BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

トッポイ

2014年08月27日 | 古本
 三上 寛の〔東京だよ お母っさん〕という唄に、「♫スポーツ新聞の求人欄に 消されて
しまった初恋よ」という詞がある。まさにそんな三行広告の怪しい話し。アタシもそんな
三行求人欄で半年を働いたことがある。札幌中の土を掘ったのだ(笑)
 「紙の中の黙示録 三行広告は語る・・・」 著者 佐野 眞一  文藝春秋
  ( 定価1300円 1990年7月15日 第2刷 )

 夕方なり(日中もそうだが)札幌駅は人でごった返している。まるで昔の渋谷、新宿クラ
スだ。とめどない人の流れを見ていると、この1割でもいいから地方へ分散化出来ないもの
かと思う。札幌と遠隔地の人口差はあまりにも大きい。オビに〔笑う地域活性本です!〕と
ある。副題は〔眠れる〝未来のお宝〟を発掘する方法〕
 「北海道の逆襲」 著者 井上 美香  彩流社 定価1400円+税

 森山さんの写真集を文庫で見るのは失敗。5インチカーナビをみて複雑な道に迷うような
気分。カーナビは7インチ以上でないとダメという教訓。例えが違うって?
 「遠野物語」 著者・写真 森山 大道  光文社文庫 定価514円+税
  ( 2007年4月20日 初版1刷発行 )

 そういえば〔トッポイ〕兄さんを最近見かけなくなった。そんな死語っぽい〔古いことば〕
の抄録シリーズ。そもそも人と話す機会が少なくなると、言葉自体をどんどん忘れていく。
 「セピア色の言葉辞典」 著者 出久根 達郎  文春文庫 定価629円+税
  ( 2007年10月10日 第1刷 )

 このような高級官僚が厚生省にいて(後に環境庁へ)1990年も12月、53才で自死。
アタシが15年務めたプロダクションを辞した年で、当時相当大きいニュースになったはず
だが全く覚えていない。水俣病の認定問題はいまも続いている。
 「雲は答えなかった」 著者 是枝 裕和  PHP文庫 定価648円+税
  ( 2014年3月19日 第1版第1刷 )

すねもの

2014年08月20日 | 古本
 本田 靖春さんの著作を読むのはこれが初めて。単行よりひと回り大きく582ページ、
重さが920gもあり重い。長いあいだ寝本にしていたので、何度も手から滑り落ちた。
それがその日の潮どきで本を閉じた。多分3ヶ月くらいはかかったろうか。
 本田さんなかなかの拗ね者であることは十分に分った。その中でいろんなジャーナリスト
の人名が出てくるが、ひとり黒田 清さんの名が一度も出てこない。ほぼ同時期に社会部記者
として東京と大阪で活躍した。黒田さんの大阪読売は、もうそれは別会社だということだろ
うか。〔噂の真相〕の岡留 安則さんを真のジャーナリストだと触れつつも、なんだろう。
黒田さんはいろんな著作で本田さんのことにも言及しているのだが。へんだね。
 本田さんが拗ねものなら、黒田さんは骨ものだろうか。共に亡くなられているのが惜しい。

 「我、拗ね者として生涯を閉ず」 著者 本田 靖春  講談社 定価2500円+税
  ( 2005年3月18日 第3刷発行 )

はたしてまさか

2014年08月14日 | 古本
 道新夕刊でドロドロコラムを書いていたのを楽しく読んでいた。酒の飲みっぷりと貧乏
ぷりがさっぱりしている書き口だ。そして名前がひらがなだったので、まさか?としま!と
覚えてしまった。まさか年増とは、さすが北大路 公子さんのお仲間作家さんだと感心した
のだ。しかしよくよくみると〔まさきとしか〕という筆名だということが分かった。ただ
一旦そう覚えた老頭にはなかなか訂正が効かない。まあ失礼だが、楽しく読んだのだから
まさかさんにはお許し下さい。
 主な舞台で北区屯田の防風林が出てくる。果たして本当に途上するのかは疑問だが。
 「途上なやつら」 著者 まさき としか  中央公論新社 定価1800円+税
  ( 2014年6月10日 初版発行 )

