BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

締めくくりに

2013年12月29日 | 新 刊
 今月上旬書店に行くと、ベストセラー本置き平台にダブルの平積みになっていた。
もう森さんは映画監督ではなく、きっぱりと作家さんになった。(別に映画監督でも
いいのだが)少々長い題名がハヤリを行っているようでイヤダが、言いたいことの
いちばんはこのタイトルにあるのだろうから即買いしてしまった。
 古本屋さんに出回るには少々時間がかかる。それに森さんへは〔印税貢献〕をして
いない買い方が多い。それに正月も近い(笑)と珍しく躊躇しなかった。
 中味はいつものよに真っ当で正しい。そう時間を置かずに二度読んだ。
 この年の瀬、この本で締めくくれたこと、大袈裟に言えばこの時代に森 達也とい
う作家がいる幸運に少しは救われる。特定秘密法案、靖国参拝、緊急的人道支援と
いう、まるでブラックジョークのような弾丸提供。
 まったくイヤな感じが続く日に。
 『「自分の子が殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』
  著者 森 達也  ダイヤモンド社 定価1600円+税
  ( 2013年10月28日 第5刷発行 ちなみに第1刷は8月22日 )

 てなワケのここ一年でした。アタシの忘備録メモにいつもお付き合いありがとう
ございます。 さて来年はどんな年になるか。春早々幾つかの仕掛けはしておりま
すから、おいおいお知らせいたします。

ズブズブ

2013年12月28日 | 古本
 ムネオさんとマサルさんのふたりでヨイショごっこの本。しかし佐藤さんも不思議
な人だ。鈴木さんはとても分かりやすい人。問題は鈴木さんが国益を唱えることが
いかがわしく聴こえ、すべての利権を過剰に体現していると感じることだ。つまり
北方領土から追い出された元島民の方々や、根室地方地域の利権と票を独占し、己の
利のみを図っているようにしか見えない。石川 知裕氏を議員辞職させその後釜に自分
の娘を充てる。以前に自分の親族を後継にすることはないと書いていたが、その言
い訳すら聞こえてこない。ムネオさん政治家としての矜持はないのか!あるワケな
いか。この本、はからずも逮捕まえの外務省とのズブズブ関係を自慢し、すこし反省
していると白々しい。夜遅くまで仕事している大勢の外務省職員に、いかに晩飯を
連続して喰わせたか的自慢が、関の山。利権で得たポケットマネーで喰わせたとさ。

 「北方領土 特命交渉」 著者 鈴木 宗男・佐藤 優  講談社+α文庫 
  ( 定価838円+税 2008年2月20日 第3刷発行 )

であった。

2013年12月27日 | 古本
 この本を忘れていました。 
「負けるのは美しく」なかなかいいタイトル。左 卜全、信 欣三、西村 晃さん
など懐かしいハチャメチャな先輩俳優のエピソードなど。
 〔何々だ。〕を〔何々なのであった。〕など、文章がやや〔くどい感〕があるが、
まあいいでしょう。無類の本読み手で、文章も書ける俳優だっただけに亡くなられた
のはとても残念。
 「負けるのは美しく」 著者 児玉 清  集英社文庫 定価533円+税
  ( 2011年6月14日 第4刷 )

年末年賀

2013年12月26日 | 時と事
 年末といえば年賀状つくりだが、これがすんなりと済んだためしがない。大抵は
途中でインクが切れて買いに走ったり、プリンターの調子もハガキとなるとなぜか
調子が悪い。だいたい2割は印刷に失敗するから、郵便局に手数料を払っての交換
となる。なんだかんだでほぼ1週間ばかりかかるが、それも今日に終えた。やれやれ
で挨拶メールなど。

 どうやら松田 美智子さんはすっかり作家さん稼業みたいだ。しかしどうにも興味
が湧かないしょうもない事件ばかりで面白く無し。「迷宮の女」は2編を読んだと
ころであとはナナメ読み飛ばし。「柩の中の殺意」はパラパラとだけ。
 あーあ、これは明らかにお金稼ぎがミエミエで、ゴーストのいるアンカーだけか。

