅下車 徒歩5分 交通アクセスは→ ここをクリック

 ◆時間:午前10時~午後4時  (ん?4時までって・・早いですね・・)

母の師、中平南谿先生の門下で、兄弟子でいらした 石川芳雲先生 が
学院長でいらっしゃる 日本書道学院 は、書道とペン習字と両方を学べます。

これからきちんとした書道を始めようかなと思っている方には、競書誌「書の光」
ペン習字には「ペンの光」もありますよん。


 それから稲村雲洞氏主宰の、第40回記念 玄同社展。

 ◆会期:12月17日(金)~12月19日(日)
     午前10時~午後6時 (17日は12時より、19日は午後5時まで)
 
 ◆会場:銀座洋協ホール 中央区銀座6-3-2 ギャラリーセンタービル6階


 

そして、新年明けてからは、あちこちで書展がありますよね~ 

ブックマークにもある「リンクス」に、たくさん情報が載ってますので、
そちらにどうぞ→ リンクス
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かたかたかた過多過多過多

2010-12-16 | つれづれ
                            (半紙)

「過多」

ここ数ヶ月、やること満載で時間に追っかけられる毎日だったので、
日々の生活が、あれこれ後回しに。
あちらこちらのブログへもお邪魔できずにおりまして

でもって、部屋はもう・・すんごいことになっとりまして。
泥棒が入った状態というより、台風で屋根が吹っ飛んだ後のようして 

はい、まさに過多過多過多・・

年末に向けての大掃除も待っているというのに、
今はまだ、どこからやるべ・・と、ぼんやり眺めているばかりなり 

捨てねば捨てねば捨てねば・・と、365日の呪文も効果なし。
久々に・・そんな今日の気分の1曲は、SOIL&PIMPSESSIONSの  POP KORN


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指紋がわかるような作品を

2010-12-15 | 書TEN

             
先日の書TENでの6名の方の作品の、ある「部分」のアップ写真の集合。
全体と部分では、その表情は別のものに見えたり 

私の師はよくこんなお話を。

紙を適当な大きさに切って、その中を適当な大きさに□に切る。
それを作品の上からあてがって、部分を切り抜いた世界を覗いて見る。
そこには、とんでもないヒントが隠されていることもあるのだ。

以来その遊びが好きで、展覧会などではよく指で作品をカットして覗いてみたり 

作品の「全体」は、その人の求めるもの、探している世界で、
そして「部分」は、その人がもともと持っている世界なのかな、なんて、ふと 

そう、だから「部分」は指紋でもあるような。

作品全体や名札を見ないでも、この指紋が誰のものなのかわかるような
そんな作品を書きたいなって思う 

会場風景はこちらからどうぞ♪

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書TEN 作品ご紹介 その2

2010-12-14 | 書TEN

最初の写真は、今回の書TENの代表でいらっしゃる 中谷翆泉氏 の作品。

左は『線のエレメント -無限と限定-』、右は『現存と不在の二重性 -IV-』

左の作品は、京都のブティックで偶然見かけたこの額に惚れこまれ、
どうしても譲って欲しいと頼み込んで手に入れたものだそうでして 

黒い紙ゆえ、白墨で。で、タイトルの-無限と限定-。
限定空間(額)の中の無限なのか、はたまた無限空間の中の限定(額)なのか
中谷氏の想いを伺いそびれてしまったけれど、私は後者を想ったなり 

そして、右の作品。
パネル作品にかかれた横線3本は「水」を表わし、その上にあるアクリルに書かれた
造形は・・ん?これはもしや・・と、伺ってみると 
「色」とは、男女のこと、つまり男女が抱き合っている姿よ~ と。
芸術の行き着くところはエロスです って、魅力的な中谷氏に言われて
質問されたTさんは、たじたじでした~



そして、最後になってしまいましたが、谷合双辰氏の作品3点。
写真ではよくわからないけど  かなは、『小林一茶の句』。

『水』の淡墨は、実際に拝見すると、林間の清流・・静かな滝のようでした。

『海』は、淡墨ではなく墨で書かれたことで、どこまでも続く海原の輪郭を感じ 

このアクリル額は、ご主人様が作って下さったそうです 



会場にお越しになれなった皆さまにも、この場にてご高覧頂き、ありがとうございました 

とても充実した時間となりましたこと、私の財産のひとつとなりました。
感謝の気持ちでいっぱいです 

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書 TEN 作品ご紹介 

2010-12-13 | 書TEN
昨日の続き、書TENでの皆さまの作品をご紹介。

最初の写真は、越智麗川氏の屏風。
道歌『今いまといまと言ふ間に今ぞなく今と言ふ間にいまぞ過ぎゆく』

いつも題材にされることばにぐっとくるのでして。

からだの奥底にある感情を搾り出して滲んでくる想いは、
痛いほどのかすれとなって、空間に刻み込まれているような 
私にとっては、その想いを探ってみたいという余韻が残る作品です。

