BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

深 層

2015年03月29日 | 古本
 若い社会学者のものの見方とはこういうものか。とくに深い共感が、というわけでは無い
が小気味いい物言いは面白い。クールにガシガシ発言して活躍してもらいたい。
 「だから日本はズレている」 著者 古市 憲寿  新潮新書 定価740円+税
  ( 2014年5月10日 3刷 )

 メディアの大騒ぎを思い出す。しかしその報道でアタシらが知ることはほぼなにも無かった
ようだ。鎌田さんが書いたから読んだが、なかなか読み難い。して結局これを読んでもその
真相はよくわからんのだ。
 『橋の上の「殺意」』‐畠山鈴香はどう裁かれたか‐  著者 鎌田 慧  平凡社
  ( 定価1800円+税 2009年6月25日 初版第1刷 )

収 束

2015年03月24日 | 古本
 裁判レポートだが、こんなに男を手玉にとる女は太古の昔から沢山いただろう。毒婦さん
よりは著者の北原 みのりさんの方が面白そうだ。最近何かと世間をお騒がせしているし。
メディアも北原さんを作家(表現者)として正当に扱わない。いまどうなっているだろう。
 「 毒 婦。」 著者 北原 みのり  朝日新聞出版  定価1200円+税
  ( 2012年4月30日 第1刷発行 )

 これはいささかいままで書いてきたものの二番煎じ風味だ。とどのつまり、私らはメディア
を賢く疑い、上手に付き合えというお達し。森さんそれはもう十分に分ってますから。
 『たったひとつの「真実」なんてない』 著者 森 達也  ちくまプリマー新書
  ( 定価820円+税 2014年11月10日 初版第1刷発行 )

 ミステリー的でもありサスペンス的でもありのエンターテイメント小説。バカラ(丁半)
博打に淫された男の一年。以前の「血の味」が駄作だっただけにどうかと思ったが、これは
十分に読ませる。読んでるうちに「1Q84」を思い出したりして。
 ただ全16章だてで序章と終章が付いているのだが、終章は蛇足だった気がする。つまり
16章のままでENDになってもいいのでは。決着のつけようがなくて、ああいうところに
収着したということか。バカラのルールはよく分ったのでやってみたくなった(笑)
 「波の音が消えるまで」 著者 沢木 耕太郎  新潮社 定価1600円+税
  ( 2014年11月15日 発行  ※上下巻とも )

 新刊カゴ買い作戦と同じ日に古本屋さんで手に入れていた4冊。やっと読み終えた。

カゴ買い新刊ー3

2015年03月20日 | 新 刊
 大チョンボだ。既読をダブって新刊を買ってしまった。これは初めてのこと。1ページ目
を読むとすぐに判った次第。新刊カゴ買いなど、慣れないことはするもんじゃない。まあ少
しは長嶋さんに印税貢献しないと(泣)

 難しい漢字があって、ルビが少ない。ルビがあっても意味が分らん。まあなんというか・・
いろんなイミで意味が分らん。
 「血盟団事件」 著者 中島 岳志  文藝春秋 定価2100円+税
  ( 2013年10月15日 第4刷発行 )

 写真集は札幌昭和ノスタルジー。初めて札幌に出てきた当時の風景。図書館で借りても
よかったかもしれない。まあいいか。
 「札幌昭和ノスタルジー」 ぶらんとマガジン社  定価2500円+税
  ( 平成27年1月16日 第2刷 発行 )

あきれる

2015年03月15日 | 新 刊
 どうもミステリーは雑で荒っぽいから性に合わん。そしてムダに長い(483頁)。途中
で起こるいろんな出来事が、結末においてはなんの関連もなかったことになる。してまた簡
単に人が殺されて死ぬ。まるで朝の出掛にちよこっとしたアクシュデントでも起こった位な
ことのように。ちいさな矛盾や不自然さは意にしない。人物設定の描写がシーンで異なり、
一貫性がない。北海道弁の使い方も少しヘンだ。いまどき〔はんかくさいは〕そうは使わな
い。雪の量も冬の気温もオーバすぎる。タイトルもなんだかしっくりこない。せっかく面白
そうなテーマだったのに残念。新刊で買うほどのことは無かったというべきか(笑)
 「雪 炎」 著者 馳 星周  集英社 定価1800円+税
  ( 2015年1月10日 第1刷発行 )

