BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

天地と南北

2014年11月28日 | 古本
 すっかり収穫がなく、仕方なく買ったら仕方ないくらいしか面白くない。人生のサダメ的な
ものを少しも疑わない人だったようだ。
 「すべては今日から」 著者 児玉 清  新潮社 定価1400円+税
  ( 2012年4月25日 発行 )

 〔窮鼠猫を噛む〕ということわざががあるが検察組織も窮鼠らしい。
 裏金問題の口封じのために事件を捏造し、大阪高検公安部長検事をパクッて1年近く拘束
した。どうやら検事に出来ないことはないようだ。バレたけどPCの改ざんもやったし。
 そういえば〔田中 森一〕さんが亡くなったと、新聞の小さな記事になっていた。
 『告発!検察「裏ガネ作り」』 著者 三井 環  光文社 定価1500円+税
  ( 2003年5月10日 初版1刷発行 )

 売り場の棚の置く位置が変わったが、何年も売れ残っていた。そうだよな、だって森さん
の小説なんてそんなに読む気にはなれんでしょう。小説仕立てにする必要も書く必要もなか
ったと思われ。まあ仕方ないからアタシが買って面白く読んでしまった。
 「東京スタンピード」 著者 森 達也  毎日新聞社 定価1600+税
  ( 2008年12月15日 発行 )

 沖縄知事選挙があり、その翌日の新聞の一面はもちろんトップだ。しかし沖縄タイムスや
琉球新報などとの見出しデカ文字比較では天と地、北と南くらいな違いがある。
はるか南の地のこととしていいのか、北海道人。3人の、沖縄を多く語ったメディア評。
 「続 いったい、この国はどうなってしまったのか!」 対談・著者 魚住 昭
  斎藤 貴男  目取真 俊  NHK出版 定価1900円+税
  ( 2006年11月30日 第1刷発行 )

 ※久し振りに大型新刊書店に行くと、佐藤 正午氏の5年ぶり新刊(上下巻)と、これまた
  沢木 耕太郎氏の小説(上下巻)がでていた。これはこれは・・・古本系まで待ちます。
  さすがに大型書店には他にも読みたい本が沢山ある。うむー。
 
 

念のいりよう

2014年11月25日 | 公演
 少々チケット代が(4500円)高かったのだが、時にはこんな贅沢も許されるだろう。
公演をみるのは何年ぶりだろうか。驚いたことに熱狂的なファンらしきご一行が前席にひし
めいて、千人キャパの会場はほぼ満席だった。これなら昼夜2回公演も当然だろう。
 安倍晋三と菅官房長官とのやり取りが抜群に面白い。そこに世界の有名政治家がからむ。
さる高貴なご一家の登場の際には日の丸の旗が振られ、万歳三唱が発生するのにはびっくり
だ(笑)客のシャレも念がいっているのだ。
 昼の部が終わってもまだ15時過ぎだ。このまま帰るのはもったいないので映画へ。
丁度時間が合ったので「紙の月」を。原作が角田光代と主演が宮沢りえという以外にこれと
いう理由はなかったが、見終わってもおんなじことだった。りえちゃんがあんなアホガキに
貢いでいく動機がいまいち解らんのだが、まあいいか。スキにしてくれ。

   社会風刺コント集団
 ザ★ニュースペーパー 公演 札幌市民ホール 11月22日(土)

もっともっと

2014年11月18日 | 古本
 森さんの著作もそろそろどこかで読んだ気がするという按配になってきた。あるいはもう
文庫で読んでいたのかも知れない。古本列伝は著作出版順に読むわけではないから、しばしば
そのへんが混乱する。まあしかしいいのだ。いい本は何度読んでもいい。解らないところを
何度もよく読む教科書のようなものだから。
 「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」 著者 森 達也  晶文社
  ( 定価1700円+税  2003年4月20日 初版 )

 ようやくありついた本。この小説もいいが、この原作の映画の脚本も悪くなかった。
しかしいかんせん監督の演出がいまいちだった。以前書いたのでもう。
 「そこのみにて光輝く」 著者 佐藤 泰志  河出文庫 650円+税
  ( 2011年4月20日 初版発行 )

ケシカラン

2014年11月14日 | 古本
 〔近藤 誠〕を読んだとて救われないアタシたち。ここ数年は病院の営業にやられっぱな
しだ(笑)不思議と近藤さんの本は古本屋さんに少ない。
 「成人病の真実」 著者 近藤 誠  文藝春秋 定価1429円+税
  ( 2002年8月30日 第1刷 )

 頭を少し読むと面白そうなのだが、いかんせん656頁の長編。これはもっと老後にとっ
て置く。先送り本というべきか。
 「面一本」 著者 出久根 達郎  講談社文庫 定価933円+税
  ( 1998年12月15日 第1刷発行 )

 佐野さんはいまどうしていらっしゃるのか。すっかりミソをつけた一件をものともせず、
また精力的に書いてもらいたい。
 「この国の品質」 著者 佐野 眞一  ビジネス社 定価1700円+税
  ( 2007年11月5日 第1刷発行 )

