BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

金の亡者

2015年04月29日 | 古本
 事件内容も品がないが、書きようもまた空しい。ここに書かれていることは億単位の金や
株をどちらが何パーセントとか、金の亡者たちには全く楽しそうな世界だ。帯コピーもすっ
かり品がなく恥ずかしい。買って読んでまったアタシも恥ずかしいが・・・(笑)
 『昭和、平成 震撼「経済事件」闇の支配者』 著者 大下 英治  青志社 
  ( 定価1600円+税 2014年10月28日 第1刷発行 )

タンスにゴーン

2015年04月24日 | 古本
 なかなかどうして世界の最貧国の最前線だ。極貧もそうだが子供たちを障害者に仕立てて
(それも半端じゃない危害を与えて)物乞いさせ、それを巻き上げるマフィア。いたたまれ
ない極貧の現実がわんさと。
 ところで日本の大会社の社長さん、オッサンのタンスにゴーンさん、めまいするほどの億
単位の給料もらって、お金って邪魔にならないものか。そんな大金をどうやって使うのか。
経験のないアタシには分らんとです(笑)

 「絶対貧困」 著者 石井 光太  新潮文庫 定価550円+税
  ( 平成25年6月5日 7刷 )

KANDA

2015年04月22日 | 古本
 神田 一明 神田 日勝の画家兄弟は驚くほどその画風や構図・テーマが似ている。ただ
一明氏の絵には絵の具の厚みが無く感じられ、立体感もさほど感じない。アタシは圧倒的に
日勝氏が好きで、鹿追町にある「神田日勝記念館」には何度も足を運んだ。
 そしてもう一つ驚くべきことは、兄一明氏の画集の年譜には弟である日勝氏の存在が何も
触れられていないことだ。(反対に日勝氏の年譜には兄一明氏のことが何度も出てくる)
一明氏の年譜には<1945年・11才 東京の空襲激しく一家(両親、兄弟5人)で開拓
者として北海道河東郡鹿追村に入植。>と。その兄弟5人の中に当然日勝氏が入っているの
だが、ほんのわずか兄弟5人として、そこに日勝が含まれてるということだ。
 1970年に日勝が亡くなった年でさえ「第3会北海道秀作美術店」に招待作品を出した
こと、神田 一明・比呂子(夫妻)二人展に出品とだけ。これはどうしたことか、兄にとっ
て画家としてより評価の高い弟、日勝氏に触れることはタブーなのだろうか。
 中学校を卒業して農家をやりながら絵を描いた弟日勝、東京藝大で油絵科に学んだ兄一明。
この差はどういうことだったのだろうか。なにか兄弟で確執があったのだろうか。
 
 「神田一明 画集」 発行者 神田 一明  私家版(?)3500円+税 
  ( 1999年8月5日 発行 )

 

それを愛?

2015年04月18日 | 古本
 桜木さんそこへ着地するのですか。作家さんはいろんなタイプの小説を書かねばならない
ことは分りますが。「ブルース」が最高傑作だけに、なんだかナー、そこまで追い込まなく
ても。なんだか結末を急いだ様に感じてしまう。もう少し長編でもよかった。
 1頁だけサービスカット?(P-223)があったのは嬉しいが(笑)

 「それを愛とは呼ばず」 著者 桜木 柴乃  幻冬舎 定価1400円+税
  ( 2015年3月10日 第1刷発行 )

