BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

クソという映画

2018年12月27日 | 映画
札幌に戻っての初めての映画だ。クィーンの「ボヘミアンラプソディー」その輪郭をなぞっただけの
くそ映画を鼻水とクシャミと格闘しながら観た。始めから不要な切り返しを多用し、話の流れを分断する。
全編がTVのコンサートライブ映像の様相だ。何故にあのような無用なカットバック手法なのか、ハリ
ウッドアクション映画手法だ。さっき聴いていたラジオではYASUさんが今年度No1の映画だと言って
いたが、彼は映画も本も知らないビートルズ馬鹿だ。まるで的外れなことを時々無邪気にいう。
まあそんなことはどうでもいい。アタシは観ながら盛んに「シュガーマン」を思い出していた。
2013年3月札幌で公開された「シュガーマン 奇跡に愛された男」という映画をみただろうか。
1970年ミシガン州デトロイト、アルバムを出したが全米で6枚しか売れなかったロドリゲス。
その後はコンクリートを削岩機で壊す手作業の、いわばその日暮らしを強いられていた。だがその地球
の裏側南アフリカ ケープタウンではボブ・ディランやローリング・ストーンズより知られる存在となり
黒人差別の反アパルトヘイト運動に盛り上がる若者たちに支持され、その後も広い世代にも支持された。
ロドリゲスの人気も続いてはいたが、ただロドリゲスはもうステージで火を被ったとか銃で自殺しなどと
の伝説が広がっていたし、その後の行方を知る者もいなかった。新聞にも広告での尋ね人となった。
そのへんはクィーンの成功と真逆だ。しかしアタシのなかでは映画としての評価も真逆で断然シュガーマン
の勝だ。クィーンの家族との相克、結婚、ゲイとエイズ、ソロ活動と再結成など輪郭を軽くなぞった映画など
クソだ。

しかしロドリゲスは南アフリカでは伝説として生々しく生きていたのだ。カセットテープが擦り切れるほどに。
やがて生きていることが知れ、南アフリカに招かれる。その満員のステージは各地で3日も続く、クィーン程の
大きなステージだ。だがロドリゲスは「程」を知っていて、デトロイトの元の仕事にもどる。こんな言葉を残して。
「君の時間をありがとう。君も俺の時間にありがとうと言う。そしたらもう忘れてくれ。」
映画タイトル「シュガーマン 奇跡に愛された男」珠玉のドキュメンタリー映画 2012年スウェーデン・
イギリス 85分  昨日観た映画より、6年ほど前に観た映画の方に改めて感動している。

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