 年末でほかにいい作品も読んだので、それは次回に。

油 断

2013年12月21日 | 新 刊
 前々から覗いて見たかった街中の古本屋さんへ行った。入ると先客が1人カウン
ターに座っている。ビールと古本がうたいの古本屋さんだ。店内を一回りしてから
アタシはテーブルに座りビールを注文した。前金制というので、先に支払いを済ま
せた。
 入り口すぐに平積み台があり、そこに山田 航さんの歌集が。1冊を手に取って買
いますというと、最新の短歌小冊子もと薦められた。合計で2,940円と言われ
ビックリ、よく値段を確かめずに、魔が差したのだ。店主が思っていたより美人で
白い歯が印象的だったせいもある。油断したのだ(笑)
 ときにはこんなこともアリかと観念、薄暗い店内で歌集を開いてビールを飲んで
いると、山田さんの新作回文をサービスすると店主が渡してくれた。山田さんは
回文作家でもあったのだ。
 しかしあの回文というやつ、一体どんな発想を組み立てて完成するのか。アタシ
など誰もがみんな知っている「タケヤブヤケタ」しか思いつかない。

 「さよならバグ・チルドレン」 著者 山田 航  ふらんす堂 
  ( 定価2600円+税 2012年8月17日 初版発行 )
  ※第27回北海道新聞社短歌賞受賞
 「間奏歌集 辺境 故郷号」 著者・発行人 山田 航 定価600円+税 
  ( 2013年9月30日 発行 )
 オマケの回文 その2 「戻んなよ何度も」とは素晴らしい。 
 

ホワイト嘔吐

2013年12月18日 | 新 刊
 ベストセラー本を新刊で買うのは大いに抵抗がある。しかしこの本だけは今すぐ
に読まなくてはいけない。半額など待っていられないのだし。
 この本、二つの意味で背筋が凍りつくほど恐ろしくなった。
 国家公務員1種試験合格者を頂点とするキャリア官僚の、人間を見下した発想の
恐ろしさだ。最高学府とは東京大学卒業のエリートではなく、東京大学法学部卒業
のキャリア官僚なのだと、のたまう。
 もう一つはやはり原発事故の恐ろしさだ。福島第1原発事故の恐ろしい事故の結
果もそうだが、政府はなんの教訓も反省も無く原発再稼動や新設稼動に突き進む。
推進関係官庁の官僚は、巧妙にそれを仕組む。それが日本国民にとって最良の選択
だとばかりに。
 しかしなんだこの本、小説形式だし登場人物は実際の原子力政策や政府与党関係
者の、その人物像に重なるよう名前が判りやすく表記されている。ああ、あの人だ
と読んで判る人が多ければ多いほど面白く読めるのは、全く困ったもんだ(笑)

 「原発ホワイトアウト」 著者 若杉 冽  講談社 定価1600円+税
  ( 2013年12月4日 第8刷発行 )※9月発刊だったがすでに8刷

ひざまずく

2013年12月15日 | 古本
 もとより幻想は持ってないが、これを読むと新聞社とはいえ他の一般企業となんの
変わりも無いのだという事がよく分かる。いつも正義のその多くは日々敗北して、会
社を去るのだ。コンプライアンスなどは望むべくも無く、なにかの不正を告発したと
してもヘタをすると〔追い出し部屋〕へ閉じ込められたりする。企業組織は人事異動
と称する左遷人事はお手のものだ。権力組織と反権力組織上層部は組織を守るという
それだけで手を組む。個人など簡単に切り捨て、組織だけが生き延びる。
 フリージャーナリストになった高田 昌幸さんにはこころからエールを送りたい。

 ただ一点だけ言わせて。262ページだ。
 <2011年8月のある午後。><札幌は人口約170万人の大都会とはいえ、
都心を離れると、とたんに自然が広がる。>とある。2013年12月現在の札幌
市の人口は193万7769人(広報さっぽろ)だ。約170万と〔約〕が入った
としても2年間で23万7千人以上の人口が増えたら、これは大事件です。
 調べると2011年8月の人口は約192万人だ。約170万人とは22万人の
差がある。ちょっとした地方都市の人口分だ。アタシは数字の間違いをあげつらう
つもりはない。ただこと人口に関しては出来るだけ正確な表記がほしい。なぜなら
ひとりひとりの人生や生活の積み重ねた人の数が、人口という数字になるからだ。
人口ほぼ1000人くらいな村の行政が北海道にはある。わずか何人かの増減に気
をもんでいるひともいる。だから人口だけは大雑把な数ではいけないのだ。そんな
世事に疎い高田さんだとは思いたくない。
 もしこの「真 実」が版を重ねたり、文庫化されるならここの数字は訂正していた
だきたい。ついでにもう一つ。この本が北海道新聞社から発刊されたなら、会社も
フトコロが深いのー、と思うのですが、やっぱりそんなことはネエー。