  ナマコノのからえばり3。 読んだかも知れないが49%、読んでないかも知れないが
51%、ならば買って読んでみることにしている。分散している本箱の棚を探すより話が早
いのです。
 「コガネムシはどれほど金持ちか」 著者 椎名 誠  毎日新聞社 定価1400円+税
  ( 2010年3月20日 発行 )

 期待したほどにはあんまり面白くないのはなぜだろう。きっと「麻雀放浪記」などが面白
すぎたからか。それにしても昭和62年11月発行以来、35刷を重ねている。
 「うらおもて人生録」 著者 色川 武大  新潮文庫 定価630円+税
  ( 平成26年7月10日 35刷改版 )

 ※最近税のドサクサでBOOK OFFは均一本を200円にしている。まだ108円本
との混在だが、実にケシカラン値上げだ。

床屋さんー2

2014年11月08日 | 時と事
 店には常連らしい年輩の先客が一人いた。修正のハサミもそろそろ終わりそうだ。店内に
は「島津亜矢」が流れている。先達の隣にアタシが座ると、オヤジさんが気を利かせるつも
りかラジカセを止めようとした。アタシは大好きだからそのままにと云った。
 オカミさんは「島津亜矢」の10枚組セットを15回払いで買ったという。新聞に大きな
広告が出ていたの、月々2000円だと照れて笑った。演歌のコンサートなどにも行きた
いが、火曜定休だから、ホラああいうの土日でしょう、とは、聞くともなしに聞こえた先客と
のやりとりだった。年輩さんはカラオケが好きだという。レコードの小さい丸いやつ(CD
のことらしい)を20枚ほど持っていると話す。なんども同じような話しのやりとりでよう
やくイスから降りた。どうやら聞こえても話をえー?と一度聞き返すのがこの店のルールだ。
 オカミさんは電話を入れている。先達はどうやらどこかの老人施設に入所しているようだ。
オヤジさんは頼まれた領収書を長い時間をかけて書いている。どうも平成26年を14年と
書き、西暦とも混同しているようだ。それを見咎めたオカミさんが斜線を入れて訂正したと
イイワケして笑いをとばした。やがて施設の職員らしきお兄さんが迎えにきた。
 果たして床屋代の領収書が施設に入ると必要になるのであろうか、不思議だ。

床屋さん

2014年11月07日 | 時と事
 年に2回か3回は床屋さんに行く。単純に長くなった髪を短くするだけだ。この前行った
のは3月下旬で、半年以上前だった。この地に居着いて30年だから、それ以来の探し宛て
た床屋さんだ。老夫婦が二人でご近所を相手に営業を続けている。造りは40年前と変わら
ないらしい。クーラーの排水パイプがガムテープで止めてある。
 二人の間合いが程よく、料金も2500円丁度で、値上げも値下げも記憶にない。オヤジ
さんは髪切りに異常な執着をみせる。いつまでも修正のハサミを置かない。その分顔剃りが
ややおざなりだ。(アタシがヒゲが薄いせいもある)ざーっと一度あたればそれで終わりで
微妙に剃り残しがあったりする。オカミさんは耳掃除が丁寧、上手くて心地よい。どちらが
先に往っても店を続けることに話し合ったと、言っていたのは前回だ。
 今回オヤジさんは「土木測量の仕事かい?いま忙しいしょ」などと初めて聞いてきた。
何十年も通っているのに、アタシは名も仕事もあかしていなかった。いままで特に聞かれた
ことはなかったし、それによる不便はお互い無かったし。
 ただこの先、これが最期の床屋ということが分れば、アタシは菓子折りでも持って、長年
のお礼をオヤジさん達に伝えたい。その時、名を名乗るが、さて仕事はなんとしょう(笑)

 ※床屋さんと写真は関係ありません。

場合じゃない

2014年11月05日 | 古本
 やっと気づいた。ほーさんとかかーさんの本を読んで、異性の恋愛の機微など知ったとこ
ろで、どうだってもうアタシには関係ないということだ。女子校のグループがどうしたとか
その僅かな振る舞いがどう異性に解釈されるかなんて、もう関係ないしどうでもいいのだ。 
 結局読者はこのお二人の本を買うことによって、作家という仕事に稼がれているという
ことだ。だからもうやめた。こんな本を読んで楽しんでいる場合じゃない。老い先はとうに
短いのだ(笑)
 「対岸の彼女」 著者 角田 光代  文春文庫 定価543円+税
  ( 2009年7月10日 第4刷 )
 「異 性」 著者 角田 光代・穂村 弘  河出書房新社 定価1400円+税
  ( 2012年5月20日 3刷発行 )

冬の始まり

2014年11月03日 | 古本
 なにより驚くのは表紙カバーを剥がすとそこにある黒一色の本体デザインが絶望的なこと。
司法(裁判官)の話を人事的にからめて一切の希望をすてよ!と言われても。そもそも
裁判所に希望など市民は持っていない。冬の始まりに陰鬱なモノを読んじまった。
 「絶望の裁判所」 著者 瀬木 比呂志  講談社現代新書 定価760円+税
  ( 2014年4月14日 第5刷発行 )