今回、ゆっくりお話を伺う時間がなかったので、また別の機会に是非 

そして・・



「○とヽ」「川」は岡村雞守齋氏。
和画仙に和墨を使われたとのことで、その墨色の美しさに心奪われるなり。
墨汁だと平板になりがちだけど、和墨は、黒が何色にも重なり合っている様。
「川」は同じ墨でも、台湾画仙に書かれたそうで、写真ではよくわからないけど、
実際は発色の違いがよくわかり。

「海は如何なる川も拒まず」は内山武彦氏。
ことばのスケールのまま、淡墨でおっとりとした作品は、お人柄そのまま 

「虚構」2点は浅見満氏。
こちらも淡墨。躍動感ある造形が魅力。



茂吉のうた『虹の断片』と『風塵雷神』は木原光威氏。
茶がかった淡墨と青墨の作品。
以前から、何かの機会で作品を拝見しては、いいなぁと思っていたので
今回ご一緒できて、感激 

『落椿』『雪』『冬の月夜』は伊地知星夏氏。
かな作品のパネルは、300年前の布地を使われたというものもあり。
『雪』は、ほんわかやさしい雪がこんこんと 

『萬葉集』『辿』は多田翠香氏。
アップにすると、おっとりとしたあたたかい線と穏やかな造形に、なんだかほっこり
『辿』は2本の筆を使われて書かれたそうで、その妙が淡墨でさらに。

書TENの作品ご紹介は、残るは中谷翠泉氏と谷合双辰氏。
それはまた明日また。どうぞおつきあいくださいませね

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書TEN 閉幕

2010-12-12 | 書TEN
                             「無一物」


2010 書TEN ─今─ 昨日無事閉幕しました。
たくさんの方にお越し頂き、新しい出会い、発見、感激もたくさん頂きました。

このグループは、今回新たに中谷翠泉氏の呼びかけで集まったメンバーによる第一回展。
そのコンセプトは「自由な立場で自己表現する場としての新しい書展を」。

当初集まられた10人のメンバーのうち、お一方が諸事情で参加できなくなったとのことで
畏れ多くも私なぞが、越智氏よりお声をかけて頂きメンバーに加えて頂いたのでして。

皆さま、現日でご活躍をなさっている先生ばかり。。
数ヶ月前の顔合わせの折、書作への熱き思いを伺い、
緊張とプレッシャーで、胃が痛い中での制作の日々でしたが、
このチャンスを与えて頂いた皆さまに、本当に感謝感謝です 

またひとつ、自分を見つけられたような気がしています。
そして、好きって思うものを辿っていくと、どこかで繋がっているご縁というものも
改めて感じ、嬉しい思いでいっぱいです 

最初の写真は、今回自分らしさのひとつとして、古道具とのコラボ作品「無一物」。
大正時代の帯戸に、パネル貼したものを。
帯戸の存在感に負けないように、でも張り合わないようにと思って書きました 

古い時代の生活の中にあったものが、どんどん消えていくのはもったいないこと。
その時代を生きたものと、今を生きる自分とのコラボ作品、
これからの沙於里スタイルとして、楽しみながら増やしていこうと思います。

ということで、今回の作品「無一物」と「根」、そして「四十七の笑」




中国の折本の表紙を、真っ赤な和紙で張り替えて。

裏表に貼っちゃったので、皆さんからは見にくいよ~と 
礼儀正しい折本の見方なぞお構い無しに、どうぞご自由にめくって下さいまし~
・・ってことで、最終日には折本は破けたり「笑」も剥がれたり 
ありがたいこってす。

この「笑」のお蔭で、たくさんの方と楽しい会話もできて嬉しかったです。
これからの私の書との関り方の、もうひとつの道にしていけたらと思います。

会場にお越し下さった方、ブログにお越し下さった方、応援して下さった方、
お声をかけて下さった越智氏、メンバーに加えて下さった皆さま、
小津ギャラリーのスタッフの皆さま、表具でお世話になった東洋額装の小林さん・・

この場をお借りして、たくさんたくさん感謝を込めて・・ありがとうございました 

皆さまの作品はまた明日にでもご紹介します 


搬出作業の前に記念写真。越智氏・浅見氏は残念ながら不在。



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