BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

遠 征

2009年11月30日 | 古本
 早速遠征に行ってきた。いつものホームグランドではない、これは遠征古本屋
他流試合というべきか。嬉しいことにシーナ本文春「新宿赤マント」シリーズの、
ここ最近のがやっと均一棚に下りて来た。
 1992年発刊からシリーズ化された①ひるめしのもんだい②おろかな日々
③モンパの木の下で④南国かつおまぐろ旅⑤ネコの亡命⑥時にはうどんのように
⑦カープ島サカナ作戦⑧ギョーザのような月がでた⑨突撃 三角ベース団 と続き
そして今回⑩の、「とんがらしの誘惑」⑫「焚火オペラの夜だった」⑬「ハリセ
ンボンの逆襲」三冊が手に入ったのだ。⑪がなく⑭は以前既読、そして⑮以後は
流石にまだ均一棚には早い。
 シーナ本は他にも「土星をみるひと」が在ったので、今回は計4冊のプラス。
もう少し増えたら徹底的な厳密棚卸し作戦を実行、100冊突破記念をしみじみ
ひとりで祝おう。(笑)(シーナさんのお仲間関連作家? 目黒 孝二 林 政明
沢野 ひとし 木村 晋介 中村 征夫 あともし 群 ようこ さんまで含めると、
とっくに100冊は越えているのだが。(笑)

 今回の遠征は他に6冊の収穫。こんなことだから運動不足で、急激な手足筋肉
の弛緩は免れない。 うむー、だ。
 「キムラ弁護士 大熱血青春記」 著者 木村 晋介
 「ドキュメント 人間」 著者 鎌田 慧
 「ゼロ発進」 著者 赤瀬川 原平
 「小さな窓から」 著者 新藤 兼人
 「苦い密」 著者 澤地 久枝
 「編集者という病」 著者 見城 徹
 

ホンダイ的

2009年11月27日 | 古本
 あっちこっちに置いてあるシーナさん本を、一同に集めて整理してみた。
数えてみると実数はほぼ89冊(隠れている本があるとしても)。それとなく
百冊は有ると思っていたが、予定より少ない。計算違いがあったのか、うむーだ。
 いつも行っている何軒かのお馴染み古本屋さんのシーナ本は、アタシがほぼ買
い占めてしまった。均一棚に並んで有るのは既読本ばかり。 こうなったら市内
遠征を今よりは頻繁にしなければね。
 新刊書店に立ち寄ると、読みたい本が結構いま出ている。アタシが時に使う
医療費(内科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科、その他)と、呑み代をすべて
本代に使えるなら、こんなに嬉しいことはないのだが。ホンダイ的問題だ。(笑)

 虹

2009年11月24日 | その他
 一寸したことにも、多くの時間と集中力を束ねることが必要になった。
同じことをするのにも、若い時とは違うようだ。だから少しのことでも、つい
バタバタしてしまう。ブログが空き気味になっているのは、そんなためです。

 これほどに近くはっきりとした虹をみたのは初めてだ。
しかし瞬く間に、消えてしまったが・・・。

はばかる

2009年11月19日 | 古本
 2日間の空き時間をまるまる使った。508ページ、プロローグ・エピローグ
や解説は何度も読み返した。
 人間にあるあらゆる異常・異状・異情な業を集め、虚栄・虚言・虚妄に生きた
ようだ。その罪を償うこともなく、病気に堕ちた。虚しい人生の最期になった。

 これ、最近のニュースに似てないか。滅多に無いことだが、買って読んだこと
を後悔した。それゆえおぞましくて、なにも言いたくない。書名を記することさ
え、はばかられます。

甲 子 園

2009年11月14日 | 古本
 8年前、この本を新刊書店でみつけて、自分の出身校部分だけを立ち読みした。
多分そのときには持ち合わせが無く、その内また来た時にでもと思ったはずだ。
ところが1ヶ月あとくらいに行くと、それらしき本がどこにもない。売れたのか、
売れなかったのか、そのどちらかだ。新刊書の入れ替えは早い。有名作家のもの
でもない限り、すぐ棚や平積みから消える。困ったことに内容以外、タイトルも
出版社も正確に覚えていなかった。その後大型書店の北海道関連本コーナーで探
しても、みつけることが出来なかった。ところがどうだ、偶然の何気なさで見覚
えのあるタイトルが、均一本棚にひょこんと在った。8年振りの再会で、さすが
にBOOK OFFはエライ!と思った。

