BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

エゾ梅雨空け

2014年06月22日 | その他
 1頁21行・587頁・重さ712グラムの本はなかなか読み進まないし、サッカーなど
新聞で結果が分ればいいくらいだし、映画もアタシの好みにあうのがないし、長かったエゾ
梅雨も空けたようだし、ちょいと4Kカメラのテストを兼ねてロケハン・撮影の旅へ。
 当分は「道の駅」の車中での寝袋にくるまるタビだ。標高500メートル、笛、鈴、爆竹、
防虫アミ付帽子、クマ撃退スプレーを持って。スプレーは20年前に山のVPで用意したも
だから効果はどうか。消費期限キレかもしれないが、この辺でテストするワケにも(笑)
 さてさて、あの駅はどうしているだろうか。

けって立つ

2014年06月20日 | 映画
 チケット窓口でチラシがないと言うと、上映期間になると当該チラシは引き上げるのだと
いう。紙上で何か知りたければパンフレットを買いなさいという方針なのだそうだ。げげっ、
そんなバカな。実際足を運んで見に来た観客に対して紙1枚のチラシも渡さないとは、なん
という愚劣な行為。映画を観たうえであらすじや役者・スタッフの確認などしたいではない
かか。なんという観客への思いやりのなさ。こんなことしているのは「札幌シネマフロンテ
ィア」だけだろ。(他ではそんなことしていないし、チラシが底をついたというケースはあ
ったが)しかるべきところがあるなら、大いにアタシは憤慨して訴えたい。ぷんぷん。
 今後他で同作品の上映があるなら「札幌シネマフロンティア」には行かないことにする。

 さて大作さんの映画「春を背負って」だが、歳をとると説教好きになるというのは本当ら
しい。まるで高校の教頭あたりがいう、分りやすい人生訓を聞いちまったきがする。
 両サイドのご婦人は盛んにハナをすすっていたが、この程度のことで泣くなら、TVニュ
ースで泣くべき場面はいくらでもある。松山ケンイチという役者、セリフがないときのマヌケ
ズラ、そして多々ある余分な説明的セリフ、あんなんでいいの撮影・監督の木村 大作さん。

 時間のタイミングが良かったので続けて2本目を観た。「私の男」なんだか暗くて耳の
悪いアタシにはセリフが聞き取りずらい。今度から浅野忠信さんのセリフには字幕を付けて
欲しい。浅野 忠信映画に傑作なしだ。
 逡巡もなく愛に飢えているからといって、あの秘め事、タブーを犯していいのか。アン
モラルだといいたいのではなく、血の雨が降るほどの共感が出来ないといいたいのだ。
 多分、紋別の市民の方々に多くの協力を得ただろう。その人達の、15才以下に見せられ
る、見せたい映画だろうか。こういう映画の各地で協力するFCの皆さん、アタシはまった
くもうお気の毒に思う。映画ってそんなにエライの?(笑)
 流氷と雪の美しさ、その逆にある映画人の傲慢な醜悪さ、あんまり見たくない。

 エンドロールが流れ始めると、暗い内から両サイドのご婦人が席をけって立った。アタシ
その気持ち分りました。 映画「私の男」監督・熊切 和嘉  浅野 忠信 二階堂 ふみ
堂々のR15+だ。

 ※写真はチラシではなく、6月の上映ニュースを切り貼ったもの。ったくもうぷんぷん。

正午さん

2014年06月18日 | 新 刊
 正午さんのデビューは84年の「永遠の1/2」、あれから30年で単行刊が32作。
佐世保に暮らしながら年一作のちょうどいいペースだ。そのすべてが本棚のどこかにある。
本作は短編と中編の5連作系、中編の「ダンスホール」はやや複雑で分りにくいが、それでも
短編はとてもいい。巧いというしかない。通りかかった書店にて久しぶりの新刊文庫。
 203頁の13行目の上、句読点に似た読点の2倍くらいな点が印刷されている。これっ
て誤植の内に入るのでしょうか(笑)落丁本、乱丁本とも言えないだろうけど、多分他の
文庫にも印刷されているハズだ。

 「ダンスホール」 著者 佐藤 正午  光文社文庫 定価600円+税
  ( 2013年11月20日 初版第1刷発行 )