 「真 実」 著者 高田 昌幸  柏書房 定価1900円+税
  ( 2012年3月31日 第1刷発行 )
※サブタイトルに〔新聞が警察に跪いた日〕とある。なかなか恐ろしい言葉だ。

 等

2013年12月13日 | 古本
 遅らばせながら「劒岳<点の記>」を読んだ。で、第四章の頭で驚いた。いきなり
主人公の〔柴崎芳太郎〕が〔柴崎等〕と名前が代わっている。明治後期の頃だから
名を改めることはあるのだろうと読んだ。しかし読み進んでも改名したという説明
が書かれていない。やっとその章の後半になってそれは名前の等(ひとし)ではなく
○○らはとか、などとかという意味だと分かった。
 しかしなんだ、章の頭でいきなり〔柴崎等〕はと書かれると、それが〔など〕と
いう意味にはとれない。(アタシだけ?)まったくもうだが、新田次郎さんは昭和
55年2月に亡くなっている。
 しかし測量の技術的な小説の表現は分かりずらい。よっぽど途中で投げようと思
ったが、寝本として1週間のつきあい。映画を見ていないのが致命的です。テヘッ。
 「劔岳<点の記>」 著者 新田 次郎  文春文庫 定価686円+税
  ( 2008年8月1日 第11刷 )

茶 飯 事

2013年12月09日 | その他
 12月8日日曜日、近くの朝日新聞販売所へ行った。秘密保護法の成立をうけて
朝日がどう伝えているのかが気になった。それもあったがAFC(アサヒファミリー
クラブ)というタブロイドが新聞についていて、それに「無人駅叙景」のことが載っ
ている。〔木村純一のシネマ茶飯事〕というコラムに。
 <北海道の無人駅を静謐に丹念に描いたDVDだ。心地よく、穏やかに眠気を誘う
映像に浸ってほしい。>
 これまた過分なるお褒め言葉で、眠気を誘えればこの作品はそれでいいのだ(笑)

 販売所にはお兄さんがいた。メガネをかけ最近所長になったばかりですとハナを
ふくらませて言った。アタシは7日の朝刊を追加した。月ぎめでどうですかと営業
されたが、2紙は厳しいナァ。本当は併読がいいに決まっている。アタシは朝刊を
1時間、夕刊は30分かけて読む新聞大好き人間で、そうなると1日3時間を新聞
のために費やすことになる。そこが厳しい(笑)

バ カ 法

2013年12月06日 | 古本
 稀代稀世の悪法・バカ法がいま日本の国会を通過しょうとしている。この案に賛成
した国会議員の皆さんの、累々と続くであろう子孫の方には最優先で兵隊として戦場
に行っていただきたい。なんしろこの国を戦争のできる体制にしたいらしいから。
あるいは金力にモノをいわせ、子孫だけはそんなところへは行かなくてすむ方策を
とるのか。歴史は何度も同じヘマを繰り返す。
 さて稀代なる不肖さん、あなたの撮るための創意工夫に満ちた命がけの腕と下半
身戦で勝ち撮った写真の数々、全くもって感服です。してこのバカ法は、反権力の
不肖さんにはオトロシイものですがな、ですか。
 「不肖・宮崎 ○○○を狙え!」著者・写真 宮嶋 茂樹  文春文庫+プラス
( 定価648円+税 2006年4月10日 第1刷 )※○○○は鉄の用心の為

 斎藤 美奈子さんはいつのを読んでも面白い。文壇アイドルとしてとりあげた
上野千鶴子さんの「女遊び」ちゅうのを(不肖さん口癖が移った)引用しているの
だが、例の四文字部分をさかんにたっぷり使う。ひょっとしたらむしろ美奈子さん
がいちばん言いたい言葉だったりして。
 「文壇アイドル論」 著者 斎藤 美奈子  文春文庫 定価629円+税
  ( 2006年10月10日 第1刷 )