 北海道の過去に1度だけ甲子園に出場した10校を選び、それぞれの選手人物
像や試合展開を書いた本だ。なかでも最初に取り上げられている、昭和24年夏
出場の帯広高(現・帯広柏葉高)は、終戦後の4年目だったことが語られる。
 米6俵とそのほかの補食、間に合わせで造った野球用具を持ち、蒸気機関車に
引っぱられて津軽海峡を渡り、裏日本を通って大阪に着くまでまる2日かかった。
大阪に着いたときは、蒸気機関車の油煙ですっかり煤け、もう浮浪者か引揚者の
ようだったと述懐している。
 試合では初戦を勝ち、次で負けたが、帯広に戻って凱旋パレード。その地域の
歴史的な出来事に人々は熱狂したようだ。
 ここに取り上げられた10校の、出場の経緯はどれもが人間的で面白い。活字
表現の持つ力は、きっとTV中継よりまさる。

 かくして、長年探してた本が手に入った。アタシの在校時の甲子園出場の周辺
がそれに比較して甦った。勿論アタシは野球部でもないし、直接はなんの関係も
ない。そしてそれがそんなに凄い事だとも思っていなかった。学校や地域で大騒
ぎになった記憶もないのだ。
 憶えていたのは、数学を教えていた坊主頭の怖そうで珍しい姓の野球部監督と、隣のクラスにいたメガネをかけた速球派のエース投手だ。
 体育館では全校生徒による壮行会が行われ、ともかく甲子園に初出場、初戦は
勝って1勝し、2戦目は負けた。事後の出場報告会では演壇に部員選手を上げて、
応援団が何かの演技をした。いま思えば高校野球の甲子園出場など、一番静かな
時代だったのかも知れない。

 出版社を確認するとよく知った広告代理店で、また別な意味の記憶が甦る。
すでに同名の会社はないのだから。

 「一度だけの甲子園」―北海道高校野球物語― 著者 南 俊一・円子 幸男
  パブリックセンター  定価1429円+税
  ( 2001年8月25日 第1刷第1発行 )


テチョー!

2009年11月12日 | その他
 あえて手帳が必要なほど予定はないのだが、近辺のことについて当てにならな
い頭を頼るよりは安心だ。長年の習慣もあって手帳を買った。これ以上薄く、か
つ小さいサイズは店頭にない。アタシが必要なのは、もう一回り小さなアドレス
帳位の大きさでもかまわないのだ。
 もう少し小さくて薄い簡易な、ヒマ人用手帳の商品企画を、手帳の「高橋」へ
応募しょう。ただし、いくら小さくても祝祭日の赤文字、土曜日の青文字印刷は
譲れない。なんだか日付の赤と青の色は嬉しいのだ。これで大賞の50万円はい
ただきだ。
 そしてメモ帳部分やアドレス部分は、この先ますます空白になるのだろうか。
さらに薄い手帳も全く必要としなくなる時が、いずれ来るのだろう。そしてだ、
誰もの手帳からアタシのことが消えていく。それはそれでいいではないか。
なんだかそれは笑えないが、イヤ、笑い飛ばそう。(笑)

悼 む

2009年11月09日 | 古本
 入り口に在って、少しづつ値が下がっていた。半額になったので、もうそこが
底値だろう。いつもの棚に、あえて手に取るべき本が無かったせいもある。
 吸い寄せられるようにこの本を選んだのだが、あとで考えてみればその日は、仕
事仲間だったOカメラマンの命日でもあった。

