BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

みんなアホ

2019年03月28日 | 古本
アメリカと日本における新聞報道(メディア)の違いについての考察。まずアメリカでは匿名報道はボツだとか。
政府高官筋の話によりますととか、また一般のニュースでも仮名による匿名などはアメリカではほぼあり得ないと
いう事だ。なぜなら匿名だと話をいくらでも恣意的に操作できるし、また第三者における検証のしょうがなくなると。
また日本における「記者クラブ」制度にも懐疑的だ。特ダネも特オチも狙わず、無難にニュースをこなす。それが
日本の実体だろう。メディアの権力に対する弱腰は日本の電灯、おっと伝統だ。だってアベちゃんが40パーセント
以上の支持率がいまだにあるなど、アタシは信じられなーいのだ。ただアメリカもいまトランプだし、世界はみんな
アホになっている(笑)昨夜のTVニュース、101兆を超える予算案が参議院であっさり通過と報じてた。これって
メディアが政府の出鱈目さんにベッタリだから。それを野党の責任だと報じた。あきれてあきれた。
著者は米コロンビア大学院ジャーナリズムスクールで修士号。相当鍛えられたことが分かる。
 「官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪」 著者 牧野 洋  講談社 定価1600円
  ( 2012年2月6日 第2刷発行 ) ※462ページもあるのでお得感たっぷりだ。186円で買えたし。

短 命

2019年03月19日 | 古本
「ノルウェイーの森」は英語で書き、それから日本語にしたと聞いていたがどうなのだろう。しかも1986年から
1989年のギリシャ・イタリアに旅行の3年間に書いたと。ただ英語で書いたとは書いてない。まあエッセイだが
小説的比喩や暗喩が随所に。だからまあ小説と読んでんもいいのか。過去に読んでいたと思うが、何も覚えていない
ので村上本が1冊増えたことになる。国が違えば文化や治安は大いに違うと。油断できないという事だが、アタシは
外国に行くなど真っ平御免だ。せいぜい道内が関の山、東京さえもう行く気がしない。もしこのまま全てから解放さ
れたら車中泊で気ままに稚内辺りに行って、映画でもみるさ。
 「遠い太鼓」 著者 村上 春樹  講談社 定価1500円
  ( 1990年6月30日 第2刷発行 )


梯さんの書いたものは初めて読む。多分みんなは「散るぞ悲しき」などから入るのかも。だがアタシは「愛の顛末」
からだ。500円に落ちていたし。12人の作家たちの愛の相克、さまざまに壮絶だ。作家の恋愛沙汰などは日本橋
の真ん中で、素っ裸で仰向けに寝るくらい恥ずかしいことだと太宰治が言ったらしいが、アタシは初めて聞いた。
いまの日本橋の上には高速道がクモの巣状だから、だれも見ていないだろう(笑)ともかく命懸けの刃傷沙汰もあり。
まあそれはいいが小林 多喜二、梶井 基次郎さんなど、またほかの作家さん達は総じて短命だ。恋は寿命を短くする
ようだ。
 「愛の顛末」 著者 梯 久美子  文藝春秋 定価1450円+税
  ( 2015年11月15日 第1刷発行 ) 


元 力 士

2019年03月08日 | 古本
BOOK OFFの均一はいつの間にか200円で統一されてきている。以前は100円や108円もあったが
それから2倍への値上げだ。わずか数年で100パーセントの値上げなんて、どこかの世界のインフレだろう。
引き取り額は2倍にしたのか、売ったことが無いので分からんが誠にあくどい商売だ。しかしアタシの古本列伝
はBOOK OFFで成り立ってきたので文句は言えないのか。
2008年から「サンデー毎日」に連載したものを単行化したもの。まあ佐野さんなりの人物列伝だが、過去に
出した単行からの引用ダイジェストが多しだ。帯にはノンフィクション「人間喜劇」とある。
中に「田中角栄を介護した元力士」という項目がある。これも偶然だが10円でワゴンに在った「凡宰伝」に
載っていた中身に詳しい。読んだ直後に東京のTVディレクターから電話があり、その元力士を取材したいと。
その元力士さんは現在(取材時に)札幌にて働いているということだった。札幌の象徴的場面や元力士 凱皇さん
が勤める介護施設やインタビューなどを撮った。後日のオンエアーを見たがそれほど長い使われようではなかった。
まあそんなもんださ(笑)あの取材からもう13年近く経つ。凱皇(かいおう)さんはまだそこでお元気で働いて
いるのだろうか。

 「新忘れられた日本人」 著者 佐野 眞一  毎日新聞社 定価1500円+税
  ( 2009年7月20日 発行 )


人 類 史

2019年03月04日 | 古本
この2冊どちらも面白く読んだ。「人類ー」は500ページもあり時間がかかった。翻訳とカタカナが多いのもある。
一方「絶滅のー」はページ数も半分で文字量も少ない。だがどちらも言っていることは共通していて、およそ700
万年前から人類の先祖がいろんな種類に分かれ我々のいまのホモ・サピエンスが偶然に、あるいは勝ち残ったのだと。
「人類ー」から少々長いが引用する。<しかし、その旅を、逆境に立ち向かう英雄的な戦いのようにとらええたり、
先祖たちが世界中に移住するという目的をもって旅立ったと考えたりするのは、軽率といえるだろう。よく言われる
「人類の旅」とは比喩にすぎず、先祖たちはどこかに行こうとしたわけではなかった。「旅」や「移住」という言葉は、
人類の集団が膨大な年月にわたって地球上を移動した様子を表現するのは便利ではあるが、わたしたちの先祖は積極的
に新天地に進出していったわけではない。たしかに彼らは狩猟採集民で、季節に応じて移動していたが、ほとんどの期
間、ある場所から他の場所へあえて移ることはなかった。人類であれ動物であれ、個体数が増えれば周囲に拡散すると
いう、ただそれだけのことだったのだ。>と。
また「絶滅のー」では約5万年前にホモ・フロレンシエンスが絶滅し、約4万年前にネアンデルタール人が絶滅し、その
前後にデニソワ人が絶滅、結局いまの私たちのホモ・サピエンスだけが残った、と。
で、アタシはBOOK OFFででの売価計1130円でたっぷりの時間を過ごせた。700万年分の20時間分だ。
 「人類20万年 遥かなる旅路」 著者 アリス・ロバーツ  文藝春秋 定価1900円*税
  ( 2013年5月15日 第1刷 ) 訳者 野中 香方子
 「絶滅の人類史」 著者 更科 功  NHK出版新書 定価820円+税
  ( 2018年8月25日 第11刷発行 )



耳のコリ?

2019年03月01日 | 古本
耳の こり、と読んだ。はて肩こりの無いアタシは耳にもコリが在るのだと思った。しかしこれよく考えると
耳のこりつまり耳残りと読めばよかったのだ。このタイトルに覚えがない。覚えがないがいつか読んだ人ばかり
なのかも知れない。とにかく本人はもういないのだから新規に取り上げられる人が居ないは当然だ。
「週刊朝日」の連載「小耳にはさもう」シリーズ最後の文庫版とあるからホントかも。亡くなったのは2002年
6月、あれからもう17年近く。この間書くネタは沢山あったと思うが、そじょうに取り上げられる事はない。
そしてマツコ何がしが出てきたが見ていないので知らない。して雑誌類も読まなくなった。
 「耳のこり」 著者 ナンシー関  朝日文庫 定価520円
  ( 2004年5月30日 第1刷発行 )