BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

読まされている

2019年10月29日 | 古本
12本の短編を集めた全集 沢木 耕太郎ノンフィクション第1巻「激しく倒れよ」
まあ言わば激しく倒れたスポーツ人物伝。〔イシノヒカル〕という競走馬もいるが。20代半ばの「調査情報」
に書いたものが多い。しかしその筆致はそう今と変わらない。ある意味その年代でもう沢木 耕太郎は完成して
いたのだろうか。このシリーズも9巻まであるようだ。音楽で言うシングルカット短縮版の集大勢。
とにかく沢木さんの本は面白く読まされている(笑)
 「激しく倒れよ」 著者 沢木 耕太郎  文藝春秋 定価1905円+税
  ( 2002年9月20日 第1刷 )

4444日

2019年10月25日 | その他
どうやら今日がこのブログを始めて4444日に当たるようだ。計算すると12年と2ヶ月くらいか。
〔ブログを始めて何日目〕と出ていることに気が付き、この日を待っていた。
まあその数字にはただの機械的な数字だが、よくも続けているもんだ。このブログはなんの遠慮も制約
もないから、気楽に自由に続けて来れた。ただしばらく間があいたりしても、毎日のように見てくれる
方が数十人いてくれるので、それが励みになっている。
カテゴリー別の数字で言うと下記のごとくです。
「写真集」(7)意外と少ない。他のカテゴリーに入れたのだろうか。
「新刊」(48)新刊は古本列伝なので意図に反しているが、どうしても早く読みたいのがあるので。
「古本」(631)大概はBOOK OFFなので表彰されてもいいくらいか。
「テレビドラマ」(7)この数字はもう増えない。TVドラマは見ない事に決めているから。
「仕事」(5)どんなこと書いたか思い出せない。
「テレビ」(12)テレビのアホさに怒って何か書いたのだろう。
「公演」(7)これはめっきり見なくなった。義理も招待券もなくなった。
「その他」(257)その他は何が問題だったのか、忘れてる。ちなみに今日はその他だ。
  計974本を4444日で割ると4,5日に1本、当初は週に2,3本書いていたのだが、最近は
目の不調で読書量が減ってしまった。
写真はここ10年の書店の領収書。その前は捨てていた。計ると380g、その百分の1も脳に蓄積され
て居ない事だろうが悔しいね(笑)

タイトル

2019年10月22日 | 新 刊
早く読みたくてこの本を買った。タイトルの読みは「ひのかわ」だと思い込んでいた。どこにもフリガナがない。
だが534ページもの厚さと長さの小説のラストページ、<赤く、朱く、紅く、より緋くー>とありその緋には
〔あかく〕とルビがふってある。だとするとこの本のタイトルは「あかのかわ」と読むのだろうか。緋は〔ひ〕
で出てくるが、〔あか〕では出てこない。桜木さんも人が悪い、どう読ませるかフリガナを何処かに入れるべき
だし、あるいは「ひのかわ」でも「あかのかわ」でもどっちでもいいということなのか。タイトルの読みはなん
なのかはとても重要なことで、最後の最後にフリガナなんて、それは読者をナメてる。
表紙カバーにはタイトル横に著者名が「桜木紫乃」と入っていて、それには「SAKURAGI SHINO]
とデザインされてるが、そんなのもう読み方はだれでも知っている。なんだかおちょくられた気分で、アタシは
この小説の評価は半分に下げた。いいかげんにしろよ緋の作家、桜木紫乃。アタシは2000円+税で新刊を買
っていたのにさ(笑)