 2003年9月、アタシの個人上映会を街中の小さなホールで開いた。
「不随筋たちの夏」という17分の新作を、過去に撮った3作品と合せての自主
上映会だった。百人あまりの人達にみてもらえたのだが、その作品を6月に撮っ
てもらった肝心のOカメラマンは、病床にあって来る事ができなかった。
 11月に入って、Oさんが逝った。誰もが、早すぎる死を悼み、悲しんだ。
通夜は酒を好んだOさんと過ごすために、参列者の多くがそのまま居のこり、弔
い酒をしたたかに飲んだ。それがご家族の希望でもあった。翌日も大勢の仕事仲
間による葬送になった。あれからもう6年が過ぎて、彼の明るかった粋な振舞いと、まだ少しは仕事に勢いのあった時代を思い出すのだ。
 結局あとで渡した完成作品がどうだったかは、ついに訊けずじまいになった。

 アタシには、ほかにも悼むべき多くの人がいる。450ページで、思いのほか
読む時間がかかったのは、何度も読み返し、いろんな人が頭に浮かんだからかも
知れない。 しみじみと、思いだしながらゆっくりと、読んだ。

 「悼む人」 著者 天童 荒太  文藝春秋  定価1619円+税
  ( 2008年11月30日 第1刷発行 )

天 丼 日

2009年11月05日 | 古本
 「札幌・ポートランド姉妹都市提携50周年記念」というイベントがあった。
姉妹都市というものには興味ないが、椎名 誠・渡辺 葉 親子対談がイベントに
組み込まれていたので、聞きに(見に)いった。
 椎名さんビール体形かと思いきや、スリムで筋肉質、長身・長髪・豊髪で実に
かっこいい。娘の葉(ニューヨーク在住・エッセイスト)さんも上品で美人だ。
その意味で似た者親子といえるが、がしかし、椎名さんは親子で対談ないし講演
などは受けない方がいいだろう。「苦手なの」オーラが全身に漂っていて、話し
も決して上手くない。断れない事情があったのだと思うが、読者を減らすような
ことはして欲しくない。椎名新刊が売れないことには、アタシが手の届く棚には
巡ってこないのだから。(笑)

 久し振りに街中を歩いた。ふと、映画に―という考えが浮かんだ。看板ポスター
をみると「母なる証明」監督 ポン・ジュノがかかっている。「殺人の追憶」と
同じ監督だ。アタシは迷わずエレベーターで階に向かった。
 ウムー、人類の親子模様は永遠に変わらないのか・・・。(笑)

 そのあと、天ぷら屋さんで天丼を喰った。講演・映画・天丼がつづくのはアタシ
のゴールデンコースで、年に一度あるかないかの充実した日だった。これで酒が
つながれば最高だが、それほど○も体力もない。それでいいのだ(笑)。

 この夏に読んだシーナ本は18冊。これでほぼ3分の1の100冊が在庫になった。こうなったらあと50冊はいけるだろう。誰がなんと言おうと読むのだ!。

去 年 屋

2009年11月02日 | 古本
 茨木 のり子さんの詩集が出ていた。「倚りかからず」というタイトルだ。
石垣 りんさんに続いて、茨木さんも鬼籍(2006年2月17日)に入られた。
幅(厚さ)をとらず地味に、大勢の均一棚中に、しかし毅然と納まっていた。
 「倚りかかるとすれば
  それは
  椅子の背もたれだけ」
 権威に倚りかからず、心底学んだのはそれくらい、という。
 「店の名」という題名の詩に<はるばる屋>があり、そして<なつかし屋>、
<去年屋>(古着屋さん)という店があると書いてある。<去年屋>中々いい。
これが<来年屋>なら僭越だろうし、<今年屋>なら主張が強過ぎて生意気だ。
ともかくここは謙虚に<去年屋>くらいが丁度いい。したがってアタシの店の名
は「去年屋」としょう。茨木さんの詩集の中から、店名の名前をいただくのだ。
 次にやりたい本命念願の古本屋と、私設放送機材博物館に相応しい名だと思うが、さてどうか。何処かにタダで使わせてくれる建物はないものか。札幌市内、
近郊、稚内でも、もう積雪37cmの朱鞠内や増毛でも、清里でも広尾でも、
黒松内でも江差でも浜頓別でもいいのだが。ただなんしろその店、なんにも利益
など生まないのだ。だから家賃など払えそうにない。
 ウムッー、もう倚りかかっている?(笑)。


 「倚りかからず」 著者 茨木 のり子  筑摩書房  定価1800円+税
  ( 1999年12月20日 第7刷発行 )