十 月

2015年04月15日 | 古本
 エルネスト・”チェ„・ゲバラが死んだのは1967年10月9日、39才だった。その
時18才だった戸井さんは、自分の青春に楔を打ち込まれた、と書いてある。
 もしかして十月という筆名は、その死を忘れぬようにという思いから付けたのだろうか。
実際には本名ということだが十月(戸井さんは1948年10月生れ)には何か因縁がある
と感じる。
 フィデル・カストロもラウル・カストロも、今も健在なのだから、それより年若いチェさん
が今も生きていてもなんの不思議はない。
 今年になってキューバとアメリカの国交正常化交渉が進もうとしている。ほぼ半世紀前の
国交断絶にチェ・ゲバラがいて、正常化交渉にラウル・カストロがあたる。歴史とは因果だ。
 P-246<何をなすか、何を手に入れるかではなく、どこに向かって歩き続けるかが人
生で最も大切なことだいうメッセージを、死んで40年以上が経った今もゲバラは発して
いる。>と、戸井 十月さんは書いた。御意にござります。
 「ゲバラ最後の時」 著者 戸井 十月  集英社文庫 定価495円+税
  ( 2012年1月25日 第1刷 )

瞑すべし

2015年04月13日 | 古本
 以前道新の夕刊にエッセイで書かれていたことを印象深く覚えていた。残念にもその記事
をスクラップするのを怠っていた。するとその記事がこの本にルポ・エッセイとして所収さ
れていた。とりわけ記憶していたのは以下の部分です。
 「行政と暴力 もう一つの戦慄」からP-215頁
<もしわたしが今後のどかにガーデニングとか、素敵なバーとか、北海道日本ハム・ファ
イターズのことしか書かなくなったなら、それはわたしがこの世を覆う暴力に震え上がって
恐怖に身を縮めたときである。残念ながら、いまのわたしには、そんな日は絶対にこない
とは、確信持って言うことができない。>
 うむ~、もって瞑すべしである。

 ルポ・エッセイ集「わが夕張 わがエトロフ」 著者 佐々木 譲  北海道新聞社
 ( 定価1500円+税 2008年9月5日 初版第1刷発行 )

 ※ダチのカフェのリニューアルオープンで登別へ1泊で行ってきた。
  今後の展開がスリリング。

よみがえる

2015年04月07日 | 古本
 単行本のタイトル「ちあきなおみ 喝采、蘇る。」を以前より探していた。すると「ちあき
なおみに会いたい。」と改題され文庫になっていたのは儲けものだ。
 アタシの長距離の旅のお供はちあきなおみCDで、誰にも迷惑をかけないのだから車内を
大音量にして、ひたる。
 1992年に夫の俳優・郷 治さんが亡くなったことを境に、ちあきさんは歌うことを
封印し全ての表舞台を去っている。もう60才代になっているちあきさんを見たいとは思は
ないが、元気でいてくれたらそれでいい。沢山のいい歌を残していてくれたのだから。
 「ちあきなおみに会いたい。」 著者 石田 伸也  徳間文庫 定価600円+税
  ( 2012年5月15日 初版 )

 沢木さんの映画に対するまなざしは優しい目だ。きっと世界中の地に土地勘あるからだ
ろう。そして少なくとも取り上げられた作品を堪能している。読むとつい自分もその映画
を見た気になってしまう。朝日新聞紙上で15年にわたる映画評エッセイ。
 「銀の街から」 著者 沢木 耕太郎  朝日新聞出版 定価1600円+税
  ( 2015年2月28日 第1刷発行 ) 

うえざさん

2015年04月02日 | 古本
 まれに新聞などでエッセーを書いているのを読んでいた。しかしこんな風にまとめている
のは知らなかった。タイトルからして頭から除外していたらしい。
 書斎などはなく、台所の横にある机に向かって書いていると。正直でその飾らなさがいい。
函館に腰を据えて書いているだけでも価値がある。
 江戸物は文章をいちど頭で現代文に変換するのが面倒でつい避けているのだし。でもきっと
宇江佐さんのなら読みやすい気がする。そのうちにです。
 「笑顔千両」 著者 宇江佐 真理   文春文庫 定価648円+税
  ( 2010年9月10日 第1刷 )

 ※棚奥上にある機材を取り出そうとして下の鉄製の棚板に足で体重をかけたら、板が真ん中
で折れ曲がってしまった。とほほ・・・で、なにかと気忙しいこの頃。4月だ。