〔あとがき〕にはこうある。モデルはだれもが知る〔カルーセル麻紀〕さんだ。
<長く芸能界に暮らしている人に、小説を書くからといって思い出話をさせるのは何かが違う。思い出話ならば
麻紀さんが語ったほうが百倍面白いのです。>とある。ならばその百倍面白い方をアタシは読みたい。これはも
うハナから負けを認めているに等しい。実在の人物を書くならどうディフオルメしょうが虚実を織り込めようが
本人以上の小説にならない。続編など出たってアタシは買わんぞ。古本で210円くらいに安くなったら考慮す
るだろうが。
 「緋の河」 著者 桜木 紫乃  新潮社 定価2000円+税
  ( 2019年6月25日 発行 )

北海道の土

2019年10月15日 | 新 刊
河崎 秋子さんも羊と牛買いを止めて筆一本になったようだ。そしてこの短編連作、急速に腕を上げた。
以前読んだ「颶風の王」はまだ多少の難があったが、この新作はアタシのみた、あるいは体験した
昭和の北海道の風景・7編がそのままにある。文章もこなれて、桜木 紫乃さんにも近い。あるいは
内容は小檜山 博さんにも近い。同じ道内の作家さんには共通する臭いがある。
あまり不幸の深追いはなく、特有のあきらめにもにた感情が支配し、その具合が丁度いい。
このまま河崎さんには北の土地にしがみついて書き続けてほしい。
 「土に贖う」 著者 河崎 秋子  集英社 定価1650円+税
  ( 2019年9月10日 第1刷発行 )

朝倉さん、今作は「山本周五郎賞受賞」と直木賞の候補になった。まあいいけどさ、朝倉さんの今まで
書いて来た若人の世界がそのまま歳をとるとこんな風になるのかという、アタシの感想。
文体も口調も内容も、50才に置き換えるとこうなるのですね。
朝倉さんの近作を読むのを止めていたが、都会に住まいを変えたらどんな風になるのかと訝っていた。
なんだかな・・・アタシは「田村はまだか」や「ともしびマーケット」「タイム屋文庫」の方がずっーと
好きだす。受賞は都会に出て多くの文学関係者と交流が出来たからでしょうか。これは皮肉です。
なんだかTVドラマ化されるような気がしてならない。売れているタレントを起用してさ。
 「平場の月」 著者 朝倉 かすみ  光文社 定価1600円+税
  ( 2019年6月30日 10刷発行 )

トミさん

2019年10月12日 | 新 刊
ベストセラー本を買う事はないのだが、「新聞記者」は許して。新刊書店に行ったついでに買ったのは
ほかに「平場の月」と「緋の河」。待っていても当分BOOK OFFにはこないだろうからね。
いつも菅官房長官に食い下がっていた、記者らしい記者の書いたものを早く読みたいのは人情、許されよ。
しかしなんだ、あの記者クラブとはなんじゃらほい。あの談合記事体質はいつも問題を指摘されているが、
一向に改まる様子はない。ただあの木で鼻をくくったような一方的な答弁を聞いても面白くはないが。
望月さんのように鋭くしつこく追及する女性がいることに、少しは希望が持てるが、他の大新聞の記者
さんは何を考えてん。自民党の政党機関紙化した読売ならともかく、アカイアサヒはどないなの。おっと
これは亡き〔赤瀬川源平〕氏のコピーだった。いそこさん、応援します。
 「新聞記者」 著者 望月 衣塑子(もちずきいそこ) 角川新書 定価800円+税
  ( 2019年7月30日 11版発行 ) ※映画化されたようだが、それは見る気がしない。
                        どう落とし込んだのか、配役をみれば想像できる。

珍しく〔花崎 皋平〕さんの本がBOOK OFFにあった。ながいタイトルだが中編の詩作集だ。
タイトルにもあるが、〔村山 トミ〕さんを知るものとして、あの時代を思い出す。もちろん創作や誇張は
あるだろうが、著者との壮絶な愛の葛藤や相克があったようだ。劇的に生きる哲学者、まだ88才だ。
 「チュサンマとビウスツキとトミの物語 他」 著者 花崎 皋平  未知谷 定価2000円+税
  ( 2018年5月25日 初版発行 )