椎 名 町

2014年06月16日 | 古本
 山手線池袋駅から西武池袋線が出ている。その池袋駅から1つ目の駅が椎名町駅で、2つ
目が東長崎駅だ。その2つの駅から歩いて10分くらいな千早町と東長崎のアパートのそれ
ぞれに住み、都合3年以上は居ただろうか。どちらも相当なボロアパ-トで誰も鍵などかけ
ていなかった。部屋に貴重品など無かったし、代々住人は勝手に入れ替わり、いつも誰かが
来ていて、誰それに紹介されたといえばそれでよかった。家賃を払えばうるさく言う大家さ
んでもなかった。
 思えばそこから歩いて数分のところに、この歴史的大事件の現場は在ったのだ。だが住ん
で居た時は事件が有ったことは知っていたとしても、その現場建物を意識して見に行ったり
することは無かった。アタシの20代のころのまだ20数年前の出来事だったのにだ。
 「帝銀事件」について書かれたものは意外にも少ないようだ。現にいつもの古本屋さんで
帝銀事件系を見つけたのは初めてだった。
 平沢さんは「春画」を書いてお金を得たことを、自分の命に代えても自白はしなかった。
それは画家としての、命より重いプライドだったのでは。青函連絡船で医者と乗り合わせ、
名刺をもらった偶然が大きく運命を変えたのだろうか。
 平沢 貞通 画家 1892年~1987年、95歳で亡くなるまで39年間獄に繫がれ
た。彼の養子になって「救う会」を支えた平沢 武彦氏も2013年10月に亡くなった。

 「帝銀事件の真実」 著者 ウイリアム・トリプレット  訳 西岡 公  講談社
  ( 19873月20日 第1刷発行 )
 

笑えない

2014年06月13日 | 古本
 いまさらですが、この外務省高級役人の不作為や不勉強は目に余る。自分の出世だけを目
論見、大過なく過ごして退職金をしこたまもらい、天下り先を物色してそこでも大金をせし
める。ああうらやましいのう(笑)
 しかも時にとんでもない方向に仕事をして、民を危うくする。なぜこんなにも人は組織人
になると、体制に絡めとられて志しを失くしていくのか。この劣化していく役人たちによっ
て、民の国は滅ぶのか。近くの国のことを笑えない。

 「さらば外務省」 著者 天木 直人  講談社 定価1500円+税
  ( 2003年10月31日 第6刷発行 )

さばいて

2014年06月09日 | 古本
 まったく懐かしい人々のオンパレード。やっと古本屋さんで見つけた一冊。
 沢木 耕太郎さんがいい本だといい、秋田 明大氏が立派だといい、出久根 達郎さんが庶民
生活史だと評する。幸せなおミッちゃん。
 「新宿、わたしの解放区」 佐々木 美智子 〈聞き書き〉岩本 茂之  寿郎社    
  ( 定価2500円+税  2012年11月20日 初版第2刷 )

 古本列伝の素晴らしさは出版されて時間が経っていることが多いので、それはそれで冷静
に読めること。久住書房が西区琴似から大谷地に行かれてしまったのは、ワシらのせいだ。
金のある人は新刊をどんどん買って、古本屋さんにさばいてくれ(笑)
 「じゃあ、北大の先生に聞いてみよう」 中島 岳志編  北海道新聞社
  ( 定価1400円+税 2009年12月26日 初版第1刷発行 )

陽 子

2014年06月06日 | 古本
 装画は 松本 竣介「女」(3)大川美術館蔵

 この画がなによりも言い充てている珠玉の小説。医学論文的な病歴要約も苦にならず読め
る、これぞ年1冊ほどの南木さんの仕事。陽子も黒田も桑原も、すべて南木さんの分身。

 「陽子の一日」 著者 南木 佳士  文藝春秋 定価1300円+税
  ( 2013年3月20日 第2版発行 )

11年後の卒業

2014年06月02日 | 古本
 60年代後半に公開された映画「卒業」の11年後(1974年)という設定の後日談
続編小説だ。それが2007年に「HOME SCHOOL」という原題で出版された。
しかしこれを読むと1963年に発表された小説「卒業」から44年を経て、なぜ11年
後の設定でいまごろの出版かという理由と、多分売れないだろうという予測はつく。
だってあの教会から花嫁をかっさらった映画の直後の話ならともかく、10年以上も経った
あの2人の生活のはなしなんて、読まずとも分るってもんだ(笑)
 それも全くカルトかって言うくらいヘンテコリンで、〔イカレテル〕小説だからだ。
女々しく邦題は『「卒業」Part2』なんちゃって、面白くないたらありやしない。
映画の続編が無かったのが幸いだった。

 『「卒業」Part2』 著者 チャールズ・ウェップ  訳 羽田 詩津子 
( 定価1524円+税  白夜書房  2008年9月30日 初版第1刷発行 )
 ※ 欧米で話題沸騰、大絶賛!とオビにあるが、まったくオビにも程がある。