BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

真 剣 師

2016年04月23日 | 古本
 大崎 善生さんの「赦す人」は団 鬼六さんを書いたものだがその中にも「新宿の殺し屋」現ると
小池重明を書いている。これは団さんが〔小池重明〕を書いた1冊。しかし団さんもハチャメチャ
だが、小池さんはその輪をかけている。かって将棋界にこんな人が居たことは将棋の歴史には記録
されているのだろうか。並みいるアマの名人やプロを二日酔いの中で倒して行った。奨励会にも
年齢超過で入れず、したがってプロにもなれず僅かにあったチャンスをことごとく自分で潰して
いった。かくして44才で酒に溺れた人生を使い切ってしまった。
新宿の将棋道場で殺し屋と呼ばれた賭け将棋ギャンブラー、〔小池 重明〕なんという面白い人生だったろうか。

 「真剣師 小池重明」 著者 団 鬼六 イースト・プレス 定価1748円+税
  ( 1997年2月12日 第8刷発行 )

正午さん

2016年04月04日 | 新 刊
 久し振りに佐藤正午さんの新刊がでた。正午さんの本は滅多に古本屋さんに出回らない。
(5や永遠の1/2くらいなら別だが)この2月に出たばかりだし、登別で探すのも不案内
だし、結局札幌の新刊書店で買って持ってきた次第。そして毎晩少しづつ登別の寒い部屋で
読んだ。ただ今回はソフトカバー、過去に雑誌等に書いたエッセイをまとめたもののわりに
は値段が高杉さんで、古本列伝には痛い出費だった。
 そしてあの正午さんもああ歳をとってしまったのか感がぬぐえない。まあ長崎佐世保の地
で、静かに何年かに1冊の小説に取り組んでいるのだから許そう(笑)

 「小説家の四季」 著者 佐藤 正午  岩波書店 定価1900円+税
  ( 2016年2月23日 第1冊発行 )