BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

三部作

2018年03月18日 | 映画
北の三部作「北の零年」「北のカナリアたち」「北の桜守」いずれも脚本は那須真知子だ。しかしだ、この三部作
いかにも女優〔吉永 小百合〕ありきの映画でしかないことを残念に思う。70才をとうに過ぎ、小ジワ1本もない
女優の生活感や歴史感の無さは気味が悪い。どんな時代背景でも泥や接ぎ一つない衣装と、きれいなお化粧。多く
の時間とお金、大掛かりなスタッフと大量の協力クライアント。期待した滝田 洋二郎監督だけに、なぜか虚しい。
今回の役者、夫役 阿部 寛はただの背高木偶の棒役者だし、息子役の堺 雅人はどんな性格設定か分からない存在。
せめて口をつぐんだ時の変な癖が無いのが救いだった。妻役の篠原 涼子もただの我儘女で暑苦しい芝居。
終戦後樺太から命からがらひきあげ、乗った船は撃沈されて長男が行方不明、あとで夫も戦地で戦死と知るが。(こ
のとき夫の出征時、すでに銃を持っている意味が分からん)網走に流れ着いて吉永さんは江蓮商店として飲食店を営む。

その後15年が過ぎ、次男堺 雅人はアメリカに渡り、米国企業の日本社長となって札幌の狸小路に店をだす。そんな
ある日、子供の頃のいじめっ子が堺 雅人に事業資金200万の金を借りに来る。お前など知らないと言いつつも内ポケ
ットから札束を出し、1万円を手でくしゃくしゃににぎったあと床に2回捨て落とす。役者・安田 顕はそれを拾う。
この辺の性格設定も中途半端でチグハク、15年は空白だ。映画の後半、まさに再開した親子がその時(引き上げ直後)
を埋めるべく旅に出るのだが、なんのリアリティもなく、少しの健忘症にかかっている母吉永さんはメークにも芝居にも
変化なし。ただただ北海道で撮られたという、大掛かりというだけのいつもの〔吉永 小百合〕さん映画。チラシには
「激動の時代を懸命に生き抜いた親子の物語」とあるが、アタシにはその懸命さが全く伝わらん。
ラストの物語を象徴する演劇的シーン、ここで吉永さんは取って着けたような白髪だ。アタシはこれ目頭も熱くシラケ
たね(笑) 映画「蒲田行進曲」のラストは効果的だったが。

 映画「北の桜守」 監督 滝田 洋二郎  東映作品+沢山の企業 2018年 時間は2時間ほど

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