 そういえば先週映画「アメリカン・スナイパー」をみた。しかしこれは駄作。いわばアメ
リカン西部劇なのだがクリント・イースト・ウットもそういう時を迎えたというべきか。
急いで書いたと思われる脚本も練られてなく、カットのつながりも雑で、全体は凡庸。
 主役の後半も後半、むしろそれらを描いてほしいのに、映画はENDになる。
 ラストクレジットロールが全くの無音で延々と4,5分続く。なにか重要な音や字幕が
あるのかと緊張してみていたが、それも肩すかし。う~んすかし映画だ。
 須貝ディノス劇場も上映中のチラシがない。これもどうしたことか、あきれる。

カゴ買い新刊ー2

2015年03月12日 | 新 刊
 もっと待ってからの古本作戦でもよかつたが、増田さんのは時間がかかるのです。いま
やっと「木村政彦はなぜ―」が古本屋さんに出回り始めたし。
 入部から2年目までの旧七帝国大学の汗臭い柔道部青春記。練習の苦しさ、試合に敗けて
のなみだと涙。しかし限りなく事実らしいこの長い小説、女性読者には多分だが支持されそ
うにない。まあこれは余計なことだ。ひよっとすると続編があるのかな。3年目と4年目が
どうだったのか、読みたい。
 「七帝柔道記」 著者 増田 俊也  角川書店 定価1800円+税
  ( 平成25年6月10日 4刷発行 )

 新宿赤マントシリーズの最終刊。いままでのシリーズをほぼ古本だけで読ませてもらった。
ほんの少しばかりそのお礼を込めて最終刊だけは印税貢献しょうと、新刊カゴ買いだった。
 当のシーナさんも粗製濫造3割バッターと書いておられるが、これは堂々と潔よい言い分
で、週刊文春に23年もの長期連載になっていた。さびしいが、さらば赤マント。
 「さらば新宿赤マント」 著者 椎名 誠  文藝春秋 定価1750円+税
  ( 2013年10月10日 第1刷 )

生きてるって

2015年03月09日 | 新 刊
 春の陽射しが気を大きくさせた。久し振りの新刊書店だったし、なによりお使い賃で戴い
た大枚の図書券と、500円のバラ券が2枚在った。スーパーにある買い物カートまでとは
言わないが、アタシは初めてカゴを借りた。あれこれと選んで棚を移動している間に、迷い
見失いそうになったせいもある。
 基本原則を決めていた。普段はほとんど印税貢献していない作家さんと、待っていても
なかなか古本屋さんに出回らない作家さんと、いますぐにでも読みたい作家さんだけと縛り
をつけた。単行本6冊、写真集が1冊、〆ると計14,364円。予算はオーバーしたが
この際は仕方ないのだ。思いがけず〔友川 カズキ〕さんのホヤホヤの新刊も在ったりして。
 編集者の手入れはあったとしても、独白がそのまま文章として成立している。すごい才能
だこと。
 歌手・詩人・画家・競輪愛好家・宴会師。そのどれもを覚悟しているのだ。
 「友川カズキ独白録」 著者 友川 カズキ  白水社 定価1900円+税
  ( 2015年2月10日 発行 )

滂 沱

2015年03月03日 | 古本
 3月3日に相応しい本というべきか、この本は未読だった。
 帯コピーの「滂沱の涙を流した」ほどではないが、ラストはすっかりやられました大崎
さん。別れてから死んだ恋人の名前を、次に別れた恋人がその後にほかの人の間に生れて
できた子供の名前を前恋人と同じにしたというラストの構成はあり得ないと思うが、まあ
いいでしょう。どこが3月3日だという説明は難しい。ラブストーリーだもの。
 「スワンソング」 著者 大崎 善生  角川書店 定価1500円+税
  ( 平成19年8月31日 初版発行 )