 やはり古本屋さんのあれこれを読むと、アタシの血が騒ぐ(笑)もし売れてしまった分
蔵書が少なくなるのだから、極力「売れない古本屋さん」を目指すのだ。あるいは町内会
のミニ図書館でもいい。アタシは読みたい本を買うが、仕入れの為に古本を買うことはし
ない。ああ、そんな夢のような古本屋さんだ。「売らない古本屋さん」いいではないか。
 女子の行動力はやっぱり改めてすごいのだ!!
 「女子の古本屋」 著者 岡崎 武志  筑摩書房 定価1400円+税
  ( 2008年3月25日 第1刷発行 )

樺戸集治監

2014年08月09日 | その他
 ちょいと月形町に用事で行った。用事は小1時間ほどで済んだ。ならばかねてより観たか
った「月形樺戸博物館」に寄らない手はない。アタシは博物館オタクなのだ。
 館内には映像シアターなどもあり、3タイトルを全てみた。昔はこういうビデオをいたる
ところで制作したものだが、最近はどうなのだろう。入場料の300円の元はたっぷり時間
をかけてとらせてもらいました。
 場内は写真撮影は禁止だが、入り口はOKだという。昔のままの入り口の石段中央が、か
なり磨り減って激しく凹んでいる。多くの囚人が粗末な履物で出入りした。重りの付いた足
の鎖なども擦れたのだろうか。
 北海道の主な幹線道路は、各地に在った監獄の囚人たちが切り拓いた。そうした歴史は
しっかりと記録し保存するべきだ。館は赤字だろうに、月形町はエライ(笑)
 ちなみに月形には町はずれに現行の大きな刑務所がある。そこに入りたいとは思わんが。

なんもだ

2014年08月05日 | 古本
 おんなドクターであることを強調し、自分でボケてツッコミを入れる。天然系の我儘を云い
それが「どう、私って可愛いおんなドクターでしょ」と自慢話し。とても少ないがトキにいる
タイプのおひと。ハナ持ちならないが最後まで読んじまった。マンボウ航海記を知ってるひとには〝なんもだ〟だ。
 「北洋船団女ドクター航海記」 著者 田村 京子  集英社文庫 定価480円
  ( 1994年6月5日 第4刷 )

 この方のタイトルも〝てなもんや〟を付けなければ気が済まないのだろうか。多分、たとえ
均一でももう読まないだろう。このひとの北京ものはもう飽きました。
 「今日も、北京てなもんや暮らし」 著者 谷崎 光  飛鳥新社 定価1429円+税
  ( 2009年5月20日 第1刷発行 )

基 軸

2014年08月03日 | 古本
 母方の実家があった長崎市での司法修習時代の大まかな周辺記。ついでに江戸川区小岩の
アパートにはシーナさんやサーノさんらの役者が揃ういつものお話し。こんなに弁護士人生
を楽しんで生きている人をほかに知らない。
 「長崎ルパン物語」 著者 木村 晋介  角川文庫 定価438円+税
  ( 平成10年10月25日 初版発行 )

 創刊時から休刊までの25年分の、この雑誌だけは整理され収まっている。たしかその
本棚の奥にあるはずだが、均一なら探すより買って再読する方が早い。
 そして「噂の眞相」が休刊になって丁度10年が経った。もし雑誌の発行が続いていても
ネタに困ることは無かったろう。最近だけでも「特定秘密保護法」や「集団的自衛権」そし
て福島と日本の原発問題。マスメディアの信頼はなく、NHKはああだし(笑)
 「噂の眞相」が休刊したことで、日本の市民は考えの基軸を失い、やがて恐ろしい時代へ
突き進む。ああどうすんだ、この先は・・・
 「噂の眞相イズム」 著者 岡留 安則  WAVE出版 定価1300円+税
  ( 2005年6月7日 第1版第1刷発行 )